今日の市況(2012年04月05日)
かたる:市場と言うのは勝手なものですね。好材料に反応しなくなり、僅かなこれまで何度も言われ続け消化した筈の悪材料を再び持ち出すのです。アイルランドからギリシャへ、ギリシャからイタリアへ、イタリアからスペインへ、あるいはポルトガルへと駆け巡りますね。一番、危ういのは、自国の銀行が自国の国債を買わないポルトガルでしょうか?
ECBが無尽蔵に資金を提供し、国債を担保に取る訳だから単純に利ザヤが稼げますね。どう考えても考え方の問題だけです。個人投資家に人気のグリーは下値を切り下げており、個人が持っていると思われるネット株も下げています。おそらく追証の発生でしょうね。個人は儲かっていませんね。140円とか150円のみずほ株を買い100円近辺で投げネット株に乗り換えたら、今度はみずほが146円まで戻り、逆にグリーなどは2600円から1900円に下がるのです。
でも今日の下げは奇妙ですね。もし仮に携帯ゲームのビジネスモデルが駄目ならDENAも売られるはず、ところが完全に株価はグリーと逆転し、自社株買いを実施したDENAは下げ率も少なく上鞘になっています。このような現象を見れば、単純に需給バランスの影響が大きいとも考えられます。考え方1、それともこの株価の下げを正当化するようにこれから大きく自主規制の影響を受け収益が鈍るのでしょうか? 国内から海外への端境期です。考え方2、何れにしても時間が経過すれば答えは出ます。チャート面では前の下値を破り後者を株価は支持しているようです。ピンチはチャンスか? それともここからが売り乗せの一番おいしい場面かも知れません。
注目されるのは野村証券では午前中は安かったのですが、現在はプラスになっています。野村とみずほは金融相場の核の銘柄であり、日銀の政策に大きく影響を受けます。基本的に今は非常に判断が難しいですね。言えているのはあまり強い相場ではありません。25年ぶりの10週連続陽線を掲示したので、本来は休んでいる循環物色、更には仕手化する金融相場の銘柄で繋ぐのが理想の金融相場ですね。ここからそのような展開になるのかどうか…この野村とコマツも僅かに高いですね。
コマツも筋でもあります。金融相場は過剰流動性で景気循環の初めに位置します。中国だけでなく、アジアやインドはこれからで、アフリカ開発もそうですね。北極海も盛んに開発投資が続いています。今日の相場は、下げの分岐点にもみえますね。来週にも予定される日銀の政策会議は何も出ないと言われていますが…どうなのでしょう。マツダも比較的強く理想通りに動きに見えます。今日の安値は一つの基準になるかも知れません。
今日は時間がありませんが、東レの話を書きたかったのですね。ボーイング787に使われる素材は35トンだそうですね。世界的でNO1の技術を持っており好業績が見込まれ調整も充分ですし、業種は素材、4ケタ相場がスタートしているとみるのが自然です。先日の日刊工業(昨日かな?)関心のある人は読まれておくと良いでしょう。25年ぶりの記録は伊達に生まれるものではないと考えたいですね。これまでは確かに日本の政策は滅茶苦茶でした。しかし今回はかなり外堀は埋められており、環境が著しく恵まれています。馬鹿にされるでしょうが、野村の4ケタはあり得る話です。生死を境にして生き残った会社は強くなるものですからね。ただイタリア国債の投資を蹴った首脳部に果たしてその栄冠が手にできる素質があるのかどうか…こちらも日銀と同じ立場にいるようです。
さて分岐点にも見える今日の相場は来週に繋がるかどうか…。生贄を捧げ、神様はどう判断するのでしょう。
追加分です。
午後からのニュースで自民・公明の反対により日銀の審議委員の候補に挙がっていたBNPパリバの河野龍太郎さんが参議院で否決されたとか…このニュースも市場に影響を与えたのかもしれません。今日は突っ込んで高くなっています。野村証券もその動きでしたね。河野さんは財政再建論者と言われており、基本的に量的緩和政策には慎重派とみられています。難しい話です。今回の金融危機の克服は米国でも論争になっておりFRBの量的緩和も実験の域を出ません。やり方もFRBとECBは手法が違います。同じ緩和政策でも少し意味合いが違いますね。この考え方の問題ですが、今の流れは量的緩和は成功していると言う認識でデフレ脱却には日銀の更なる量的緩和が必要との認識が背景にあります。だから財政再建派の河野さんが否決されたので、金融相場の押し目買いが入ったとも考えられますね。相場とはこんなものなのでしょう。

投稿者 kataru : 2012年04月05日 14:13