今日の市況(2011年06月27日)
かたる:さっぱり…だね。閑散な市場展開が続き、需給面では強弱感が対立し、綱引き状態が続いているね。前回、日立に期待して中央突破を考えたけれど…震災復興の動きは鈍く市場の期待感は鈍いようです。ここ数日、言われているのは、日本が復興需要で立ち上がると言う見通しですが、市場を見る限り先取りする動きは、若干、存在するが…非常に弱いね。
トロ:例えば太平洋セメントか? でもほとんど追随はないね。
かたる:実際の復興予算は、第三次予算と言う小出しだからでしょう。次期政権の話ばかりで…肝心の政策の話に進まないからね。きっと市場には気迷いがあるのでしょう。でも市場を見ると不思議だね。最近、ずっと感じているが…日本の相場は諸外国に比べると強い印象を持つんだね。この感覚は僕だけかな?
時代や:動かないだけじゃないか…。別に強くはないよ。
かたる:でも昨年はNY市場が上がっても日本株は下がり、NY市場が下がれば輪をかけて下がる繰り返しで、一貫して弱かったよ。でも今年は震災の影響で下がっているけれど、ジワジワと最近は上げ始めている印象を持つね。一例を掲げれば桃太郎。鬼ゴムだね。

トロ:確かに自動車関連は、下期に急回復が予定されているね。それに日産自動車系列じゃないか…先日、ロシアにも布石を打ち、昨年の5.8%の世界シェアを、8%に拡大すると発表した会社だからね。過去の日産世界シェアの最高は1991年の6.6%だったんだね。だからじゃないの?
かたる:トヨタは米国に力を注ぎ失敗したが、日産は新興国に軸足を向けているからね。今日の日経新聞にも、銀行が新興国融資を増やして収益を上げると報道されていたね。この話はバーゼルと絡み、日本を変える動きだけれど…市場が理解するかな?
時代や:面白い言い方をするね。市場が理解する?まるで自分の考えが正しくて市場が間違っているような、独りよがりの考え方だね。まぁ、カタルらしいが…。一体、どういう事なの?
かたる:なるほど…独りよがりか。たしかに僕はいつも自分の考えが正しいと思っているね。日立を本命から外し、下がっていく東電を本命に据えたのは、原子力賠償法が背景にあり、選択として東電の免責か有限責任が正しい選択だと思ったんだね。間違った政策を採用したから、各地で原発の再開も難しくなっているし、他の電力株まで波及し日本全体のエネルギー政策が宙に浮いてしまった。
もし政府責任にしておけば、ここまで混乱しないし、問題は広がらずに最小限の被害で日本は再生を果たしただろうね。電力料金の値上げから、日本の製造業が一段と海外へ移転しているのは、必然の結果だね。短期的には日本の雇用は失われ、空洞化問題が浮上する。でも最近は「災い転じて福となす」の論者に変貌しているが…。やはり僕の選択は正しいと思うよ。市場の…、世の中の選択が間違っているんだね。
トロ:おぉ、強気のカタル節だね。でも何故、最近のお前の強気を支えているのは、どういう事なの?
かたる:一つは20年ぶりかな?
日銀の政策転換で初めてデフレの元凶である資産デフレに日銀が立ち向かったことだね。昨年の10月に日銀はリートとETFの買い入れを始めたよ。更に貸出しの低迷に対し、日銀自ら融資を即す窓口指導を、最近は少額ながら採用しているね。嘗て、日銀は銀行に対し絶大な力を保持し、窓口指導に銀行は従っていたね。更に…驚くことに、あの金融庁が変化すると報じているよ。泣く子も黙る、目黒謙一さんや木村耕三さんは金融界の鬼門だった。何しろ、三和銀行が飛ぶんだから…ね。
新聞報道は「規制から振興へ」と謳っている。もしこの報道が本当なら…先日のコラムで書いた実体経済と、それを補助する金融経済が一体化し、日本経済はデフレを脱却し正常な前向きな社会へ転換できるよ。折しも世界はインフレに苦しんでおり日本にとって願ってもない環境だからね。
更に、バーゼルでは自己資本比率を高める決定を下し、日本の金融界は総資産経営から決別する。つまり効率的な利益を求めるROE経営が主流になる。だから日経新聞の新興国で稼ぐ報道に繋がっているんだね。つまり銀行がROE、自己資本に対する利益率を重視する経営を実施し、その動きは産業界を指導するから、日立のような会社が増えるんだよ。儲からない規模の経営から、儲かるピンポイントの効率経営への変化が、加速する。
大雑把な背景はこういう事だね。長いデフレ社会の継続で完全に株価は下値を叩いた。2003年には、一度、保ち合い株の整理を終了したが、海外のヘッジファンドの活躍で新日鉄と銀行の株式持ち合いのようにライブドアなどが刺激になって復活したんだね。そのダメ押しの整理を、ここ数年再び迫られた。つまり保ち合いでも二番底を入れたんだね。2003年は外国金融の力で浮上したが…今度は自力だよ。本物だね。間違いなく理想の相場展開になるよ。
時代や:カタルはそういうが…サッパリ動かないじゃないか?
かたる:お前は馬鹿か…日本は世界で2番、いや3番か…要するに日本人が考えているより非常に大きな国なんだね。ドイツやフランスなんか問題にならないよ。大きな船がゆっくりと舵を切って、今度は180度、方向転換するんだね。ようやく息の長い本格的な上昇相場がやってきたように感じている所だね。でもあまりにゆっくりだから…間に合うかな?
時代や:間に合うか?って、どういう事。
かたる:それは僕個人の話だから、みんなには関係ないよ。ご飯と同じで始めチョロチョロ、中パッパ。最近の炊飯器は優れているから間に合うかもしれないが…。どうかな? まぁ、個人的なことは、兎も角、今日の動きを見ても感じるが、やはり強いよね。株主総会のせいかな? それとも僕の発想が正しいか? どちらだろう。
トロ:なるほどね。カタルらしい発想だね。窓口指導から金融庁の姿勢転換か…
かたる:JPモルガンのダイモンCEOは規制の為に景気回復が遅れていると述べているよ。先日、僕がコラムで書いた実体経済と金融経済は表裏一体の関係を裏付けている発言だね。金融庁は金融経済を規制によって抑え、実体経済のデフレを増長したんだね。金融が動かなければ実体経済は動かないよ。本来、金融はリスクを冒し将来性の高い産業に資金供給する役目を担っているんだ。ところが不良債権だとか…背任行為だとか…過剰な規制で金融を縛っていたんだね。その仕組みが大きく変わる。大蔵省のノーパンしゃぶしゃぶ事件から、大蔵分離で金融庁発足以来、初めての方向転換だよ。希望が湧いてきたね。
トロ:カタルらしい、先取り解釈だね。だから株屋だと言うんだね。まぁ、何れ時間が経てばそうなるかも知れないね。でもまだ現時点では分からないよ。可能性はあるが実現するかどうか分からない。方向転換は組織を変えなくちゃならないよ。木村さんが課長に抜擢されたばかりじゃないの? 同じ検査の人間が審査課長になったんだから、怪しいよ。あの日経新聞の報道も…。あまり、はしゃがない方が良いよ。

投稿者 kataru : 2011年06月27日 15:10