今日の市況(2011年04月14日)
かたる:震災から1か月も経つと…人間は不思議なもので、あの騒ぎを忘れてしまいそうになる。でも当事者は子供を…父や母を、友達を亡くし、なかなか立ち上がる勇気も湧かない人も居られるだろう。いつまでも過去を振り返っても仕方がないが、人生観が大きく変わる人も大勢いるのだろう。
僕の好きな作家である宮本輝も阪神大震災を経験され大きな転機を迎えた。僕の好きな作品は「優駿」や「流転の海」かな? そういえば彼はたしか富山だと思ったけれど、富山ではおわら風の盆をテーマにした作品で高橋治が描いた「風の盆恋歌」が印象に残っているな。この二人の作家はなかなか素晴らしいね。知らなかったけれど、高橋治となかにし礼は仲がいいらしい。そこから名曲である石川さゆりの「風の盆恋歌」が生まれたらしいが…。最近の女性には、この「しおらしさ」とか「恥じらい」と言う美意識が分からないらしい。
時代や:おいおい、株の話なのに…小説や歌番組じゃないぞ。
かたる:それぞれの故郷には色んな良さがあるからね。株も一緒だよ。ただ儲ければ良い。たしかに株式投資をする以上は儲けねばならないが…出来れば社会貢献できるような儲け方をしたいものだね。この際だから日本人は高校を卒業したら、すぐに国民の義務としてボランティアに参加させればいいのだ。本当は軍隊生活が良いと思うが、日本ではなかなか受け入れられないのだろう。だから、この震災を切っ掛けにしてボランティアを日本人の心を鍛える糧にするのが、良いと思うがどうかな?
トロ:何故、そんなことを思うの?
かたる:偉そうに話しているが…僕も所詮は下賤な人間だからね。
株価の上下で心が動くよ。例えば東電の話をしようか…東電には最初から興味などなかったよ。もともと親方日の丸のような会社は、僕の範ちゅうではない。所詮は公共株で儲かれば利益を還元しなくては駄目で、料金の引き下げを求められる。逆に今回のように経費が掛かれば、必ず料金は引き上げられるよ。赤字決算が許されない会社だからね。しかも独占企業だから、必ず儲かるように料金が設定される。だから僕は今回の負担を国家責任にしろと述べている。
まぁ、話が飛ぶからね。最初に買ったのは566円のストップ安で大量の売り物が残った日だったね。この時に100株しか買わなかった。翌日も200株単位の買いで…最初はそんなものだったのだね。ところが人間の気持ちは不思議なもので…世間から不理屈な扱いをされ叩かれると、俄然、応援したくなってきた。それにしても東電の対応は、後手、後手に回り、見ていてもこれが日本が誇るエリート集団なのか?と思う次第だね。要するに人が居ないんだね。どれもこれも…非常時対応型の腰が据わった人が、どの組織にも居るものだが…長い平穏の中で野武士的な人材が失われてしまったのだろう。
組織と言うのは同一人間ばかり集めても意味がない。世の中は予期せぬことが起きるし、様々に出来事が起こるから、無駄でも良いから非常時に備え、太っ腹の人材を採用し、育成しないと駄目なんだね。ところが東電は人が居ないね。まるで今の日本の国を見ているようで…素質があるのに、対応が悪い。だから買い始めたんだね。みんな不理屈な理由で売るから、向かいたくなる。どんどん買い始めたら…1万株近くに膨らんだ。でも人間は不思議、今度はもっと買おうと思っていたが…400円を割れ、最後は投げさせられるわけだ。
なんと恥ずかしい話だが…。298円まで売っている。一度は全部、売り切っちゃった。でも、やはり魅力的なんだな。あれほど怖くて売ったのに…。今度は320円台だったと思うが、先ずは5000株を買ってみた。上がるから追撃買いをして348円まで買い増ししたが…。今度は500円台に一度は乗ったところで、怖くなって半分売った。この根性のなさ。自分の置かれた状況を考えれば、一か八かの勝負をして2万株か3万株を買うしかないのに、その勇気もない。
結局、株は精神力の勝負なんだね。昨日は1000株だけ安値で売ったのにも拘わらず、511円の高値水準で買い増しをしている自分が居る。如何に軟な精神状態か? 恥ずかしいね。今は1000株2000株でも、10万でも、100万でも一緒なんだよ。自分の置かれた立場で最大限の勝負を出来るかどうか…。ここが問題なんだね。分かるかな?何故、僕が恥ずかしい自分を、包み隠さずに話すか…? 株で儲かるとか、損をするとか…それは情報ではなく、自分自身との戦いなんだよ。自分の心との戦い。例え100株でも良いし…、中には100万株の人もいるだろう。自分が持てる最大の力で、目一杯の勝負をして、自分がその心の動きに耐えられるかどうか?
株で儲かるとか損をするとか…そんなことは小さなこと、大切なことは自分自身の心の変化の中で、どう立ち向かえるかの…自分自身との戦いなんだろうね。
トロ:つまりかたるは精神状態を言いたいわけだ。
かたる:うん。長い間、証券マンをやっていて思うことは、精神状態の弱い奴は必ず株式投資では負けるんだね。おぉ、メディッチが上がってきたね。誰が考えても割高に見える株だけれど…ただし、今の業績では…だ。しかし考えてもらうと分かるが…今回の那珂工場の再開が1か月早まるのは、自動車各社からの応援があったらしいね。それくらいに欠かせない部品を製造していると言う事実が存在する。それも世界シェアでの話。分かるかな? 価値観とは…汎用品を作っていることじゃないね。版画は版画の価値でしかないが肉筆画には、オリジナルの魅力があり価値に雲泥の差があるからね。
さて皆さんは、どんな精神状態なのだろう?
お久しぶりだね、007君。


投稿者 kataru : 2011年04月14日 15:58