今日の市況(2011年08月24日)
かたる:僕は現在3つのコラムを毎日書いていますが、午前中に書いたビスタの原稿を紹介しましょう。
『〈米国の話〉…生産効率の悪い国で、雇用が必要な非効率な産業が伸びるとは思えません。だからこそ米国も日本もそうですが、新技術開発を促進させる政策規制が必要ですね。
この流れは、昨日話した待機電力ゼロ規制や自動車の燃費規制、京都議定書のCO2対策の流れです。既に日本に高炉が何基も必要はないのです。新日鉄は長期ビジョンがないから株式持ち合いなどと言う既得権維持の行動をとり、世界競争に敗れているのですね。アウディーの新車はアルミを使い、車体を軽くしていると言われていますが、安くて強く軽い素材開発は進まないのでしょうか?
日本でやる仕事は、付加価値の高い鋼板開発で、汎用品の鉄鋼は海外で生産し、日本に輸入すべきですね。だから私は日本が変化するバロメーターの一つとして、トヨタのカローラ生産移転を指標とも捉えています。トヨタ社長は、あの当時の新日鉄の三村さんと同じ行動に見えるのですね。変化を怖がっていると言うか…間違った固定概念が〈雇用確保〉、日本の進歩を遅らせているようにも感じます。
日本国が為替介入をするのもおかしい行動に見えますね。自国通貨をやすく抑え、輸出を伸ばそうとするのは、労働賃金の低い新興国のやる行動ですね。既にデフレ先進国の日本は技術革新のパーツを集め、形にすることが求められているのです。京都議定書のCO2対策は産業界から反発がありますが、そんなものは日本に要らない産業で、海外に出ればいいのです。
最も価値がある企業とは…文化を創造できる企業ですね。アップルのスマートフォンは時代を変えました。ソフトバンクのパラソル戦略が、日本をインターネット先進国に押し上げました。だから関連企業がドンドン栄えていますね。楽天もそうだし、DENAもそうです。みんなソフトバンクのおかげですよ。
あの強引な手法は一時、批判を浴びましたが、あの行動が日本を変えましたね。だからこの情報網を進化させるインフラ整備が必要なスマートシティーが、あたらしい方向性でしょう。震災はエネルギー問題を考えさせる切っ掛けを作りましたね。エネルギーの見える化は必要ですね。人間は常に見える化で目標意識を持つ動物ですからね。今までは電力料金の明細表も見なかったのに…。
世の中で最も素晴らしいのは、やはり文化ですね。人に感動を与える行動です。人間は金儲けだけでは動きません。その行動に社会的な貢献度が感じられないと駄目なのです。…」と結んでいます。
このような動きが日本にいつ現れるのでしょうか? 最近、経産省が自動車の燃費規制を発表しました。このような規制は技術革新を促し歓迎ですが、自由な行動を縛る規制が多すぎますね。省エネならLEDだけを売ればいいのですね。電球など売らせないようにすればいいのです。そうすれば高くてもLDE化は進みます。こうやって新しい産業を育てます。勿論、制裁的な方法より、前回行った補助金も効果を上げますね。ただ政府は今はお金がない。お金を作る方法はたくさんあります。でも知恵を働かせるために、その行動を批判する人が居ますね。必ず、変わった行動は批判を浴びます。ソフトバンクのパラソル戦略はかなり批判を浴びました。でもあの行為のおかげで既得者権力のNTTも変化したのです。だから日本はインターネット先進国になった。ヤマト運輸の小倉さんは運輸省と闘い、全国の運輸網を構築したから、だからネットショッピングが栄えているのです。先人の努力のおかげですね。
同じことが、今、求められていますね。僕には不思議ですね。何故、お財布携帯を政府は推奨し、キャッシュレス社会を構築しないのでしょう。携帯電話にはGPS機能が義務化されており、犯罪もなくなりますね。税務署も必要なくなります。どんどん効率化が進みますね。脱税はなくなるしフェアな社会が構築されますよ。その為に、いろんな実験が必要です。だから震災を利用すれば良いですね。震災地、福島の土地を政府が買い上げ、民間に未来社会構築を委ねます。政府はその開発費を援助します。10万円の土地は世界中のセレブが住みたい都市に変えれば100万円でも売れますね。田舎に高級マンションが誕生し、億ションが作られます。キャッシュレスの未来社会、原発も最新のものを建設し地元の電力料金をゼロにして、産業を誘致すればいい。勿論、企業減税も考えれば、世界中から人やお金が集まりますね。簡単なのですね。批判を恐れないで行動すればいいのです。
スマートシティーの見本が誕生すれば、そのノウハウを海外の都市づくりに生かせ、建設業は潤いますね。西松のシールド工法は、下水道から電気やガス、ごみの処理まですべてを運搬するパイプを地中に造り、緑豊かな近代未来都市には、公共の路面電車などの乗り物で移動できます。車も制限し自転車を利用し移動してあとは公共交通を使います。
日本のGDPは550兆円、東証一部の時価総額は257兆円か…半分ですね。何故、こんなに魅力がないのでしょう。豊かな未来があるならGDPの2倍になっても良いですね。戦略や理念がないと日本は動けませんよ。利害関係を超えて震災復興を起爆剤にして未来社会の構築を始めます。財源などいくらでも作れますよ。福島は世界で一番、素敵な街に変化しますね。
時代や:相変わらずの自説だね。くだらない。空想だ。いや妄想かな?それより何故、米国は大きく上がったのに、日本株は安いの?
かたる:だから「流動性の罠」だって、言っているでしょう。基本はワールドマネーの委縮ですね。日本も日本人は株を買わないから、外人投資家の力を借りるしかない。しかし外人は既にワールドマネーの委縮で世界不況まで視野に入れている可能性があるね。このところブラジルの話をよくするが…、新興国の代表として中国が一番大切だけれど、ブラジルも指標の一つです。何故ならオリンピックなどを控えているからね。その国からの資金引き上げが止まったかどうか…下のチャートは3年のものだが、資金の引き上げられている様子が分かると思います。既に昨年の5月の安値を更新しています。一方、米国は昨年7月に1万ドルを割れてから、QE2の行動を起こしたんだね。新興国は安値を付け、米国はまだ昨年の安値まで余裕があります

時代や:つまり株は上がるのか、下がるのか?どっちなんだよ。
かたる:米国の戦略次第だよね。ただ言えていることは、株が下がっているほど実体経済は悪化してないよ。要するに先走る不安心理を抑えることが出来るかどうか…基本は金融経済が委縮すると、必ず実体経済も影響を受けるんだね。この弱気な人間心理が流動性の罠を生んでいる。米国債の金利は3%から2%に下がっているよ。それにも拘らず行動が起きない。日本が不良債権を抱え過剰な融資規制を実施した状況に似ているね。かなり深刻に状況に見えるからお金が動かない。だからインパクトのある政策がないと、このままじゃ、間違いなく失速するよ。
でも米国の副大統領はオバマが休暇に入っているうちに、債権大国の中国、日本を回り根回ししているね。おそらく間もなく政策は発動されるでしょう。その行動を待ってお金が動けるかどうか…要するに最終段階の下値固めでしょうね。僕は市場原理主義の米国を信じているよ。来年は大統領選がありどうしても演出が必要なのだろう。現状から見て株価を大きく上げることはできないから、来年の演出の為に下げている布石とも考えているね。動揺している日本株は買う人が居ないから下げているだけの話。ファンダメンタルが悪化しているようには感じられず、買い場には違いないが問題はタイミングだろうね。日本を代表するコア30は止まらないね。
トロ:かたるはあまり話したがらないが…1万ドルを再び割れるんじゃないの?今回は嫌にムードだよ。財務省のあの対策は何なのかね? さっぱり狙いは分からないよ。かえって悪化させているようなイメージだね。
かたる:野田さんの話は見てないので分からないが…市場環境を見ていると、ここに来て下げが加速しており、底入れは近いと思うが…まだ分からないね。トホホ。2日間続いて三菱UFJは出来高が1億株を超えているね。このチャートは底入れになっても不思議ではないが、やはり株は分からないものだね。


投稿者 kataru : 2011年08月24日 15:13