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2013年06月29日
世界の潮流
最近、金価格は下がっていると、度々報道されていますが…この感覚は不思議ですね。為替の影響なのでしょうが、この違和感は何処からくるのでしょう。国内の金価格は2013年4月10日の5339円でピークを打ったようです。しかし国際市場では2011年9月の1921ドルでした。国内ではグラム、国際価格の単位はトロイオンス(1トロイオンス=31.1g)なので、何故か、しっくりきませんが…。しかし国内のピークは、第二次オイルショックからソ連のアフガン侵攻時に付けた1980年1月の6495円なのですね。これほど国際価格の金が上昇したのに…。国内価格では残念ながらピークを更新する事が出来ませんでした。この事からも分かるように…円の為替水準は、やはり過剰に評価されているのでしょう。

1989年11月のベルリン壁崩壊からBRICsの誕生への流れを、当時、想像するのは困難でした。鄧小平の南巡講話が1992年1月から2月の話ですね。「富める者から豊かに成れ」と市場原理主義に傾く政策の機敏さが今日のGDP大国の誕生を、あの時に示唆していました。逆に日本はその頃からバブル期の反省に沈み「失われた時代」を過ごすことになります。空洞化の動きと相まっています。そうしてナスダック市場の2000年3月10日の5132ドルをピークとするITバブル・ブームにより、一気に通信環境が劇的に変化しインターネット環境が急速に整備されます。象徴的な事例は2002年8月に始まったソフトバンクの子会社が提供するヤフーBBのパラソル戦略でしょう。無料をうたい文句にADSLへの加入推進は日本の進化に大きく貢献しました。
丁度この頃、1997年にマイロン・ショールズがブラックーショールズ方程式でノーベル賞を受賞した辺りから、オプションの考え方が金融界に急速に広がり、金融工学が大きく発展します。そうしてサブプライムローンから金融危機に至り、CDSを保証していたAIGと言う保険会社に公的資金が投入されましたね。CDS残高は異常に膨らんでいました。この金融工学の進化によりデリバティブ全盛期を迎え、新興国ブームが一気に広がります。しかし2007年10月に上海総合株価指数は天井を打ちます。この新興国投資のブームを支えたのは、ITバブル崩壊により、お金が代わりに向かったのが、代替投資(オルタナティブ投資)と言う商品市況への流れでもあります。
CRBなどの商品指数は2008年7月に、金融危機と共に天井を打ちますが、金価格は金融システム崩壊の代替手段として、長らく資金が保持されていました。その様子は此方のチャートの方が良いでしょう。この関係は他の商品の動きと違い面白いものがあります。

先日、三菱UFJはアユタヤ銀行(タイ5位)の買収に動くと報道されています。まだ実現はしてなく観測記事でしょうが…。邦銀の転換期は2003年です。あれから10年ですからね。自己資本比率規制(BIS規制)の改善のハードルは高かったでしょう。1998年には、我が国の土地バブルの処理は、一旦、終了したのでしょう。理由はダヴィンチの誕生です。不動産の収益還元法価格への収斂ですね。仮にアベノミクスが成功するなら、我が国の不動産は、ようやく上昇に向かうタイミングとなります。ここに来て世界の不動産マネーは日本をターゲットに動き始めています。ダヴィンチの金子さんは非常に優秀だと言われていました。何しろ、あのロックフェラー財団からもお金を出させるわけですからね。惜しい人を日本は潰したものです。何故なら、メザニンローンなどの普及に貢献したからですね。失敗したのですが…残っていれば日本の金融市場に革新をもたらしたかもしれません。ホリエモンにしてもそうですが…惜しい人を失いました。
既得者利益を重視する仕組み社会の殻は、なかなか破れませんね。西武電鉄などをみると、堤一族の私物化が未だに通用している有様で、JR東日本などが応援する論理が、何故、働くのでしょう。JR東のお金のつかい方は、理解に苦しみます。株主利益に相反するもので市場経済化していない日本の「仕組み社会」の力の強さを物語るものですね。電気事業法改正案が廃案になったことは、如何にも自民党らしい対応です。「だから、ねじれ国会を解消しなくてはならない。」と結ぶ辺りは、如何にも政治家らしいですね。小手先の口先人間だけが認められる眉唾の仕組み社会か…。さて余談はこの程度にして、最近は金価格が下がっていると…度々、報道され話題になっています。この動きはベルリンの壁崩壊から流れていた資金の転換を示すもので2011年9月に流れが変わりました。QE1からQE2そうしてQE3と米国の緩和は続きましたが…同時にファニーメイやフレディマックの正常化が見えるようになり、米国住宅市況の転換期と金価格の動向は重なっています。
物事の流れの基本は、必ず起承転結がありますね。山場を迎え終わるのですね。株式市場には有名な格言があります。「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑と共に成長し、楽観と共に成熟し、幸福感と共に消えていく」と言うニュアンスの言葉ですね。上手く物事の成り立ちを示した言葉です。カタルが007を支持し続けている理由は、懐疑と共に成長している過程だからですね。株の場合は楽観と共に成熟するのでガンホーのように利益が見えるようになると相場は終わりを迎えます。2年ほど前のグリーの田中さんの心境でしょう。株の世界で赤字から黒字への過程が、一番効率が高い投資だという事を示しているのです。
話しがそれますね。金価格です。異次元緩和により金価格が一段安しているのは奇異にも移ります。だってインフレになればモノの価格は上がり、商品価格は高騰しても良いのに…世界の商品は下がっていますね。最近、あまり大きく採り上げられていませんでしたが、イングランド銀行のキング総裁は議会証言で、国内銀行は2012年末時点の自己資本規制を満たすためには、総額271億ポンド(4兆1000億円)の資本の増強が必要と指摘していました。先進国の金融システムが復活するかどうかの順番は、米国、日本、欧州と、市場では判断されているようです。そうして金融システムの正常化の可能性が高まってきたので、金価格が下げているとも思われます。代替需要が薄れてきたのでしょう。中国では地方政府の不良債権への取り組み姿勢が明確にされ始めています。同時に人件費の高騰から、ロボット需要が膨らみ安川は工場を新設しますね。
ここまで世界のお金の潮流について考えてきました。既にレポート書くにあたり、4時間以上が経過し疲れてきました。中途半端に映ると思いますが、日本株の行方を決める重要なポイントの一つの検証作業を進めてきたつもりです。CRB指数の動きと金価格の流れは違い、意外にもナスダック市場は高値を更新しておらず、ITバブルの凄さを実感したのですね。そうしてIRNETの多くの読者は、パラソル戦略以降の人達なのでしょう。カタルは電話回線時代から始めましたからね。あの時にカタルは転職を考えていたのですね。1997年から1998年の話ですね。その時に面会したペイペイの宮坂さんが、今ではヤフーの社長になっているのですから、時代の流れの早さを実感する次第ですね。スマフォの誕生は、2009年ですからね。2002年のパラソル戦略から、まだ10年余りの時間です。大きな流れを考える事の大切さを実感して下さい。
2013年06月22日
不動産はスター株へ
今日は不動産株について考えてみたいと思います。カタルは基本的に1998年8月にダヴィンチが創業を開始したので、日本の不動産市場は、この時にバブルの処理が完了し収益還元法でも利益が生まれる正当な価格水準に落ち着いたのだろうと考えています。収益還元法の解説が必要でしょうか…、つまり不動産の管理維持費や金利などの経費を見積もっても、家賃などの収入が債券と比較しても有利で、採算が見合う物件だと言う考え方です。株で言えば配当利回りですね。不動産の値上がりなどのキャピタルゲインは加味されていません。
時々、話題にするダヴィンチの金子さんは、日本の不動産証券化ビジネスの草分け的な存在でした。彼は米国で学び、長谷工を経て創業したと言います。実は金子さんの事は良く知りません。会ったことはないし雑誌などの評判では、悪い噂も多いですね。しかし彼は純粋に商売として成り立つと考えていたと思いますね。空前の不動産ブームだったバブルが崩壊し、日本の金融界は、その後処理の為に四苦八苦しました。今でも「りそな」は国への借金が返済できませんからね。やはりあの時に潰すべきだったのでしょう。採用された仕組みは日本的な考え方ですね。その後、倒産し再建された日本航空の処理と、どちらが正しいのか分かりません。
不動産の仕組みは様々で、レバレッジの掛け方は多様です。メザニン・ローンなどの市場も存在しますからね。金子さんは利回り20%を謳い、米国のロックフェラー財団やハワード・ヒューズ財団などの著名な海外投資家のほか、企業年金基金など保守的な日本国内の投資家からも資金を引き寄せ、2006年に1兆円ファンドを立ち上げテーオーシーへTOBを掛けたので…その頃に、カタルは関心を抱いたのを覚えています。信用力さえあれば過大なレバレッジをかける事が出来ますから、年利20%程度は論理的にも実証できます。ただ彼が挫折したのは、2006年からの日本の既得権力者の逆襲や、金融庁などの指導の為でしょう。不動産価格など…実にいい加減なものなのです。色んな逸話が存在します。巨額な資金が動く為に、やくざ屋さんや政治家がその陰によく顔を出すようです。
不動産にはエクイティー、メザニン、シニアなどの仕組みがあります。解説をし始めると長くなるので、自分でネットサーフィンをして興味のある人は調べてください。カタルも以前、解説したことがあります。多くの金持ちは不動産ビジネスで成功をおさめ地位を築いている人は大勢います。株以上に確実ですからね。今の時期の不動産は、非常に安いと考えています。ダヴィンチの金子さんが失敗したのは2006年の話です。有名なのはJR東京駅に近接する32階建ての「パシフィックセンチュリープレイス」と言うビルに絡む売買ですね。新生銀行がノンリコースで貸し出した物件での話です。
何故、ダヴィンチの話を引き合いに出したかと言えば…今こそ、果敢にレバレッジを掛け日本の不動産ビジネスに乗り出すタイミングだと思うからですね。事実、昨日の日経夕刊には、米国GEが1000億円規模で参入し始めた…と報道されています。僕は金子さんにもチャンスがあったと考えています。しかしあの時、元日銀総裁の福井さんの判断や地検などを利用した既得権力者の巻き返しなどがあり…更に米国で金融危機が発生したので、環境が悪化し失敗したのでしょう。今なら…前回の反省もありますから、間違いなく成功するだろうと考えています。森ビルのように…成りえたのでしょう。先ずは地価水準です。バブル期以降低迷している日本の不動産市場を実感して下さい。下のグラフは東京都の地価推移です。

日銀による包括的金融政策は2010年10月に実施されましたが、日銀はあれほど日銀券の価値に拘っていたのに…リートやETFと言う、不動産や株などの危険資産に投資を始めるのですね。ラストリゾート(日銀)の参入は、後世の人達から見れば歴史的な、しかも画期的な政策転換なのです。しかし長らくデフレを続けてきたので、なかなか政策に信頼が生まれませんね。何故なら、これまで何年も、何年も騙され続け、みんな痛い目にあってきたのです。ダヴィンチの金子さんのように…。しかしようやく2010年10月から実施している包括的金融政策効果が、市場に生まれ始めています。その様子がケネディクスのマーケットレポートからも窺えます。下のグラフです。今回は時間が掛かりました。これまでに何度も騙されている為に、なかなか皆が動きませんでしたね。あと一押しですよ。

カタルがケネディクスを3月に推奨した後、株価が3倍以上に上昇したのは、予兆に過ぎないと考えているのは、これから本番を迎えるからですね。おそらく3年程度は、どんどんと日本の不動産市場に資金が流れ込むのでしょう。1989年のバブル期に近い状態が生まれる可能性があります。この時期の不動産の最終利回り(売買も含めたもの)は、レバレッジの掛けようでは、年率20%以上の効率が生まれるのでしょう。不動産の賃貸料の他に、後で加わるキャピタルゲインがあります。
さて金曜日の日経新聞の市況解説に、不動産株の下落について…金利上昇による利払い費が増える為に株が売られたと解説され、不動産株の金利上昇リスクが指摘されていました。鶏と卵の話しなのですね。賃貸料も上昇します。しかも多くの不動産会社は金利水準が企業業績に敏感に影響を与える為に、既に長期物への転換を終えていますね。影響がないとは言いませんが…大手銀行の国債リスクのようなものですよ。基本的に対処済みなのですね。詳しくはケネディクスのマーケットリポートを読めば、実態が書いてありますから分かります。本文は此方です。

さて、なかなかリートと金利の関係が分かり辛いので、最近の動きを流動性のある野村のリートからグラフを作ってみました。年4回の配当金の合計額を基準に、利回りを弾きだし株価と比較してあります。お分かり頂けるように、既に4月から1%もの調整を入れており金利上昇分は、完全に織り込まれていることが分かるかと思います。この間の長期金利の上昇分は0.5%ラインから0.8%への変化で、市場では大きく騒がれていますが0.3%程度の上昇に過ぎません。しかし野村リートは、既に1%も織り込んでいますね。如何に新聞の市況解説の表現が、的を得てない解説か、お分かり頂けると思います。信用創造機能が、市場経済の源泉なのですね。信用創造とは…未来に対する希望なのです。前向きな社会形成には欠かせないのです。木曜日の今日の市況で、カタルは企業の現預金残の推移を掲げ、225兆円もの眠っている資金が動きだす、夜明け前の状態だと書いており今の日本経済のキーワードは此処に焦点があります。
カタルのレポートを日経の編集委員の方が読んでおられるなら、是非、次の日銀の金融政策決定会合に向け、早めに環境づくりに取り組んでください。あなた方が15日土曜日に一面で掲げた「REIT購入拡大」は、非常に大切なキーワードです。ここで日銀の明確な表明が必要です。あの解釈は、あなた方の憶測に過ぎません。黒田さんが7月に再度、市場に向けて表明することは、非常に重要なことですね。何故なら、FRBは出口論を打ち出したからです。ここで日銀が再度、緩和論を掲げ、リートやETFの購入額を増やしたり、短期貸出期間の延長を表明すると…眠っている225兆円のお金が一気に、設備投資に向け動き出しますね。この時期の表明は2010年10月の包括的金融政策から始まった政策が、2013年4月の異次元緩和の駄目押しとなる決定打になります。

2013年06月15日
目先投資家に翻弄された株式市場
医薬品のインターネット販売などを目玉にした規制改革に市場は失望を感じたのでしょうが…こんなものを規制緩和の第一弾としたことへの失望感が、これまでの期待感を削いだのでしょう。しかし考えてみれば単純な公式だったと…、今となれば解釈することが出来ます。日銀への圧力からマネタリーベースを増やし始めたところに、政権交代が加わり市場原理主義者の安倍政権の誕生が、一気に期待感を生んだのがアベノミクス効果で…、その成果が4月の異次元緩和です。つまり10月から11月にかけ生まれた期待が、現実になったのが4月の異次元緩和でもあります。期待以上の異次元緩和でしたが、期待の結果が出たのですね。この時点で、既に不動産株の多くは天井を形成しています。
続く成長戦略の発表は選挙を控え、既得権勢力を無視することが出来ませんからね。安倍政権が秋にも追加の対策を打ち出すと述べている理由が分からなくもありません。なかなか進まない規制緩和の根源は、おそらく省庁主導で設けられた支援団体の構造でしょう。天下り組織を構築するために日本は規制を設けてきました。「産業育成」と言う建前で業界を保護したり、「安心・安全」を謳い消費者や利用者保護などの名目ですが…。しかし現状は既得権の象徴的な団体と成り下がっています。○○協会などの多くは、監督する省庁から幹部を招いています。焦点の規制改革ですが…彼らにとっては生き残りをかけた戦いで、日本のシステム転換を難しくしています。だから「失われた時代」が長引くのですね。
資格制度もそれに輪をかけます。今ではすべての業種に資格が必要ですね。代表的な資格は医師免許や司法試験などですが、介護から金融まで、全てが資格、資格で、形式主義を重んじています。ドラマや映画で、よく無資格医師が活躍するシーンがありますが、本物の医者より、現場で鍛えられた無資格医師の方が優れている場合もあるのでしょう。制度は全て後追いで、もともと最初は資格などは存在しなかったのです。金融界を見れば分かります。証券マンの多くは素人ですからね。資格などが役に立っているかどうか疑わしいのです。カタルは、証券アナリストの資格も、外務員資格もありますが…レポートを読んでいれば分かるように、ハズレもかなり存在します。医師免許があっても誤診も多いですからね。そこで重い病気にかかるとセカンド・オピニオンを求める事がありますが…。
でも資格制度を過信し過ぎじゃないのでしょうか。必ず、その試験制度を支える組織が存在し、そこには多くの天下り官僚が生活しています。組織を作るのは簡単ですが、壊すのは難しいですからね。医薬品のインターネット販売は、一つの権力構造の中にあり政治家は影響を受けるわけです。政治家の秘書も規制緩和交渉の過程を餌に、政治資金の獲得を狙う訳です。ロビー活動とも言いますね。ベンチャリの松本さんが話していましたね。規制緩和はビジネス・チャンスだと…。彼は保険販売に賭けていましたが…金融界の仕組みを知っていたかどうか…金融は時間が掛かります。信用構造を創り上げる過程は大変ですが、一度、仕組みを構築すれば、後は寺口銭の世界です。
今日も序文が長いですね。落語でも演題(演目)に入る前に、色々と御託を並べますから…。あれは「まくら」と言うのかな? さて昨日の続きですね。方向性が見えなくなったら時間軸を延ばせば見えないものが、見えてくるのです。乱高下に翻弄されている人も多いようですが、基礎知識が確立されていれば…怖いものはないのです。しかし本題に入る前にもう一つ、皆さんに基礎知識がないと、分かり辛いので…今日の日経新聞の15面の左上の「大機小機」を読んでくださいね。ここで述べているフリードマンの恒常所得仮説がないから、企業の余剰資金が積み上がっているのです。本文は消費について書かれていますが、同じことなのですね。今の経済界の焦点を、安倍さんは外していませんよ。だから秋に設備投資に的を絞った投資減税を述べている訳です。
しかし残念ながら、今の市場に明確な旗振り役が存在しません。だから市場は方向性を見失ったような、糸の切れた凧のような状態なのです。「予防保全」を含めたPFIやPPPと言うテーマは、財政問題に絡み、非常に重要なキーワードなのですが…。熊谷などの銘柄は反応しませんでした。昔なら、野村証券の株式部長が自己勘定で買い進み、顧客に割り当てて行くリードマンが居たのですが…。今は東急などの相場操縦が出来なくなりましたからね。市場に人が居なくなりましたね。トホホ…。僕が年金基金のファンドマネジャーなら非常に高いパフォーマンスを上げられると思うけれど…。年金資金は規模が大きくドル平均法投資を採用できます。
僕の文章は、あっちこっちに飛び過ぎるから分かり辛いのかもしれません。余程のプロでないと、真意が伝わらないかもね。昨日、掲げたように時間軸を変化させれば分かりますね。見事な立ち上がりですね。やはり、既に時機は到来しているのですね。今回はバブル崩壊から3回目のチャレンジになります。本来、上手く政策運営がなされていれば…ここまで混迷はしなかったはずです。1985年のプラザ合意からの日本の失政は、見るに忍びないものがあります。米国の戦略に踊らされ…国民の財産を失っています。確かに戦後の復興は大蔵省主導で見事な演出でしたが…。プラザ合意以降の混乱は、人が居ない象徴となっていますね。終身雇用や年功序列などの仕組みは、素晴らしい物でした。土地担保金融などの信用創造は、日本の成長に大きく貢献しましたね。信用創造機能は、非常に大切なのですね。この意味を理解している人が、政策官僚に存在するのかどうか…。お金の本質を理解せねばなりません。GDP比の財政赤字などと言う、まやかしの理論にメディアは踊り、徐々に彼らの演出に乗りかかっています。この話は面白いので、明日にしますが…。
要するにチャートを見れば分かりますが、10月末と言うか11月でも良いのですが…5月まで続いた第一波は序盤に過ぎませんよ。株の相場の中で、ほんの「まくら」と言うか予兆なのですね。これから本格的にスタートする歴史的な転換期の一コマに過ぎないのです。

黒船来航から明治維新の過程を見れば分かるように、江戸幕府が倒れ、これから新しい時代がスタートするのです。スマート・コミュニティーの世界は既に始まっています。スマフォが世の中に出てきたのは2009年です。ユビキタス社会の到来ですね。電子カルテを含め情報の生活活用が始まります。その歴史的な産業革命と言うか…、転換期を相場は予兆している訳です。アベノミクスの第一波を見て御覧なさい。長い下値固めのボックスを一気に抜き去っています。これは相場の鉄則です。初動スピードがものを言うのです。物理学の世界で、運動エネルギーと言うものがあります。運動エネルギーは、質量と速さの2乗に比例するのですね。つまり初動スピードが、非常に大切なのです。11月の8000円から5月の15000円は、実に2倍近いスピードですね。しかも僅かな期間に達成しています。小泉・竹中改革以上のスピードと値幅ですね。きっと大きく歴史が変化するのでしょう。僅かな期間の調整波動に慄くのは、みなさんに歴史的な考え方が確立されていないから、値動きに怯えるのですね。時代の変化は確実にやって来ているのです。007をカタルが支持し続けている理由は「スマート・コミュニティー」の創設に関与しているグループだからなのですね。ウェザーニュースの話は、ほんの始まりに過ぎませんね。ユビキタス社会は既に到来しています。
2013年06月08日
黒田さんの真価は如何に…
市場にはいろんな見方があり戸惑う人も多いでしょうね。
だから市場動向と実体景気の立ち位置を解説しなければなりませんが…なかなかメディアの人は、間違った解釈をする人もおり、困ったことです。長いカタルの読者の人は、お分かり頂けるでしょうが、カタルの基本は円高論者です。円安より円高の方が良いのだと考えています。しかし…構造改革の途中で日本はミスリードを連発してしまい、構造改革が中途半端で、新しい芽(新成長戦略)の統合性が取れていませんね。既に技術開発は出来ており、後は後押しをする流れを、作れば良いのですが…、中央官僚組織が機能してないのでしょう。アベノミクスの成否は此処にあります。薬のネット販売など茶番に過ぎないのです。ITSを初めとする高度交通技術を活用するために「みちびき」の後継機の打ち上げを前倒しで進め、遺伝子情報を加味した情報医療の確立を成し遂げ、交通システムも変化させねばなりません。本当に都心で自動車などが必要なのかどうか…。もっと便利なものが沢山あります。極めつけはキャッシュレス社会の構築ですね。犯罪も脱税もなくなり、お金の行方が追えるからフェアな社会が確立されますが、反対する悪者が多いのでしょう。株式市場を見れば分かりますね。僅かな、みせ玉を用い相場を意図的に株価を崩したり、注文を何度も出したり引っこめたりする人は、みんな、ある意味で犯罪者ですよ。実社会にも振り込め詐欺などが横行し、老人大国に優しくありませんね。キャッシュレス社会なら起こらない事件です。犯罪の捜査は怨恨だけに絞られるのでしょう。
株価の調整は現政権への警告ですね。このような時に元日銀総裁の三重野さんは、株が下がっても経済は影響ないと、資産デフレの弊害を軽視していました。それから何年も日銀は資産デフレの弊害を認めて来ませんでした。…が、しかし日銀が初めて「失われた時代」の反省をしたのが、2010年10月の包括的金融政策の採用で、リートとETFの買い入れを表明した時ですね。しかし2012年春には再びマネタリーベースの伸びをマイナスにするのですから…、呆れるデフレ概念ですね。順調な経済成長を望むなら、グローバル化の影響もあるから、10%近いマネーの伸びを、どんな時も確保しなければならない筈です。実は米国の金融危機が起こる前から、日銀は資金量を絞りはじめマイナス展開していたところに、例の金融危機が勃発し日本経済は「デフレ・ボトム・ポケット」に叩き落されました。勿論、経営者の判断ミスもあったのです。
先日、NHKでTSMC(台湾積体電路製造)のモリス・チャンの特集をしていました。両親は共産党と戦い敗れた国民党の支持者だったようですね。18歳で渡米しテキサス・インストルメント(TI)に入社したあと、54歳で起業するのですね。まぁ、台湾当局の応援があるのですが…それにしても凄いパワーです。彼は日本の半導体業界の失敗の原因を語っていました。「日本は垂直統合・分離型で設計だけの会社はない。設計、製造、組み立てが日本の垂直型だが、世界は水平分業型に変わっている。」まぁ、販売も含め日本は日立のような形を重視し、構造改革の入り口でパイオニアの「指名解雇」と言う事件が起こったのは1993年の話しでしたね。日本は構造転換の入り口で、システム転換への障害である世論の反対に遭い、「失われた時代」の道を、自ら選んだとも言えるのでしょう。日立はつい最近ですからね。構造転換を進めたのは…。2006年の古川さんの時代から日立は変化を始めました。この事例から見ると1993年から2006年の13年間が経営者の失われた時代とも言えます。
長々と前置きを述べていますが、バックボーンがないと、なかなか現在の相場を理解できないからです。今回の円安で分かったことは、既に製造業の構造改革は進んでおり、後戻りはできないという事です。80円から105円でも製造業の回帰現象は見られませんでした。現状の移転計画を延長する程度の状況だったですね。だからアークの相場の腰が弱いのでしょう。市場経済とは、実体経済の動向を市場と言う鏡を通じて試すわけですね。常に市場は正しいと考えて、市場動向に合わせ、政策のスタンスを変えます。本来ならアベノミクスの新成長戦略で、PFI関連株やPPP関連株が物色されるべきタイミングです。カタルは最近ですが、熊谷と言う会社に興味を感じました。この会社が一つの会社の方針として力を入れているからですね。既に実証段階に入っています。クスリの開発で例えるなら臨床段階という事でしょう。まだ売り上げに占める割合は、僅かですが、これからの市場規模を考えるなら、欠くことが出来ない関連株として注目されますね。
ところが…、市場を見渡すと…群栄、丸栄などのババ抜き合戦を演じています。市場は明らかにアベノミクスの副作用を支持しています。つまりアベノミクスの失敗ですよ。異次元緩和はこれからで、資産価格が上昇するのですが…。だから敢えてカタルはケネディクスを金曜日に、再び取り上げました。理由は10日、11日の金融決定政策会合で黒田さんの真価が問われるからです。彼が本当に市場原理主義者なら、間違いなく市場の動揺を抑える為に、新しい手段を採用し行動する筈ですね。昨日の長期金利の水準は0.835%ですよ。もし金利だけが高止まりし続けるなら…。(僕は原則、1%程度の水準は容認しています。故に横ばいでも良いのですが…)政策への信頼感が失われますね。やはりヘッジファンドなどの市場関係者の疑念を、払拭させねばなりませんね。
これだけ株が上がったので、調整はある意味で当然なのですが…、調整の中身が悪すぎます。失われたデフレ時代が長かったので、市場参加者が動揺するのは、良く分かります。故に新興株などの2段下げの急落が、生まれているのでしょう。通常、2段下げは調整のリズムなのです。まだ市場は健全に機能していますが、市場の動揺を抑える為に、市場は政策主体の力量を試しています。黒田の力量が、市場から問われているのですね。もし何も、今回の政策決定会合で「現状維持」の回答をするようなら、市場はさらに混乱し、アベノミクスの価値は大きく下がります。シャープなら、いざ知らず、ソニーやパナソニックが、その時間に耐えられるとは思いません。だから黒田さんが回答せずに、現状維持なら、一般株の2段下げが演じられ、「デフレ・ボトム・ポケット」からの脱出を先買いした3銘柄は、残念ながら、空売りの対象になるでしょう。おそらく参議院選挙も自民党は勝てなくなる可能性も出てきますね。
だから日経新聞さん、あなた方が書く記事が明暗を握ってもいます。ようやく長期金利の動きを掲載し、今日は黒田さんの真偽を問う、一面記事を掲げてありますが、もっと黒田さんに、現状を分かるように問いかけねばなりませんね。彼の真価が問われているのです。つまり安倍政権の真価が、市場から問われているのですね。アホな菅政権の下で日本の製造業のコストは上昇しました。法人税も高く、いくら我慢強い日本企業も、既に日本には拠点を持っていませんね。シャープが危機に問われているのは、当たり前なのです。亀山から堺は、明らかに余計だったのです。日本に雇用の場を維持させたいと考えるには、政策の転換が遅すぎましたね。1989年から2010年ですよ。20年以上も日銀はデフレ政策を堅持してきたのですね。今の相場は、ようやく「デフレ・ボトム・ポケット」から脱出できるかどうか…の瀬戸際です。
だからカタルは、再びケネディクスを推奨し、市場にその存在価値を問うたのです。ケネディクスは赤字から黒字転換したばかりですが、資産デフレから資産効果を見直す、重要なキーワードの銘柄ですね。この会社が再び沈むようなら、アベノミクスなど成功する筈がありませんね。ソニーは間違いなく倒産の岐路に立つでしょう。既に異次元緩和に踏み込み、長期金利は上昇し始めました。この事は正常化との裏返しの動きで容認されますが、スピードが問題なのですね。市場は既にガラガラポンのリスクを感じ、慄いているから動揺を鎮めねばなりません。だからケネディクスの株価が反騰の狼煙になり、2段上げに入る筈なのです。1兆円を超える付加価値は高いですよ。探して御覧なさい。だれもこの時期に、都心の物件を数千億円も買えませんね。僕の友達は2003年の不良債権の処理の最中に、リーマンから800億円の資金の運用を頼まれましたが、そのお金を使い切ることが出来なかったのです。僅か800億円の物件を、採算の合う形で揃えるのは出来ないのです。
だから1兆円と言う資産価値は、今では2兆にも3兆にも匹敵するのかもしれません。昨日の株価は46350円です。つまり時価総額で1061億円に過ぎません。この会社の受託資産は1兆1270億円もあります。最近の動向では運用利回りは5%ですから、毎年、この会社が生み出すキャッシュは563億円もありますね。勿論、金利負担があり、借金を返済せねばなりませんが、当面は利払いを続け資産を積み上げ、上がった資産を売却し始めて売り出せば…。何しろ浅草は1年で9%も地価が上昇したのですね。仮に20%上昇したら…、大変ですね。2254億円の含み利益が生まれます。何故、3月から外人買いと思われる買いが入り、株価が暴騰したか? 背景を説明すればマジックが見えてくるでしょう。株価が新高値圏に、一気に突入しても不思議ではありませんね。

上には東京都の基準地価動向の推移を掲げました。1998年にはバブルの後遺症の処理は終わっているのです。ダヴィンチの金子さんは、投資採算利回りが合うから、資産運用会社を創業させ、外国資本を頼りに受託資産の運用を開始したのですね。彼は非常に優秀で合理的な判断をする人です。しかも果敢に兆戦を続けましたが、2006年の日銀の政策転換や米国発の金融危機に追い込まれ、減損会計システムに敗退し、市場から去りました。倒産したわけではありませんよ。2010年の証券マン時代に、カタルは何度も助けるべき会社だと述べていましたが、誰もリスクを取りませんでしたね。きっと日本の仕組みに、金子さんが敗退したのでしょう。三菱UFJも、三井住友、みずほも、誰も…金融庁様の意向に逆らうことは出来ませんね。

何故、僕が、この話をするかと言えば非常に重要なのです。日本は1998年にバブルの処理を終え、成長戦略に進むべきだったのですが…ようやく、転換したのが2003年ですが、折角、浮上の形に持ち上げておきながら…、2006年に、日銀は間違ったミスリードをしています。今のFRBと同じ状況ですね。日本は先駆者で米国のお手本ですよ。マネタリーベースの推移を見れば分かります。ある意味で、今、問われているアベノミクスの真価は、小泉政権下の動向に似ています。金子さんが沈むのは無理がありませんね。丁度、信用取引で規模を拡大させた状況下で、奈落の底に叩き落とすような試練を与えた訳ですね。しかしこの試練に残ったのが、ケネディクスと言う会社でもあります。伊藤忠のバックがあったから銀行や会計士は、無理に減損会計を強要しなかったのでしょう。面白ものですね。人生は…。金子さん方が優秀なのに…ある意味でこの状況が日本の限界ですね。
長くなりましたね。相場の背景を語るには、これでは不十分でしょうが、おおよその相場の立ち位置が、ご理解いただけると思います。何故、ケネディクスが反騰の狼煙になるのか、お分かり頂けると思います。資産効果を無視しては、経済運営などできませんね。株は上がるから、人気が高まり、資金が世界中から集まるのですね。資金がなければ、成長などできません。信用創造の意味を、日本人はあまりに知りません。三重野さんのレベルでも知らなかったのです。鄧小平さえ市場経済の道を歩んだのですよ。世界は市場経済の下に成り立っています。
2013年06月01日
調整波動の考え方
基本的に、やはりアノマリーは存在していたという事なのでしょう。相場は昨年11月から上昇を続け、マツダのケースで説明したように過去最高利益を織り込み株価は上昇してきました。故にその動向の確認が取れる秋まで、基本的に全体相場は休みなのでしょうね。今回の上昇も何度か途中で「休み」を欲していましたが、例えば4月は予想外の日銀の金融緩和により相場の上昇波が延びましたね。

基本は政策に株価は反応します。間もなく参議院選挙を意識して新成長戦略を安倍政権は発表すると言いますが、サプライズは生まれないと言うのが市場のコンセンサスです。4月に黒田さんが就任され、後の日銀の金融政策決定会合と同じ状況下にあります。黒田さんは市場の期待に見事に応えましたが、安倍政権の新成長路線は想定内の発表だと言うのが市場の読みですね。ここが非常に重要なのですが、市場が期待していないという事は、非常に良い現象です。仮に事前に期待感だけで株価が上がっているとすれば、例えかなり良い内容のものでも必ず市場は織り込み済みと言う反応を示します。今の状況下では、たとえ予想通りでもイベントが終了し株価は動きやすくなります。つまり材料出尽くし…との評価と同じような反応が生まれるのでしょう。逆にサプライズが出れば、当然、株価は反応します。つまり株価位置が重要であり、イベントの事前に株価が安いことは良い事なのです。ただ11月からの株価上昇は、まだかなり上方に乖離しています。グラフで見ると25日線ではマイナス乖離状態で過熱感はありませんが、200日線では4月の日銀の異次元緩和の時の反発は、23%乖離でしたが現在の200日乖離は27%で、4月の時よりまだかなり乖離が存在します。つまり利食いできる人が、まだ多く存在しているという事です。
カタルが本文で、よく26週線との乖離を話題にして100%乖離の銘柄数を述べています。現在26週線の乖離率が100%以上の銘柄は27銘柄存在します。代表事例はガンホーや東電、サニックス、J・TECなどです。007は既に乖離調整が進展しており55%ラインになっています。10月末からの値上がり率では上位62位ですね。ガンホーが1位ですが、2位はDWセラピテクス4576と言う会社でしたね。3位はPSS7707と言う、何れもIPSからの発想から生まれたバイオ関連でした。この辺りの株価は10月末から10倍以上になっています。株価が5倍以上と言うのは、現在29銘柄ありJ・TECを始めケネデックスなどのカタル銘柄も登場しています。約3550銘柄のなかで1%未満の株を選択するのは、至難の業なのです。カタルのホームページの最近のピーク時の購読者数は8500ほどだったようですが…昨日は6500人になっており、市場の反応が購読者数によっても分かります。努力をしなければ、なかなか成果は得られないものです。くだらない解説でも毎日読めば、何かを得る事が出来るでしょう。そう考えています。
かたるの考え方が正しいわけではありませんが…批判的な観点から、日々の解説を読んでも良いわけです。要するに自分で常に僕の考えを、自分なりに分析して考える事が重要なのです。一応、カタル君は証券界でも10本の指に入ったのでしょう。年収1億のレベルを歩合の世界で成し遂げるのは大変ですよ。外務員教会には5000万円以上になると税務署がうるさくなるので先生の特別監査の対象になります。この人数が10人もいなかったと思います。この人数の中にはディーラーマンも存在していましたからね。セールスだけの数字ではありません。だからマズマズのレベルまで、カタルは到達したのですね。テレビに出ている解説者のレベルは、所詮は素人のレベルですね。多くのスタッフに囲まれ地位があるので、それなりの解説は出来ますが…自分で相場を張ったことがない為に、所詮は駄目なのですね。読者の人が良くご存知でしょう。相場で儲ける難しさを…折角、買った株が利食いした瞬間から暴騰したり、もっと上がると思い売らずにいたら…あっという間に、株価が007のように下がったり…非常に儲ける難しさを実感されている筈です。プロの領域と素人の違いは歴然としています。カタルは心情を全て暴露してホームページを書いている訳ではありませんが、概ね心理が伝わるように…微妙なヒントをさりげなく盛り込んでいます。この文脈の影に隠れた真意を汲んでください。しかしカタルが完璧ならもっと自分の生活が良くなっている筈です。残念ながら、今のレベルは所詮、落伍者のレベルです。
さて今日は…チャート論からの転換点を探ると言うテーマでしたね。やはり007から解説せねばならないでしょうか…。チャート論から見ると未だに調整波動の最中で上昇気配を感じられるものではありません。しかしなかなかですね。チャート論から見るわけですが…業績の変化動向も非常に重要なのですね。現在の007に利益を期待しても無駄なことです。だから当初から決算発表時は下がることが予想されていました。しかしいくつかの場合は、その過程が覆ります。特定筋の介入があるケースですね。J・TECなどは一つの事例でしょう。背景を僕は知りませんが、絶対にアナリストが事前に調査しており、薬の売上額などから見た確信犯が存在しますね。だから現状の業績からは理屈の合わない株価でも、損をしないデータが存在するのでしょう。東電もそうなのですよ。特定の年金ファンドなどが、債券と同じ理屈で浮動株を吸い上げるわけです。どうせ損失は数兆円規模なのでしょう。金利水準を計算し超長期債の利回り計算をすると、失敗した場合でも年金ファンドに玉を割り当てれば、採算ベースに乗る見込みがあるのでしょう。途中で株価が下がっても、最後に帳尻が合うならやれますね。おそらく政治がらみの資金が介入しているのでしょう。電力株はある意味で債券のようなもので…東電株の額面は500円ですからね。実は…この話をするとまた長くなりますから、又にしましょうね。今日はチャート論が主眼ですから…。チャートは基本的に市場効率仮説から来ています。市場は全てを知っていると言う論理ですね。微妙な実態経営は必ず株価に現れると言うものですが…。

先ず、基本構想が必要です。上場時の高値は514千円です。一見すると株価は3点天井を付け株価は下降波動に様にも見えますが、それならば今回の株価波動は…矢印の下降波動で止まるべきでしょう。相場全体の影響で期待感が増幅されたユーフォリアの現象だと言う見方もあるでしょう。しかし陶酔ならもっとバブル相場に発展するものです。たかが任天堂との取引で上場が実現した株(会社〉なら、2010年の時にあの株価は示現しません。QBは簡単な技術で一般化されており、評価に乏しいとの批判もあるようです。しかし僕はソフト技術者ではありませんが、融合性の問題がソフトにはあり、簡単に製品化できない筈ですね。故に007はカーナビのQB開発に3年も掛かったのでしょう。もともと開発要員が少ない弱小企業です。多くの案件をこなせません。村田の資本提携は非常に意義があります。村田の組織が利用でき、販売網が利用できるからですね。そう考えると大手レベルの開発は半年と言う評価に格上げする見込みが生まれますね。
日本の大手家電は急速に情報を取組んだユビキタス社会に突入します。何も4月に解禁されたスマフォの家電操作だけではありません。僕は日本が得意とするITSの構想の発展に、関与する可能性をも予感しています。スマフォとカーナビは結びつき、交通渋滞などのビッグデータの情報のやり取りをします。その際にSQLの活躍余地が広がると考えています。膨大な情報の検索などは出来ないのでしょうが、限られた情報量の中から選択する能力は優れている筈です。だから多くの家電メーカーのポケットカメラに組み込まれたのでしょう。村田からの第一弾にWiFi通信が選択されたのは、ソフトが軽いからでしょう。質が良ければ、いいと言う訳ではないのでしょう。費用対効果の考え方に似ています。組み込みソフトの情報量が少なければ良いはずです。シンプル・イズ・ベストの考え方は、何処の世界でも一緒でしょうね。僕が007に本当に期待するのは、これから訪れるスマート・コミュニティーには、情報がキーワードになり、その分野に経営資源を集中し、視野が大きく広がっている社会環境があります。任天堂で崩れた業績をデジタル家電で凌ぎ、激変環境の荒波に迅速に対応している能力ですね。何が飛び出すか分からないワクワク感があるのです。スマート・グリッドなどの効率化の考え方は、日本が目指す未来社会なのですね。そのトップと言うか…最先端に小判サメのように食い込んでいる逞しさに惚れているのでしょう。

チャート解説の筈が…あらぬ方向に飛びそうですから、解説はここまでにして、要するに成長のステップと言う背景が存在するのです。今回の株価39万台示現の現実は、その為に布石だと考えているのです。人間は弱いものです。今度30万円台に株価が戻ったら、売りたいを思っている人が大勢いるのですね。その心理を創るための布石ですね。そう考えないと信用規制の動向や村田との提携の発表などのタイミングに整合性が取れないのです。この事を解説すると長くなるので、今日は止めます。さて目先の日々の動きを追ってみましょう。現在の株価は21万前後です。この水準は2回目のストップ安の水準で、21万で買った人の利食いを消化できないで状況にあります。目先20万割れで買って、噴いたら売る小判ザメの目先投資の玉は限られたものです。問題は26万の玉ですね。この玉の利食いが進むかどうか…で、需給バランスは変わるでしょう。

先ずは25万ラインをクリアできるかどうか…。23日の比較的大きな陰線の高値を更新できるかどうかですね。ただ、まだ75日線とのかい離があり、スタート時期には早いかな…とも考えています。折角、休みに入ったので横ばいの時間が、一番望ましいのでしょう。人間は時間の経過には、なかなか耐えがたいのですね。コマツが大きくなる前に1年半程度、休んでいました。2003年8月に693円を付け、株価が走り出すのが2005年の4月の陰線が起点になっています。この月の安値が715円ですね。月末は740円です。あの時間空間は多くに人の考え方を変化させるに充分な時間なのです。それからコマツの株価は2007年の10月まで走り続けますね。およそ2年間、爆走します。コマツは非常に大きな会社なので、時間を要しましたが…。どの株も走る前の休みは充分とった方が良いのでしょう。
まぁ007はこれから徐々に下値を切り上げ、30万から35万程度で充分に休む動きが在れば…僕の理想とする相場イメージに近づきます。だから僕の感覚が正しいなら株価は下がりません。決して一気に新高値を取るものではありませんが…徐々に高値を更新し、非常にゆっくりとした上げ方を形成し、来年の2月を迎えるのでしょう。今のシナリオはこんなイメージですが…手替わりによる新規参入者が参加すると、また別のシナリオになります。僕は時々手替わりの話をするのも、そういう事ですね。ピカ一の素質を保有する銘柄は、他に僕には見えませんからね。やがて時間が経過すれば、誰かが見逃さない筈なのですね。宝物はそんなに市場にはないのです。このカタルの空想が市場から支持を受けるかどうか…それは相場に聞くしかないのです。このような文章を公開することを、株価操作する行為だと言う人が居るかもしれません。それならば自分でやってみればいいのです。市場と言うのは、そんなに簡単に相場をコントロールできるものではありません。日銀さえ、長期金利の動向に四苦八苦し試行錯誤を続けていますね。僕は常に自分が一番正しいと思い行動しているだけの話ですね。
まぁ、思い込みが激しいので失敗も多いのですが…反面、果敢にリスクも取り、東レや日立のような安全パイに逃げもしません。僕が年金担当者なら間違いなく、この2銘柄はコアにしますね。そうして売り買いを続けます。安くなれば買って高くなれば利食いをする。その操作を、毎日、繰り返せばいいのです。もう少し小さなまともな株を、最近、新聞からまた見つけました。何れ話題にするかもしれません。昨日はユニデンが下がりましたが、心配はないでしょうね。この時期にこのような動きをするのですね。仕掛け筋が存在するのでしょう。更にアドバルーンを掲げただけで、株価も反応しましたね。アークのような状況にはなりませんでしたがマズマズの動きですね。また買ってみたくもなってきました。でも僕は他にも選択肢があるのですね。おそらく6月は二番天井を探りに行き、大きく更新できずに横這いでしょうね。イメージは強いのですが…休みが必要だと言う感覚です。売りそびれた人も心配はないはずです。6月はまた利食いする機会があるでしょう。故に新興株は買い場を模索し、一般株も、もう直ぐ株価が落ち着きます。あと1週間程度でしょう。三菱UFJの579円の窓埋めなどが…指標の一つになるかもしれませんね。
