未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年)(2012年08月09日)

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かたる:あれれ…今日の株価は弱いですね。昨日は何で相場は強いのか分かりませんでした。日経の解説によれば9000円を超える水準でSQを迎えれば、儲かるポジションを組んだ連中が値嵩株を買い煽り日経平均株価を持ち上げた。…とか本当かな? 他には日銀の政策会議への期待感だとか…言われていましたが、後場に入り急速に冷え込んだのは「決められない政治」が露呈…いや言葉が違いますね。再認識されたのかな?

この不安定な感情を呼び起こす元凶は、拮抗する需給関係で新しい路線が見えないからでしょうね。少ない参加者の市場です。僅かなことで微妙に市場心理が揺れ株価が反応するのでしょう。日銀の政策決定会合に新たに参加する審議委員に、骨があるかどうか…もともと一人二人の人間の力で「規制の虜」や「日本村社会」の構造を変えられるとは思いません。ただ徐々に環境は変化しているのです。昨年の震災を通じて価値観が変わった人も居られるでしょうが、しかし感情は一時的な現象ですね。だから「のど元過ぎれば熱さを忘れる」と言う表現があるのでしょう。でも何度か感じる相場の強さは、これからも繰り返し訪れ、やがて、確かな「うねり」になるのでしょう。このような状態が中華鍋のような「なべ底」と言われる最も強いチャートを形成して行きます。このチャートの所以は、徐々に増える参加者が無限に居ると言う意味ですね。だって配当利回りの益利回りと言う概念は、既に普遍です。

経済の活性は金融からなのです。金融相場と言う言葉は、ジャブジャブに金融緩和された状態から景気が立ち直る姿を表したもので、今は長いデフレ経済状態で「流動性の罠」と言う、いくら金融緩和をしても資金需要が起きない日本化現象が生まれていますね。本来は金利を下げれば調達金利が下がり、それを上回るROEの高い経営をしている企業は経営拡大に乗り出すチャンスなのですね。ROEの分解式であるデュポン式は、その事を示しています。高いROEを誇る無借金の高収益企業が、借金をしてレバレッジをかければ更なる利益が生まれるのは当たり前のことですね。少し専門的ですが簡単な式ですから覚えておいても良いですね。ネット上に解説はいくらでもあります。例えばこちらかな?

さて話を戻しますね。この「流動性の罠」の状態はいくら金利を下げても、借り手がおらずに仮需が起こらずに経済が低迷することを指しています。この背景にはバブルの反省があり、金融機関が痛んだために利益の蓄積を失い、貸し出しと言う本来の業務を推進する「ゆとり」がないのですね。自己資本比率規制を示すBIS、バーゼル3、ボルガーなどの言葉は、金融機関に足かせを掛ける法律と言うか規則ですね。バブル崩壊の反省をしているのです。しかし…この金融機関への規制は、本来、景気のいい時にすべき話で、今のような「流動性の罠」に陥っている状態やバブルの反省をしている環境下では、すべきではありません。何故なら不景気になるからです。仮需がなければ物々交換の世界の経済になりますね。少し誇張していますが、現実の日本化現象は金融庁が強権を用いてUFJを潰したために金融庁様の権限が強くなり過ぎて、清貧思想が蔓延したからです。だから日本化現象が起こったのですね。この規則の下では、誰もお金を借りられません。もともとお金を借りるのは博打に近いのですね。この博打が成功すれば…事業は成功する。昔はみんな博打をしたのですね。今では優良企業のトヨタも一度は倒産の憂き目にあっています。その時に三井銀行が博打をしたのです。そうして生き延びています。こんな事例はたくさんあります。現金融庁の規制下では、背任横領の法令違反の判断です。このさじ加減が難しい。だからカタルは何度も金融庁の姿勢転換を求めているのです。デフレは日銀だけの責任ではありません。しかし重い罪の主犯ではありますが…金融庁も同罪ですね。日本の失われた時代の背景には様々な流れがあるのですね。

ちょっと、難しくなったかな? バレーボール女子の活躍は手に汗を握る接戦で…昨日は女子のレスリングでオリンピック3連覇の偉業を成し遂げた伊調馨さんは強かったですね。すごいね。3連覇はなかなかできないでしょう。その陰で小原日登美さんが金メダルに輝きましたが、妹の為に一度は引退し、復帰しての金メダルを獲得した人生の歩みを知って泣けますね。単に金メダルを獲得したと言うだけの話ではなく、彼女の人生の歩みを考えれば…メディアが大きく報じる理由がよく理解できます。

表面上、株価は付けられていますが、その背景を知ることはとても大切なことですね。ネットトレイダーには、この感覚は不要かもしれませんが、真の投資家を育てたい為にIRNETを何年もやっているカタル君にとっては非常に大切なのです。僕の好きな作家に山本周五郎と言う人がいますが、作品に心があるのです。心を感じたい為に彼の作品を読むのです。株価も同じなのです。輸出株が凋落するのは背景があるのです。原発事故の敗戦処理を東電の責任にしたからです。あの時に原発法の解釈を変えて有限の免責にすれば、電力株は下がらずに電気料金も上がらずに済み、輸出株の凋落も防げたかも知れません。僕にとって不思議なことがあります。日産自動車の株価がトヨタやホンダに比べ、低いのは何故か?という疑問ですね。

日産は日本でもいち早く、マーチの生産移転をして逆輸入をしています。その影響も多少あり日本の貿易赤字は拡大していますが…今ではいち早く新興国への布石を打っていますね。ロシアやインド、インドネシア向けに50万円の車だそうです。薄利多売の危うさを市場は感じているのでしょうか? デファクト・スタンダードは利益を生むのです。今はまだトヨタとの差は大きなものがあります。財務基盤がガタガタでエコカーの開発費もなかった日産、ようやく、どうにか一人前の状態になってきました。リバイバルプランから12年が経過し、車の世界も熾烈な競争になってきますね。日産はある意味で一つの生き方を選択しました。ITSなどを利用した究極の無人で運転する未来カーの開発などの道もあったはずですね。カーナビはスマフォの侵略に遭いソフト勝負の世界に入っています。株価を考えると色んな世界が見えて面白いですね。

一見すると弱い相場に見えますが…やがて僕のように感じる投資家が少しずつ増える事でしょう。今日は流動性の罠から日本化現象を解説したので、長く読んでいる読者には退屈でしたね。でも重要なキーワードは良く理解して頂きたいのです。デュポン式が分かれば日本化現象などの流動性の罠の意味がよく理解できますね。だからアップルが自社株買いや配当を実施し、内部留保を削減した意味が大きいのですよ。あの行動は正常な経済下では当たり前の現象なのですね。米国はまだ日本化現象に陥りそうで、落ちていない状態なのでしょう。しかし日本は旭硝子で批判したように…安値の株価を放置する経営者が多いのですね。その点、キャノンが一流だと言われる所以が、分かると思います。最後の株価を決めるのは、やはり経営者なのです。

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投稿者 kataru : 2012年08月09日 11:04