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先進国への回帰(2013年04月13日)

今日は、日本の行き過ぎたデフレ状態を考えてみます。日本は長い間、東西冷戦状態の環境下で、米国の庇護の下で成長をさせて頂きました。この背景には戦後のロボット教育が生きたのでしょう。不平不満を言わない人間性を失った耐える国民性が、中央集権体制の下で一定方向に機能したのでしょう。江戸時代から培った村社会構造が、会社型構造に変わり、会社の為に…と滅私奉公の精神が生きたのでしょう。会社側もそれに応え、終身雇用に年功序列を成し遂げてきました。しかし東西冷戦構造が崩れ、グローバル化が始まり、日本の古き良き時代のシステムの維持が不可能になり、社会の再構築の必要に迫られました。この社会構造の転換に、必要な時間が「失われた時代」だったのでしょう。しかし一つの流れと言うには…必ず行き過ぎます。自然の原理で方向転換する前の最後の流れは加速し、必ず行き過ぎを生むものです。それが民主党政権下の最後の大震災からゴタゴタなのではないかと推測しています。それをカタルは「デフレ・ボトム・ポケット」と呼ぶことにします。デフレの流れが加速し、行き過ぎた2年半が2010年10月の包括的な金融政策から異次元金融緩和の時期が「デフレ・ボトム・ポケット」なのでしょう。

つまりこのポケットに沈んだ企業の株は、通常の状態に戻る過程で、大きな値上がりが得られることになります。そのスター株として「アーク」をカタルは提唱したのですね。だっておかしいですよね。通常、一所懸命に仕事をして、営業キャッシュフローでは利益を上げているのに、仕組み上、減損会計を求められ価値が変化し、倒産まで追い込まれる姿は異常な光景です。同様の企業には、話題のシャープがあり、ソニー、パナソニックもこの洗礼を受けました。明らかに行き過ぎた清貧思想と言うか…仕組みです。よく考えてください。2000億円かけて作った最新鋭の工場の稼働率が30%まで落ちたら、その工場の価値がゼロ査定になるでしょうか?(わかりやすく誇張しています。)減価償却費は毎年積んでいたのに…、それが計画を無視して、いきなり多額の減価償却費を求められる仕組みがおかしい。カタルは武富士を推奨しました。それは豊富な過払い請求に対する引き当てを充分に積んでいたからです。しかし最高裁の今井判事は、法律が制定される前まで遡って…しかも金利を上乗せして、払いなさいと命じました。あの判決は異常です。後出しジャンケンが許される判決文ですね。毎年、営業キャッシュフローでは、本業で稼いでいるのに倒産させるとは…仕組みがおかしいですよ。

「アーク」を見て下さい。毎年、営業キャッシュではプラスですね。それは借金をしてM&Aを繰り返し、安易な面は否めませんよ。しかし資産が劣化するデフレ環境下でなかったら、毎年資産価値が上がる正常な経済下だったら…どう変化したのでしょう。積極的に行動した会社が負ける世の中がおかしい。この際にあったのが、ここ2年から3年の動きなのでしょう。つまりデフレが異常に加速した状態です。おそらく為替は100円から120円程度が正常な状態なのでしょう。それは長期の為替チャートを見れば分かります。

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何故、ケネデックスが大きく上がったか?
理由は単純ですね。デフレが修正されるからです。異次元緩和によりお金が余りますから、あまったお金は行き場を失い資産に流れます。つまり土地や株に資金は流れ、長いデフレ環境は大きく変わりますね。比較優位により空洞化が生まれ、行き過ぎた空洞化の是正が始まるのでしょう。それが「先進国への回帰現象」です。だってあまりに異常ですよ。スペインの若者が半分も職にあり付けない現象なんか…日本もある意味で同様です。中国を引き合いに出すのは、BIRCsの象徴的な事例だからなのですが…、ベルリンの壁崩壊以来、恵まれた環境にあり、急成長しました。ミャンマーを始めアフリカ諸国に対する資源開発などの動きは、度が過ぎているように感じるのは、私だけですか?

レアアースをダシに先進国を脅すやり方は、どうもグローバル時代に相応しい国なのかな? 世の中の原理として、必ず、行き過ぎた動きは是正されるものです。振り子の原理ですね。基本的に新興国が躍進できたのは、金融デリバティブの発展のおかげです。金融デリバティブの仕組みにより、CDSが生まれリスクが分散できるようになりました。リスクさえ分散できるなら、危険な投資も可能になります。故に中国の成長は加速したのでしょう。本来は怖くて投資が出来ない国だったのでしょう。ところがリスクを分散できるから、お金を貸し出す事が出来ました。しかしその金融バブルは破たんしましたね。逆に先進国は、量的緩和を実施しています。世界はもう一回り大きく成長するのでしょう。米国株は新しいステージに突入したのでしょうね。先進国の人間は、価格だけで判断はしません。クオリティーですね。高い品質の商品を好みます。

故に…「デフレ・ボトム・ポケット」に苦しんだ日本企業の株は大きく上がるのではないか? 先進国への回帰現象とは…先ずは、ここ数年大幅な赤字を計上し、経営の危機にある企業が、復活する順番だと考えているのがカタルの基本構想です。その現象の一つが、為替にも表れるでしょう。国内生産が復活すると、残っている中小企業に注文が舞い込む筈。ところが…長いデフレの環境下で、国内の製造業はほとんど残っていません。強制的に減価償却に追い込まれた生産設備を保有している企業は、無料のただになった設備で生産が出来ます。高い利益率が予想されます。だから「アーク」と言う企業が、先進国への回帰現象で、スター株に選ばれると言うのが、カタルの発想です。後はリスクの選別です。カタルはハイリスクを好みます。だからアークを選択します。シャープもソニーもパナソニックも同じことです。シャープを選択する人も居るでしょう。ソニーを選択する人も居るでしょう。何も家電ではなく、マツダでも良いのですが、既に、マツダは過去最高利益水準まで評価しています。

マツダはお金が無く、経営者に世界の動きが見えなかったから、グローバル化に遅れたから復活できたのですが…面白い現象です。昨日、友達から何故、カタル君はいろんな銘柄の中から、どうして上がる銘柄を選別できるの?と聞かれました。ある意味で当然の疑問です。早くから彼には、J・TEC、金融株、ケネデックス、007など上がる銘柄ばかり、彼に教えていますからね。今回のアークも160円~180円台で買っている筈です。その理由は、流れなのですね。世の中の流れ…この流れを見て、この流れに乗れる銘柄を選別する事です。時代には必ず潮流があります。今は「先進国への回帰」と言う流れです。その潮目を、どう読むか?これが出来るかどうかなのです。しかし時代を読むので、何れ必ず来るのですが…いつ来るかまで、分からないのですね。目標値までの途中で、何度も何度もブレます。株価が上がる途中で何度も、目標株価に突入するまで、上下を繰り返し目標株価に行きますね。007が良い事例です。株価が下がると、この手の利益の出ていない株価は、どうしても脆く感じます。しかし株式の基本は、逆に利益が出たらお終いなのです。基本的には、結果が分かれば、みんなが興味を失います。結果が出ないから強弱感が対立して、どうなるのだろう?…とワクワクするのですね。まだ村田との協業成果も発表されていませんね。これからですよ。