今日の市況(2011年08月23日)
かたる:不思議なことに…米国金融株がかなり安くなっているね。まぁ金が買われドル本位制に疑問符が付くワールドマネーの基軸通貨に問題が生まれているのだから、影響度が大きな本家の金融株が安いのは仕方ないが、困ったことにオバマ政権は、銀行に対し規制を強化し、これまで発行された住宅債券の責任を問う姿勢を崩していないね。これまで何度もIRNETではGSEの問題を指摘しているが、この関連処理が未だに続いており、この度の米国債格下げの試練に重なったことが事態を悪化させているようだよ。
実は、不思議だったんだよ。僕には三菱UFJが下がる理由が見えなかったのだが、これでハッキリしたね。モルガンスタンレーへの減損会計を市場は気にしているのだろう。やく10ドルほど下に位置しているから、大きな金額になるね。下のグラフを見るとモルガンだけでなく米国の金融株は下値を探っている感じだね。

トロ:減損処理は、いくらぐらいになるの?
かたる:78億ドルで総額は、円高の影響もあり6271億円だから、25ドルから15だからね。2500億円程度じゃないの。たしかに痛いが、決して驚くほどの金額でもないよね。この影響などが背景にあり、好決算だったのに反応しなかったのだろうね。
トロ:モルガンだけでなく、市場はバンカメの社債金利(6.152%)が上がり、従業員の解雇と共にCDSも上昇し、混乱しているように見えるよ。更に議会はS&Pの姿勢を問うと言う下地がある所に、今度はデブン・シャルマ社長が退任すると言うから…誰が考えても更に混乱しそうだよ。
時代や:米国債格下げの報復が始まるの?
かたる:困ったことだよね。実はS&Pは事前の通知資料に2兆ドルの計算違いして財務省に格下げの事前報告をしていたが、財務省はこの間違いを指摘して、格下げはないものだと思っていたんだね。ところがS&Pは、その計算ではなく、議会の混乱を引き下げの主要原因にして格下げを実行した。そのような背景があるから、いろんな憶測が生じるのだろう。
日本でもそうだけれど、足の引っ張り合いは、何の事態の進展を生まないね。自民党のようなものだよ。もともと自民党が財政を圧迫させ、原子力行政を推進してきたが、自分たちは傍観者の立場ですましている。民主党の代表選も小粒で…。たしかに前原さんには期待がかかるが、僕には中国漁船拿捕の責任があると思うよ。幕引きのタイミングを逸し、結局、外交問題が滞ったね。主義主張は明確に通さねばならないが、弱い立場の日本は譲歩するタイミングがいつも必要な立場だよ。米国も弱っており、その米国も明らかに日本を格下として扱っている。
日本が復活するには、この円高と言う通貨高を利用して国際戦略を加速させるべきだが…批判を恐れ行動する人間がいないね。今の日本は普通のやり方では、この泥沼から脱出できないよ。兎も角、スケールが違う人間が復興計画からスマートシティー構想を実現しないとならないよ。いくらでもお金が集まるアイディアはあるのに、くだらない小さな事ばかりが先行し、肝心の理念がなくなっているよ。
代表選に立つなら、主義主張を曲げては駄目だね。法案を通すために自民党と妥協するやり方はこれまでの自民党と同じことの繰り返しで、みんなの意見をまとめる官僚手法だね。ここは冒険が必要だよ。世界で一番恵まれた環境に、日本は位置しているのだからね。技術革新を選考させステップアップしないとならない。
時代や:カタルの見方は、なかなか具体論に結びつかないよ。
かたる:先進国が汎用品の車、所謂、ガソリン車だけれど、そんなものを作っていることがおかしいよ。マーチもカローラも中国や韓国に任せればいい。日本は情報技術に特化したハイテクカーだけを生産すれば良いね。僕のイメージはEVもそうだが、最近は衝突前に自動的にブレーキが働き、ハンドルを切る仕組みや、カーナビが空いている道を選択してくれるシステムなどの情報処理技術が進んでいるよ。更にガソリン車もマツダのように低燃費でハイブリットと同じ走行距離を走る車など、燃費規制を高めることも必要だね。
オバマ大統領は産業界に押され、京都議定書の採用を見送ったが…あれは間違いだね。先進国は難しい課題にチャレンジしないとならないね。今、欧米では待機電力規制が行われるらしいが、このような先端技術への転換を急ぐべきだね。LEDだって同じこと、まだ日本では電球が売っているが、こんなものは売れなくすれば自然に買い替えは進み省エネ化になるよ。バルミューダが発売したグリーンファン2と言う扇風機は、34800円もするが売り切れており1か月待ちだと報道されていた。なんと、今までの扇風機の90%も消費電力が少なくなると言う。既存の扇風機は30Wだがグリーンファン2は、僅かに3Wの消費電力だと言うんだね。
テレビの待機電力をなくす製品が間もなく登場するとか…東芝が開発しているらしいが…サンケン電気の日経新聞報道は面白いね。更に日経産業のタムラ製作のアダブターの報道も気になったね。要するに規制を世界基準にすることだね。そうして技術進化を遂げて成長率を独自に上げるんだ。内需振興だよ。
ようやく汚染地域の土地を買収する話が出ているようだけれど、福島県を丸ごと買い上げ、未来都市建設を進め、電力料金も安くし、交通も通信も効率化してキャッシュレス社会を構築するモデル社会にすればいいのだ。財源はいくらでも集まるよ。日銀が保証する債券を発行すれば良いね。10兆円でも20兆円でも…世界で最も安全で安心で暮らせる未来社会なら、誰でも住みたくなるね。世界中のお金持ちの移住を認めればいいよ。地価は10万円で買ったものが100万円で売れるよ。原子力だって再びやれば良いと僕は思うよ。そうして東京へ高い価格で送電し、発電する地元は無料にすればいい。そうすれば安い料金を求め世界中から工場が集まるね。企業には税金を無料にして、工場で働く人の所得税や生活する消費税を取れば良いよね。その資金を返済の財源にすればいい。
円高なら、いくらでも産業構造を転換させる方法がある。
時代や:与太話はそれぐらいにして…カタルがコラムでDENAの事を書いた後、グリーにGSが引き下げ見通しを表明し、DENAも大幅安したけれど…どうなのかな?
かたる:僕は1万円になると…前から言っているよ。でもその過程は直ぐ行くわけじゃないよ。来年か再来年でしょう。でも株価が崩れるとは考えていないね。南場さんが玉を外し、この環境下だから多少は売りに押されるだろうが…。基本的にDENAは先を歩んでいるよ。僕がグリーではなくDENAを選択しているのは、先の転換を見越して行動しているからだね。3年ほど前かな? その時に米国と中国に拠点を設け、次の展開を準備し今年の7月かな? 営業活動に入っているし、スマートフォンの雄、アップルじゃないよ。アンドロイドのサムソンと提携し、AT&Tとも提携し、業務拡大を急いでいる。その成果は早くて年末、来年には判明するね。だから次にこのラインから一気に伸びるには実際の数字が見えないと無理だよ。だから4000円から5000円のボックス相場じゃないかな? 最近だって、シンガポールやスェーデンに現地法人を設立しているね。着々と世界戦略がとられている構図が見えるからね。大丈夫だよ。
ソフトバンクの株価は弱いが、気にすることはない。目先筋の投げだろう。自社株買いを実施しているのだろうから大丈夫。スマートフォンの伸び率は鈍るだろうが、通信料が増すから設備投資費用を吸収するだろう。だから日経が、何度もアンリツの支援記事を書いている。アンリツの収益上昇はこれからだよ。僕は既に株価が上がったから、あまり興味が薄れたが…。基本的に僕は隠れた段階が好きで、世に出ると…どうも嫌いになる傾向があるあまのじゃくの性格だね。
個別株じゃないが、QE3の行方が、次の銘柄を決めるんだね。間違いなく米国は経済対策を出すし、その絡みが相場に大きな影響を与える。株式教室で反省をしたようにQE2の終了が「流動性の罠」を生み、新興国の経済が落ちるとは考えなかったね。でも市場原理を見れば、いつも上げたら下げるのくり返しで、上げ続けるDENAのような成長株を見つけるのは難しいからね。
トロ:まだDENAが成長株かどうかわからないよ。
かたる:そうだよね。トロのような人間が納得するためには収益が向上しないとならないよ。だからここは株価が値固めで休み、本格的な上昇は早くて年末から来年になるのだろうね。でも5000円程度なら十分あり得る水準だと思うけれど…。
時代や:全体は上がっているのに、お奨めの三菱UFJは下げているが大丈夫なの?
かたる:心配ないよ。目先弱ければ天与の買い場。必ず開発投資の行動を日本は採用するよ。既に地所などの一流企業は投資行動を始めておりこの輪が広がるよ。問題は速度だね。政策支援があれば加速するが…政府が主導になる必要はないんだよ。支援すればいいんだね。早く、汚染地区を国で買い上げ民間に開発を委ねればいいんだね。除染処理が必要ならするし、未来都市の開発もやりやすいよ。問題は虫食い状態ではなく一体開発できるような法律が必要だよ。成田空港のようなケースを繰りかえすバカ行為はやめた方が良いね。
明日は有望銘柄の参考リストでも時間があれば載せようかな?ただ僕はAOCや大阪チタン、そうして下げている三菱UFJは何れも有望だと考えているよ。方向性がハッキリすのは米国の経済政策だろう。僕が何故、太郎に拘っているのかと言えば、IAEの突然の原油放出などの行為は布石だと考えているんだね。更に年初の米中の対立のレポートだね。リビア情勢が改善しても原油の供給は、数年、先になるとFTは報じていたね。何故、このタイミングでこんな報道をするのだろう? そんな風に周りを読むと大きくなりそうな気がするが…やはり米国の政策次第だろう。

投稿者 kataru : 2011年08月23日 15:41