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不動産はスター株へ(2013年06月22日)

今日は不動産株について考えてみたいと思います。カタルは基本的に1998年8月にダヴィンチが創業を開始したので、日本の不動産市場は、この時にバブルの処理が完了し収益還元法でも利益が生まれる正当な価格水準に落ち着いたのだろうと考えています。収益還元法の解説が必要でしょうか…、つまり不動産の管理維持費や金利などの経費を見積もっても、家賃などの収入が債券と比較しても有利で、採算が見合う物件だと言う考え方です。株で言えば配当利回りですね。不動産の値上がりなどのキャピタルゲインは加味されていません。

時々、話題にするダヴィンチの金子さんは、日本の不動産証券化ビジネスの草分け的な存在でした。彼は米国で学び、長谷工を経て創業したと言います。実は金子さんの事は良く知りません。会ったことはないし雑誌などの評判では、悪い噂も多いですね。しかし彼は純粋に商売として成り立つと考えていたと思いますね。空前の不動産ブームだったバブルが崩壊し、日本の金融界は、その後処理の為に四苦八苦しました。今でも「りそな」は国への借金が返済できませんからね。やはりあの時に潰すべきだったのでしょう。採用された仕組みは日本的な考え方ですね。その後、倒産し再建された日本航空の処理と、どちらが正しいのか分かりません。

不動産の仕組みは様々で、レバレッジの掛け方は多様です。メザニン・ローンなどの市場も存在しますからね。金子さんは利回り20%を謳い、米国のロックフェラー財団やハワード・ヒューズ財団などの著名な海外投資家のほか、企業年金基金など保守的な日本国内の投資家からも資金を引き寄せ、2006年に1兆円ファンドを立ち上げテーオーシーへTOBを掛けたので…その頃に、カタルは関心を抱いたのを覚えています。信用力さえあれば過大なレバレッジをかける事が出来ますから、年利20%程度は論理的にも実証できます。ただ彼が挫折したのは、2006年からの日本の既得権力者の逆襲や、金融庁などの指導の為でしょう。不動産価格など…実にいい加減なものなのです。色んな逸話が存在します。巨額な資金が動く為に、やくざ屋さんや政治家がその陰によく顔を出すようです。

不動産にはエクイティー、メザニン、シニアなどの仕組みがあります。解説をし始めると長くなるので、自分でネットサーフィンをして興味のある人は調べてください。カタルも以前、解説したことがあります。多くの金持ちは不動産ビジネスで成功をおさめ地位を築いている人は大勢います。株以上に確実ですからね。今の時期の不動産は、非常に安いと考えています。ダヴィンチの金子さんが失敗したのは2006年の話です。有名なのはJR東京駅に近接する32階建ての「パシフィックセンチュリープレイス」と言うビルに絡む売買ですね。新生銀行がノンリコースで貸し出した物件での話です。

何故、ダヴィンチの話を引き合いに出したかと言えば…今こそ、果敢にレバレッジを掛け日本の不動産ビジネスに乗り出すタイミングだと思うからですね。事実、昨日の日経夕刊には、米国GEが1000億円規模で参入し始めた…と報道されています。僕は金子さんにもチャンスがあったと考えています。しかしあの時、元日銀総裁の福井さんの判断や地検などを利用した既得権力者の巻き返しなどがあり…更に米国で金融危機が発生したので、環境が悪化し失敗したのでしょう。今なら…前回の反省もありますから、間違いなく成功するだろうと考えています。森ビルのように…成りえたのでしょう。先ずは地価水準です。バブル期以降低迷している日本の不動産市場を実感して下さい。下のグラフは東京都の地価推移です。

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日銀による包括的金融政策は2010年10月に実施されましたが、日銀はあれほど日銀券の価値に拘っていたのに…リートやETFと言う、不動産や株などの危険資産に投資を始めるのですね。ラストリゾート(日銀)の参入は、後世の人達から見れば歴史的な、しかも画期的な政策転換なのです。しかし長らくデフレを続けてきたので、なかなか政策に信頼が生まれませんね。何故なら、これまで何年も、何年も騙され続け、みんな痛い目にあってきたのです。ダヴィンチの金子さんのように…。しかしようやく2010年10月から実施している包括的金融政策効果が、市場に生まれ始めています。その様子がケネディクスのマーケットレポートからも窺えます。下のグラフです。今回は時間が掛かりました。これまでに何度も騙されている為に、なかなか皆が動きませんでしたね。あと一押しですよ。

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カタルがケネディクスを3月に推奨した後、株価が3倍以上に上昇したのは、予兆に過ぎないと考えているのは、これから本番を迎えるからですね。おそらく3年程度は、どんどんと日本の不動産市場に資金が流れ込むのでしょう。1989年のバブル期に近い状態が生まれる可能性があります。この時期の不動産の最終利回り(売買も含めたもの)は、レバレッジの掛けようでは、年率20%以上の効率が生まれるのでしょう。不動産の賃貸料の他に、後で加わるキャピタルゲインがあります。

さて金曜日の日経新聞の市況解説に、不動産株の下落について…金利上昇による利払い費が増える為に株が売られたと解説され、不動産株の金利上昇リスクが指摘されていました。鶏と卵の話しなのですね。賃貸料も上昇します。しかも多くの不動産会社は金利水準が企業業績に敏感に影響を与える為に、既に長期物への転換を終えていますね。影響がないとは言いませんが…大手銀行の国債リスクのようなものですよ。基本的に対処済みなのですね。詳しくはケネディクスのマーケットリポートを読めば、実態が書いてありますから分かります。本文は此方です。

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さて、なかなかリートと金利の関係が分かり辛いので、最近の動きを流動性のある野村のリートからグラフを作ってみました。年4回の配当金の合計額を基準に、利回りを弾きだし株価と比較してあります。お分かり頂けるように、既に4月から1%もの調整を入れており金利上昇分は、完全に織り込まれていることが分かるかと思います。この間の長期金利の上昇分は0.5%ラインから0.8%への変化で、市場では大きく騒がれていますが0.3%程度の上昇に過ぎません。しかし野村リートは、既に1%も織り込んでいますね。如何に新聞の市況解説の表現が、的を得てない解説か、お分かり頂けると思います。信用創造機能が、市場経済の源泉なのですね。信用創造とは…未来に対する希望なのです。前向きな社会形成には欠かせないのです。木曜日の今日の市況で、カタルは企業の現預金残の推移を掲げ、225兆円もの眠っている資金が動きだす、夜明け前の状態だと書いており今の日本経済のキーワードは此処に焦点があります。

カタルのレポートを日経の編集委員の方が読んでおられるなら、是非、次の日銀の金融政策決定会合に向け、早めに環境づくりに取り組んでください。あなた方が15日土曜日に一面で掲げた「REIT購入拡大」は、非常に大切なキーワードです。ここで日銀の明確な表明が必要です。あの解釈は、あなた方の憶測に過ぎません。黒田さんが7月に再度、市場に向けて表明することは、非常に重要なことですね。何故なら、FRBは出口論を打ち出したからです。ここで日銀が再度、緩和論を掲げ、リートやETFの購入額を増やしたり、短期貸出期間の延長を表明すると…眠っている225兆円のお金が一気に、設備投資に向け動き出しますね。この時期の表明は2010年10月の包括的金融政策から始まった政策が、2013年4月の異次元緩和の駄目押しとなる決定打になります。

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