今日の市況(2011年05月09日)
かたる:いやはや、強いやら弱いやら…サッパリ方向性が見えないね。企業業績は好調のようだけれど…株式市場の反応はボリュームがアップされないままだよ。基本的にイワシ民族の習性なのだろう。浜岡原発の停止要請を断る勇気のある人間が居ればいいのだけれど…。先ほどテレビを見ていたら、どうもあの要請の背景には、米国の強い意向が働いたと言う説があるらしい。何故かと言えば横須賀基地の機能維持を心配したとか…。しかし横須賀は御前崎から、ずいぶん離れているね。要するに米国は今回の震災でプラートの動きが刺激されると言う懸念があるとか…。安全・安心を求めるとコストがかかるね。
しかし要請するなら、政府が支援をする必要があると思うのだけれど…どうなのだろう。株主代表訴訟などを起こされたら、どう対応するのだろう。日本人的でない、このような発想は市場経済では当たり前の現象。当事者の浜岡市民は反対意見もあるが、停止に賛成意見もあり、この人達は増税か住民サービスの低下に文句を言わないのだろうか? 米国では地方自治体の財政が疲弊すると、道路は補修が出来ずに道が穴ぼこだらけになり、学校の先生も少なくなり、教育も満足にできなくなるのが当たり前の感覚らしいが…。安全安心を求めれば、市の経営するプールやスポーツ施設、図書館も球場も原発で維持されている施設の多くが予算の不足から成り立たなくなり、その選択が求められる。住民はどんな判断をするのだろう?
当然、この処置は東電だけでなく、中部も電力料金が上がることになるから、いずれ産業が淘汰され、働く場所がなくなるが…。どうも、この辺りの議論が欠けているのが哀しいな。別に原発の推進派じゃないが…後処理対策がなければ政策とは言えない。
トロ:お前の発言を聞いていると、心配性だね。考え過ぎなんじゃないの?
かたる:国家に理想郷を目指す理念があれば良いのだよ。状況が変わったからマニフェストを見直すようじゃ…国家像の理念が感じられない。昔は所得倍増論とか…国民に夢を与えてくれたよ。目標があれば、人間はどんな苦労も耐えられる。でも先が見えない後ろ向きの政策ばかりじゃ…ね。夢のある前向きの動きがなかなか見えないよ。だから理想的な未来都市を目指すとかの夢が欲しいね。
時代や:本当だね。賑わっている銘柄を見ていると、なんだか…気が抜けちゃうね。今日はその問題の中部電力が売られ、ところで、カタルは中段保ち合いを上に離れる意見なんだよね。それは、何故なの?

トロ:そう言えば、意味ありの発言だったね。日銀の増資スクープで…その背景を聞かせてよ。
かたる:昔のお客様のMさんが、僕が現役時代に日銀株を買い集めていたよ。億単位だね。その背景は日銀の小さな資本金にある。日銀の総資産が膨らむばかりだが資本金額は変わらないから、含み資産が膨大にあると言う考え方だったね。まぁ、バブル時代の話なんだが…。
あの話を思い出しデフレ政策の転換を連想したんだね。日銀が増資をするなんて象徴的な現象だろうと感じた。基本的に市場経済は通貨の供給量をふやしてきた歴史があるよ。その為に昔の銭の時代から円に変わったね。基本的に政府は借金が多く、この返済を進めるのはインフレを加速させればいいね。インフレ時代になると保険会社も儲け頭になる。まだ分からないが実際に増資をやるかどうか…日経新聞に書くぐらいだから、きっと裏づけがあるのだろう。おそらく、あの記事はアドバルーンだね。
トロ:その影響で今日は弱い相場の中で、金融セクターが確りしているのかな?

かたる:これは別でしょう。なんでも金融危機前の利益水準に戻りつつあるようだよ。先日、重工から日立が戻し始め…、大型株を動意づけ上昇波動に乗せるためには、やはり金融セクターの動きも刺激しないと、なかなか全体のムードが出てこないね。今の時代は、誰も株を育てようなんて思ってない。僕がアホだったわけだね。常に理想論を追うなんて…現実はシビアだよ。
トロ:お前も苦労したせいか、だいぶ考え方が変わってきたね。
かたる:まぁね。自分だけが昔の株屋のように、金融マンの誇りを持って日本の産業を支えようなんて言うポリシーは続かないよ。野村だって、あの増資のやり方を見れば自分たちの目先の利益ばかりを追っているよ。市場の疲弊なんて考えない。情けない、ようやく氏家さんが退職するから時代が変わると良いのだけれど…。
トロ:お前はよく氏家さんを批判しているね。
かたる:別にあったこともないし…批判などしてないよ。でも証券不祥事を切っ掛けとして証券界の流れを大きく変えたのは彼だよ。おかげで仕事ができる現場の人間は、みんな散らばった。そうしてコンプライアンスの大合唱になった。たしかに法令順守は必要だよ。でもそれは法律が正しい場合だね。今のように何でも規制、規制で、マニュアル化され、人間の裁量を無視したロボット社会に豊かな未来はないよ。山や谷があるのが当たり前だよ。いくら安全・安心を求めても、死ぬリスクは常にある。避けられない不可抗力まで制御できないよ。何度も言うが福島原発は、ある意味で人災かも知れないが…僕はやはり天災だと思うよ。ゴタゴタしているのは、トップに責任を取る姿勢がないからだよ。
もう決着が付いて、僕は東電から離れたが…。もし東電の免責を法律上認めて、政府主導で救済が決まれば、形は違っていただろう。住民は安心し、社会の他のセクターに及ぼす影響は10兆や20兆どころじゃないだろうね。皆が安心して復興に取り組めるよ。倒産するか、しないか分からない東電の仕事を受けにくいし…銀行だって不良債権になれば、またリストラになるからね。仕方なしに身構えるから、どんどん社会が委縮するね。この目に見えない効果を、政治家は考えないとならないよ。目先ばかりだから、三流役者の政治家の寄せ集め。損をして得を取れと、昔から言うよ。
氏家さんの登場はピンチヒッターだったんだ。所詮、競争の中で勝ち抜いて出てきた人とは違うよ。つまり実力がないのに…規制などの内部管理を強化して、その方向性に証券界の舵を切ったわけだ。だから末端のセールスは仕事が出来なくなり、マニュアル営業になる。先の分からない証券を扱ってマニュアルはないよね。だから嫌いなのかな。彼が実権を握ってから、野村証券株は下がりっぱなしの状態だからね。所詮は結果論を求められるのが証券界だから…。
時代や:お前だって、そうじゃないか?
かたる:うん、否定はしない。結果、お客様の資産を殖やして終わることが出来なくて…逃げたわけだからね。まぁ、終わったことは良いよ。今日はマズマズだよ。アメリカ野郎は生きている宣言をしたね。「俺は生きている」…て、市場で主張しているよ。みんなは、扱っている商品が先端でないから、なかなか腰が重いようだけれど…。藤本さんは面白い経営者だよね。中国を諦めベトナムに生産基地を動かし、今年は米国の回復の年だからね。おそらく上場企業の中で、一番、米国景気の恩恵を受ける企業だと思うよ。ホンダやスバルなんてもんじゃないと思う。過去の高値は魅力で、オーナー系だから黒字展開と同時に配当を実施するね。株主に対し厚い会社だよ。今日はここまでだね。


投稿者 kataru : 2011年05月09日 17:52