今日の市況(2011年06月24日)
かたる:日本株は膠着状態を抜け出せないね。下がるでもなし、上がるでもなし…模様眺めの中で僅かな値幅で終始している。果たしてこの相場環境で儲けることが出来るのかな? 手数料の安いネット証券で難しいのだから、手数料の高い対面営業ではかなり難しいだろうね。昨日紹介した川重とか…などを、時間をかけて手掛けるしかないのかな? 一押しの日立もボックス圏の動きだね。基本的に日本の大手自動車の世界販売は2%増の予想だと言う。日産が一番で15%減、一番悪い予想はホンダだったけれど…。その数字を見ると日立が、明らかに震災の被害があるのに上に感じているが、市場の評価は強いが…そうかと言って、大きく上がるようにも、今の所、見えない。
同じように高値圏で位置しているのが、KDDIだけれど…。携帯電話の中で負け組の印象はあるが、最近のM&A攻勢は面白い。住商が大株主のジュピターテレコムを皮切りに先日は京都のフェイスからウェブマネーを買収したね。M&Aによりネット企業への参入の狙いは何処にあるのだろう? ソフトバンクは太陽電池に向かうようだけれど…日本のネットビジネスは世界的にかなり進んでいるから、このノウハウを海外展開に利用するための布石だろうか? 本来なら、東電が株式を外すから下がると考えるのが普通だけれど、逆に発表から上がっている所を見ると、外人投資家の評価はかなり高いのだろう。

一株利益は6万円ほどあり、PER10倍程度の評価は安いのではないだろうか?現在の世界基準は概ねPER15倍程度…情報を利用したビジネスは成長産業で、スマートフォンでは現在GPS機能を利用したサービスが急拡大している。通話だけの評価なら公共事業として大きく買えないが、複合的な収益拡大が期待され、やはり通信各社は面白い。ここに来てのM&A戦略は、時間を短縮し時代に合っているような戦略に感じる。本当はソフトバンクにアジアの進出を期待したのだが…。
時代や:最近はカタルらしい銘柄の紹介がないね。大型株の話なんか面白くないよ。
かたる:何と言うか…。基本的に小型株の寿命は短いよ。一回、人気を逃すと次に順番が回るまで、かなりの時間を要するね。丁度、007のように…。1年に1回か2回程度しか動かないケースが多いね。でも基本的に、僕は相場はボックス相場を想定しており、何度も取れる方が良いよ。日立にしても、おそらくボックスだろう。KDDIもそうだね。その点、川重のようなケースは珍しいね。何しろ、先駆して下げていたからね。今日は日経新聞に鉄道車両の特許の話が載っていたが、川重も切り口が多い会社だし、業績もマズマズ。決してサプライズではないが…。大きな会社ほど業績の変化率を期待するのは難しいね。当たり前の話だが…。だからこそ、日立なんだよ。
時代や:もう売ったのに…まだ拘っているの。
かたる:僕は自分が買っていようが、いまいが…、良い銘柄はそんなにあるものではなく、何度も紹介するよ。今日は下げているがDENAだって、株価ステージを変える可能性のある会社だよ。勿論、KDDIも…
時代や:ステージを変えるって…どういう事?
かたる:今までのイメージが変わることだろうね。日立はひょっとすれば、コマツのような存在になるかも知れない、若干の希望を感じるね。KDDIも負け組の通話だけの携帯電話会社からの脱皮が掛かっているよ。更にDENAは日本から世界へ市場が広がるね。絶対にグリーではないよ。グリーは最近海外に目を向けているが、DENAは前回、僕が手掛けた時だから、5年以上前だね。その当時から海外展開を模索し、米国と中国に拠点を設けていたよ。ここが違うね。所詮、日本の人口は1億しかないが、世界は69億だからね。夢の大きさが違うよ。
トロ:でも意外に頑張っている産業があるね。いつだったか…カタルだと思うが、製品メーカーと部品メーカーの地位が逆転している…と、言っていた意味が分かったように思うね。今回の震災でSCMの重要性が嫌と言うほど理解できたね。先ほどの自動車メーカーの業績の差は、ルネサスのマイコンの在庫状態だと言う指摘もあるね。日産はなんでも震災前に大量の注文をしていたらしいね。普通ならメーカーのほうに優位性があるのに、今では部品メーカーにお願いして製品を回してもらっている状況が他にもあるからね。
かたる:確かに…汎用品と思っていた電子部品の価値が高まっているかもしれないね。ロボコンことケミコンのアルミ電解コンデンサーもそうだし…。2日前の新聞では2部だけれど指月電機の増産記事に惹かれたね。なんでもEVや太陽電池向けの需要が増えてきて大幅に増産すると言うからね。でも残念ながら2部上場だから…。先日、僕は日本精蝋が面白いと思い買ったけれど、人気に火が付かなかったからね。結局、いくら業績が良くてもやる人が居ないと株価は上がらない。
一例を掲げると、桃太郎こと鬼怒川ゴムだね。この銘柄は昨年からやっているが、日産系はリバイバルプランで部品会社を淘汰したからね。その為に販路を拡大する必要があり、中国自動車メーカーから大量に受注が伸びているね。だから僕は手掛けたが…いくら業績が良くても以前は株価の反応は限られていたが…、それが、今回の自社株買いにより、一気に需給バランスが改善しているようだね。なにしろ新値だからね。この例でも分かるように、問題はやる人が居るかどうか…。そうして、その手掛けているグループの資金力と手腕が問題にされるよ。
必ず三菱UFJの株価は上がり、何れ4ケタに復帰するよ。馬鹿にしちゃダメだ。単に増資で需給バランスが崩れているから、株価が安値で放置されているが…、何れ時間をかけ収まるところに玉は沈潜されるよ。本当は、野村証券などは三菱UFjの10%程度の現物沈潜活動をすべきだね。更に三菱銀行の行員は、ことあるごとにお客様に自社株を薦めればいいのだ。
トロ:いつも銀行だけれど…好きだね。お前は…。
かたる:考えてみれば分かるよ。バブル崩壊により不良債権処理に苦しんで1989年から2003年だよ。実に14年の歳月をかけて不良債権処理を成し遂げてきたら…、今度は自己資本比率規制だからね。もともと日本は総資産経営で、総合力で勝負する経済体制だからね。ところが外人投資家と言うか…、世界基準はROEが基準。投下資本に対する利益率を問題にするんだね。日本は世界に先駆けてデフレ時代に突入して、間もなく大きく変化するよ。でも世界の銀行は…ギリシャ危機に見られるように、まだ立ち直る気配もないね。日本は世界に先駆け、最先端を走っているんだよ。だから、いつも注目しているね。
時代や:それにしても昨日の米国は、てっきり駄目だと思ったが…引けにかけずいぶん切り返したね。不透明感があるが、どうなのかな?
かたる:何度も言うが…米国は心配ないよ。問題は中国。温家宝首相はインフレ克服の勝利宣言をしているようだが…危ういよ。物価統制をしており、米国は中国企業の不正会計を問題にし始めているからね。いくつもの切り札をちらつかせ、市場原理化を迫っているね。備蓄原油放出のIEAの狙いも中国対策の可能性が高いね。もともとQE2によるドルのばら撒きで物価が上がり、中国などの新興国は米国批判を続けてきた。そこに共和党内部からもFRB批判が生まれており、次の対策が難しくなっているね。結局、僕は過度の金融規制が経済成長を阻害していると思うのだが…一概には言えないところが難しい。金融危機の解決にはどうしても時間が必要だからね。
来年、仮にオバマ大統領が再選されるようなら、更に金融機能の回復は時間を要するだろう。強力な共和党の大統領候補が誕生するのだろうか? 基本的に市場経済に相性がいいのは共和党だからね。最後にスマートフォンの需要で通信量が飛躍的に拡大しておりLTEをはじめとする設備投資関連も注目されると思うよ。先日、紹介したアンリツなどは候補銘柄の一つだね。さて今日はこの辺で…頑張れ!日本株。

投稿者 kataru : 2011年06月24日 15:10