今日の市況(2012年)(2012年08月13日)
かたる:日本の4―6月期のGDPが0.3%増と発表され、相変わらず、実質GDPがメインになっており4四半期連続のプラスとなっています。詳しい数字は此方です。何度も実質と名目の違いを述べていますが、僕らは名目の世界で生きており、円高を背景とする実質の世界で生活しているわけではありません。名目の成長力は残念ながら前年同期比で-0.1%でした。震災の影響で7-9月期もプラスになる可能性は高いのでしょう。FRBも最近は名目GDPを増やす事が正しい目標かどうか…疑問を呈しており、ブータンの幸福度を模索する動きが先進国共通の課題です。価値観の変化に驚いているのは当事者のカタル君自信です。
まぁ、カタル君の場合はどちらかと言えば、挫折感から敗北感が滲み出ています。一番の理由は信じてきた上昇志向が覆った日本の社会構成を23年も見せつけられたためです。日本のバブルは1985年のプラザ合意の少し前が起点になっており、プラザ合意で円高修正が盛り込まれたのに…日本の政策官僚はこれまでの政策を転換せずに誤った為にバブルを拡大させて破たんしたのですね。低金利下の金融拡大はバブルを生み、地価が暴騰し銀行経営を破たんさせました。この後処理を永遠と23年もかけて、ゆっくりと償却してきました。2003年からの3年間続いた株価上昇は、金融のバブル処理が一段落ついたためと、欧米の金融デリバティブに助けられた面や小泉首相の市場原理主義にありますね。
米国の株高の源泉は効率化にありますね。労働生産性の効率化が毎年上がっています。日本も副作用情報のデータベース化を進めるとか、既に遺伝子レベルの新薬開発が主流になっているので、遺伝子データを含めたデータベースを整備すべきでしょう。そうすれば再生医療にも利用できます。効率化を進めるには情報のインフラ整備に力を注ぐべきですね。日本は情報の価値を過小評価していますね。太平洋戦争の敗北もここにあります。暗号が解読されており敗北に繋がりましたが、現代社会においても島国らしい考え方が、依然、根付いているわけです。
相場の強さを見る試金石はいくつかあります。既に峠を越えた印象を抱いているソフトバンクの行方とか…業績発表でコンプガチャの影響が軽微だと分かったDENAの株価とか…LIBOR問題が報道された三菱UFJとか、自社株買いを発表したキャノンとか…数え上げればキリはありませんが、基本的に材料が表面化し人気になった株価の行方が全体の相場の方向性を見る為に役に立つわけです。
例えばDENAが金曜日にストップ高しましたので、少し解説をしましょうかね。通常、コンプガチャの業績影響度は限られる訳です。この話は過去の話題であって未来の話ではありませんね。つまり株価は行き過ぎた面を修正しているだけで、残念ながら新たな展開を迎えるわけではありません。何度も述べていますが、携帯コンテンツのゲームの分野のグリーやDENAは海外売り上げの業績寄与が焦点です。だから通常は空売りでしょうね。そうして再び下値を試に行き、先の安値を割らなければコンプガチャ問題は完全に株価に織り込まれ下値を確認できるわけですね。でも相場が強ければ、あるいは水面下で既に海外売り上げの見込みが見えていれば株価は意外に強く大きく下がらずに下値を切り上げ横ばいから再び上昇に向かうかもしれません。この辺りは水面下の評価になりますね。空売りが多ければ、仕手化もある訳ですが基本的には海外売り上げの見込みが立たなくては目先筋の参加だけで株価が大きくは育たないと考えていますね。
相場の見所と言うのは市場参加者の総意によって成り立っています。ただ私には相場が上に行きたがっているように見えますね。どう考えても理屈に合いませんから…日銀がETFの買いを継続している以上、市場から浮動玉が吸い上げられており配当利回りから見て潜在的な需要はとてつもなく大きいものです。故に下値は岩盤なのです。三菱UFJがLIBOR問題で叩かれようが…基礎的な株価が歪められるわけではなく株価は下がらないでしょう。丁度、インサイダー問題で揺れた野村証券のようなものでしょう。
まぁ、個別株の解説をしても所詮はボックスの動きに過ぎません。ただゆっくりではありますが需給バランスが改善され、やはり割安の株は徐々に下値を切り上げあがっています。アコムなどは僕のお気に入りの会社の一つです。武富士にやられて以来、サラ金株の仇を討たねばなりませんからね。東邦チタンのような株が仕手化するようになれば、市場も相当、温かくなってきたのでしょうが…素質のある株が下値での評価と言う現実は、市場の閑散を物語るものです。だから何度も言いますが金融株から相場は立ち直るのです。
さてカタル君、明日からしばらくお休みを頂きます。3泊四日なので17日は帰る予定ですが帰りは深夜ですから…18日から再開かな? まぁ、普通は大きな危険はない筈ですが…生きて帰ってきたら自然の楽しさをご報告します。冒頭に掲げた価値観の変化、ブータンの幸福度など…自然相手にゆっくり考えてみるテーマですね。デフレ社会もそれなりに悪いばかりではありませんね。幸せとは何か?とか、哲学的なテーマを考える時間を天が与えてくれた時なのかもしれません。

投稿者 kataru : 2012年08月13日 10:23