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2013年05月25日
どうせ浮世はままならぬ…
5月3日のコラムに「クロトン効果はアノマリーを凌駕できるのか」を掲げました。あの時点では漠然とした不安でしたが…その後、新興株の下落から始まり、日経平均株価が大きく値下がりし、昨日は乱高下をしています。結局、答えは何処にあるのでしょう。通常僕らの世界では、調整は二通りのパターンがあり、値幅調整と時間調整と言うものです。どちらが強いかと言えば、時間調整の方が強いのでしょう。一時的な感情の動きには耐えられるものですが、時間の壁は誰にでも越えられません。故に同じ調整でも、時間調整の方が価値は高いのでしょう。今回の相場の大部分は、行き過ぎたデフレ現象からの修正が主だった上昇なのでしょう。アベノミクス効果と騒がれていますから、成長期待に向け、日本経済は動き出したと言う幻想が、崩れたのが1143円の値下がりなのでしょうね。
つまり昨年11月からの株価上昇は「デフレ・ボトム・ポケット」の修正が主体であり、その修正が終った…と解釈する方が自然なのでしょう。そう考えると…進まぬ日本への生産移管などの実体経済が反映され、市場と実態との整合性は取れます。シャープの株価を550円と、当初設定した鴻海精密工業への割当価格を上回り、過度に沈んだボトムからの脱出に成功したに過ぎないのでしょう。長期金利の状況なども、その事を示しています。1%は、もともとかなり低い水準ですからね。「3Qの謎」と言うテーマの仮説は遅れており、現状では崩れてもいます。この背景は先進国への回帰が始まるとの期待がありましたが、今の所は、円安を梃にしての輸出企業の国内回帰の動きは、ほとんど見られませんね。せいぜい生産基地移転を考えていたものを、先延ばしすると言う現象に過ぎません。
つまりこれからの動向にもよりますが、仮にこの程度の動きに留まるなら、マツダなどの過度に期待された幻想は、当然、はげ落ちることになります。つまりこの考えが正しいなら、マツダは株価が天井を打っているのでしょう。ただ中国の動向やメキシコの新工場などの動向にも、よるのでしょうが…。少なくとも、国内有利の現象は株価に織り込み済みですね。
当然、シャープも、目先は、お役目終了でしょう。だって「デフレ・ボトム・ポケット」からの修正は終わったのですからね。ソニーも同じ理屈になります。ヘッジファンドが資産の切り売りを述べているのは、ソニーにそれらの資産を有効活用する力がないから、切り離せと述べているのでしょう。パナソニックが三洋への投資が空回りしたように…。所詮、企業買収などは「もろ刃の剣」で、扱いが非常に難しいのですね。失敗する企業もたくさんあります。グリーにおいても可能性は否定できません。
企業の設備投資、買収も含めた投資の成果は、必ず成功するものではありません。家電のテレビ事業への設備投資は、みんな失敗です。亀山から堺と…成功した筈のシャープが、失敗したのですからね。シャープは国内、NO1なのですよ。NO1で失敗したルネサスエレクに似ていますね。ルネサスは世界でも、NO1だったのです。見せかけの売り上げは真の成長ではないのでしょう。やはり利益が付いてこないと…難しいものですね。
さてアベノミクスの真価を試すのは、これからです。ここまでは誰でも出来るテクニックを応用したに過ぎません。既にアベノミクスは、禁じ手に着手したわけで、最後の挑戦が始まったのですが…、果たして当事者に、その認識があるのかどうか…。歴代の政権より、確り運営されていますが、市場は新たなテーマを、政権に与えたことになります。この解答を市場は待つことになりますね。6月に予定されていると言う新成長戦略の発表が、実現性の乏しい空回りの飾り餅なら、更にまた、株価は下落することになりますね。
おそらく今回の株安は、その事への警告なのでしょう。既存の言われているものを纏めるだけの新成長戦略なら、株価は大きく上がらないのでしょう。やはり地方分権など権限を委譲しないと…日本は立て直せないのではないか…とも考えますね。最近、橋下市長の存在価値が薄れています。石原さんなんかに傾斜した辺りから…切り味が消えているようにも見えますね。慰安婦なんかより、日本経済の立て直しでしょう。主眼を責めなくて、筋を外すようでは…本手になりませんね。株式投資も王道が筋でしょう。現在は難しい局面ですね。やはり無理をしない方が、良いと思っています。たいぶ担保は空いているのですが…。どうも、ピンと来ないのですね。昨年10月の下旬の時は、非常に、株が買いたくてウズウズしていたのですが…。今は難しい局面で、如何に損をしないか、儲けると言うより損をしないことが、肝心な局面のようにも感じます。
しかし株屋根性が、やはりカタル君には残っていますね。通常、駄目な相場でも材料株の一本釣りはあるのですね。その僅かな一本釣りに賭けるのが株屋です。まだ市場には余熱が残っており期待が渦巻いています。好意的に考えるなら、6月に発表されると言う参議院対策の甘言に、乗りたい気持ちもありますね。しかし…どうかな。二番天井の可能性はあるのですが、「今日の市況」で述べたように、仮に二番天井を取りに行っても、大きく相場は伸びないのでしょう。せいぜい、好意的に考えても…ボックス相場かな。下手をすれば、下落する調整場面でしょう。よって買いは慎重に対処され、できれば一時的に休むのが正しい投資行動なのでしょう。でもプロはこの困難な局面でも、鞘を取りに向かい、なお往復ピンタで取ろうとしますね。
「デフレ・ボトム・ポケット」からの修正局面は終わった…と、仮定するなら、シャープやソニー、パナソニックの株価も、間違いなく調整局面入りであり、仮に二番天井を取ったとすれば、そこが絶好の「空売り場面」と言う考え方も成り立ちますね。まぁ、ソニーは何れ2000円を割れでしょう。すこし空売りも研究してみる場面が、到来しているかもしれませんね。あぁ、嫌だ、いやだ。体質に合わないことをするなら、少し休む方がマシですね。山にでも、行ってみるかな…。どうせ、浮世はままならぬ…
2013年05月18日
グリーの決算から
この所の株価は良く上がり、非常の良好な相場環境が続いています。期待される主力銘柄は三菱UFJの株価でもわかるように、野村証券でもそうですが、基本的にほぼアベノミクス効果をほぼ織り込んでいますね。マツダもトヨタもそうです。しかし既に相場は円安による景気活性化の作用を、過剰に期待していると思っています。相場は常に過剰に反応します。そうして行き過ぎは是正されますね。実態と株価とが常に語り合い、やがて株価の適正水準が生まれるのでしょう。007もその範疇です。007は明日解説しますが、安倍首相は飯島さんの訪朝など含め、よく対応している方でしょう。ただ若干、技術認識に対する未来都市への配慮は欠けています。公共事業投資を含め予防保全などの社会資本整備から未来都市への情報利用などの夢がありませんね。これはブレーンにその事を示唆する人が居ないのでしょう。もう少し電脳からSF未来都市のマンガを読ませると良いと感じています。人間の希望は未来への憧れなどの夢から現実が生まれるのです。
さて維新の会の橋下さんが批判されています。僕はやはり彼が好きですね。政治家と言う立場の人間が、現実をオブラートし発言する必要があるかどうかの論点なのでしょう。しかしメディアを敵に回すと…もともとメディアはモラル感が薄い人間たちの集団だから、やっかいですね。世界を見れば売春を容認している国もあります。ドイツ、オランダなど…大麻もそうですね。インターネットの世界は、かなりAVなどの情報が溢れています。任侠ものを描いた花村満月の小説「ワルツ」はカタルのお薦めの小説です。彼は、その時に日本政府が進駐する米兵を抑える為に、日本婦女子を提供する慰安婦制度創設の為に、日本国民を騙して人材募集をして、米兵に提供していたことを書いています。小説なので事実かどうか分かりませんが、おそらく事実を基にしているのでしょう。犯罪を防止するためのはけ口として、そのような組織は必要だと言う考え方も分かります。このような影の部分を公言する橋下氏は、ある意味で政治家としては失格なのでしょう。しかし彼にはバックもありませんからね。安倍さんの様な訳にはいかないでしょう。僕は橋下さんをよく理解できます。
相場の世界の解説も…この関係に似ています。僕が地位のある大手メディアや公共的な場所では、決して弱小企業などを採り上げないでしょう。それには二つの理由があります。一つは一時的な需給バランスで、相場が激しく上下する事。もう一つは結果の反応が激しく、自分の地位を失いかねない為の保身ですね。よく日経新聞の新春アンケートで未解答などの掲載がありますが、その手の保身が、働くのでしょう。特に未来の動向などは誰にでも分かりませんからね。不慮の事態が生まれ、その対処をどうやるか…いつも選択と実行なのです。その結果、人生の流れが生まれて行きます。小説なら波乱万丈は面白いですが、僕のような人生は、当人が望んでいる訳じゃありませんが、神様が決めた運命でしょう。僕は運命論者ですね。人との出会いも前世からの因縁があるのでしょう。こうやって僕のレポートを読んでいるのもある意味で運命でしょう。皆さんが宣伝もしてないカタルレポートを読むのも、何かに共感する分があるからでしょう。普通は見ませんね。ある意味で、僕の考え方は一般的ではありません。その点、橋下さんに似ているかも知れませんね。
グリーが唯一、僕の選択した銘柄でやられている株です。トホホ…。今回も買い増しさえしなければ…でもあの重なった読者メールを見て、僕は上がるかな?…と判断し買い増ししましたが実態をよく知りませんでしたね。グリーの推奨理由は前から述べていますが、海外売り上げの立ち上がりで、会員分布から見て日本で売り上げが上がるのに…海外で通用しない筈がないと言うものでした。しかしDENAはようやく出口が見えてきたようですが…まだ爆発はしていませんね。パズラーもそうでしょうが、インターネットの世界では、突然、人気が爆発します。それは情報と言う口コミが、ある日、突然一気に広がるからでしょう。人間のもった感性ですね。爆発したガンホーは調べたことはありませんが、海外売り上げはどうなのでしょうね。最近の日経産業新聞に詳しく載っていましたね。
僕はサードパーティーの存在が、グリーとDENAの価値を押し上げていると述べています。だから他の携帯ゲームの会社がPER10倍ならグリーやDENAは20倍程度の価値はあると考えています。ただし現在は国内売り上げが伸び悩み、更に投資した会社ののれん代の減損会計も懸念されマイナス面が予想される局面なので評価は下がっています。今回も特別損失がなければ、グリーの実態は一株利益120円程度なのでしょうね。だから株価は1200円ぐらいでも良いのに…実際は4桁の1000円を割れたのでしょう。この辺は綱引きですね。国内売り上げ劣化の部分と海外売り上げの立ち上がりと…はたまた国内は新規開発品の評価なのでしょう。グリーはどうも特定筋が絡んでいる様で、強弱感が対立しやすく面白い株です。僕は現時点では明らかに業績面からDENAに軍配を挙げますね。両社とも株価は下げていますがDENAの方がトンネルの出口は見えており有利です。今夏に海外部門は損益分岐点を超えるようです。しかし人間は困難な局面をクリアすると、また一回り逞しくなります。グループ経営のDENAよりワンマン運営のグリーの田中さんの方に、人間的には欠陥が見えるだけに惹かれます。この選択は難しい。カタルが問題にする海外売り上げの差は、明らかにDENAが有利です。
さてこの海外部門の上昇確度が問題で、提供するゲームの質もあるでしょう。売り上げの伸びが拡大するなら、のれん代などの減損会計の問題も浮上しませんが、現在のグリーには、やはりまだ今回の特損同様の懸念は残ります。しかし6月の決算を超えれば、もう少しはっきりしますね。過剰な減損懸念の可能性もあります。どうしてこのような考えになったかと言えば、アプリとブラウザの関係ですね。日経産業新聞には課金システムの問題だと思いますが、詳しく報じていませんでした。僕も海外の売上形態がどのような形なのか分かりません。だから推測ですね。おそらく海外ではアップルやグーグルの独擅場なのでしょう。ブラウザ(SNS)を利用しなくても、スマフォの時代になり直接アプリをダウンロードすれば、中間会社を使わなくても自分達が主役になれます。つまりカタルの見逃していたのは、サードパーティーの存在価値が劣化するのですね。ただ劣化すると言っても大きな影響はないと思いますが…それ以上に昨年立ち上げた協業事業、例えばヤフーなどのシステムが開発時間から見て、あの動きは今年から来年に稼働しますね。だから相場が出てくる時間は、年後半になるのでしょう。故に、この下げが買い場になる可能性と、過剰な「デフレ・ボトム・ポケット」のような落ち込みがあるかどうか分かりませんが、この二つが考えられます。
ただ正直に言えば、株価が1万円台に抜けるような爆発を期待していたのですが…スマフォのアプリがブラウザの価値を下げている事実は否めないでしょう。更に任天堂と違うところは、LTEなどのインフラ整備ですね。ガラケーの欧州を開拓できると思いますが、スマートフォーンの進展と合わせ、投入する時間のスピード判断が難しいですね。日本のような環境は、韓国、オーストラリア、米国などでしょうが、欧州や中国は、まだまだインフラ整備が遅れています。この辺りの評価も問題になります。
総合評価として11月の投資したグリーに拘り過ぎた面が否めませんね。海外売り上げの立ち上がりが遅い実態も、このような環境変化が影響しているのでしょう。ただ株価位置などから見て有望なのですが…、変化を待つ姿勢を継続して正しいかどうか…。確実に今の株価を上回り、株価は新高値を目指すのでしょうが、その時間が年後半から来年という事になると、効率観点から今の相場環境を更に楽しんでから、またあとで取り組んでも…良いのじゃないかとも考える次第ですね。この辺りは難しい選択です。参考資料はDENA、グリーの決算資料から…上段がDENA、下段がグリーです。海外部門は日本の二倍程度まで、早晩、発展するのでしょう。


2013年05月11日
DENAの決算から…
今日はグリーに関連するDENAの株価について考えてみます。ざっと、決算数字を追ってみました。時間にして20分ほどで詳細部は見てないし推測ですがね…。結論からすれば問題ありませんね。買ってみたい銘柄に違いありません。おそらくグリーも同様なのでしょうね。だから株価の動きが鈍かったのでしょう。携帯ゲームでカタルが注目しているのは、この2社です。何故なら、この業界のデファクト・スタンダードを、既に手に入れている…と考えているからです。米国の事情はよく分かりませんが…、サードパーティーの存在は大きいでしょう。ただ最近は、この仕組みが上手く機能しない為に、契約条件で譲歩しているのでしょう。故に、この先行者利益の価値は薄れているのでしょうが…。
国内ではガンホーなどとの競争に、完全に負けているようです。ここで利益の質が問われます。もともとゲームの利益は一過性なのですね。人気などは冷めるものです。ほらゲームに熱中していても…、いつしか飽きればしなくなりますからね。ゲームはどうしても生活に必要なものではありませんから…。バフェットが食品株を好むのは、この利益の質が高いからですね。一度、ユーザーになり使えば、たいがい2度、3度と使うものです。食べ物は人間が生きているうえで絶対に必要ですから…。エンゲル係数の考え方は、そういう意味です。文化の水準が上がると余暇にお金を使います。しかし不況になってくれば、可処分所得の余暇への配分は少なくなります。先ず優先されるのは生活費ですからね。今、絶好調のガンホーも、そういう世界の話です。利益の質は高くありません。故に既に利益が出ておりPER10倍程度が限度なのでしょうね。ただ成長力がある場合は、この尺度が変わります。利益の出始めは…PERを20倍、30倍と買うケースがありますね。それは成長力が、伸び続けるかどうかの変化率の問題です。絶対値が伸びていても変化率が鈍ると、この手の産業は途端に売られます。アップルのケースもそうですね。
グリーの株価が極端に下げたのは、田中さんの「浮かれ」にも起因します。おそらく物凄い勢いで利益が伸びたので、経費へのタガが緩んだのですね。広告宣伝費の動きなど…その動きが良く表れていることでしょう。経費に対する認識が大盤振る舞いになってしまったのです。よくある事です。ITバブルの時も外資が活躍した2005年から2006年当時も、みんなが踊りましたからね。でも人間は反省をして、再びチャレンジするものですね。おそらくグリーやDENAの固定費も、今は大きく膨らんでいても、これからは下がる環境にあるのでしょう。つまり若者の所得を大きく引き上げたのですが、今度は逆に絞る訳ですね。優秀な人間は、そう居ないものです。ただDENAもそうですが、常に新分野にチャレンジしており収益の多角化を図っています。特にDENAはなかなかですよ。その点では…優れています。僕はLINEを追う3番手のドジョウのコムは、どうかな?…と考えますが、野球への新しい取り組みの仕方は面白いアイディアを使っていますね。食事券でしたかね。更に入場料の返還など…いろんな実験をしており、さらに盛り上げれば良いですね。DENAのこの下げは、間違いなく買い場だろうと判断しています。

理由は色々ありますが、一番は、ようやく海外部門が黒字化するようですね。決算短信によれば、4ページの冒頭に「英語圏向けの「Mobage」は今夏での黒字化を目指してまいります。」…となっています。つまりようやく損益分岐点の水準が見えてきたのでしょう。更に決算説明会の資料によれば、モバコインの消費推移のグラフが右肩上がりで伸びています。そうして2010年11月の第三者割当増資株価は2418円です。これは海外企業買収に向けた割り当てですが、昨日、カタルは初値や公募や優先株などの転換価格には、必ず責任が生じ論理的な裏があると述べましたね。企業の成長期には、中だるみ現象が、時々起るものなのですね。経費の使い方や先行投資のバランスなど…。デルがMBOを実施するのは、大きな改革をやると一時的に利益が大きく落ち込み、赤字になるのですね。しかし再構築が完成すると、再び強い企業になります。どうしても公開企業の場合は、大規模なリストラクチャリングが必要だと思われても…株式を公開しているので大改革はやりにくいですね。

何故、カタルが不振3社、シャープに、ソニーやパナソニックの話を、度々、今日の市況に登場させ、シャープの話を、今日の市況で取り上げるのか? カタルがホームページを始めた当初の推奨銘柄、日揮の話を時々引き合いに出すのか? それぞれに、意味があります。みんな、一時は、駄目な企業だったのですね。しかし見事に復活しました。シャープは、おそらく見事に復活するでしょうね。3年後には、4ケタ企業になる確率は、非常に高いと思います。リストラ、減給…などの試練は、生き残った社員の精神を鍛えます。危機度合いが高ければ、高い程、試練が未来にプラスに働きますね。
DENAの日経新聞の今期予想数字は、何処から数字を持ってきたのか分かりませんが、嘗てのDENAの業績の変化率、現在のガンホーの変化率など見ると分かりますが、半年もあると…ガラッと数字が大きく変わるのが、携帯ゲームの世界ですね。確か会社発表の1Q発表時点では、今期は1Qの予想数字しか打ち出していませんね。それはこの業界の見通しは難しいからでしょうが…成長の芽は、明らかに育っていますね。だって期待される海外部門が、間もなく損益分岐点をクリアしようとするのです。故にDENAは、数少ない注目企業になります。それにソニーの持ち株を、野村は何処かにはめ込んだのですね。この玉は、何れ何処かで種玉になりますね。売りではなく明らかに買いの候補銘柄ですね。おそらく6月には…てな、時間感覚かな? 僕は経営者のモチベーションに惹かれるので田中さんですが…。感想としてはDENAの業績数字を見てみて、今までは、時間感覚があやふやでしたが…だんだん確信に変化し始めています。グリーももっと下がれば面白いですね。もうすぐ期日を迎えるグリーですが…、こりゃ現引きして、何処かでまた買い増しを…今日はDENAの決算を見て、心を新たにした次第です。
2013年05月04日
決算を考える
多くの投資家の人は間違った観念を抱き、株式投資を実施しているように感じます。メールの質問で一番多いのが、需給バランスについての話ですね。多くの人が余りに短史眼的なイメージを株価に抱いているようです。確かに株価を大きく動かすのは市場人気であり、ディーラーなどが参入する時期が問題になります。ディーリングを中心に、投資をする種族はネット取引の一般化で、大きなウェートを占めるようになりました。メディアが小手川君の成功事例を報じたこともあり、多くの人が彼をモデルにイメージを構築させたのでしょう。実はカタル君も証券マンになりたての頃は、罫線に魅了され様々な本を読み漁り、酒田五法からエリオットの株価波動論まで…色んなものを試しました。実際に、今も経験に基づいたアイディアを検証し、σ理論なる仮説を基に実証検証をしています。
しかし銘柄動向を探るうえで、一番気にするのは社会環境や時代性からくる企業業績の動向です。カタルが今回の株高の要因で、軽視したグループでバイオ関連と円安関連があります。カタルは教科書通り、金融緩和から物色される金融相場をイメージして金融・証券・不動産と言うオーソドックスな金融相場の3点セット銘柄を中心に、相場のシナリオを考えてきました。しかし現実はマツダをはじめとする円安銘柄やナノキャリアなどのバイオ株が大きく物色されました。まぁガンホーは、ある意味で新興財閥のターゲットになったのでしょう。僕の友達もそうですが、六本木ヒルズ族と言うか…、ネット・ビジネスで成功した新興成金の遊び仲間のグループが株価を持ち上げたのでしょう。どう考えても、バブル株価です。丁度、2000年2月のイメージですね。ITバブル時も驚きました。ガンホーはそのイメージですね。その話は兎も角、ナノキャリアは新成長戦略のイメージと捉えると、話は分かりますね。
でも、カタル君の選んだJ・TECの方が、今では株価が上に位置していますね。この理由は以前から述べていますが、僕には薬品の市場規模の予測が分かりません。きっと、J・TECの切り返しの株価の動きは、正確な市場規模を見越したグループの新規参入なのでしょうね。所謂、手替わり相場と言うイメージなのでしょうね。だから株価に見合った利益が、2年から3年以内に実現するのでしょう。現状の水準では、どう考えてもあの株価は整合性がないですからね。でも間違いなく、株価に見合った利益は生まれるのでしょう。安倍首相がここまでバイオ関連、一般的にはIPS関連かな?…を後押しするとは思いませんでしたね。今回のロシアから中東への歴訪も、経団連のグループを引き連れたトップセールスを実現させ、実務家のイメージを市場に与えています。これは大きな材料なのですよ。おそらく皆さんは、この現実を過小評価しているでしょうが…過去の歴史の中でなかったことです。
更に余談を…続けますと、今日、報じられている金融庁の方針転換は非常に大きいですよ。銀行への貸し出し指導ですね。昔は日銀が窓口指導をしたのですね。今では金融庁様の意向は「絶対の権力」を持っています。何故なら、この意向に逆らおうとした三和銀行(UFJ)はなくなりましたからね。竹中平蔵時代の話ですが、カタルはこの処置をやり過ぎだと批判しましたが、この為に日本はデフレ状態が延長されたと考えています。失われた時代が長引いたのです。それは中途半端に、竹中路線が軌道修正されたからでしょが…。まぁその話は兎も角、ここに来て金融庁が方向転換する現実は、日本経済を大きく浮上させます。間違いないですね。安倍首相のトップセールスと金融庁の方針転換は確実に景気を浮上させます。何故、1日にカタルが単純平均株価の話を持ち出したか? この理由は何れ明らかにされます。カタルは、既にかなり株価が上がったけれど…、依然、かなり日本株は歴史的に見て、割り負けしていると考えています。必ず、イールドスプレッドなどの概念が甦るのでしょう。金利と株価には整合性があるものなのです。
さて話がそれますね。この辺で元に戻しましょう。この時期の決算数字と株価の動きを見ると面白いですね。今日はその話をしましょうか…。実は「3Qの謎」も、業績の読みの考え方を示したものです。良い事例が見つかると良いのですが…、全部、調べてみて例題が見つかれば一番いいのですが…カタル君、無料のサービスの為に、そんな時間をかける作業をするのは…商売ではありませんから、遠慮させていただき、まぁ妥協の産物ですが、先ほど、リコーのケースでも良いかな…と妥協して、この事例で説明しますね。
基本的に株価は、常に期待感で動き、反応しています。だから、どんなに好決算が発表されても、一度、事前に株価が上がっていれば、多くは結果が分かった段階で、パーティーは一時的にお終いですね。ただ稀に事前に株価が上がっていても、その結果を利用して、仕掛ける筋が絡む動きが出るので混乱しますね。要するにケース・バイ・ケースなのでしょう。この決算数字の発表は、株価の分岐点の一つで、あらたに示された数字は、今後の株価動向の方向性を決めるので非常に重要なイベントです。


リコーは、どうして決算数字が発表された段階で、株価が売られたのでしょう?
カタルにはよく理解できません。前期の数字は四季報より悪かったですね。しかし今期の予想数字は四季報の事前予想より良かったのですね。通常は会社が打ち出す今期の決算予想は(2014.3)控えめな数字を出すものです。ところが四季報予想より、かなり上方修正されています。これは為替などの関係でしょう。つまり株価は需給バランスで一時的に売られた現象で、移動平均線にぶつかる現在の水準から下は買い場でしょうね。

中長期的なリコーの株価位置もついでに観察してみると…、決して現在の株価水準は高い位置ではありません。おそらく事前に好業績が予想され株価が買われていたので、需給バランスを調整する乖離調整なのでしょうね。このように中長期的な株価波動が転換するときには、一時的に売られることは良くあります。業績の回復度合いから、今年中に2010年の高値1647円を目指すのでしょう。だから26週の株価移動平均線を基準に考えると良いですね。しかしこれだけの数字なので、おそらく26週線より上の位置で切り返すのでしょう。よって現在の75日線より下の株価から打診買いを入れ、株価を観察するのが良いでしょうね。
このケースは一般的なパターンです。カタル銘柄のJVCケンウッドもこのケースです。前期の数字は更に減額されましたが、今期予想は増額されていましたね。今回の外部環境を考えると、このケースが一般的な事例なのでしょう。むしろ11月からなので、前期の数字も増額、更に今期も増額なのでしょうが…企業は往々にして保守的ですから、前期に損失を過大に増やすケースが考えられます。何故なら、今期は前期より間違いなく外部環境がよく、好業績が予想されるので、前期に考えられる赤字を付け替える事をするケースがあるでしょう。
まぁ、リコーの場合は目先筋が、決算数字が良い事を知っていたために買い上がったので決算数字の発表で、利食い売りが集中したケースですね。それだけの話しでしょう。ところが…決算発表した後に急騰するケースがありますね。リコーのケースは一般的なケースですが…ガンホーをイメージすると良いでしょうか?ガンホーは2月14日に前期の決算数字が明らかにされました。その前日の起点から大きく飛び始めますからね。好業績を背景に仕掛け人が存在するケースは、こんな株価動向になることが時々あります。

兎も角、今回の業績動向は今後の株価に大きな影響を与えるので、その数字の行方は非常に注目されます。此処で一番大切なことは、前期の数字なんかどうでも良いのですが、その数字に作り方が問題なのです。特別損失を加えているかとか…。今期予想も前提となる為替水準をどう見ているとか…。会社側の姿勢が決算数字に反映されます。そのような動きが今後の株価に影響を与えます。詳しい分析は、長年、決算数字の作り方を見ている人間には、敵いません。会社にはそれぞれ特徴がありますからね。ただ事前に株価が大きく跳ねた企業は、発表後に売られることは良くあります。リコーのケースのように…その点は注意された方が良いでしょう。