今日の市況(2012年)(2012年08月10日)
かたる:この辺りで大きな間違いがなければ、市場は順調に回復するのではないかと楽観しつつあるわけですが、NY市場は流石に疲れている様子ですね。最初はカタルが指標として、好んで使っているブラジルの株式指数ボベスパ指数です。いかがですか? 下値を離脱したように見えますね。つまり欧州危機の対応による新興国からの資金引上げの動きが止まり始めていると解釈出来るかもしれません。何故、ブラジルを選んでいるかと言えば資源開発国でオリンピックもあり内需は確りしており、もっとも経済環境に恵まれていると判断しているからですね。つまりBRICsの中でも、新興国の指標国に値すると考えているわけです。上はボベスパ、下がNYです。


続いてNY市場ですね。6か月程度の流れでは上値が重くなっており、下がるか、横ばいを維持できるかどうかに見えますが…判断が難しいですね。このような場合は時間軸を変えればいいのです。今度は3年に時間軸を伸ばすと…如何ですか?長期トレンドは上昇を続けているように見えますね。多少、目先は下がっても大丈夫のように感じます。

今の日本市場は、荒んだ焼き野原のイメージです。市場参加者は少なく、まともな投資家はどんどん減っていますね。株と言えば短期勝負しか知らない投資家しか残っていないように見えます。そりゃ、23年も資産デフレが続けば…このような姿に変化するのが当たり前ですね。時間軸で23年と言えば、活動する会社の人員構成は大きく変化しています。世代が変わっているのですね。平成生まれの人間がどんどん増えて、昭和30年代を知る人間が居なくなります。高度成長時代を経験した事がない若者が多く、デフレ社会が当たり前の現象で「ブックオフ」などの中古品を扱う商売が生まれるわけですから…。
ただ米国発の金融危機は、日本にバブル崩壊の先行メリットがあり、相対的に日本はあらゆる環境面で有利なのですね。人口増加国の多くはアジア地域で日本は地理的に近く、同じ黄色人種で馴染みがあります。更に日本はアジア諸国から慕われていますね。アジアで欧米社会に先進国として名乗りを最初にあげたからでしょう。故に日本型の追い付け追い越せの合理化システムは、中国などにも多く取り入れられ社会構成が似ています。加えてこの円高は…海外進出を後押しし、グロバリゼーションに拍車をかけています。そうして消費税が引き上がることで財政余力の許容度が増し、震災復興の財政支出の大義名分が成り立ちます。どう考えても世界で一番恵まれています。これから不良債権処理をする欧米に比べれば、邦銀は溢れる国債利益を温存できるぐらいに力が溜まりつつあるのです。経済の基本は金融機能です。
NY市場は緩和期待だけで株価を保っており、通常はFRBが動く環境ではありません。カタルの9月緩和説の根拠は11月大統領選にあります。景気回復の楽観論を蔓延させるに必要な時間が2か月と読んでいたのです。金融緩和の効用は通常は半年から1年遅れます。よって直ぐに現実の経済が良くなることはありません。しかしアナウンス効果と言うか…緩和策に踏み切ることで期待感から株が高くなりますからね。この高揚感を演出する為にきっと9月に向け株価は一時的に緩むと考えています。だから今はまだ動く場面ではないと考えますね。
今日はDENAが裁判の影響か…株価は強いですが業績面の支援がない以上、一時的な現象かと思います。しかしDENAは自社株買いを実施しており、以前話したように、何かいい材料が出てきたときに、この需給バランスは意外な効果を生むのですね。その事例が今日の動きでしょう。動いている視点が裁判の話だとすれば、株が上がる道理ではない筈ですが、馬鹿にして売ると仕手化する可能性もある訳ですね。難しい判断です。裁判に負けたグリーも上がっており、この手の銘柄の相場が下値圏を示していますね。キャノンの自社株買いと共に興味深い見所です。
以前ご紹介したことがあるアコムの力強い動きは外人投資家でしょうね。今日は東邦チタンも高いようです。リチウムランタンチタン酸化物系の原料を使った次世代リチウムイオン電池用固体電解質の発表から間もなく2週間が経過します。通常はそろそろ背景を探ることができる筈。この発明が本物なら自動車各社は競って取り入れますね。加えてスマート社会向けの蓄電器の画期的な技術開発になる筈です。会社側の発表は真実でしょうが、問題は実用化出来るかどうかの研究なので、どう考えても製品化には3年以上はかかるでしょう。でも画期的ですね。普通なら仕手筋が狙う物件ですよ。ほら、思い出してください。GSユアサは200円から1200円へと仕手化しましたね。ただし裏が取れないと行動は出来ません。だから2週間が経過し株価の動向が注目されます。
IRNETではあまり個別株に触れていませんが、細かい動きを解説しても全体に躍動感がなければ意味がないからです。ただ目先のネット・トレイダーは健在のようですね。今の一番の関心は9月の配当付きを迎え邦銀株の行方ですね。例えば三菱UFJですが、Aのように下値を切り上げ、Bのように上値を切り下げている三角フラッグと言う形を、形成しつつあり強弱感が拮抗していますから、まもなくどちらかに軍配が上がります。相場にはいろんな視点があり、それぞれに見所が満載されています。背景を知ればもっと面白くなり、お金持ちになれるかもしれませんね。互いに頑張ろうね。まぁ、お金が全てとは言いませんが、生活するためにはある程度は必要です。


投稿者 kataru : 2012年08月10日 12:20