未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年)(2012年08月31日)

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かたる:恵まれている環境を生かせない企業が日本にはたくさんあります。やはり日本村論理を重視する余りでしょう。本日、日経新聞トップの新日鉄は代表的な日本村企業の一つです。東電と並び「規制の虜」の温床になっている企業の一つのイメージです。このように書くと不正をしているとか…暗いイメージを持つかもしれませんが、日本村社会の構造が悪いとは一概に決められませんね。昔は儒教の精神が生かされ、年功序列、終身雇用は力を発揮し輝く時代がありました。集団体制と言うか…日本のお家芸だったのですね。日本女子のバレーボールが銅メダルに輝きましたが…1964年の東京オリンピックでは金メダルを獲得しましたね。東洋の魔女と言う造語が生まれたほど当時の活躍は有名な話です。

今の時代は日本が先端までたどり着いたので…社会体制を変えねばならないのでしょう。先日お話ししたNTTの民営化などの時代が分岐点だったのです。日本は中央集権により画一化した教育で人間を駒として動かしてきましたね。その社会体制が機能したのは1985年のプラザ合意までです。それまでは大蔵省の活躍はすごかったですね。効率的な資金配分が社会基盤づくりを整備し、村論理から会社型人間を作りだし、全ての日本人は会社の為に滅私奉公をしてトヨタやパナソニック、ソニーを創りだしました。しかし…時代は変化し、ものまねだけでは成長は期待できません。日本が生み出した文化と言うか独創的な商品はカラオケに、ウォシュレット・トイレにカーナビ、ぐらいかな? 車を始め多くの製品は欧米が独自に開発したものですね。追い付き、追い越すには、ものまね文化で充分かもしれませんが、最先端までくれば独創的な違った視点が求められます。つまり中央集権体制は機能不全に陥ったのです。

今、我々が経験している清貧思想の日本化現象は高成長の反動ですね。中国以上に高成長を続け一人あたりのGDPを先進国並みに押し上げた中央集権体制はある意味で成功してきました。しかし…国家が方向性を決める能力がない以上、日本村論理を壊せずに改革が出来ない以上、根本にある中央集中権力体制を、一旦は破壊して地方に分散させて独創的な発展を目指せば面白いでしょう。独創的なアイディアはマスメディア文化(大衆化)に相容れないものがありますが、規制の虜などのしがらみを切る効果はありますね。道州制が相応しいのか?試行錯誤の余地はありますが、地域に生きる美しい文化はあると思います。日本には長い歴史の中で培われた失われた知恵がたくさん眠っています。忘れ去られた日本独自の文化を大切に育てる生き方は、新しい時代に相応しいかもしれませんね。

勿論、スマートシティー構想なども残していいのでしょう。正解などないのでしょう。最近のNHKを見て良く感じるのは…ようやく個性的になってきた印象を抱きます。昔の日本人はこうあるべき論で、統一された映像と言うか、画一化された番組構成を見るようでしたが、最近は日本人の心に残る美と言うか…個性的な独創的な番組形成になってきたように感じています。まぁ、法律で守られた受信料金が背景にある為に予算も豊富なのでしょうが…センスのいい番組が増えていますよ。NHKはこの文化を海外に積極的に売り込むべきですね。特にアジア圏に日本独自の文化を売り込み、心の交流を図れば、この効果は大きく経済にも広がるでしょう。おしん効果(テレビドラマ)は、昔の話しではありません。このメディア教育はやがて日本の子供達にも影響を与え、市場原理優先の欧米体制を変えるかもしれませんね。

だいぶ、今日の市況の内容から離れましたが…、新日鉄はライブドアの登場に恐怖を覚え、金融デリバティブの脅威に溺れた企業でした。日本村論理で守られた体制が壊れたのですね。自分達はグローバル時代なのに必要もなくなった高炉を日本に建設したり、維持したり…その為に中国の追い上げに怯え、ブラジルなどへの投資も遅れましたね。あれほどの技術力があるなら、韓国に技術供与する時代に自らが進出して海外拠点を設けるべきだったのです。薄板鋼板技術は世界トップですね。世界トップにも拘わらず…技術を生かせる経営力がありませんでした。だから2006年の時代に株式持ち合いを再開するのですね。銀行も銀行だけれど…、規制の虜の「井の中の蛙」です。三木谷さんが経団連を脱退する空気がよく理解できます。

株式相場を見るうえで…このような背景を理解することは非常に大切なのですね。先日、ルネサスの資金提供でNECは台所が苦しく最後まで抵抗していましたが、村論理に押し切られ融資しました。この背景には世界一の技術力があるのに…、村論理の為に安い価格で製品を提供する系列意識があります。おそらく技量的にそんなに独創的ではないのでしょうが…自動車用のマイコンでは世界一なのですね。それにも拘らず、収益が上がらない理由は、押し付けられた雇用ですね。NECや三菱電機、日立から古い設備と共に押し付けられた人員の整理が出来なかったのですね。倒産の危機に直面して、ようやく着手した改革、全ては村論理が背景にあります。

凋落する日本企業は難しい舵取りを求められています。増え続ける社会負担費を超える成長が出来ないのですね。最近はお家芸の工作機械が市場を奪われています。森精機などの株価を見ると情けないですね。ただファナックはこの日本の環境下で、ロボットがロボットを作ることでどうにか凌いでいるようです。そのファナックの自社株保有比率が20%近くもあり、市場経済が日本では機能していないことを物語っています。1%以下の国債に資金が流れているからですね。この背景は日本の総資産経営にあります。世界ルールはROEなのですね。投下資本に対しいくら稼いだか?で競争が行われていますが、日本は雇用の維持などが問題視される土壌があります。その為に総資産経営に傾斜しているのです。だからこそ、日銀の資産デフレ対策は非常に重要なのですね。資産デフレは期間利益を食う魔物です。年金問題一つとっても積立不足がいつも問題になります。株価を論理的な水準まで持ち上げれば、問題は直ぐに解決し前向きなお金の利用が進みますね。

今日はいすゞの話が載っており、先日はホンダが米国で稼いでいるという話が躍っていました。つまり工作機械は非常に恵まれた環境なのです。ファナックの売り上げ推移を見てください。森精機だってそんなに悪くはありません。しかし株価は下がっていますね。エルピーダにしてもシャープにしてもおかしな話ですね。経営者が確りしていれば、投げ売りなどせずに済むのですが…。株価と言う市場原理を理解していない為に、損をしている日本人と言うイメージです。シャープの亀山工場の価値だけでもすごいでしょう。堺市の大型パネル工場もこんな株価の評価じゃないですね。株価を理解してない人間が、経営者になることが問題なのでしょう。市場原理は非常に過酷です。一旦、550円で決めた割当価格を履行できないルールが、問われるべきなのでしょう。

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投稿者 kataru : 2012年08月31日 11:32