今日の市況(2012年07月25日)
かたる:メディアのコメントは現状の域をなかなか出ないけれど、市場経済では次の対策の準備が始まっている様子ですね。基本的に、時間軸は米国の大統領選を基軸に動いていると思っています。何故なら、ドルが依然、基軸通貨だからですね。世界経済の明暗は米国が握っているわけですね。欧州も日本も中国もみんな付属です。金融危機以降、ワールドマネーは増加していますが、金融危機で架空マネーと言うか、金融デリバティブの縮小が景気の停滞を生んでいるわけです。CDSの発行額は天文学的な数字でしたからね。ヘッジがヘッジを、その又下にもヘッジが生まれ、雪だるま式に広がる構造が金融危機により整理されています。BIS規制もボルガーも皆、金融デリバティブの整理を促進させる触媒ですね。その為に一時的に資金が逃避しているから、景気が低迷しています。リスクを負う金融機関の体力がなくなり、リスクを取れないから景気が縮小するわけです。
この状態を補うために、各国の中央銀行はベースマネーを増やし、失われた金融デリバティブの穴埋めをしています。しかしその量が足りないからデフレになり、日本化現象が広がっているのです。基本は縮小する金融機能です。日本は2003年に完全復活したのですが、2006年に表面化した金融危機により、再び煽りを受けています。しかし世界中で一番健全なので、世界景気が回復する最初の現象は日本の金融株からですね。劣化する欧米の財務処理の為に、優良資産を買い取る受け皿になります。三菱UFJのモルガンの出資、野村のリーマンの買収などは早すぎたのですね。しかし基本的な行動は間違いではありません。問題はその行動を生かせるかどうか…。世界中の環境が悪く、折角の買収による、あるいは提携による効果は生きていませんが、今はマイナス面が強くても、間もなくプラス面が強調される地合いになります。野村は微妙ですけれど…、既に劣後債の発行まで追い込まれていますからね。その点、三菱は、良い買い物ですね。ユニオンバンカル・コーポレーション(Union BanCal Corporation、略称UNBC)はなかなかです。モルガンの現状は今一だけれど、これからでしょう。
景気の基本は金融機能です。今日の日経新聞には「FRB追加策 手詰まり感」となっており融資促進策が浮上となっていますね。カタルが予てから金融庁が方針を変えて不動産担保融資を再開しろと言っている事を連想させる記事ですね。景気を復活させるのは簡単です。人々の欲を煽る政策を取ればいいのです。だから日銀がリートやETFをもっと大胆に買う必要があるのです。金利を低下させても流動性の罠に陥っているのです。これを改善させるにはショック療法が必要ですね。資産価格をバンバン上げる必要があります。そうなればやがて流動性の罠から抜け出せますね。そうすれば、やがて金利が上昇します。本当にお金のない人は、金利が上昇し始めてから株を買えばいいのです。それからでも充分に効果はあります。
FRBは日銀とは違い大胆な行動をとります。僕は賛成しませんが自民党の100兆円から200兆円の規模の公共事業投資も使い方次第では効果を生みますね。果たして効率的な予算配分が出来るかどうか…。折角の震災復興予算は現場に決定権がないから、執行されていませんね。中央政権体制の歪みです。地方分権になれば、そのような時間的な無駄が省けます。デフレからの脱却など簡単なことです。日銀は株が上がるまで、どんどんETFを買えばいいのです。だって国債を買うより3%の配当株を買った方が効率的ですからね。
今日の日経新聞は、予てから私が述べている金融庁の方針転換に触れていますね。FRBが融資を増やす対策を講じると言うことは、流動性の罠からの脱出を意味することですね。充分に利回り採算に合う、まともな不動産投資にお金が回らないのは、金融機能が欠落しているためですね。それを中央銀行が補うのです。日本の場合は日銀と金融庁が一体になって貸し出し競争を煽らなくてはなりません。つまり金融機関に不動産担保の融資競争をさせればいいのです。そうすれば簡単にデフレから脱却できますね。今日の日経新聞の報道では中国はまだ健全らしいですね。日本のように流動性の罠に陥る前の状態のようです。
この株価の下げは演出です。おそらく9月にFRBがQE3を打つ布石でしょう。カタルはその様な読みですが、事実はどうか分かりません。もう少し様子を見ないとなりませんが、理屈に合う株は、そう下がらない筈ですね。もうすぐチャンスが訪れます。お金を用意しましょう。

投稿者 kataru : 2012年07月25日 09:27