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2013年12月28日
魔法の杖
先ずは訂正からです。一昨日、昨日とNISAの事を誤って「ニート」を書いたことをお詫びします。ニートは職が無く、学校にも行ってない若者の「プー太郎」の総称でしたね。昨日、友達から電話をもらい訂正させてもらいました。まぁ007はプー太郎のような存在かも知れません。日本には若うちは放浪を容認する「末は博士か大臣か…」と言う言葉もあり、楽しみな銘柄です。ニーサはイギリス版ISA(Individual Savings Account)個人貯蓄勘定に、日本のNを頭につけた合成語のようです。5年間の時限立法で年間100万円まで特別別口座にて、非課税扱いになっているようです。つまり信用取引で利用している担保の現物は、この非課税の対象にはならないようです。日本的な村論理が働いた段階的移行の姿がここにも垣間見られます。だから失われた時代と言う、なが~い時間が時代の変遷に掛かるのでしょう。
今日は日経新聞に、ソフトとバンクの財務戦略の「さわり」部分が載っていましたね。一昨日に「LTMC」と言うファンドに取締役として参加したノーベル経済学賞を受賞したマイロン・ショールズやロバート・マートンの話をしました。現在の金融工学の基礎になったオプション理論ですね。金融危機の発端になったCDS(Credit default swap)と言う仕組みは、この論理を応用しています。もともとリスクを取れない貸し出し相手に、CDSを利用することで、倒産リスクを分散し軽減させることで貸し出しを可能にした仕組みです。ソフトバンクは設立当初から野村人脈が力を貸し、絶対にあり得ない借金を可能にして困難を乗り切り、成功した事例ですね。通常はボーダフォン買収にあたり2兆円もの借金は出来ません。新興国の発展は、リーマンなどの米国金融が、この仕組みを活用して高収益を上げて成り立っていました。不動産のメザニンローンもこの事例の範疇でしょう。
故にカタルの友達のF君が、不良債権処理を加速させた2002年前後に800億もの巨額資金の運用を任されたのです。彼はその資金を全部使うことは出来ませんでしたが、日本の不良債権化した土地を、右から左に移し鞘抜きに成功して現在があります。小泉・竹中改革の強引な手法がUFJを消えさせ、みずほのやくざ融資問題の対応へと続いています。あの時代の偶然が30歳前後の若者に800億円ものお金の運用を任せたのですね。不可能を可能にするのが金融の仕組みです。村上さんなども、その恩恵を受けた口です。
時代の流れとは不思議なものです。孫さんもシャープの佐々木さんとの出会いがあり、あの最初の1億円の銀行融資は、今では絶対に通りませんからね。完全に背任行為です。あの瞬間だけ、成り立ったのですね。それも佐々木さんのバックがあったから成り立った偶然です。しかし孫さんが努力して、その奇跡的な偶然をものにしたからなのですが…北尾さんとの出会いと別れも面白いものですね。通常はSBIに拘るのが人間ですね。一度、手にした物を手放すことは、なかなか出来ませんからね。
この時期にITモバイルの買収資金を手当てできる偶然のチャンスと言うか…、戦略的な仕掛けと言うか面白いものです。円で借り入れを起こし、その資金をドル資産に投じています。今日は同時にマネタリーベースの話も日経に載っていますね。カタルは円安が正しいとは思わないと述べており、「ガラガラポン」のリスクを述べています。来年は更に円安が加速され、おそらく115円~120円は確実で、場合によれば一気に170円ぐらいまで円安が進行するかもしれません。孫さんの狙いは…その時に借金を返済すれば良いですからね。現在は12兆もの借金かもしれませんが、マジックを使えば半分に減るかもしれません。金融理論は無限の「魔法の杖」なのですね。日本は馬鹿ですよ。信用創造を放棄し、わざわざ困難な道を選択しているのです。しかし…増え続けるマネタリーベースの行く末は、決まっています。何処で爆発するか?
どう考えても…デフレの行き過ぎたパワーは潜在的に蓄積され続けており、このギャップの歪を埋める地震は、いずれ必ず起こります。2003年の竹中政策は、既に行き過ぎだったはずです。UFJを強引に三菱へ…。そのあおりが、ベンチャリの失敗でもあります。無借金の企業が消えていく現実ですね。時代のエアポケットか…。最近開発した手法の実験をする為には、心の準備が必要のようです。どうこの壁を乗り越えるか? 人間と言うのは厄介な動物ですね。さてカタルの戯言は、これくらいにしないとなりません。皆さんにはカタルの深層心理は見えませんからね。チンプンカンプンの人も多いでしょう。もう少しわかりやすく解説しないとなりません。
カタルの読者は比較、水準が高いのです。なかなか陰に隠れており見えない読者像ですが、カタルはこのページを通じて顧客募集をしたことがあります。その時の応募者は、事業経営者に医者や学者先生が多かったですね。割合は非常に高いのですね。読者には学生も多く、彼はその後、野村に入ったようなので、きっと優秀なのでしょう。そう言えば野村のアナリストも僕の読者で、研究所勤務でしたね。香港のファンド運用者など…証券マンばかりではありません。話が分かるまで読み続けねばならず、障りだけでは見えない為でしょう。だからカタルの日記だけでも良いかとも思いますが…カタルの心理の揺れ具合は、客観的に見れば、面白いピエロに見えるのだと思います。そりゃ神様でもなく、その辺に転がっている親父ですから…ね。だから滅多に見ないヤフーの掲示板などに、カタル評があると、面白おかしく感じもしますが、多少、頭に来ることもあります。すべては自己責任なのに…誤解しているレベルの低い人も居るわけです。
時間のズレはありますが、必ず…と言っていいほど、カタル銘柄は成功していると思いますよ。ただベンチャリを始め、武富士やダヴィンチのように消えていくものもあります。ダヴィンチなど、ほんとうに紙一重なのですね。この意味が理解されないようでは、自分の勉強不足でしょう。カタルはハイリスク投資だと事前に何度も豪語しています。だから年金ファンド向けなどの銘柄も時々紹介していますよ。古河電工などは限りなくリスクはありません。現在は…ね。板ガラスも同じですよ。両者とも狙いも説明していますね。澤井製薬などは、ずいぶん昔に登場させている訳です。年金ファンド向け…にね。ある時、医者の先生から、日本ではゾロ(ジェネリック薬)などは浸透しないとの否定的なメールを貰ったこともありました。しかし増え続ける医療費負担を考えれば、確実にこれからも浸透し、まだまだ成長するのでしょう。既に10年以上経過していますが、株価は10倍ですね。通常はこんなペースでしょうが…何とか1年で10倍ですね。この成果を狙うために実験を続けねばなりません。
カタルは比較的にオープンです。メールを時々くれる読者には、隠れたカタル銘柄を公開することもあります。ジャムコなどは、板が薄すぎて書きたくても書けないのですね。もともと数量は、売れていたのです。背景も歴史的に良いのですね。しかし採算が厳しく為替だけが問題でした。だからここに来て急激に業績が改善していますね。株価もまだ3倍程度かな? 間違いなく業績は増額され、まだ株価も伸びるでしょう。確か記憶によれば競業はドイツメーカーの筈です。まぁ、気が向けば…の話ですが。多くの銘柄を見ている訳で、一応、カメレオンのように、お客様相手に変身能力も備わっている証券マンでしたからね。
もともと日立や東レ、三菱UFJなども嫌いではないのです。ファナックなどは、好きな会社ですよ。設備投資に円安ですからね。当然、高い水準ですが、更に株価は伸びますね。隠れた銘柄で、最近、注目しているのがクラウドの「富士通」です。日足を見ると急騰しているように見えますが…カタルが証券界に入社した時には、株価が500円だったのです。ファナックを作った会社です。今では貧乏をして資本関係もないですがね。おそらく…年金ファンドの必須の組み入れ銘柄に何れなるでしょう。最近の急騰は、その第一陣のファンドの買いでしょう。だって時代は「クラウド」です。あとの伸びは、経営者の手腕次第です。澤井のように時代を上手く捉えられるか…ソニーのように失敗するか…。
カタルは、銘柄などは、何でも良いと述べています。自分の力量をどう感じているかの話なのです。どの株もリスクの度合い変化があり、日経225銘柄ならリスクはほとんどありません。007のように、夢を追えばリスクは当然あります。株価が下がった時がチャンスなのに…何故か、読者の人は下がった時に動揺するようです。自分に力量がないから動揺するのです。だから負担がないように、持ち高を減らしなさいと述べています。故にニーサの007と比喩したのです。1000株なら1000万、100株なら100万円と概略を述べています。芽が育つかどうか…なのですが、必ず、あれほどの素質なので、野村は戦略銘柄に選定しますよ。仮に偽物でも…相場は大きく伸びるのです。本物なら1000万止まりの比では、ありません。カタルは英ARM社を引き合いに出しています。金融の「魔法の杖」を手にしたようなものですよ。何しろ時代はユビキタス、しかも組み込みソフトは知的産業です。粗利が異常に高いのです。売り上げ全部が利益と言っても過言ではありません。だから惹かれるのですね。もし村田のWiFiモジュールが、中国のタブレットに採用が決まれば、あっと言う間に株価は1万円ですからね。村田ブランドはそういう価値を秘めているのです。007ブランドと価値が、天地の差です。来年にもニーサの活用で、更に再来年も活用で…1000株買えば、毎年100万ずつ使えますよ。まぁ現時点では5年の時限立法なのですが…きっと日本的な論理で延長でしょう。

2013年12月21日
相場には精神力が必要
カタルの友達のブツブツは、ソフトバンクの孫さんに対し、当初は眉唾で、大法螺吹きと言うネガティブな認識だったようですが、最近は評価が大きく変わりましたね。そりゃ、ボーダフォンを買収するあの大博打を、あの金融環境下で凌いだので…たいしたものです。あの当時、金融デリバティブを駆使し資金繰りをしていました。バックを支えた財務関係者は、きっと綱渡りの毎日で大変だったでしょう。繋がらない携帯電話と揶揄されていましたが、資金繰りが厳しく設備投資も出来ませんでした。収入の大半を借り入れの返済に充てながら利用者を伸ばさねばならず、アイフォンの独占販売が日本人の嗜好にマッチし、やはり時代の選択眼と行動力は頭抜けています。決断も速いですね。
今度はTモバイルへの仕掛けだとか…。スプリントへの設備投資の関係も背景にある判断と思われますが、株価面は成功をかなり織り込んでおり、少し様子を見たいものです。ただカタルは、当初、スプリント買収により設備投資負担も発生するとの読みで、ソフトバンク株への投資は見送り姿勢でした。しかし年末になった現時点で、今年1年を振り返ってみてみると、5月の高値を抜き完全に青空天井に株価はあり、カタルの予測は外れていました。あの2012年10月のスプリント買収報道と資金手当ての方法により、今日の株価は決定づけられました。まだアベノミクスが確定する前です。今日、再びこの話を持ち出したのは…多くの株が本格的な上昇相場に移行する前のボックスを離れる時、一旦、株価は下押しするケースが多く見られますから覚えておくと良いのでしょう。

当時、カタルは「マネタリーベースと株価」の関係を勉強しており、確実に株価が上がると確信を深めていた時期です。その為に資金手当てに奔走していたのです。10月27日の株式教室から特集を組んで…何故、株価が騰がるか? その背景の論理的な検証をしています。この時期のコラムと合わせ、当時の原稿を読み返されるのも良いのでしょう。そうしてアベノミクスの相場に、市場は突入して行きました。しかしおそらくソフトバンクの海外買収は、夏の終わりには検討されていたのでしょう。当時のマネタリーベースの増額は5月からプラス転換し、5月2.4%増、6月5.9%増、7月8.6%増、8月は6.5%と落ちますが、9月9%増、10月は10.8%増と変化するのです。この動きを見て、カタルは10月にレポートを書いたのですね。

先ほど、チャートを見ていたら綺麗に5月の高値を抜けている銘柄は少なく、ソフトバンクのようなケースは稀です。上手く行っているケース(凸版印刷7911)でも高値での揉み合いですがこれも少数派で、多くの銘柄はカタル銘柄のケネディクスや007同様に52週ラインの低位揉み合いに推移しています。三菱UFJなどケースはマズマズの評価なのでしょう。2014年の消費税引き上げなどの影響でアベノミクス失望説が存在するのが事実ですが…少なくともマネタリーベースから見る株価は調整を完了し、再び昨年11月から始まった今年春の相場の再現がこれから期待されると考えています。その様子をここに掲げておきます。高度成長時代を上回るほど資金は供給されています。
金曜日に12月7日の株式教室の「お年玉」で、紹介した古河電工や日本板硝子は動意づいて来ましたね。両銘柄の株価位置を見て下さいね。ソフトバンクの株価位置と比較されると良いでしょう。このような株価位置で、株を買うなら恐いものはありません。ただ時間の読みが難しいだけなのですね。JVCケンウッドもまだ数字が見えませんが、同じような株価位置にあります。持っている株が安くなると不安を覚える人は、基本的にリスク負担を減らすべきなのです。今のような安値水準では減らす必要もないでしょうが、高値になったら株を売り現金化しておくべきなのでしょう。人は、何故、動揺するか? 自分自身の力量をどう自分が理解するかにより…株の運用成果は、変化するものです。
カタルはずっと…三菱UFJの株価は4桁が妥当株価と述べています。大型株ではカタルが好きな日立や東レは、かなり株価を戻していますから、古河電工や少し冒険で日本板ガラスなども注目しています。ただケネディクスや007には、やはり敵わないのでしょう。投資家それぞれが自分の力量に合わせ、銘柄を選択すれば良いだけの話です。17日に紹介した「ジャムコ」(7408)に「ツクイ」(2398)などもカタル銘柄ですよ。もうかなり上がっています…がね。カタル自身は資金が乏しく、多くに投資している訳じゃないし、銘柄など本当はどれでも良いのです。要するに売買テクニックが問題なのですね。沢井製薬やピジョンなども大成功した銘柄ですが年金ファンドじゃなし…値動きに魅了されるハイリスク派のカタル君ですからね。問題は時間を超える精神力を身につけられるかどうかなのですね。メールで相談も受けますが、相場で儲けられるかどうかの決定要因は精神力なのです。
2013年12月14日
仕掛人の登場
先日、本文で「仕掛け人」の話をしました。株価が、何故、上がるのか? 多くの疑問を感じる所です。それは業績のいい企業の株が上がるとは限らないからです。好業績を発表しても株価が下がるケースも多く、逆に先日のミクシィのように赤字発表が引き金になり、突然、上昇するケースもあります。通常、株価が上昇するためには様々な条件が整わないと綺麗な株価の上昇になりません。この条件とは何か? 一番は業績推移ですが…意外に知られてないのが、その会社の未来の利益(未来の業績)の見方で、意見対立が株価上昇の重要な要素なのです。そうして、もう一つが今日の話題である「仕掛け人」の存在です。相場を演出する存在ですね。市場が弱い時に意識的に株価を支える役目や、上下のふるいなど…の演出は、相場妙味を倍増させる重要な役割を演じます。ドラマ作りや映画作りにこの演出効果が非常に重要ですね。相場も同じです。その為に、それを演出する仕掛け人の存在が相場の成否を決めます。誠備グル―プの加藤あきらさんは非常に上手かったですね。隠し味のない料理は美味くありません。
先日、カタル銘柄のユニデンが、突然、人気になりましたが…仕掛け人が存在するから、あのタイミングで人気を集められたのでしょう。藤本さん達のグループは昔から有名で、仕手性のある株として市場から評価されています。現代ではデジタルガレージに、サイバーエージェントなども、その仕手性がある株として分類されるのでしょう。おそらく実態は、経営陣の交友関係から発展した人脈が種となり、組織が形成されているのでしょう。実はこのような繋がりは非常に重要なのです。ソフトバンクがこれほど上手く成長できたのは…創設期において、北尾さんらの野村人脈が効果的に生きているからですね。通常はあの金融時代に於いて、2兆円もの借金をジャンプできませんね。今では、遅れていた設備投資を逆手に取るCMを流すほどまでになっています。繋がらないソフトバンクは、借金返しと設備投資の絶妙なバランスの綱渡りで、そのファイナンスを支えたのが、野村人脈です。孫さんだけでは絶対に無理だったのです。この綱渡りの過程で生まれた証券人脈がソフトバンクの仕掛け人たちを生んでおり、現在の株高に繋がっています。
経営者は企業業績を伸ばす事は当たり前ですが…大きく伸びる会社は、夢(理念)を市場と共有するのですね。証券マンは銀行マンと違い、商社マンに近い、ワイルドな金融網を構築します。お金が事業を生かしたり沈めたりすることを、よく知っているからです。更に時代の流れ、時間変化の大切さも知っています。基本的にどんな事業でも、お金さえあれば、ある程度のラインまで成長が出来るものです。ただ最後は並外れた勘が必要になります。スプリントの買収など…の発想は、あの時期だから成功を収めるのでしょう。遅くても、早くても潰れていました。まさに絶妙のタイミングでしたね。日本板硝子を見れば分かりますね。さて、その仕掛け人達は、どんな姿をしているかは…ケース・バイ・ケースです。仕手グループの場合もありますし、社長の人脈筋の場合もありますし、海外のヘッジファンドの場合もあります。
株価が大きく上がるには、最初の仕掛け人の登場があり、次々にその仕掛け人たちが、その会社の夢に引きずられ参加する過程で、相場が大きく形成されます。だから一つのファンドではなく、二つ、三つと重なり合うと、更に相場のスケールが大きくなりますね。最近では5%ルールなど煩くなり、通常5%程度までがファンドの目安になるのでしょう。

さて遂に007ことユビキタスに、初めて外資系ファンドが参加し始めたようです。その名は「CGMLIPBカスタマーコラテラルアカウント」何処のファンドか調べませんでしたが、彼らのこれまでのやり方は、まともな投資をしているようです。例えば、カタルがよく採り上げていた横河ブリッヂにも、嘗て123万株(2.6%)ほど買っていたようですね。此処のファンドマネージャーは、優秀なようです。その後、横河ブリッヂの株価は400円から1500円台まで急騰し、このファンドは売り逃げているようです。更に巴コーポなどの過小資本銘柄にも参加し、196万株(4.8%)ほど買っていたようですね。

もう一つが「ノムラノミニーズ・オムニバスマージンキャッシュPB」の存在です。今回の四季報では、この二つのファンドが新たに登場しているようです。ユビキタスは野村が幹事であり、通常、幹事証券は初値に責任を持つものです。相場環境が悪い時期にユビキタスは登場し、4000円の初値を付けてスタートしました。通常、カタルも含め、証券マンは推奨時の株価からの運用成績には、責任を感じるものです。2010年の…あの相場が再現される可能性が、高くなってきたように感じています。
創設時の鈴木さん、末松さん、川内さん達がそれぞれ換金し、来年から税制が変わるので需給悪化要因は、一段落するのでしょう。実は、このケースはカタルも初めての経験でよく分からないのですね。カタルが観察してから、社長交代はよくしますし…安定感に欠けるのも事実です。しかしそもそも会社は株主のもので経営者のものではありませんからね。外部から優秀な経営者を招くことは良くあります。鈴木さんはカタルと同じか、それ以上の年齢でアスキーのメンバーだったインターネットの創設第一世代です。ビルゲイツらとも親交がある筈ですね。だからいい年なので、現金が晩年は必要なのでしょう。
金曜日に007の株価が緩みましたが、戻っていた水準のところに、四季報の悪い予想数字が発表されて、新規の参加者が動揺したのでしょう。しかしこの現象は、一度、市場で消化された二番煎じです。それに、この手の会社の業績の読みは難しく、東洋経済の記者が観測であてられる筈もありません。一応、多くの場合、会社側の予想を前提にして、外部環境などを考え独自に2015年3月の予想を立てますが…調べてみれば分かりますが、実にいい加減な予想なのです。カタルの知り合いが東洋経済にも居り、彼とも交友がありましたから、実態は、ある程度知っているつもりです。このような見方が分かれるから…相場は面白いのですね。冒頭に説明した強弱感の対立は、株式の大相場には不可欠で重要な要素です。東洋経済の記者を信じるか、会社の背景を実際に調べ、200千株(2.2%)ほど買った「CGMLIPBカスタマーコラテラルアカウント」のファンドマネージャーの実績を信じるかは…読者の勝手ですね。CGMLIPBカスタマーコラテラルアカウントが過去に買った銘柄を見てみましたが、なるほど…と思うタイミングで投資しているようです。通常、株主登場から、半年から1年程度で、その後大きく相場が形成されているようです。おそらくその相場の背景には、人脈が存在する可能性がありますね。ファンドの仲間にも人脈はありますからね。
さて明日はケネディクスの業績の裏付け作業に挑戦しようかとも思っていますが、何しろカタル君は怠け者ですから…約束はできません。ただようやく外資系ファンドの登場が確認できて、長くカタル銘柄だった秘蔵っ子のデビューが近づいている様で…ワクワクするような…さみしいような…。昔、カタルが中学生か高校生の頃、山水のオーディオセットを親から買ってもらい、その4スピーカーの試聴版に小椋佳の「青春」と言うアルバムが付録についていました。その時に、目を瞑ってその試聴版を聴くと、蒸気機関車が左から右に動く様子が、まるで本物のように聞こえたものでした。あの青春と言うアルバムを聴いて以来、彼のファンになり彼のその後の動向を追っていたのです。最初は無名で、世の中の誰もが知らず…だんだんに彼が有名になっていくと、嬉しいやら寂しいやら…自分だけの存在から、やがて『シクラメンのかおり』などのヒット曲がガンガン生まれ、紅白歌合戦に出るようになると…第一勧銀時代の神田さんを知る者にとって、有名になればなるほど、嬉しいやら寂しいやらの複雑な思いに007は似ています。そろそろヒット曲が生まれるタイミングなのでしょう。何故か、CGMLIPBカスタマーコラテラルアカウントの登場は、そんな感情を想い出させました。
2013年12月07日
お年玉
今日は約束通り、株価変動率が一番高い場面の考え方を解説しましょう。通常、多くの証券マンは企業業績の良くなった優良企業(大型株)しか薦めません。ここで重要なことは時間軸なのですね。株式投資は6か月先の状態を見極めて株価が動いていると言います。
例えば嘗てカタル銘柄だったマツダを事例に解説をしましょう。カタルは2010年の前半にカタル銘柄として盛んに取り上げていました。覚えている方も多いでしょう。しかし結果は2年半遅れの登場になりましたね。理由は金融危機の影響が大きく、時間軸が横にずれた為ですね。こういう事は良くあります。先ほどカタルページを検索していたら2009年から2010年にかけて取り上げ、解説されたページがありましたから、関心のある人は此方を見ると、より一層は理解が進むと思います。

そのマツダの実際の企業業績の推移は色々あり時間軸が横にずれました。その実際の企業業績推移が此方です。カタル銘柄の多くは、赤字から黒字転換される場面で選ばれています。ベンチャリもそうだったのですね。しかし世界の経済環境などが様々な要因でぶれた為に、折角の狙いの時間軸が、横ずれしたケースがあります。マツダのケースで見ると、2012年の赤字計上の位置ですね。2010年にはカタルの狙い通り構造改革を終え、上昇し始めていたのです。しかし欧州危機の再燃などで、もう一度、駄目押しを入れます。そのあとアベノミクスと絡み100円割れまで追い込まれたマツダが、市場の人気株になり、今では、間もなく500円台になります。最初の狙い通りの動きに時間軸はずれましたが、結果は狙い通りになりました。

今回のユビキタスこと007もそうですね。僅かな時間軸の修正ですが…少し横にずれました。現在のマツダは既に市場に人気株になり、正当な評価を市場から受けています。でも株価的には、中国の大きな改善がないと言う前提なら、業績の伸びのカーブは角度が変わりますから、株価は僅かな上昇か、横ばい波動に移行するのでしょう。カタルの狙いは赤字から黒字に転換し、その黒字が急激に大きく膨らむ環境になる銘柄に狙いを定めています。それがケネディクスであり、007なのですね。一般株の狙い目は、日本板硝子なども、その一つ候補でしょう。最近はグローバル化が話題になり、その価値観が再認識されています。ソフトバンクにファーストリテイリングなどが代表事例で、ニトリやLIXILGなども、この後に続いています。この傾向は正しいのでしょう。
欧州の景気が改善を見せ始めてきましたので、現在構造改革最中の日本板硝子などもその候補に浮上しそうです。しかし残念ながら、英ピルキントンの馬鹿高値の買収代金である無形固定資産、のれん償却がまだまだ続き先行きは不透明ですが…日本を始め、米国なども住宅環境が改善しており、遅れていた欧州が来年は注目されますから、公募価格の181円を目指し一気に仕手化する可能性も存在します。それほどピルキントンの改善は、変化率が大きいのでしょう。そうして同じグローバル化で高い買い物をして、失敗した古河電工も2015年に向け構造改革を終えるので企業業績の変化率が高まります。此方は既に黒字を確定させており、配当もしているからあまり大きな妙味はありませんが、確実に人気化する素地があります。新興国の社会基盤整備の絡む光ファイバー網、好調な自動車のワイヤーハーネス、電線も基盤整備の一環で、電力の自由化に絡み色んな思惑も生まれます。両社とも、グローバル化の先駆者ですが、なにより失敗組なので、市場の評価が低く株価に改善の余地が生まれます。一般的に利益余剰金がマイナスになるほどの危機からの回復は、株価へのインパクトが強いものです。ただ板硝子は会計法の変更による影響もあるようなので、ケネディクスと場合と少し意味合いが違うようです。いいですか…株価は企業「変化」を買うものなのですね。良い会社を買うのではないのです。
今日は推奨している訳ではなく、板ガラスや古河電工の解説をしている訳ではありませんが、概略を掴んでないと、この仕組みを理解できないから簡単に解説しました。一番重要なことは売上変化なのですね。何故、007の立ち上がり角度が「急」なのか? カタルは何度も、本文でこの角度の話を採り上げています。グラフでは、緑の古河電工に青の板ガラス、そうしてオレンジの007ですね。過去最高利益水準を念頭に置き、企業の変化を観ます。この業績の立ち上がり角度が、一番高いのは007ですね。売上変化は4割もの増額が見込めます。本当はこんなものではないでしょう。先日の組み込みソフト展で9つものブースを設けており、その売り上げが来年に計上期を迎えますね。村田などが関与しており、村田の供給する部品数は億単位です。それにIVIなどの未来利益が加味され、しかも売上全てが利益に変化する構造なのですね。製品を製造販売する5%や10%の売り上げ営業利益率の話しではなく、ソフトの原価の基本は無料なのです。実質的な経費は人件費だけですよ。利益の質も高いく、売上変化も大きいので、カタルが大きく評価をしている訳ですね。
この業績角度の高い銘柄は日本では限られます。ROEの上位の企業数を見れば分かりますね。赤であらわされた時間軸はカタルの推奨ポイントからよくずれる事があります。日揮のケースは1年ずれ、マツダは2年半です。しかし営業黒字になる辺りに注目し、株価が低迷しシコリがなく、仕手性があるかどうか…の市場の潜在人気の判断は、経験がものを言います。カタルの狙いはPFIでしたが、建設株のバックボーンを高く評価していたので早くから熊谷組も取り上げていました。注目地点は100円台だったのです。それがオリンピックを切っ掛けにリニアも絡み、熊谷組も人気株に育ちました。潜在人気の判断は経験がないと、なかなか見極める事が出来ません。何れ、市場の人気株に成長する3銘柄を材料にして、今日は、赤字から黒字転換する業績の角度の話を中心に解説を試みました。この角度の中で、単に角度が高い銘柄でも駄目なのですね。そこには利益の質が加味されなくてはならないのです。007が赤字の段階から、市場からの高評価を受けている理由が、何となく皆さんにも理解されてきたかと思います。3銘柄とも面白い段階を迎えています。他の多くの人気株と株価位置を比較して下さいね。今から皆さんにカタルからの早めのお年玉プレゼントです。