« 2013年03月 | メイン | 2013年05月 »
2013年04月27日
決算を踏まえ…
連休と本格的な業績数字の発表を控え、模様眺めの金曜日の動きでしたね。マツダの数字が発表されていたようです。僕の予想の下限のようで利益もそのまま膨らむことはなかったですね。今期の予想は為替の前提が90円だとか…。それならば現時点で、今期分の為替予約を入れればいいわけで、如何にも不誠実な経営姿勢のイメージです。この辺りがサラリーマン経営者なのですね。真剣に経営していません。今期の見通しを95円程度と見込むのが、むしろ自然な動きの筈です。のり代を付けたい気持ちは分かりますが…流石、3流経営者ですね。だから周回遅れになるのでしょう。
マツダの今期業績の注目点は、メキシコ新工場の軌道化でしょうね。何しろ米国が好調な筈ですから…。ただ株価面では既に大きく株価が修正され魅力は乏しく、かたるの興味の圏外の銘柄になりました。「見えない利益」とか、「利益の質」の概念は、非常に大切です。見えない利益とは…、マツダが予想した今期の業績数字700億円からの上積みなのですね。つまり前期の343億円から、今期の700億円への変化率なのです。この700億円は為替が90円で計算されていますから、現実は97円程度ですから更に1割の糊代があり、やはり今期予想数字は900億との市場の予測が正しいのでしょう。つまり一株利益が30円に対する評価になります。米国の伸びと中国の回復を考えると自動車産業は、見えない利益の対する伸び率が、他の産業に対し高い方なのでしょう。株価面では300円から450円程度が妥当な水準なのでしょうね。
三流の経営者と言えば、カタルが注目している銘柄の中で株価が遅れているJVCケンウッドですね。この話を、これまであまりしてきませんでした。カタルがこの会社に注目したのは前回の四季報数字を基本に、銘柄選別した時にリストアップされた銘柄なのです。「3Qの謎」の3銘柄は、アーク、JVCケンウッド、グリーですね。何れも共通点があり、3Qの発表時に前期の予想数字を減額修正しました。つまり計画通りに進んでないのです。その為に株価が安い水準に放置されていました。アベノミクス相場から9か月、まぁ、準備段階の3か月を含めての話ですが…多くの人には6か月のイメージなのでしょう。
この6か月間で劇的に変化したのは…デフレ修正と円安です。まぁ適切な金融政策に対する市場のテーマなのですが、そのテーマに沿って銘柄の選別が進み、この流れに乗った銘柄が買われてきました。銀行、証券、不動産の金融相場の3点セット銘柄から、マツダなどの円安メリット株など…。さらに新成長戦略として、バイオ株がIPS細胞関連として相場をリードしてきました。しかしマツダのように…市場で見込まれた数字が実現化してもビック・サプライズにはならず、多くの銘柄は株価の動きが鈍くなり株価はもたつくのでしょう。
つまり高値圏へ評価された銘柄は、その高値圏に相応しい銘柄かどうか…再評価を受ける時期に入る訳です。ここでカタルが前から話している見えない利益の話になりますね。マツダのケースで説明していますから…その事例を踏まえると今期の900億円に上積みが出来るかどうかが…問題になるのです。その為にはメキシコの新工場が順調に立ち上がり直ぐに利益を上げる事が必要になり、加えて力を入れてきた中国での販売が伸びるかどうか…米国ではスバルが好調ですが、スバルのような人気車種を投入できるかどうか…。中国ではVWやGMの牙城を崩せるかどうか?この辺りがマツダの注目点になるのでしょう。何か、この見通しを裏付ける出来事が生まれるなら、株価は500円台を抜ける事が出来るかもしれませんが…現状は見えないから、株価は基本的に横這いなのでしょうね。
株価を支える業績数字ですが…絶対値ではなく変化率が命なのですね。PERが割安とか…PBRが割安だとかいうものは、変化率の角度が非常に高く、市場に注目された時に、脇役と言うか、補助的に株価を支える材料に過ぎません。見えない利益の話を、何度もしたのは…、変化率が更なる変化率を呼び起こすかどうか…なのです。007はその素質がピカ一なのです。QBの開発は世界中のあらゆる電化製品に応用が効くはなしです。WiFi通信はスマフォの発展で、必要な近距離データ通信の地位を得ていますね。だからパナソニックのデジカメなのに採用されているのでしょう。あれはSQLだったかな?このSQLもデータの処理量の限界が言われているようですが…、僕らが日常的に利用しているデータの処理では、むしろ簡易的な利用の方が使用頻度は高いかもしれませんね。
金曜日の007の高寄りは、信用取引の規制解除が要因のようですが…仕掛けやすくなりましたが、しかし、かたるは現物での保有を推奨し、3年程度、株主として付き合って欲しいと考えています。3年や5年等は、あっという間に過ぎます。子供が誕生したら、成人するまでその子供の為に1株、現物で買って名義変更をしてのんびりやりましょう。僕が007に惹かれている部分は、全てが自前で開発したソフト技術ではない点です。世の中にあるソフト技術を選別している眼力が存在するようなのですね。自分が全てをやる事は不可能です。分かりますかね…。ソフトバンクの孫氏は、自分で携帯電話を売っている訳ではありませんね。ヤフーに投資し元本を創り、その基礎でボーダーフォンを買収し、世界へ目指そうとスプリングの買収に乗り出しています。ひょっとすると…007は、その光るダイヤになる原石かもしれません。そんなイメージなのです。
このイメージの話を少ししましょう。
先日、何気なくテレビのチャンネルを回していたら…物理学者の松田卓也さんが「2045年コンピュータが人類を超える日」と言う話しをされていました。非常に共感する内容でしたね。早速、彼が好きだと言う、押井守監督のアニメ映画の「イノセンス」を借りてきました。なんだか…訳の分からない未来警察の話しのようですが…まだ見たばかりで、途中で眠ってしまったので、もう一度、後で観ますが…電脳の話は、あり得る話で、IPS細胞などの研究が進み、どんどん文化の流れが加速するのです。見えない現実を予想する株の世界は、現実的な数字の対応を含め、未来利益の伸び率が高いか、低いかの話なのですね。人間がその株を高値で買う事が出来るかどうか?と言う欲求は、どのようにして起こるかと言う話なのです。
300円のマツダを、夢を持って買えるでしょうか? せいぜい、どんなに頑張ってもマツダがトヨタを超える事はありません。しかし007なら、ソニーやパナソニックを超える事が出来るかもしれませんね。何を馬鹿な…そんな事は絶対にありえない。…と多くの人は言うでしょうね。しかしARM社を見て下さい。CPUだけで食べているインテルを見て下さい。付加価値とは何か?と言う話ですね。カタルがグリーに傾斜するのは…たかがゲームなのですが、電脳のイノセンスの舞台は2032年でしたね。その時代になったら、余暇の概念が変わりますね。直接、脳に刺激を与えるゲームに変わるのでしょう。ひょっとすれば、グリーの田中さんなら、様々なハードルを越えて電脳の世界に向けチャレンジできるかも…しれないからですね。おそらく夫の看病の為に、一線を退いたDENAの南場さんには、絶対にできないでしょう。彼女は優秀な経営者で、田中さんより現状はずっと上でしょう。しかし未来の利益に対する糊代と言う観点で評価すると、自分の真似をしてきて、自分を超えはじめたDENAに、裁判でも負けた悔しさは、逆境のバネになってグリーと言う会社を一回りも、二回りも大きくさせる事が出来るかもしれませんね。経営者の資質の話しなのです。そんな風に感じているから惹かれているのかもしれません。
そこで…3Qの謎の話に戻りましょうかね。…でも今日は既にかなり長くなっていますね。読む方も疲れますからね。いやになるのです。訳の分からない与太に付き合う方も大変ですから…。また明日にしましょう。野村証券を事例にしても良かったのですが、SBIの決算数字前の株価高騰を見れば、どんなにサプライズが生まれても、既に株価は知っているのでしょう。「効率的市場仮説」の世界ですよ。だからJVCケンウッドの再減額などの話しが、これから面白くなるのですね。僕の友達であるブツブツが、何度も言っていました。「株価の最大の好材料は、株が安くなることだ」…と、彼は旧軽に別荘を買い、株をやる為に、彼も年収1000万ほどだったかな?…を、犠牲にしたと言うか、現役を引退した証券マンですね。非常に優秀です。だいたい歩合セールスは、みんな優秀ですがね。だから夢を見て、みんな一本立ちしたのですが…トホホの人生なのです。また明日。
2013年04月20日
山手線論理2
今日は山手線理論の再開ですね。前回はシャープに拘り説明の焦点がぼけました。今回も派生したらごめん。基本的に相場は繰り返すのです。企業業績の動向は3か月や半年で変化はしません。基本的に数年単位、中には一度成長が始まるとかなり長い期間、成長が持続する会社もあります。カタルはよく目標株価を言います。007は100万円は通過点と述べ、ケネデックスは10万円、三菱UFJは4桁で目先は700円など…と、述べていますね。アークのケースは最大で目先は750円程度と述べています。まぁ、目標株価はカタルの想像の産物ですが…論理的な裏付けがそれぞれにあります。しかし株は一気にその株価までたどり着くケースもあれば、途中で休みながら辿り着くケースもあり色々です。しかし概ね乖離が離れると利食い売りに押されるのが通例です。26週線、の乖離100%以上になると相場はかなり疲れています。100%乖離という事は26週線が300円なら600円以上になると…と言う意味ですね。今回はケネデックスをはじめとする不動産株はその範疇ですね。レーサムやサンフロントも同様ですね。いくらまだ株価が上がると思っていても時間を待たせられるわけです。故に概ね相場環境が良いと時間調整を…強いられますし、相場環境が悪いと値幅調整を強いられます。時間調整とは平均移動線が株価のラインまで上がって来るまで、株価は下がらずに日柄が経過することを示し、値幅調整は株価が下がり、移動平均線まで下がることを示します。勿論、両者ともに起こる場合もありますね。その比率はケース・バイ・ケースです。
言葉では分かり辛いので今回は11月から市場をリードしてきたアイフルを採り上げて山手線論理を解説しますね。実はアイフルは「筋」の銘柄で仕掛人が古くから参入しています。「筋」と言う表現は仕掛け人が存在するという事です。アイフルは再生銘柄なので、再建に関与したスポンサーが居ますね。そのスポンサーは投下資本を回収せねばなりません。だから環境さえよくなれば、必ず関与してきますね。僕がアークを選択した理由の一つに野村の実行部隊が関与している可能性があると仕掛け人の存在を指摘している理由と同じです。まぁ、これは僕の想像の産物ですが…。過去に何度も仕掛けていますが…なかなか環境に恵まれませんでしたね。それは業績動向や全体の相場環境が大きく影響しますから、あとで、もっと長いチャートを自分で見て、株価の動きを追うと、カタルの解説が一層理解されると思います。さて今回は8月に予兆があり、10月には既に相場は始まっていますね。カタルが主張した白川さんがマネタリーベースの増加を決めたからです。しかし一般認識はアベノミクス効果なのでしょうが…実際はその前からスタートしています。

アイフルなどのサラ金株は基本的には業績は良かったのです。しかし過払い請求問題の為に財務内容が一時的に悪化しただけの話ですね。本来、武富士はアイフルよりずっと優良企業だったのですね。しかし…会計法の話で倒産を余儀なくされました。おかしな話です。まぁ、兎も角。最近はテレビで宣伝を見なくなりましたね。一時はこの請求を肩代わりする弁護士や司法書士の宣伝が多く、中にはテレビ宣伝するほど儲かっていたようです。この兆候は異常な現象です。たかが仲介手数料の話で…その一過性の手数料を得る弁護士や司法書士がテレビ宣伝まで出来る現象は明らかにピークを示しています。何気ないCMが利益を生みますね。故にJトラストの株価が大きく上がり、アイフルの株価が元に戻る訳ですね。異常に叩かれた株価が反発するのです。もともと一株当たり数百円の利益水準を誇っていたグループですね。しかも人為的に今井判事の間違った解釈で最高裁の決定がなされ市場に歪みが生じました。市場はこの歪みを是正するのですね。この修正が儲けになります。
サラ金株は儲けの卵だったのです。本当はアイフルではなくアコムですが…リスクの選択はそれぞれ自由ですから…。僕はアコムも良く採り上げていましたね。まだ株価上昇の途上でしょう。株価上昇は通常、数年は続くものです。だってアコムの株価は現在3000円台に過ぎません。しかし過去は1万円台でしたね。ここで月足などを使い過去の実力を参考にするわけですね。まぁ、今日は株価解説ではありませんが、考え方の問題です。
さてお待ちかねの山手線論理です。このように上値の大きな株は必ず途中で休みます。それは単なる乖離調整なのですね。それではアイフルの株価を見て下さい。10月から株価は上昇し11月に入ると、アベノミクス効果で相場環境の整備が済み一段高しますが、今年1月には早くも高値を付けて休みに入っています。当然と言えば当然です。この時期の26週線乖離はなんと177%です。いくらなんでも休みますね。この乖離が3月下旬には26週線は433円で株価の安値は454円まで乖離は縮小します。ほぼ調整は完了しましたね。この3月を起点に第二株価上昇波動が始まっています。わずか5週間で1月に付けた高値を一気に抜き去り、また人気化しています。
つまり昨年の11月からの列車に乗り遅れた人は待てばいいのですね。次に順番が来るまでじっと駅で待っていれば、山手線なのでクルクルと一周すればまた元も駅に戻ってきますから、アイフル号と書かれた列車を見て今度は3月末に乗ればいいのです。11月から1月、そうして2か月休養し3月から今度は…。現在の26週乖離は70%を超えています。ただチャートは「陽の陽」の包み足のように見え、あまり綺麗ではありませんね。どちらかと言えばそろそろ波乱を迎えるかもしれません。まぁ、色んなケースが今後も考えられケース・バイ・ケースですが…。
人気株は繰り返し上昇を繰り返す。この好循環が相場の原点を支え、さらにスケールアップして行きます。今日はアイフルを解説に用いただけで、何でもよかったのです。たまたま解説しやすかったから、用いただけの話ですよ。同時期のマツダは伸びません。当たり前ですね。だって過去最高利益の水準まで一気に買ったわけで…実際の業績が見えて来るまで株価をさらに上げようとするには無理があります。同様の事がトヨタにも言えます。まだ早いね。少なくとも…半年程度、今期、つまり2014年3月の数字が見える今年後半にならないと、これらの製造業の出番はないでしょう。多少の上下はありますが、本格的には無理の筈ですね。シャープは仕手化する可能性がありますが…背景が出来るかどうか…つまり9月には2000億円のCB償還を控えこの手当が問題になります。現状はカツカツなのです。ただクロトン効果により邦銀は貸出先を探しており、再建が確実ならいくらでも貸したいのです。だから僕は、野村が落ちぶれるアップルに提案をしろと述べています。アップルにはうなる資金が行き場を探しているのです。ここで技術評価が問題になります。今は液晶から有機ELへの移行期です。この狭間にIGZOが位置しているのでしょう。ところがサムソンが出資したように…有機ELの技術は出来ていても、量産効果と価格の問題がありますね。判断が難しいのです。この技術と時間の読みは…。だからカタルは日経新聞の資本問題にスポットを充てる報道姿勢は間違っていると述べたのですね。技術評価が問題なのですね。
本当にシャープの主張するようなIGZO効果があるなら、世界中のパネルがすべてIGZOに変わりますね。そうすれば2000億円など、あっという間に回収できます。しかし有機ELの進化が早いと…投下資本を回収できずに資金は焦げ付きます。だから日経新聞の記者は、この動向を正確に伝える事が使命なのです。分かりますかね? 記者は馬鹿ですよ。資本などの意味をよく理解していませんね。お金など、どうにでもなるのです。自分で株をしないから、分からないのでしょう。僕は僅かな期間に3億を40億円にしました。だから年収100万円が1億円になったのです。お金など価値はないのです。要するに使い方なのですよ。シャープは受け皿として相応しい企業なのです。借金をアークと同じ優先株に変えれば良いのですね。そうして企業再生機構でも、産業革新機構かに第三者割り当て増資を用いて信用を補完すればいいのですね。でもアップルが望ましいと思います。簡単な話です。故にシャープは、何れ4ケタになります。ただ有機ELの量産化が遅れると言う条件付きですね。おそらくサムソンも怖いから、自信がないからシャープに出資したのでしょう。だって有機ELは出井さんが判断を間違って、ソニーを転落させたのです。出井さんは1995年から2000年の話しですね。この時代にすでに試作として有機ELは出来上がっていたのです。しかし、なかなか量産化技術が確立されないのですね。LGは量産化に乗り出しましたが…まだまだ価格が高く一般化していません。
この時間の壁が仕手化を生みますね。強弱の対立を生みます。だからシャープの株は面白いのですが…あとは市場がどう判断するかですね。なかなかないですよ。このような逸材は…素質と言うか…ただシャープの天井は限られ魅力は乏しいですがね。故にカタルはリスクを負ってアークを選択したのですね。アークの乖離はまだ73%ですね。アイフルのこの時期の26週乖離は177%です。ケネデックスは207%まで行きましたね。J・TECは258%でした。007は128%から既に6週間の時間調整をしています。因みに右肩上がりの調整波動と言うか、上昇波動の持続は一番強い形です。概ね小型株ほど乖離が開きやすく値幅効果が出ますが007は抑えている感じですね。分かるかな? 株の場合は人気が爆発しない方が…良いのです。何れ爆発時期が来るでしょう。なんだか長くなりましたね。要するに、調整は列車がぐるぐる回っている様子で、乗り遅れたら…順番が来るまで待って、また乗ればいいのです。それだけの話ですね。山手線論理は相場環境が良ければ永遠に循環します。シャープはその列車は間もなく出発するのかな?そんなイメージです。因みに、三菱UFJは高速回転ですね。既に5週目に見えます。これは一気に離れないから25日線で周回しているように見えますね。それではまた。

2013年04月13日
先進国への回帰
今日は、日本の行き過ぎたデフレ状態を考えてみます。日本は長い間、東西冷戦状態の環境下で、米国の庇護の下で成長をさせて頂きました。この背景には戦後のロボット教育が生きたのでしょう。不平不満を言わない人間性を失った耐える国民性が、中央集権体制の下で一定方向に機能したのでしょう。江戸時代から培った村社会構造が、会社型構造に変わり、会社の為に…と滅私奉公の精神が生きたのでしょう。会社側もそれに応え、終身雇用に年功序列を成し遂げてきました。しかし東西冷戦構造が崩れ、グローバル化が始まり、日本の古き良き時代のシステムの維持が不可能になり、社会の再構築の必要に迫られました。この社会構造の転換に、必要な時間が「失われた時代」だったのでしょう。しかし一つの流れと言うには…必ず行き過ぎます。自然の原理で方向転換する前の最後の流れは加速し、必ず行き過ぎを生むものです。それが民主党政権下の最後の大震災からゴタゴタなのではないかと推測しています。それをカタルは「デフレ・ボトム・ポケット」と呼ぶことにします。デフレの流れが加速し、行き過ぎた2年半が2010年10月の包括的な金融政策から異次元金融緩和の時期が「デフレ・ボトム・ポケット」なのでしょう。
つまりこのポケットに沈んだ企業の株は、通常の状態に戻る過程で、大きな値上がりが得られることになります。そのスター株として「アーク」をカタルは提唱したのですね。だっておかしいですよね。通常、一所懸命に仕事をして、営業キャッシュフローでは利益を上げているのに、仕組み上、減損会計を求められ価値が変化し、倒産まで追い込まれる姿は異常な光景です。同様の企業には、話題のシャープがあり、ソニー、パナソニックもこの洗礼を受けました。明らかに行き過ぎた清貧思想と言うか…仕組みです。よく考えてください。2000億円かけて作った最新鋭の工場の稼働率が30%まで落ちたら、その工場の価値がゼロ査定になるでしょうか?(わかりやすく誇張しています。)減価償却費は毎年積んでいたのに…、それが計画を無視して、いきなり多額の減価償却費を求められる仕組みがおかしい。カタルは武富士を推奨しました。それは豊富な過払い請求に対する引き当てを充分に積んでいたからです。しかし最高裁の今井判事は、法律が制定される前まで遡って…しかも金利を上乗せして、払いなさいと命じました。あの判決は異常です。後出しジャンケンが許される判決文ですね。毎年、営業キャッシュフローでは、本業で稼いでいるのに倒産させるとは…仕組みがおかしいですよ。
「アーク」を見て下さい。毎年、営業キャッシュではプラスですね。それは借金をしてM&Aを繰り返し、安易な面は否めませんよ。しかし資産が劣化するデフレ環境下でなかったら、毎年資産価値が上がる正常な経済下だったら…どう変化したのでしょう。積極的に行動した会社が負ける世の中がおかしい。この際にあったのが、ここ2年から3年の動きなのでしょう。つまりデフレが異常に加速した状態です。おそらく為替は100円から120円程度が正常な状態なのでしょう。それは長期の為替チャートを見れば分かります。

何故、ケネデックスが大きく上がったか?
理由は単純ですね。デフレが修正されるからです。異次元緩和によりお金が余りますから、あまったお金は行き場を失い資産に流れます。つまり土地や株に資金は流れ、長いデフレ環境は大きく変わりますね。比較優位により空洞化が生まれ、行き過ぎた空洞化の是正が始まるのでしょう。それが「先進国への回帰現象」です。だってあまりに異常ですよ。スペインの若者が半分も職にあり付けない現象なんか…日本もある意味で同様です。中国を引き合いに出すのは、BIRCsの象徴的な事例だからなのですが…、ベルリンの壁崩壊以来、恵まれた環境にあり、急成長しました。ミャンマーを始めアフリカ諸国に対する資源開発などの動きは、度が過ぎているように感じるのは、私だけですか?
レアアースをダシに先進国を脅すやり方は、どうもグローバル時代に相応しい国なのかな? 世の中の原理として、必ず、行き過ぎた動きは是正されるものです。振り子の原理ですね。基本的に新興国が躍進できたのは、金融デリバティブの発展のおかげです。金融デリバティブの仕組みにより、CDSが生まれリスクが分散できるようになりました。リスクさえ分散できるなら、危険な投資も可能になります。故に中国の成長は加速したのでしょう。本来は怖くて投資が出来ない国だったのでしょう。ところがリスクを分散できるから、お金を貸し出す事が出来ました。しかしその金融バブルは破たんしましたね。逆に先進国は、量的緩和を実施しています。世界はもう一回り大きく成長するのでしょう。米国株は新しいステージに突入したのでしょうね。先進国の人間は、価格だけで判断はしません。クオリティーですね。高い品質の商品を好みます。
故に…「デフレ・ボトム・ポケット」に苦しんだ日本企業の株は大きく上がるのではないか? 先進国への回帰現象とは…先ずは、ここ数年大幅な赤字を計上し、経営の危機にある企業が、復活する順番だと考えているのがカタルの基本構想です。その現象の一つが、為替にも表れるでしょう。国内生産が復活すると、残っている中小企業に注文が舞い込む筈。ところが…長いデフレの環境下で、国内の製造業はほとんど残っていません。強制的に減価償却に追い込まれた生産設備を保有している企業は、無料のただになった設備で生産が出来ます。高い利益率が予想されます。だから「アーク」と言う企業が、先進国への回帰現象で、スター株に選ばれると言うのが、カタルの発想です。後はリスクの選別です。カタルはハイリスクを好みます。だからアークを選択します。シャープもソニーもパナソニックも同じことです。シャープを選択する人も居るでしょう。ソニーを選択する人も居るでしょう。何も家電ではなく、マツダでも良いのですが、既に、マツダは過去最高利益水準まで評価しています。
マツダはお金が無く、経営者に世界の動きが見えなかったから、グローバル化に遅れたから復活できたのですが…面白い現象です。昨日、友達から何故、カタル君はいろんな銘柄の中から、どうして上がる銘柄を選別できるの?と聞かれました。ある意味で当然の疑問です。早くから彼には、J・TEC、金融株、ケネデックス、007など上がる銘柄ばかり、彼に教えていますからね。今回のアークも160円~180円台で買っている筈です。その理由は、流れなのですね。世の中の流れ…この流れを見て、この流れに乗れる銘柄を選別する事です。時代には必ず潮流があります。今は「先進国への回帰」と言う流れです。その潮目を、どう読むか?これが出来るかどうかなのです。しかし時代を読むので、何れ必ず来るのですが…いつ来るかまで、分からないのですね。目標値までの途中で、何度も何度もブレます。株価が上がる途中で何度も、目標株価に突入するまで、上下を繰り返し目標株価に行きますね。007が良い事例です。株価が下がると、この手の利益の出ていない株価は、どうしても脆く感じます。しかし株式の基本は、逆に利益が出たらお終いなのです。基本的には、結果が分かれば、みんなが興味を失います。結果が出ないから強弱感が対立して、どうなるのだろう?…とワクワクするのですね。まだ村田との協業成果も発表されていませんね。これからですよ。
2013年04月06日
比較優位と空洞化
「マネタリーベースと株価」(2012年10月27日)の株式教室でしたが…、読み直して頂けましたでしょうか? クロトン効果は…過去の事例で示せば1972年に起こった現象より変化率は高いのでしょうか? 計算してみないと分かりませんが、感覚的には2年で2倍ですから、前年同期比という事は…ピーク時は50%程度になるのでしょうね。この時期は来年の今頃です。つまり昨年10月から何回かに分けて書いた「ベースマネーと株価」の関係のレポートの仮説が正しいなら、その後も株高は続きますから…、2017年頃まで上昇相場は伸びることになりますね。まぁ、日銀次第の話ですが…この関係だけを考えると、バラ色相場がやってきたという事になります。
さて先進国のこのような量的緩和政策は、どのようなバランスを世界経済に与えるか?
カタルが述べている「先進国への回帰現象」が起こると考えているのです。このイメージを理解するためには、1772年に生まれたイギリスの経済学者、リカードが提唱した「比較生産費説」と言う主張を解説せねばなりません。別名「比較優位」と言う考え方ですね。彼は恵まれず初等教育だけしか受けておらず、その後、株の仲買人を経て財産を築き、現役を引退したのです。実践的な場で儲けて、財を成した本物の学者と言えるでしょう。日本のような官僚上がりの偽物学者とは違いますね。比較優位はポルトガルのワインとイギリスの毛織物の生産効率を比較し、どちらに生産拠点を設ければ、より効率的に生産性を高められるかを検証した考え方です。
簡単に考えればファブレス企業を示しています。アップルをイメージして下さい。アップルは自前の生産設備を持たずに、生産を台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)に委託しています。何故か?と言えば、彼らに任せた方が自前で作るより、より効率的で安く作れるわけですね。ホンハイは中国でアイフォーンを生産しましたね。そうしてアップルを通じて、世界で販売しています。それは電力料金や賃金などの生産資材を考慮して、世界中から一番、効率的に生産が出来る場所を探し、輸送費なども考慮し、中国が選ばれたのでしょう。自動車と同じで生産拠点など条件がそろっているからと言っても簡単に移せません。携帯電話を作る為に必要な部品などを現地で調達できるバックボーンがあるかどうか…も、重要な判断基準になります。従業員の教育水準や向上心などの資質も重要な要素で、それらの条件を国際比較して世界中で一番効率的な生産基地を探し、ホンハイは中国を選び生産したのでしょう。
何故、日本は失われた時代に浸かっていたのか?
主な原因は資産デフレなのですが…日本独自の終身雇用や年功序列など…様々な制度が日本独自の価格体系を作っており、その仕組みがベルリンの壁崩壊により東西冷戦の終焉を迎え、構造的な破壊が起こりました。パラダイムショックと言う現象です。世界の枠組みが大きく変わったのに…尊王攘夷を主張している日本のソニーやトヨタとファブレスに走ったアップルの違いは歴然としていますね。「ものづくり大国」などと言う幻想を作ったメディアの罪過は大きいですね。新日鉄から歴代の経団連会長が生まれる時代ではないのです。
日本の製品価格の是正は東西冷戦の終焉から進み、ニトリやユニクロなどの企業を育てました。仕組みを理解すると、買う銘柄は自ずと決まる訳ですね。つまり世の中の仕組みの変化に気付き、その仕組みを理解すれば、上がる銘柄は既に決まっているのです。だから何度も上がる銘柄など…既に決まっているとカタルは、本文で述べています。問題は時間の壁だけなのです。ただ最近は、この時間軸の精度も上がってきているかもしれませんね。最近ではケネデックスの推奨は、抜群のタイミングでした。昨年秋のJ・TECもそうですね。これは少しズレたかな? 007はマズマズだと自負しています。ただグリーは…大きく外れていますね。今の所…、業績の時間軸が見えてないようです。
さて、話を戻しましょう。「比較優位と空洞化」これは当然の現象ですね。グローバル化になり、何も日本で作らずとも良いわけです。自動車が家電に比べ有利なのは…自前の販売網の存在が大きく、1台当たりの単価が高い為に充分な在庫を準備できないので、新規販売の参入障壁が高いからでしょう。さらに現地生産化が昔から進んでいます。これらの影響で、家電に比べ優位に立っていますが、僕の目から見れば、自動車製造の本体であるトヨタよりデンソウですね。つまり内部の心臓部を作る部品産業の方が、効率は良いのでしょう。組み立てなどは、ハッキリ言って斜陽産業です。ファナックのNC装置をイメージすると良いですね。最後はカーナビがコントロールする重要な産業になるかもしれませんね。それともスマフォが代用するのでしょうか? まぁ、そんな想像がどうでも良いのですが…要するに、空洞化も限界が、自ずとあります。
そんな考えの中で新聞を眺めていたら、法政の渡部教授の「比較優位と空洞化」の日経夕刊の3月26日の記事がヒントになっています。中国では生産人口が一人あたりのGDP1万ドルに達しないうちに、低下すると言う記事ですね。日本は1990年代初頭に2万5千ドルがピークでした。中国の成長は、更に固定資本形成により成り立っています。つまり社会資本整備と言う道路や鉄道などの建設需要により、成長が加速されていたわけです。しかしだんだん、そのGDP比率は当然ながら下がってきますね。既に住宅価格は先進国より高い水準まで持ち上げられています。更に先進国の量的緩和により、エンゲル係数は上がりますね。エンゲル係数は中学生で習うのかな? 要するに所得に対する食費の割合ですね。可処分所得の動向が重要で、もらった給料の中で、食費に対する比率が高い家は貧乏なのです。可処分所得が低い年金生活者はエンゲル係数も高いのです。まるで今の我が家です。トホホ…。銀座のクラブが恋しいね。すきやばし次郎のあの親父さんは、まだ生きているのでしょうか?
まぁ、兎も角、文化的な生活水準になると、オペラの鑑賞に行けるようになります。ところがチケット1枚が1か月の食費にあたるなんて思うと…文化的な生活は出来ませんね。金持ちは仲間がいないのですね。同じレベルの水準の仲間が、周りに居ないのです。ちょっと泳ぎに、週末はカリブ海へ行こうか…と自家用ジェットを飛ばし、カリブの海でスキューバダイビングを…と、できない訳です。日本ぐらいですね。資格取得とか…○○教室が流行っている国は…。馬鹿らしい話しです。プロを雇えば、一から指導してくれます。まずは30分程プールで…アクアラングの扱い方の講習を受け直ぐに海に潜ります。安全か、どうかの判断は自己責任ですね。国がいちいち面倒を見る事はないですね。何故、日本人は政府の頼るのでしょう。もっと米国共和党のティーパティーの考え方を、普及させないとなりませんね。NHKさん頑張ってくださいね。あまり教育しすぎるとNHKの存在も怪しくなりますが…。兎も角、イワシ民族をグローバル時代に対応できるように、教育しないとなりません。その為には、先ずは官僚の株取引を推奨する事です。
僕なんか…自慢ではありませんが、失敗続きで「買えば下がる」の連続でした。何故?何故?これは祟りか…と思い、お伊勢参りに行ったほどです。残念ながら、お布施が少なかったのか…神様には僕の声は届かず、現在に至る訳ですが…。それこそトホホの世界の連続ですね。しかしようやく時代が回ってきましたね。量的緩和はお金の流れを変えます。これまで比較優位から市場開放したBRICsなどの新興国に、お金の流れは向かっていましたが、今度は先進国への揺り戻しですね。何しろ、新興国は中国の事例のように、生産人口がピークを迎え、固定資本形成のマジックも通用しなくなりますね。米国はシェールガス効果も、TPP効果もあり、益々富める国になりますね。新成長戦略は何か? エンゲル係数を支える産業ではなく、付加価値ですね。先進国の人達の教育水準は高く、豊かになると文化を求めるのです。永遠の生命を求め、有意義な時間を求めます。分かりますかね? 究極の付加価値は「快楽」なのですね。文化は奥が深く…知識は楽しいのです。株の仕組みを知れば、知るほど嵌りますよ。僕のような3流人間まで、虜になります。
カタルのページは「本質」を解説したいと考えています。少しリカードの比較優位などは難しいかもしれませんが、皆さんは中学生レベルの計算はできるわけですから…、このような考え方は理解できますね。素人は熟練工には所詮、敵いませんね。彼らが1時間で出来る仕事を、素人は1日、中には1週間もかかる人が居るでしょう。つまり効率という事は仕事が出来て、なんぼ…なのですね。かたるは次期戦略銘柄を、最近、決めました。ケネデックスに続く銘柄になるでしょう。実は「比較優位と空洞化」の解説は、その考え方を理解するために必要な考え方で…その準備作業でもあります。まだまだ尽きぬ007の魅力は、皆さんに充分に伝わっていないようです。最近開発したテクニカル分析は、間もなく2段上げを、支持しているように見えますね。明日はこの分析をしてみようかな?
最後に読者からメールを頂き、僕もざっと見ましたが…偽物かな?…とも思う武者さんも良い事を述べています。実践家と理論家は「天と地」の差があります。恐怖心などの、心の壁は、なかなか越えられません。僕は他人の解説など、聴いたことはないのですが…読者からのメールとなると…一応、目を通さないとなりません。武者さんの意見は、ある意味で正論です。皆さんも時間があれば、聞かれればいいでしょう。僕の考え方と共通している部分が、かなりあるようです。マークさんありがとう。ビデオは21分30秒過ぎからの出演のようです。此方です。