未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年)(2012年12月07日)

かたる:昨日の日経夕刊には金融規制緩和の要請を、金融庁がアジア各国に働きかけていると言います。良い事ですね。中国と違い日本はビジネス・パートナーとして世界最優良なので、金融面でアジアの覇権を握ることは日本の成長に繋がります。最近ようやく、この動きが出てきました。一方、第一生命と富国生命はインドネシアの生保への資本参加を試みているという観測報道もありました。生損保の基本は、昭和30年代の日本です。生損保の仕組み上、インフレ国でないと利益は出ませんね。ただ先進国でも最近は医療改革が進み、更に車も安全対策が進み、この技術進化は保険料に組み入れていませんから、総体的に経営環境は良いのでしょう。もともと統計学の分野では未来予測は入って居ない筈です。

松井証券では信用金利をゼロにするというサービスを始めると言います。オーバーナイトをすれば金利は発生するので、実質的には誇大広告とも思われますが…日ばかりを念頭に置いているトレーダーには高速回転が実現するわけで、証券市場において活性化策に繋がると思われます。最近はコンピュータの進化から、PTSと言う私設取引所の需要が高まるとも推測され、投資家層を囲い込む戦いは、より一層熾烈になるのでしょう。でも一番大切なのは金利や手数料ではなく情報ですが…、このノウハウは大切です。情報面においては大手証券には敵いません。

今朝の日経新聞は、ようやくリートの新規上場の話が載っています。日銀の「包括的な金融緩和政策」が効果を表してきました。2010年10月からの開始ですから、およそ2年2か月も…実体経済への波及に時間が掛かっています。この解説は以前にやっていますから省きますね。指標面で実際の効果が出て来るまで、6か月程度かかり、実体経済に影響を及ぼすのが2年と2か月か…。日本化現象により60兆円の企業資金が眠っていると言われていますが、この広がる速度が早まると良いのですが…。何も安倍さんが公共事業投資に前向きだとか…積極的なターゲット・インフレ論を主張しているから株価が上がっているのではなく、単なるきっかけなのですね。2009年1月に日産マーチがタイへ生産移転の発表をして、空洞化の終盤が迫っているのです。何しろ、高級車のレクサスまで海外生産比率を高めています。しかも雇用重視のトヨタでの話ですね。トヨタ社長も僕と同じトラウマである「ダブル・バインド」に苦しんだ選択なのでしょう。このような背景が重なっているのですね。

経験値では群を抜いているカタル君、しかし「クォンツ」などの高等数学面では大きく劣ります。やはりノーベル賞を受賞するエリートが挑戦をする金融の世界ですから、凡人レベルの馬鹿が、いくら努力しても知れている訳です。しかし人間はいつも前向きに、今日より明日の成長を目指し頑張る訳ですね。最近は統計学に傾斜しており、実にこの世界は面白いですね。僕は学生時代も勉強をしなかったので、今はそのツケを払っていますが、偏差値と言う考え方も面白ですね。多くの人は偏差値70の意味はご存知だと思いますが…統計学上、偏差値70と言う学力レベルは、上のおよそ2.5%なんだそうですね。つまり40人に一人しか存在しない人の学力レベルだとか…偏差値80と言うのは、更にすごく1%以下の世界の人です。いやはや…正規分布の考え方は面白いですね。

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これを応用したのがイノベーター理論と言うものです。
僕が解説するより此方を見て頂いた方が良いでしょう。これはマーケティングの基本のようですが…革新者の人は単なる物好きなのでしょう。誰もが商品の存在も知らないのに、手にする人はマニアの部類ですね。キャムズ理論と言うものがあるんだそうですね。先ほどの偏差値で解説すると、丁度、凡人が分布するσ±1の世界です。この世界の確率は全体の68.3%だそうです。初期採用者の人から大衆化する時に、乗り越えられない壁があるのだそうです。16%の人が参加した後に、果たして市場が広がるかどうか…アップルの株価が大きく下げたと言いますが…株で言えば、既に峠を越えているのかもしれません。

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相場もこのマーケティングの考え方に似ています。仕掛け人は様々な工夫を施し演出します。正規分布のイノベーターの世界です。このような物好きが最初に相場を仕掛けます。そうしてだんだんに投資の輪が広がりますが、外部環境が悪いと、このキャズムを乗り越えられずに相場は終わる訳ですね。これまでの失われた時代はそうでしたね。2003年から2006年まで、辛うじてアーリー・マジョリティの分野まで足を踏み入れましたが…踏み入れた途端に日銀はマネタリーベースを減らしましたね。加えて、間が悪いことに金融危機も起こる訳です。かたるは久しぶりに強気になっており、10月から力を入れてレポートを書き始めています。その理由の一つがマネタリーベースの存在です。この解説は10月の末から11月に掛けて、特集を組んで解説しています。他にも理由はあるのですよ。空洞化の進展と貿易収支の関係など…永く読んでいただいている読者にはお分かり頂けると思います。

カタル君はどちらかと言えば、イノベーターの部類かな?でもこの分野を狙えば狙うほど確率は下がります。そりゃ、凡人の偏差値50の人間が、偏差値70のラインを狙うなんて…無謀と言うものです。ただ株価の一番おいしい部分はアーリー・マジョリティに移行した分野なのですね。だから別にイノベーターやアーリーアダプターを狙わずに、マジョリティだけを狙えばいいのでしょう。カタル君は分布だけでなく、三角関数の角度を問題にしている訳で、10度より30度を狙う訳ですね。つまり効率的な投資を心掛けているのです。相場のスピードです。横綱としての日馬富士の先場所の成績は不振でしたが、日馬富士が横綱に成れたのはスピードですね。力に勝るスピードはありません。空手でも型を重視するのはこのスピードを重視しているから、毎日、トレーニングを重ねるのでしょう。物理の世界でも証明されています。力は質量と加速度によって決まります。相場の世界では、ベクトルが重要視されます。角度が高い方向性と矢印の長さの加速度ですね。自然の原理は物理でも数学でも、皆なぜか共通しています。チャート分析において、フィボナッチ数列が重視され、黄金比率が存在しますが、そのようなタイミングで人間の心は、何故か惹かれるのでしょう。

抽象的な表現が多く、難しいかな? 
僕の述べていることが、何となく理解してくれれば…いいだけの話です。
「予防保全」と言うキーワードと自民党の財政出動と、金融緩和などの条件がマッチしているので…、まさか、ここに中央道の崩落事故が絡むとは考えていませんでしたが…偶然の重なりが、相場を生んでいくのですね。

しかし背景には、相場環境が存在しているのです。その見えない糸を探ろうとしてカタル君は日々努力を重ねている訳ですね。皆さんには「ダブル・バインド」なんか関係ない話しですね。普通の人は二重拘束を受けないし、仮に受けても流せます。しかしカタル君の場合は、毎日、責められていました。日本の政治や経済情勢に矛盾を感じ、改革を願ってきましたが、1年や2年、5年や10年なら辛抱は出来ますが…20年以上も続くと流石に呆れるばかりですね。優秀な人は中国に移住したり、インフレの元気な国に行きましたね。BIRICsなどは、嘗ての昭和30年代の日本ですからね。ただ僕のように能力のない人間は、じっと我慢するしか方策がありません。迷惑をかけ続ける事にも疲れますからね。そろそろ動き出してほしいと願っている次第です。

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投稿者 kataru : 2012年12月07日 11:11