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目先投資家に翻弄された株式市場(2013年06月15日)
医薬品のインターネット販売などを目玉にした規制改革に市場は失望を感じたのでしょうが…こんなものを規制緩和の第一弾としたことへの失望感が、これまでの期待感を削いだのでしょう。しかし考えてみれば単純な公式だったと…、今となれば解釈することが出来ます。日銀への圧力からマネタリーベースを増やし始めたところに、政権交代が加わり市場原理主義者の安倍政権の誕生が、一気に期待感を生んだのがアベノミクス効果で…、その成果が4月の異次元緩和です。つまり10月から11月にかけ生まれた期待が、現実になったのが4月の異次元緩和でもあります。期待以上の異次元緩和でしたが、期待の結果が出たのですね。この時点で、既に不動産株の多くは天井を形成しています。
続く成長戦略の発表は選挙を控え、既得権勢力を無視することが出来ませんからね。安倍政権が秋にも追加の対策を打ち出すと述べている理由が分からなくもありません。なかなか進まない規制緩和の根源は、おそらく省庁主導で設けられた支援団体の構造でしょう。天下り組織を構築するために日本は規制を設けてきました。「産業育成」と言う建前で業界を保護したり、「安心・安全」を謳い消費者や利用者保護などの名目ですが…。しかし現状は既得権の象徴的な団体と成り下がっています。○○協会などの多くは、監督する省庁から幹部を招いています。焦点の規制改革ですが…彼らにとっては生き残りをかけた戦いで、日本のシステム転換を難しくしています。だから「失われた時代」が長引くのですね。
資格制度もそれに輪をかけます。今ではすべての業種に資格が必要ですね。代表的な資格は医師免許や司法試験などですが、介護から金融まで、全てが資格、資格で、形式主義を重んじています。ドラマや映画で、よく無資格医師が活躍するシーンがありますが、本物の医者より、現場で鍛えられた無資格医師の方が優れている場合もあるのでしょう。制度は全て後追いで、もともと最初は資格などは存在しなかったのです。金融界を見れば分かります。証券マンの多くは素人ですからね。資格などが役に立っているかどうか疑わしいのです。カタルは、証券アナリストの資格も、外務員資格もありますが…レポートを読んでいれば分かるように、ハズレもかなり存在します。医師免許があっても誤診も多いですからね。そこで重い病気にかかるとセカンド・オピニオンを求める事がありますが…。
でも資格制度を過信し過ぎじゃないのでしょうか。必ず、その試験制度を支える組織が存在し、そこには多くの天下り官僚が生活しています。組織を作るのは簡単ですが、壊すのは難しいですからね。医薬品のインターネット販売は、一つの権力構造の中にあり政治家は影響を受けるわけです。政治家の秘書も規制緩和交渉の過程を餌に、政治資金の獲得を狙う訳です。ロビー活動とも言いますね。ベンチャリの松本さんが話していましたね。規制緩和はビジネス・チャンスだと…。彼は保険販売に賭けていましたが…金融界の仕組みを知っていたかどうか…金融は時間が掛かります。信用構造を創り上げる過程は大変ですが、一度、仕組みを構築すれば、後は寺口銭の世界です。
今日も序文が長いですね。落語でも演題(演目)に入る前に、色々と御託を並べますから…。あれは「まくら」と言うのかな? さて昨日の続きですね。方向性が見えなくなったら時間軸を延ばせば見えないものが、見えてくるのです。乱高下に翻弄されている人も多いようですが、基礎知識が確立されていれば…怖いものはないのです。しかし本題に入る前にもう一つ、皆さんに基礎知識がないと、分かり辛いので…今日の日経新聞の15面の左上の「大機小機」を読んでくださいね。ここで述べているフリードマンの恒常所得仮説がないから、企業の余剰資金が積み上がっているのです。本文は消費について書かれていますが、同じことなのですね。今の経済界の焦点を、安倍さんは外していませんよ。だから秋に設備投資に的を絞った投資減税を述べている訳です。
しかし残念ながら、今の市場に明確な旗振り役が存在しません。だから市場は方向性を見失ったような、糸の切れた凧のような状態なのです。「予防保全」を含めたPFIやPPPと言うテーマは、財政問題に絡み、非常に重要なキーワードなのですが…。熊谷などの銘柄は反応しませんでした。昔なら、野村証券の株式部長が自己勘定で買い進み、顧客に割り当てて行くリードマンが居たのですが…。今は東急などの相場操縦が出来なくなりましたからね。市場に人が居なくなりましたね。トホホ…。僕が年金基金のファンドマネジャーなら非常に高いパフォーマンスを上げられると思うけれど…。年金資金は規模が大きくドル平均法投資を採用できます。
僕の文章は、あっちこっちに飛び過ぎるから分かり辛いのかもしれません。余程のプロでないと、真意が伝わらないかもね。昨日、掲げたように時間軸を変化させれば分かりますね。見事な立ち上がりですね。やはり、既に時機は到来しているのですね。今回はバブル崩壊から3回目のチャレンジになります。本来、上手く政策運営がなされていれば…ここまで混迷はしなかったはずです。1985年のプラザ合意からの日本の失政は、見るに忍びないものがあります。米国の戦略に踊らされ…国民の財産を失っています。確かに戦後の復興は大蔵省主導で見事な演出でしたが…。プラザ合意以降の混乱は、人が居ない象徴となっていますね。終身雇用や年功序列などの仕組みは、素晴らしい物でした。土地担保金融などの信用創造は、日本の成長に大きく貢献しましたね。信用創造機能は、非常に大切なのですね。この意味を理解している人が、政策官僚に存在するのかどうか…。お金の本質を理解せねばなりません。GDP比の財政赤字などと言う、まやかしの理論にメディアは踊り、徐々に彼らの演出に乗りかかっています。この話は面白いので、明日にしますが…。
要するにチャートを見れば分かりますが、10月末と言うか11月でも良いのですが…5月まで続いた第一波は序盤に過ぎませんよ。株の相場の中で、ほんの「まくら」と言うか予兆なのですね。これから本格的にスタートする歴史的な転換期の一コマに過ぎないのです。

黒船来航から明治維新の過程を見れば分かるように、江戸幕府が倒れ、これから新しい時代がスタートするのです。スマート・コミュニティーの世界は既に始まっています。スマフォが世の中に出てきたのは2009年です。ユビキタス社会の到来ですね。電子カルテを含め情報の生活活用が始まります。その歴史的な産業革命と言うか…、転換期を相場は予兆している訳です。アベノミクスの第一波を見て御覧なさい。長い下値固めのボックスを一気に抜き去っています。これは相場の鉄則です。初動スピードがものを言うのです。物理学の世界で、運動エネルギーと言うものがあります。運動エネルギーは、質量と速さの2乗に比例するのですね。つまり初動スピードが、非常に大切なのです。11月の8000円から5月の15000円は、実に2倍近いスピードですね。しかも僅かな期間に達成しています。小泉・竹中改革以上のスピードと値幅ですね。きっと大きく歴史が変化するのでしょう。僅かな期間の調整波動に慄くのは、みなさんに歴史的な考え方が確立されていないから、値動きに怯えるのですね。時代の変化は確実にやって来ているのです。007をカタルが支持し続けている理由は「スマート・コミュニティー」の創設に関与しているグループだからなのですね。ウェザーニュースの話は、ほんの始まりに過ぎませんね。ユビキタス社会は既に到来しています。