今日の市況(2011年05月19日)
かたる:「日本では出生率が既に底打ちした可能性があり、労働市場は極めて緩んでいる。格付け会社は日本の財政赤字、とりわけ家計貯蓄の減少を懸念している。だが、日本の状況は欧州周縁国とは大きく異なる。ソブリン債のデフォルト(債務不履行)が深刻な問題となるのは外資依存の高い諸国だ。日本の政府歳入の対GDP比が30%と西欧の40%より低いのは、消費税率が西欧諸国よりずっと低いためだ。税率が上がり税金が増加するなら状況は変わるだろう。
日本が債務のわなから抜け出すためには、名目GDPを再び成長させ、デフレを払拭(ふっしょく)する必要がある。そしてその日は近いかもしれない。過去10年間、物価は大幅に下落し輸入価格は上昇を始めている。これまで金融緩和に消極的だった日本銀行は、東日本大震災により金融緩和策を講じている。デフレが終われば日本全体のリスク回避志向は薄れリターンは上昇するだろう。事実、厳しい景気後退と震災が、変化のカタリストになっている。
長期にわたり低下を続けてきた日本株のバリュエーションが反転上昇する可能性がある。日本企業の現金保有高は時価総額の3分の1に近い。現金保有分を控除すれば、バリュエーションにはさらに割安感が出る。ポイントは政治家が一致協力して改革のための法律を制定することができるかどうかだ。日本は転換点を迎えている。」…と結んでレポートを掲げているのは。バロンズの記事なのですが…まるで僕が言いたいことがそのまま書いてあるようです。
トロ:確かに主張は似ているね。でも直ぐに来るなんて書いてないよ。カタルの解説は分かり辛い面があるが、さすがに一流の記者は分かりやすい。でもGSのレポートでは日本株は下がると言っているね。そうして中国を増やせと…。今日の日経新聞の年金運用の話を見ても分かるが、日本株の投資比率は減ったものだね。
かたる:自国を信じない国民の姿に、時間切れを感じる現象の一つでもあるが、逆かもしれないね。通常は日本株比率を40%程度に保つのが普通のやり方だよ。それが20%を切るのだから…先ほどのレポートのように下値は乏しく上値は大きいね。最近は若い、橋下さんのような政治家も出ているし…。時代の変化が早まる動きも日立のように市場から感じられる。だからこそ「Wake Up Japan」を展開したのだけれど…メディアの姿勢は変わらない。その後の東電の処理は官僚の作文なのだろう。頼みは日銀の姿勢転換だね。
時代や:おい、メディッチはどうなんだよ。
かたる:まぁ、決算数字を詳しく見てないが、日立と同じ経営スタイルを感じているよ。100点満点ではないが、及第点スレスレのイメージだよ。要するに、これからの経営スタイルが会社の行く末を決めるのだろう。ここに来て値動きを見れば明らかだが、空売り筋もかなりいるようだし…やはり強弱感が当然、対立する銘柄だよね。本来なら、ここで仕掛けるのが筋なんだよ。ルネサスの社員の士気は上がっているし、今なら何でもこなせるよ。人間で一番大切なことは気持ちだよ。モチベーション。この維持が難しい。今日は相場が弱いし、米国発で半導体絡みは弱いアナウンスだから、この動きは仕方ないかもしれないが…下がるようにも思えないよ。この株を空売りするのも相当な勇気がいるね。立ち上がれば、あっという間に4ケタから2000円を目指す銘柄だからね。
トロ:かたるは銀行株も注目しているようだったけれど…。
かたる:うん、上がっても良い環境だよね。企業業績は悪くない。システム不備が結果的にみずほに改善を即しその兆しも感じられる。株価位置は低いし…。米国株は下がるようにも見えるのだけれど…日本株も、つられて下がるのかな? でも日本は上がってないからね。…かと言って、主軸の米国株が下がると、日本株だけが上がるパターンはやはり想像しがたいから難しい局面だね。
時代や:相変わらず、明確な否定発言のない枝野発言が響いているのかな?
かたる:市場原理を無視すると、ルールが歪むからね。債権放棄などの問題は感情論ではないよ。指揮官は将来の日本を考えないとならないよ。ライブドアから日本空港ビルディングなど…2006年からの誤った選択が、今の時代に繋がっている。だからこそ国家理念が必要なんだね。小沢さんは米国から中国に舵を切ったので、米国からの圧力により、政治問題が表面化したんだろう。外務省の実権は北米局を握っているように、官僚組織も同列なのだろう。まだカルガモ政策が続いているんだね。
トロ:そのカルガモ政策って…?
かたる:米国路線の政策さ。プラザ合意以降、米国の姿勢が変わったのに、日本は変わらなかったので、現在の失われた時代に繋がっているよ。GDPが上がったのに、社会資本整備の公共事業投資で雇用を支えてきたし…時代対応できてない政治家や官僚により無駄な投資を続けたね。原子力のロボットだって、本来なら日本の技術でできていたのに、米国のロボットを使ったね。使い道を誤った予算の使い方。原子力政策を食い物にする輩が、安全・安心意識を歪めたのだろう。
もし確りした国家理念があれば、人口を増やすための予算や、子育て予算は増やすことはあっても減らさないよ。公務員の給料を特に経済産業省の人達は、東電が給与カットなら、当然、国策責任を問うべきだよ。民間をトカゲのしっぽ切りに使っている。このような政策が続くなら、企業は間違いなく日本を離れる。東北の被災地に工場を再び建てなくてもベトナムなどに作ったほうが合理的な判断だよ。事実、ケミコンは台湾への投資を増やしている。ニチコンは中国だし…。東電スキームで地方電力に負担を求め責任を回避する選択をするから、電力株全般が下がるんだね。もし僕が当初から述べていた免責事項を認定し、結果責任として1~2兆円程度の有限責任にすれば、国家は栄えるんだね。地方電力株は下がらないよ。電力コストは産業界全体の原材料費を上げるんだよ。自分の所で払っているだけじゃないんだね。使っている鉄鋼などの素材価格も上がるよ。
良く考えないと感情論で…大衆迎合主義で政策を実行すれば国家理念が歪み競争に負け続けるよ。日銀はようやく重い腰を上げつつあるが…本当は更に国債の買い入れなどを実行しなくてはならない。あぁ~米国がうらやましいな。


投稿者 kataru : 2011年05月19日 15:53