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2013年03月30日

目標株価のイメージ

今日はユビキタス(3858)こと、007の続編とチャート分析を中心に株式教室を展開します。何度か申し上げていますが株式相場は想像力なのですね。所詮、未来の不確定要素の多い事象を当てることなどできません。現在は様々な選択肢があり、その選択により未来が変化するからです。しかし株式相場は「想像力」が全てです。人間の夢の最初は、この想像力から始まります。頭に描くイメージを、人間は具体化させ進化させて来ました。今は当たり前になった携帯電話は「昔の夢」の産物です。頭に描いた理想像が具体化したものですね。相場は想像力なのです。そうして、その想像が具体化して行く過程で相場は形成されます。創薬も技術開発もみんなそうですね。人間は夢に向かって努力するのです。

007にカタルが最初に惚れたのは、2010年1月からの相場を見てからでした。あの時は市場環境が悪い中で猛烈に上がってくる株が007でした。当初は何故、上がっているのか分からなかったのです。やがてその理由が判明します。2009年11月に発表されたQBと言う技術が、株高の要因らしいと…。カタルはパソコンの起動に時間が掛かる現実を不思議に感じていました。テレビに何故、待機電力が流されているのか? 疑問を覚えていました。やがて電化製品の全てがプログラムにより動いており、そのソフトを読み込む作業時間だという事を、知ることになります。世界中で使われている家電製品の多くはリナックスと言うソフトを用いたプログラムで書かれていることも、同時に知る訳ですね。もしQBが全てに家電に採用されたら…大変な需要だと感じ、当初は携帯電話をイメージしていました。携帯電話も電源を切ってから立ち上げるまでに時間が掛かります。調べて行くと英ARM社の存在が明らかになり、その会社からも007は技術評価を受けていることを知ります。そうしてベンチャリの失敗を取り返すには、この株が「希望の星」になる…と感じたのです。

詳しい経緯は、今日は語りません。他に大きく惹かれた点もあるのですが…何れかの機会にしましょう。単純にカタルは、あの当時より現在は上だと感じています。何故なら、偽物か…とも考えられていたQBの技術が製品化され本物だったわけで、カーナビのみならず、開発要員さえ豊富に居るなら、省エネの観点からも様々な製品に応用される技術だからですね。さらに今回は、前回と大きく違うのは電子部品大手の村田製作との資本業務提携が成り立っているからです。村田はたかが部品会社で、下請けの存在と侮る人が居るかもしれませんが、世界の家電製品の多くの部品を、村田製作が作っています。特にスマートフォンには小型化や積層化された部品が多く使われています。しかも驚くことに大半が国内製造で価格競争力を維持している非常に技術力が高い会社です。自動車が悲鳴を上げる、近年の円高下でもそうだったのです。最近では「ワイヤレス電力伝送システム」も発表していますね。間もなく家の中から電力コードが消える時代になります。自転車ロボットのCMでおなじみの村田製作所が…下記のような文言で発表しています。

「1.資本・業務提携の目的
近年、モバイル・インターネットやスマートフォンの普及などを背景に、無線通信技術を用いて、様々な機器にインターネットなどのネットワークに接続できる機能を付加することに対する需要が高まっており、今後も更にその需要が拡大することが期待・予想されております。 このような社会環境のもと、当社は近距離無線通信モジュールのソフトウェア開発、サポートを強化してまいりましたが、顧客により便利で高性能なソリューションを提供するために、OS やミドルウェアでソフトウェア技術を有するユビキタス社との協業が、より一層の競争力の強化と顧客満足の向上につながると判断し、両社間の協力関係の強化を目的として資本・業務提携を行うこととなりました。
2.資本・業務提携の内容
(1)業務提携 近距離無線関連の両社の製品およびサービスに関して、次のような取り組みを共同で進めてまいります。 ①相互の顧客・潜在顧客に対する共同提案・販売促進活動
②技術・市場動向などに対する共同での検討活動」となっております。

文面から想像力を働かせれば、明らかにWiFi技術を始め、様々な007が有する技術を村田製作の販売チャンネルに乗せることになりますね。もともと2010年当時の007は技術があっても、町工場の段階ですから販売チャンネルも限られていました。今度は世界の村田ですからね。7000億円近い売り上げを誇る村田にとって、1%の売り上げは僅か70億円に過ぎませんが、007にとっては年間売り上げの7倍に相当します。しかも開発する組立ソフトの利益率は高く、原材料費はほぼゼロで、人件費だけなのです。基礎的なランニングコストである維持費は、既に確保されていますから、あとの売り上げの伸びは全て利益になりますね。非常に付加価値が高い産業です。仮に村田の1%の売り上げが既存の8億円の売り上げにオンされたら、僅か8万7千株しか発行済み総株式総数はありませんから一株あたりの売り上げは78億円になり、89655円ですね。つまりPER10倍で89万円の株価が実現できることになります。

付加価値の価値が、どの程度評価されるか? あの村田が資本提携に踏み切るくらいですから、僅かに1%とは…考え辛いですね。汎用品の部品価格と付加価値を帯びた部品価格の差はDRAM価格とインテルなどが提供するCPUの価格差に似ています。この価格差は100倍以上もあります。200円と5万円程度の格差があるのでしょう。村田の売り上げ貢献度が10%も上がるとしたら…と考えただけで、ワクワクする根拠はここにありますね。だから今の時点で言えることは…2010年の春の高値は、確実にクリアするのだろうと言う漠然とした想像だけです。組立ソフトの産業は、経産省が日本に育てる目標に置いた産業ですね。つまりIPS細胞と同じで、付加価値が非常に高い産業です。日本は少子高齢化の為に、一人辺りの賃金を上げねばなりません。しかし売上高営業利益率が5%程度の産業をいくら保護しても、社会にユトリは生まれません。007の株価が上がる環境は揃っていますね。

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さてチャート論を展開しましょう。先ずは前回の株価高騰のイメージを頭に描きます。そうすると、今回の株価波動はまだ始まったばかり…との印象が成り立ちますね。加えて全体相場は材料株の物色の様相を示し始めています。条件はかなり揃っています。市場人気はバイオと信用創造の資産効果が中心に動いていますが何れも疲れています。

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ただ資産効果は、まだまだ続くのでしょう。「もうはまだなり、まだはもうなり」とは言いますが、007に次いでケネデックスも、かなり具体的な株価イメージが湧きます。1兆円を超える優良資産を抱えるケネデックスは、現在、市場の一番人気を維持しており高騰を続けていますが、国際会計基準の包括利益の考え方が、何れ定着するでしょうから、浅草の地価は1年で9%も上昇した現実は、大きいものがあります。いくらスカイツリー効果とは言え、実際に10%近くも上昇したのです。黒田さんが新総裁に選ばれ、具体策はこれから始まります。つまりマネタリーベースの増加比率の増大効果は、これから生まれるのです。大証とは違い、東証ではようやく注意喚起だそうです。減損会計の不安が消える効果は大きいですね。本当はダヴィンチが上場されていれば…もっと大人気になったのでしょう。カタルが惚れた金子さんは、日本の仕組みから淘汰されました。ホリエモンや江副さんと、似たような印象です。その辺の事情は、明日にしましょう。まだ下値ボックスの2009年6月の59900円もクリアしていない段階です。これは確実にクリアし株価は10万円台へ伸びると現在は考えています。2008年9月の高値も、何れ奪回するのでしょう。ただ007に劣るのは…利益の先が読めますからね。無限の夢とは、少し事情が違います。

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人気株のチャートを使った目標値の算定などの考え方の一つを提示しましたが、皆さんには、もっと短期の解説の方が楽しいのでしょうか? 例えば28日に出現した007の159000円の攻防の話などですね。板状況からも相場の出直りが確認できます。多くに人が現実で夢を抱けば、相場は更に大きく伸びます。だいたい目先の売り物など限られているものです。本格調整前の最後の昇りは、驚くほど上がるものなのです。経験はありませんか? 株を売った後に、売った株が何倍にもなった経験が…。Jトラストなどは、まさにその口ですね。20円の株が3000円ですよ。相場は必ず3年以上は上昇を続けるものです。だから現物で持っておくのです。

投稿者 kataru : 10:45 | コメント (0)

2013年03月23日

山手線理論

今日は相場の「山の手線」原理に付いて…話を展開しようと考えています。最近、カタルはシャープに拘っていますね。理由は昨年の異常な株価下落と市場経済の仕組みの象徴的な事例だからです。因みに株価に高い関心を持っていますが、カタルは、現在はシャープの株を買っていません。最近、一旦、買ったのですが投げました。しかしシャープは相場論からすれば高くすべき会社の株です。この山の手論理を理解するためには、様々な角度のからの予備知識が必要で…上手く、皆さんにカタルの考え方が伝わるかどうか疑問ですが…挑戦してみますね。

私が野村の役員なら、株価操作(この認定は難しく判断は評価が分かれます。)と思われるような行動をしてでもシャープの株価を高く評価し、株価を高くするために株価操作と思われる行動も実行するでしょう。前に実体経済と金融経済の話をしましたが、仮にシャープの株価を550円以上、仮に800円程度までかち上げたら…台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業は増資に応じるのでしょうか? 故にIGZOの技術評価は非常に重要なのですね。だから日経などのメディアが、悪戯に増資問題の拘るのが許せません。この背景は先日書いたように革新機構の存在があるような気がしてならないのです。僕は基本的に小さな政府で、自由な社会を目指している理念です。米国の共和党に近い考え方ですね。努力する人が報われる社会を作りたいと願っています。(ヒント1)

だから政府などの役人様は出しゃばらずに、陰で経済を支えるべきなのです。ところが…ユーキャンなどがAKB48を使いテレビコマーシャルをするような時代にした背景は、役人様の異常な増殖が原因だと考えています。今の日本社会は実力より資格を重視します。このような眉唾社会が許せませんね。資格さえあれば…と言う傾向が強くなっているから社会構造が歪んでいます。この理由を考えて行くと官僚が天下りをして食べるための組織を作って増殖をしているからですね。目に見えない、このような生産性のない社会構造が日本の失われた時代を延長させた要因の一つとも考えています。(ヒント2)

お金は道具に過ぎません。故に有効活用すべきなのです。ところが…多くの人はこの認識がありませんね。一つの株価を上げる事は資金力さえあれば簡単なことです。それでは何故、誠備グループは失敗したのでしょう。嘗て、仕手グループの誠備が結成され加藤嵩(あきら)と言う歩合セールスが中心となって相場を作り、宮地鉄工の経営権を握りましたが失敗したことがあります。理由は企業価値と株価に、整合性が無かったからです。つまり投資価値に対し、宮地鉄工の企業価値がなかったのですね。何故、三菱UFJの純資産価格に拘るかと言えば、決算書が正しければ仮に600円でTOBを掛ければ、100円は抜けるからですね。故に市場経済が正しい動きなら、純資産価格を大きく割れる事はないのです。金融機能が欠けているから、まともな会社が純資産価格を割れている現実が生まれます。BPS1倍以下の会社が存在するのは、市場経済が機能してないことを示します。(ヒント3

話しは飛びますが…宮地鉄工の経営権を獲得しても経営のノウハウがなければ…買収しても意味はありませんね。自分が経営に参加することによって、会社の価値を引き上げられるなら別ですが、なかなか会社を買収した後に、解体して売却するのも骨が折れる仕事です。私がダヴィンチの金子さんを、大きく評価しているのは訳があります。テーオーシーと言う会社を私物化するために、当時の経営陣に近い筋がTOBを仕掛けたことがありました。しかし…あまりに市場価格から乖離していたために、ダヴィンチが敵対的なTOBを実施したのです。テーオーシーが持っている不動産価格の評価を巡る対立でした。彼の存在は市場原理の当たり前の行動ですが…今の日本では、この感覚が薄れています。市場には色んな価値観が存在しても良いはずですね。(ヒント4)

あまり派生させると、皆さんも戸惑うでしょう。故にこの程度の事例で止めますが、シャープの株価価値は、一体、何処にあるのでしょう。リストラクチャリング(企業の再構築)をする為に大幅な赤字は避けられません。だから上場している状態で実施するのは不適切で、本当はMBOを実施して、非上場にしてから行うべきなのですね。上場している状態でリストラクチャリングを実施することは、著しく、企業利益を損なう事があるからです。シャープの堺工場を建設するためには数千億円のお金がかかるでしょう。それを二束三文の価格で鴻海精密工業(以下、ホンハイ)は手に入れようとしたのでしょう。だからシャープとの交渉の過程で揉めたのでしょう。結局、堺工場の権利をホンハイは一部分、得るのですが…そこで株価が下がったと言う理由だけで、増資の約束を反故にしたのです。市場は冷淡ですね。2000億円もする工場を100億円の価値にするのが市場です。極端な表現ですが…この書き方が分かりやすいと思っています。亀山工場もそうですね。

現在の会計法は減価償却費を巡り、稼働率が落ちると減損会計の関係上、損失を計上しなくてはなりません。丁度、土地や株価が下がったために損失を計上するやり方に似ています。しかし…金融危機などの事例を見れば、一時的に稼働率が下がることは良くあります。ソニーやパナソニックは大企業で蓄えがありましたが、シャープは亀山工場の償却も済まない内に、大阪府などの政治家の要請に押され、減税と引き換えに雇用の場を作る為に堺工場を建設したのでしょう。全て借金で…ここが問題ですね。ガードのゆるい、アマちゃん経営者の失敗です。もともと国内ではテレビでトップのシャープも、世界では3流企業、新興国の需要は、ソニーにも負けているのが現状でしょう。販売力がないのに…良い品物なら売れると言う過信により敗れる姿は、多くの日本の経営者に共通する欠点です。

しかしシャープは日本に必要な会社でしょう。最近はイギリスのダイソンにお株を奪われていますが、嘗ては水蒸気のヘルシオなどの革新的な家電製品を多く誕生させています。出来る事なら…一時的な資本問題のゴタゴタで失いたくない企業です。企業は自らの力で栄えるべきですが、金融機能が企業を育てる面もあり、仮にシャープの株価を800円、1000円にして、資金を一時的に出して支えたら…立ち直るかどうかですね。ここで歴史的な株価検証が必要になります。過去最高利益水準とか…を元に、立ち直った姿をイメージして相場を作ったらどうなるでしょう。過去のシャープの株価を見ると1200円から1600円のラインを長く維持していましたね。つまりこの程度の実力があるのでしょう。

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誠備が仕掛けた宮地鉄鋼は高値にしても後で、買ってくれる人は存在しませんね。しかしシャープが立ち直ったら…1000円でも買ってくれる人は出て来るでしょう。それならば金融機能の出番ですね。一時的な減損会計や資金繰りで失われる会社ではない筈です。だから…助けたいのですね。この会社が立ち直れるなら、まだ余裕のあるソニーもパナソニックも大丈夫ですね。さて、相場の山手線理論の展開です。水面に石を投げるとその波紋はどんどん広がっていきます。少しずつ輪が大きくなりやがて湖全体に大きく広がります。この現象が市場経済の原則です。今回の相場の焦点の一つでもある、売られ過ぎた銘柄の株価修復の作業を…リーダーであるシャープの株を上げずに、ソニーが上がる筈がありませんね。パナソニックが上がる筈がありません。もしシャープが上がるなら、ソニーもパナソニックも上がるのが道理でしょう。何故なら、ソニーやパナソニックの方が、選択手段は豊富だからです。だからこそ、シャープの持つIGZOの技術評価は大切なのですね。何故かと言えば、目先の企業業績を左右する事象だからです。株価の第一波動が終わり、一回りして、また駅に戻ってきたシャープと言う列車の株をもう一度走らせれば、やがてソニーも、もう一回り大きく育ちます。山手線を一周して戻ってきているシャープと言う電車が、もう一回りできるかどうかは、アベノミクスの真価も試されています。

日経新聞の記者が純粋に、経済の事を考え記事を書くなら、この技術評価に焦点を充てるべきであって、増資問題などは派生問題に過ぎません。だからカタルは日経に不快感を抱いているのです。その背景を推測するわけです。役人様との関係を疑っているのですね。革新機構は存在感の実績が、欲しいのでしょう。自分達の権力を行使するための裏付けを作る為に画策している可能性があります。政府の仕事は、あくまでも黒子、民間の企業活動が円滑に出来るような環境を整備することにあります。決して自らが主体になって行動すべきではありませんね。権力は腐ります。自らの存在感を見せつけるから、資格学校が栄えるのでしょう。

沖縄の米軍基地移転の辺野古問題、沖縄県の仲井真知事は、どんな理念を持っているのでしょう。僕には最近の政治家の理念が見えませんね。大衆迎合主義の政治家が如何に多い事か…自分の理想とする社会を目指すために、理念は非常に大切です。もし自然エネルギーで発電力を賄おうとするなら…、太陽光発電の買取価格を引き下げるべきではありませんね。産業競争力を下げてまで選択した国民の選択なら…、関連企業が大きく育つまで支援を続けるべきでしょう。理念とは何か? 政治家は付和雷同の不逞の輩に過ぎません。僕が株を選択するに辺り…、その企業が育ってほしいと願うから…、そんな気持ちが強いから割高でも推奨を続けます。金融機能が企業を支えれば…社会はやがて大きく変わっていきます。

最近の株屋は、一体、自分達の理念を捨てたのでしょうか? 市場経済を円滑に支えるためには、理論価格を大切に育てなければなりません。だから三菱UFJは4ケタまで育たねばならないのです。カタルが時間を割いて、論理的な株価解説を展開しているのは…みんなで儲けながら、市場原理の輪を広げたいと願っています。市場が確りすれば…やがて経済は円滑になり、GDPは上がり日本は豊かな社会が形成されますね。日経新聞はリートの時価総額が7兆円になったと報じていますが…違和感を抱きましたね。未だに10兆円にも満たない金額なのです。一ケタ違いますね。70兆円でも少ないですね。少なくとも株価の時価総額程度まで、論理価格で動く地価を形成させるまで、支援せねばなりません。株式の時価総額は364兆円です。この規模までリート市場を拡大させ、信用創造を育てる必要があるのです。

山手線理論の焦点がぼけましたが…今日の話は予備知識と解釈して下さい。長くなったので止めますが、高い時に株を買わなくても、やがて乖離が落ち着き株を買う機会も出てきます。要するに自分がその会社を信じるかどうかですね。株で儲けるのは信念や理念は非常に大切ですね。気持ちが揺れるなら、自分のポジションが自分の力以上に大きいからですね。押し目を買えないのは自分の技量がないからです。投資家それぞれによりリスクを享受できる水準は違います。自分の気持ちに正直になるべきでしょう。

投稿者 kataru : 10:40 | コメント (0)

2013年03月16日

時代背景の考察

米国の株価は新高値を更新し、一見すると力強さを感じるかもしれませんが、今後の選択により、依然、懸念が残る兆候も見られます。カタルが一番心配するのは、2006年に日銀が犯した間違いをFRBも犯すかもしれないと言う懸念です。どれも経済指標は改善しているのですが…雇用統計数字を見ても分かるように…、依然、失業率の数字は7%台ですね。過去の景気後退時の最高が6%台だった現実を考えると雇用関連指標が、いくら遅行指数とは言え心配が残ります。

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さらに『米連邦準備制度理事会(FRB)は14日、大手金融機関の最新の配当や自社株買いの計画も盛り込んだ第2次ストレステスト(健全性審査)の結果を発表した。包括的資本分析検証(CCAR)と呼ばれる今回の審査では、JPモルガン・チェース(NYSE:JPM)とゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)の自己資本計画について「即刻の対処」が必要な弱さがあると指摘した。両行は株主配当計画を変更する可能性が出てきた。」と報じられています。

経済は実体経済と金融経済の両輪が回転して、初めて正常な形と言えます。片方が金融と言う車輪が早く回ればバブルが生まれ、実体経済が中国の鉄鋼業のように過剰投資が生まれても、大きなギャップが生まれ改善に時間が掛かります。近年は統計資料の整備が優れており、実体経済の過剰投資はなかなか生まれませんが、日本のテレビのような事例もあります。経営者の判断ミスですね。統計数字を詳細に調べておれば、このようなミスは防げますが、日本人はもともと情報の価値観を軽視しています。戦略に優れるCIAなど…、モサドでも同じですが、日本の公安が世界で有名になる事はありませんね。何故でしょう。北朝鮮や中国にもやられているケースが多く存在します。

今日は前置きより、株式の空模様の話をしなくてはなりません。基本認識が出来ていないから皆さんは騙されるのですね。欧米の外国人に、折角、実体経済で稼いだお金を「濡れ手で粟」のように…簡単に持っていかれています。金融経済では子供と大人の勝負しか演じる事が出来ません。景気循環の仕組みも金融世界のマジックも理解している良識派の政策官僚は少ないですね。高級官僚の株取引を自粛させるような馬鹿な規制は即刻止めるべきです。確かに彼らはインサイダー情報の接する機会も多いでしょう。しかしそれとこれと一緒に考えるのは間違っていますね。インサイダー取引には処罰が確り決められており痕跡が残りますから、必ず暴かれます。むしろ株取引を推奨し、市場原理を勉強させる方が国の為になりますね。日本だけでしょう。こんなバカな風潮は…。

実体経済と金融経済は鏡のような関係、実体経済を金融経済が写し、その映像をみて実体経済は常に修正されていきます。相互作用が非常に高く存在し、鶏と卵の関係に似ています。カタルがよく相場観を修正しますね。最近では2月の末から3月初めにかけ…、3月2日の株式教室で「金融相場のスタート地点は?」とのレポートを掲げ、相場観を修正しています。幕間で休むと考えたのですが、不動産株を採り上げたことで、一気に金融相場のスケールがアップしました。つまりカタルが年初から指摘してきた信用創造が始まっている訳ですね。マネタリベースの増大が期待インフレ率を高め、信用創造に繋がり始めている事が、相場に反映されています。

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ここで3月3日にコラムで書いた「景気循環と株価」景気循環が落ち込むとここでは視覚化する為に日銀短観で示されている業況判断の推移を用いますが、GDPでも、他のいろんな指標で景気の波は分かります。しかし何故、日銀短観が重要視されるかと言えば、アンケート調査だからですね。人間の感情が景気の浮き沈みを決め、その感情変化が表れているのが、業況判断指数と言うものです。景気は良いですか?悪いですか?単純なものですが…この調査結果は、僕らの実感です。

特にメディアや政策当局は製造業を重視しますが、日本国の景気の実態を左右するのは非製造業です。まぁ、製造業が非製造業の景況感を引っ張っているという面もありますが、非製造業の業況判断指数の方が、より僕らの景気の状態を示していると言えるでしょう。このグラフを見ると…まるで株価を見ているようです。近年はデフレ環境になれ構造転換が終了していることも、このグラフからは感じられます。TPPの参加表明がなされましたが、ある人がアンケートに応え、「遅すぎる。既に日本の製造業は、みんな海外に移転したよ。」と述べていましたね。

この談話を聴いて…僕はAと言う公開していない円安メリット株が確実に上がるだろうと…考えましたね。マツダのように市場の人気株に何れ選ばれるでしょう。ヒントは至る所に満ち溢れています。しかし多くの人は関連付けの作業をしていませんから…所謂、自分で考える事をしませんから、見過ごし、分からないだけですね。しかし一部の人間は分かるのです。僕は誰でも入学できる3流大学の出身です。しかし我が国の学歴社会は、独創性より記憶力を優先します。そりゃ、両方を兼ね添えられれば一番ですが…。僕などは、何度聞いても右から左…すぐに忘れますね。だからベンチャリの失敗も乗り越えられます。

40億円か…仕方ないな。またやればいい。そんな感じです。今の景況感は世界経済の停滞感からの脱却と、日本の構造改革の終了から、新時代の入り口なのでしょうね。この認識が必要でしょう。ベルリンの壁崩壊から東西冷戦が終了した一連の流れの一山をようやく超えたのでしょう。ベルリンの壁崩壊が一幕の始まりなら、金融危機がその終了でしょう。何故なら金融デリバティブの発展のおかげでBRICsをはじめとする新興国の躍進があり、市場経済の拡大に繋がったからです。今度は世界中で起こっている金融緩和により、第二ランドに向かうのでしょう。

日本はTPPの安倍首相の談話のように、世界基準を拒むことはできません。昨日は新日鉄の三村氏批判を展開しましたが…ベルリンの壁崩壊の意味も彼は分かってなかったのでしょう。だからブラジルへの進出とかのグローバル展開が遅れ、日本の仕組みで押し付け自動車との関係を続けようと画策していたのでしょう。日本は長い時間をかけ、様々な「しがらみ」を清算してきました。構造改革と呼ばれる一連の作業です。内外価格差の崩壊により、ニトリやファーストリテーリング(ユニクロ)が大きく育ち…更に株式の持ち合いも清算してきましたね。先ほどの非製造業の業況判断指数をみると、グラフは何故か底上げに環境に見えます。

一番きつかったのは1998年前後の落ち込みは厳しかったですね。負債総額14兆3812億円と戦後最悪を記録し、倒産件数も84年に次ぎ戦後2番目の1万9171件となっています。日本リースやたくぎん保証などが飛んでいます。長銀や日債銀が国有化されましたね。翌1999年には山一証券も倒産しています。しかし清算してみた結果、山一は僅かなマイナスだったのです。大蔵省は実態把握が出来てなかったのでしょう。この後に、ダヴィンチの金子さんは行動を起こし、2006年に掛け成功した筈だったのです。ところが…日銀の2006年の引き締めですからね。

冒頭のFRBの失敗を懸念するカタルの思考が理解されると思います。金融危機は2007年前後です。日本のバブルは1985年から1990年の話し、それでも2006年の僅かな引き締めに、ガタガタ崩れるのです。何故か? 内部留保が出来てないからですね。だから米国発の金融危機をチャンスに変える事が出来なかった。危うく共倒れです。歴史的な観察が背景にないと相場の流れが見えないのですね。キャリアとは…その蓄積です。僕なんか山一證券はつぶれないと思い、お客様と共に戦いましたが駄目でしたね。ダヴィンチもそうでした。武富士とダヴィンチは似ていますね。あの時に武富士でなくJトラストなら…、今回はダヴィンチでなくケネデックスだったら…。キャリアが生み出した。ケネデックスと言う銘柄の解答ですね。

時代背景の理解の大切さを少しは理解して頂いたかな?
相場観、所謂、銘柄の方向性を決めるのは景気循環の流れであり、歴史的な考察が欠かせません。ナノキャリアに拘り続け、J・TECを軽視したカタルの拘りは景気循環と株価の関係にあります。その為に3月2日の金融相場のスタート時点をずらした考え方で今の相場観とカタルのイメージを整合させたのです。上がる銘柄など決まっています。必ず良い株と言うか…センスのある株が物色されますが、残念ながらカタルには時間的な概念が乗り越えられないのですね。日揮のスタート地点を1年以上も外し…ものにできず、今回の銀行株など何度チャレンジしてきたことか…。その度に政策に裏切られ失敗しています。安倍さんは、一度失敗しているだけに…スケールが大きくなりましたね。良い談話でした。彼に欠けているのは成長戦略ですね。アベノミクスの副作用は、おそらく参議院選挙の後に表面化するでしょう。日清製粉の社長談話を読みましたか?この時間の話が理解できる人が何人読者に居るのでしょう。

皆さんには、難しいかもしれません。明日はお待たせしました…と言うか、約束ですから007の時代背景の話を少しします。興味のある方は自己責任を噛みしめて、読まれれば良いでしょう。

投稿者 kataru : 11:13 | コメント (0)

2013年03月09日

株価の基礎(お金の動き)

1989年に起こったバブルの清算が、またひとつ終わります。三井住友トラストホールディングス(三井信託など)が、国から支援を受けていた資金の株式5億株を買い受けるそうです。半分は償却して、半分は市場で売却するのだとか…。先日、カブトデコムの清算が終わり、残るは「りそな」や「あおぞら」、「新生」などになりますね。1989年から、なんと24年か…。米国の金融危機の歪は、GSE(フレディーマックやファニーメイ)を見ていれば分かります。ただ日本と米国の違いは、後処理の適性さの違いです。日本の戦後の成長は、日米同盟に擁護され、日本独自規格の慣習により高成長を遂げましたが…ベルリンの壁崩壊、所謂、東西冷戦の終結により、バリアが外され内外価格差の崩壊など…構造改革を余儀なくされ、デフレ環境が続きました。私は三重野元日銀総裁だけを責めているように聞こえるかもしれませんが、実態は非常に複雑なのです。

先日、ベネズエラのウゴ・チャベス氏が癌で亡くなりました。58歳だったそうです。彼の国連演説はすごかったですね。米国を名指しで批判しました。『チャベスは前日の総会でブッシュが演説したことに触れ、「米国人にとっての脅威は彼ら自身の家にある。悪魔は本国にいる。昨日ここに悪魔が来た。まさにこの壇上に。まだ地獄の硫黄の匂いがする」と言い、お祓いの為に天を仰いで十字を切ったのだ。そしてブッシュによる外交政策を「悪魔のレシピ」「まるでヒッチコックの映画」と断罪し、「世界はお前の所有物じゃない、頭を医者に分析してもらえ」と斬り捨てた。』そうです。

アカデミー賞受賞の「アルゴ」の制作会社は「GKフィルムズスモークハウス・ピクチャーズ」と言う会社だそうで…配給はワーナーブラザーズに頼りました。その為か…日本での前評判は今ひとつだったのかな?僕は受賞が決まってから、先日に観に行ってきました。今、米国がイランに対し、敵対する気持ちもよく分かります。それと同時に…歴史を見ると米国の「覇権主義」に対する態度、北朝鮮の敵対、イラン、シリアなど…彼らの気持ちも分からないでもありません。過去、米国はアフガン、イラク、ベトナムなど…世界のポリスマンを演じてきました。その為に膨大な軍事費に苦しんでいます。1962年のキューバ危機を題材に描いた「13デイズ」と言う映画も、米国とソ連の「東西冷戦」下を理解するために、必要な知識でしょう。

さて今日は株式投資の知識を補うための基礎知識の学習篇を書く予定です。IRNETの読者層の知識レベルが、どの程度なのか? 非常に対象を絞るのが難しく、普段、カタルは証券マンの理論武装のようなページを、構成しているように感じます。それは自分の考えを整理するために、簡単な解説は省き難しい言葉を使っているかも知れないからです。一般の人は「流動性の罠」も「イールドカーブ」などの専門用語は理解できてないから…、いちいち解説が必要なのかもしれません。証券マンでさえ、おそらく僕の解説している事項を理解されているかどうか…疑わしいですね。理由の一つは…日本が本物を作る環境下にないからでもあります。まやかしの世界なのです。

一例を掲げると…過去、テレビで活躍した野村の解説者などが引退すると…、その後の動向は分かりますか? 現役時代だけ、テレビや雑誌、新聞に取り上げられ数冊の本を書いて終わりですね。みんな偽物なのでしょう。それではバフェットやソロスはどうでしょう?ジム・ロジャーズは? 日本人でも名前は知っている人が大勢いますね。本物を愛し育てる社会の米国と、偽物社会の日本の違いです。この違いは画一化を植え付けた戦後教育にあると思うのです。故に社長の給料が低くなり、平社員と社長の給料差がなくなりました。昔はもっと格差があったと思います。それは能力の差を、よく理解していたからです。

明治政府は外国の文化を吸収するために、盛んに外国人を招へいしました。当時の「お雇い外国人」の給料は、破格の金額でした。太政大臣の三条実美の給料が月800円、右大臣岩倉具視の月給が600円の時代、外国人の最高月棒は1045円だったと言います。この時期にお雇い外国人は、2690人招かれ、平均の月給は180円とか…。日本の古美術を買い漁ったアーネスト・フェノロサは有名で、彼はボストン美術館の日本コレクションの基礎を作りました。NHKで放映していましたね。浮気をして職を棒にふり落ちぶれて、古き良き時代の日本に戻って一生を終えます。きっと彼の人生も面白かったのでしょう。

さて長々と前置きが長引いていますが、物事には背景が存在するのですね。人間の感情が爆発するのは、爆発する理由が存在します。積み重なった背景があり、殺人などの事件を生みます。テレビドラマで「夜の観覧車」を、昨日も放映していましたが、事件の背景は存在します。株が上がったり、下がったりするのにも、必ず背景があります。仕手筋の裏舞台を知っている人は、その演出の効果を知っているでしょう。加藤あきらが、株価はどうにでも操作できると豪語し、大口投資家の勧誘に「この株が明日、ストップ高します。」と予言して、裏舞台を知らない素人の人間が、騙されて多額の資金を投じ「誠備事件」が起こりましたが…必ずと言っていいほど、背景があり仕掛けがあります。

その見えない構造を理解しないと、株式投資で利益を得る事が出来ません。所詮、株の儲けなど一時保管に過ぎません。畠山みどりの世界の話です。だからこそ…背景を理解するための理論武装が必要なのですね。今日はその基礎編です。簡単な理屈ですが、意外に皆さんは理解されていません。水は山から海へ、高いところから低いところへ流れますね。その原則は基本的に変わりません。それではお金は…どう流れるのでしょう。

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そうです。お金は金利の高いところへ流れるのです。お金は自分達を動かしてくれる人の所へ流れるのですね。活発に動かすから高い金利が生まれるのですね。電子レンジのように、お金と言う物質を分子レベルで刺激して動きを活性化させればいいのです。ところが現在の日本の現状は「流動性に罠」、つまりお金が動かない状態にあります。米国も日本も同じです。チャンスがあり、高い利回りが保証されているのに…お金は縮こまって、怖くて動けないのです。この現象はあの有名な「パブロフの条件反射」の実験に似ています。人間は慣らされるのですね。生活環境により性格までも変わるのです。長いデフレ環境が正常な価値観を崩壊させた現象が「流動性の罠」と言う水の流れを堰き止める堤防ですね。僕らの潜在意識にも、この「流動性の罠」は存在します。最近の子供…と言うか新世代と言うか…お金を使わなくなりました。故にブックオフなどの商売が栄えるのでしょう。

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このグラフは昨年10月27日の株式教室で用いたマネタリーベースの金額と前年比の増減表です。分かりますか? 僕らが2006年に失敗した理由ですね。僕らではない…かも知れませんが、僕はこの政策(Eの部分)の為に、40億円を飛ばしました。折角、3億を40億に膨らましたのに…僕の失敗です。政策の意味を理解してなかったのですね。証券マンなのに、統計数字の意味が分からなかった。だから40億円を飛ばし多くの方に迷惑をかけました。呆れる知識水準です。でも度重なる失政が、失われた20年とも言われる時代を創り上げました。パブロフの条件反射の実験により、我々は動機づけが、完全に出来上がっているのです。だから三菱UFJの株価は、理論株価以下のままだし、シャープに空売りが生まれます。信用創造の意味を理解してないから、ケネデックスの株価が低迷したままなのですね。

しかし…お金は、金利の高いところに流れるのです。

投稿者 kataru : 10:23 | コメント (0)

2013年03月02日

金融相場のスタート地点は?

どうも相場観の修正を迫られているようです。
今週の相場を見るとバイオに不動産などが買われています。この様相を理解するためにカタルは景気循環のイレギュラー説を採用することにします。通常の景気循環の冬の部分に「落ち込み」説を加えるわけです。つまり今回の景気循環は通常のボトムではなく、「デフレボトム」(Bの野村証券)が加わり底割れ状態だったので、現状は通常のボトムの底辺まで戻っていると言う認識ですね。そう解釈するとバイオ株の活躍や今週の不動産株の上昇は整合性があるように感じられます。

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カタルは野村証券の株価を基軸に考え(Aの野村証券)、金融相場のスタート地点は昨年の6月頃にスタートを切っていると考えていました。10月に入ると日銀の態度が変更され、既に金融相場の舞台が整っていたところに、衆議院解散声明からアベノミクスの期待感が生まれ金融相場がスタートしていると認識だったのです。故に一幕が終了し、幕間相場を中心に銘柄選定を考えてきましたが…どうも今週の相場は新しい金融相場がスタートしたようにも見えますね。一幕の延長波なのか? それともデフレボトム説を採用すべきか? まだ明確に判断は尽きませんが、カタルは予てより、マネタリーベースの増加により金融相場がスタートしたと述べていましたが、欠くことのできない信用創造の部分が相場に現れておらず、本来なら資産デフレが是正されるので、証券株と共に不動産株のスター株が誕生していいと考えてきました。

しかし現状はどうでしょう。ナノキャリアなどのバイオ株が主役に位置しています。本来、このセクターはデフェンシブ・ストックと呼ばれる景気循環に関係ない銘柄で、景気循環表の冬(逆業績相場:下の表を参考)に物色される銘柄が活躍していることに違和感を抱いていました。更に金融相場に欠くことのできない株だけではなく、不動産のセクターからスター株が誕生すると考えていたのですが、なかなか誕生しませんでしたが…今週に入りその流れが明確になってきたようです。カタルが信用創造の話をマネタリーベースから展開し、年初にみずほを薦めたのは、その様な背景があるからです。総資産規模の大きなセクターは持っている資産が多く、扱っている不動産担保なども仮に不良債権になっても、今までのデフレ環境ではマイナスですが今度はプラスに働きます。

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つまりカタルの相場観の時間軸認識が早かったのですね。そこで時間軸を今から金融相場がスタートすると言う視点に移すと、バイオ株の活況部分も納得できるし、遅れていた不動産セクターが、物色される相場も理解が深まります。もしこの修正が正しいなら、相場観は変化し、物色の銘柄対象が明確になります。ただ野村不動産の売却の為に不動産セクターが、過度に動いている可能性もあり注意は必要です。しかし…三井不動から、地所、東京建物などの不動産株は綺麗な形です。カタルが年初から述べている信用創造の様相が上手く出ています。だから幕間相場から二幕に移行したのか? それとも延長波か? この判断は難しく分かりませんが、先週から今週の相場は、銀行、証券、不動産の金融3点セットの相場が上手く出ています。僕は銀行株などの金融株に拘り過ぎていたために、全体の相場を見誤っていた可能性があります。

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そう考えると、昨日TICK回数上位で人気になっている、ソニーはボトムの修正だし、ケネデックスは既に株価が上がっていますが、更に大きく買われるのが筋で、これからが本番と言う認識に変化するわけですね。何しろ受託資産規模は1兆1038億円もあります。現状は含む損の段階でしょうから株価が大きく売られていますが今度は追い風です。

明日は景気循環と政策、株価の時間軸の話しなど…今日の補足を行うつもりです。

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投稿者 kataru : 10:43 | コメント (0)