今日の市況(2011年05月30日)
かたる:今日は日本だけが開いていると言うことで、諸外国の市場はお休みだと言います。先日の日銀の買いが日本株の歯止めになっているような動きですね。これだけ不透明な環境なのに…株価はなかなか下がらない。そろそろ今年1月の堅調な時期に信用で買った玉の期日が来るころなのですが…。でも実際は、あの時期、僕もそうだったけれど、連続して上がる市場に過熱感を覚えていたぐらいなので、高値応当日が来ても信用の期日は少ないのかもしれないね。
トロ:弱気に変身したカタル君は、相変わらず空売りかい?
かたる:最近は売っても取れない日が続いているね。本来、材料株なんかは目先筋の買いが多いから、引けにかけて株価が崩れると思っていたが、意外に強い展開を続けているね。今日はなんと言っても、太陽電池関連が主体だったようだね。現物株の屋根を手掛ける三晃金属は特に人気になっていたようで、292円から353円まで買われていたからね。他にはサニックスや商社の高島などの個別の太陽電池関連が動いていたね。僕は内容が悪く買う気にならないが…。
一方、決算発表をしたソニーは安値を更新する動きにあるね。決算会見でテレビを伸ばすとあったけれど、余ってしょうがない価格競争力のないソニーが、薄型テレビで利益を上げられる道理はなく、どう考えても嘗てのソニーのイメージは消えているよ。また下値が心配になってきたね。
時代や:意外に強い相場だと思っている理由は何?
かたる:理論的に日本株は安いのだろうと考えているよ。株は不思議で下がらなくなる場面がある。そろそろ日本株はそんな水準なのかも知れない。理由は企業の手元資金が積み上がっていることだね。3月決算期の企業の手元資金は67兆円もあると言うからね。時価総額は283兆円程度だから、20%を超える現金を抱えていると思っても良いわけだね。この状態で下値を叩けるのかね? 外人投資家が目先でなくて、継続的に株式を買っている理由が分かるように思うよ。
時代や:そんなに余剰資金があるの? その割に給料は上がらないよ。
かたる:企業経営者は慎重だからね。日本に政策転換が起こればお金が動き出すと思うよ。2003年が日本のバブルの清算が終わった年。まぁ、りそななどの例外はあるが…。それから2006年が分岐点で、新日鉄がミタルの影に怯えて、折角、時間をかけて解消してきた株式持ち合い制度を復活したのが2006年だったね。そうして株価はその資金元であるリーマンなどの破たんから調整して4年が経過するね。今年は2011年だからね。思い出してほしいが…昨年10月に日銀の資産デフレ対策の政策発表時はたいして反応はなかったけれど、11月には効いてきましたね。そうして12月過去最高の騰落レシオの過熱局面だったね。昨年の9月のNY市場は71年ぶりの月間の上昇幅だったのですね。1939年ですからね。

トロ:つまり歴史的な転換点は通過していると言いたいわけか?
かたる:うん。やはり世界の中央銀行の中で、直接、株や土地を買うと言う例は珍しい。過去の歴史であるのかどうか知らないが、FRBはたしかに積極姿勢で金融拡大を続けているが不動産担保証券や国債に限定しているよ。日銀はETFやリートだからね。やはりリスク度合いは大きいね。ただ額は小さいし日銀の政策姿勢も、FRBほどの意欲を感じることはない。無理やりやらされていると言う感覚が正しいように見えるからね。
時代や:でもカタルは弱気なんだろう? 先日、米国のQE2終了後の行方、中国の金融引き締めの影響。更に日本の政局などの不透明要因を掲げ、空売りをしていたじゃないか?
かたる:まぁ、目先は東電の選択から折角のチャンスを生かし切れてないと思っているよ。でもやはり日本は大相場に発展する要素を持っているよね。国民が変革を望んでいると言うか…そろそろ僕の領域(失望感)に近づいてきたんじゃないのかな? 最近は政治番組も多くなっているし…残念なことは市場原理を、市場を通じて解説できる人が居ないことだね。評論家さんは口ではいろいろ言うが、実践派とは違うからね。本当は小手川君など、きっと評論もかなりできると思うよ。まぁ、彼はしないだろうが…基本的に日本も本当の実力者を主役に取り立てるべきなんだね。テレビに出ている人は、講釈師が多く本物に見えないからね。
インターネットが普及し真実が語られるから面白くなってきたね。ある意味で日本でもジャスミン革命は進んでいるよ。だからこそ、だんだん本物を人々は求めるのだろう。まぁ、僕は3流だから、今の壁を超えることが出来れば、ある領域に達することが出来るかもしれない。でも達成できるかどうか…サッパリだよ。まるっきり、2006年からの下り坂の終わりが見えないからね。いつまで続くやら…この程度の努力じゃ壁は破れないのかな?
トロ:弱気だね。破竹の勢いはどうしちゃったの?
かたる:ディーリングなんか簡単だと思っていたが、意外に根性が試されるものだね。人間の勝負と言うのは面白いもので、金額ではなくその人が用意できる最大のお金が基準になる。その基準は10万円の人も、10億円の人も人それぞれだが…、10万も10億も一緒なんだね。一度、自分で用意できる最大限のお金を利用して信用取引にぶち込んでみると、自分の精神状態がよく分かるよ。人間の精神構造なんか、軟なものだね。やはりディ-リングでもそう考えるが、人間の本来持っている度量が、きっと成果を左右するのだろう。
トロ:株式投資は精神修行か…。
かたる:うん、似たようなものでしょう。色んなことを勉強しなければならないし、いろんな可能性を考えるからね。その中で、どうしても自分で決断しなくてはならないよ。この決断は勇気がいることだね。好きな女の子に告白するようなドキドキ感はあるね。ワクワクじゃなくてドキドキだよね。
時代や:それで…日本株はやはり既に上昇期に入っていると思っているわけ?
かたる:うん。歴史的な検証は、かなりの時間を経てみなくてはならないが…日産自動車のマーチの生産移転は衝撃的だね。実はこの震災を機に、多くの企業が生産設備を海外移転させているよ。戻り高値圏のロボコンは台湾の計画を前倒しに、メディッチも先日の日経にあったように分散させる方向だね。ある意味で震災は、嘗ての日本社会への区切りなのかもしれないよ。
時代や:仮に既に日本は変化し始めているとすれば…銘柄は何になるの?
かたる:やはり日本的な会社が変化することだろうね。考えてみると分かるが、日本では余りに規制が多く厳しいもの。三菱UFJは徐々にアジア投資を増やしているし…まぁ、金融の場合はグローバル企業から、だいぶ遅れているけれど…。やはり万年赤字だった会社が市場原理に目覚め、収益を上げ始めた会社だろうね。だから復興御三家の本命銘柄の日立の動向からは目が離せないとおもうね。
空売りをしてみれば分かるよ。変革をしている銘柄は意外に株価は確りしているよ。どの銘柄も…ね。やはりディーリングをやってみて、間違いではなかったと思っているよ。投資の本道から外れるけれど、意外な面が見えてくるね。この閑散相場でも見るものはあるからね。明日はアノマリーが正しいか分かる日だね。どうなるかな?この実験は…。明日も追撃買いする予定だけれど…うまく行くかな?

投稿者 kataru : 2011年05月30日 16:49