未来かたるが開催!みんなによく分かる

株式教室

« 時代背景の考察 | 最新の記事 | 目標株価のイメージ »

山手線理論(2013年03月23日)

今日は相場の「山の手線」原理に付いて…話を展開しようと考えています。最近、カタルはシャープに拘っていますね。理由は昨年の異常な株価下落と市場経済の仕組みの象徴的な事例だからです。因みに株価に高い関心を持っていますが、カタルは、現在はシャープの株を買っていません。最近、一旦、買ったのですが投げました。しかしシャープは相場論からすれば高くすべき会社の株です。この山の手論理を理解するためには、様々な角度のからの予備知識が必要で…上手く、皆さんにカタルの考え方が伝わるかどうか疑問ですが…挑戦してみますね。

私が野村の役員なら、株価操作(この認定は難しく判断は評価が分かれます。)と思われるような行動をしてでもシャープの株価を高く評価し、株価を高くするために株価操作と思われる行動も実行するでしょう。前に実体経済と金融経済の話をしましたが、仮にシャープの株価を550円以上、仮に800円程度までかち上げたら…台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業は増資に応じるのでしょうか? 故にIGZOの技術評価は非常に重要なのですね。だから日経などのメディアが、悪戯に増資問題の拘るのが許せません。この背景は先日書いたように革新機構の存在があるような気がしてならないのです。僕は基本的に小さな政府で、自由な社会を目指している理念です。米国の共和党に近い考え方ですね。努力する人が報われる社会を作りたいと願っています。(ヒント1)

だから政府などの役人様は出しゃばらずに、陰で経済を支えるべきなのです。ところが…ユーキャンなどがAKB48を使いテレビコマーシャルをするような時代にした背景は、役人様の異常な増殖が原因だと考えています。今の日本社会は実力より資格を重視します。このような眉唾社会が許せませんね。資格さえあれば…と言う傾向が強くなっているから社会構造が歪んでいます。この理由を考えて行くと官僚が天下りをして食べるための組織を作って増殖をしているからですね。目に見えない、このような生産性のない社会構造が日本の失われた時代を延長させた要因の一つとも考えています。(ヒント2)

お金は道具に過ぎません。故に有効活用すべきなのです。ところが…多くの人はこの認識がありませんね。一つの株価を上げる事は資金力さえあれば簡単なことです。それでは何故、誠備グループは失敗したのでしょう。嘗て、仕手グループの誠備が結成され加藤嵩(あきら)と言う歩合セールスが中心となって相場を作り、宮地鉄工の経営権を握りましたが失敗したことがあります。理由は企業価値と株価に、整合性が無かったからです。つまり投資価値に対し、宮地鉄工の企業価値がなかったのですね。何故、三菱UFJの純資産価格に拘るかと言えば、決算書が正しければ仮に600円でTOBを掛ければ、100円は抜けるからですね。故に市場経済が正しい動きなら、純資産価格を大きく割れる事はないのです。金融機能が欠けているから、まともな会社が純資産価格を割れている現実が生まれます。BPS1倍以下の会社が存在するのは、市場経済が機能してないことを示します。(ヒント3

話しは飛びますが…宮地鉄工の経営権を獲得しても経営のノウハウがなければ…買収しても意味はありませんね。自分が経営に参加することによって、会社の価値を引き上げられるなら別ですが、なかなか会社を買収した後に、解体して売却するのも骨が折れる仕事です。私がダヴィンチの金子さんを、大きく評価しているのは訳があります。テーオーシーと言う会社を私物化するために、当時の経営陣に近い筋がTOBを仕掛けたことがありました。しかし…あまりに市場価格から乖離していたために、ダヴィンチが敵対的なTOBを実施したのです。テーオーシーが持っている不動産価格の評価を巡る対立でした。彼の存在は市場原理の当たり前の行動ですが…今の日本では、この感覚が薄れています。市場には色んな価値観が存在しても良いはずですね。(ヒント4)

あまり派生させると、皆さんも戸惑うでしょう。故にこの程度の事例で止めますが、シャープの株価価値は、一体、何処にあるのでしょう。リストラクチャリング(企業の再構築)をする為に大幅な赤字は避けられません。だから上場している状態で実施するのは不適切で、本当はMBOを実施して、非上場にしてから行うべきなのですね。上場している状態でリストラクチャリングを実施することは、著しく、企業利益を損なう事があるからです。シャープの堺工場を建設するためには数千億円のお金がかかるでしょう。それを二束三文の価格で鴻海精密工業(以下、ホンハイ)は手に入れようとしたのでしょう。だからシャープとの交渉の過程で揉めたのでしょう。結局、堺工場の権利をホンハイは一部分、得るのですが…そこで株価が下がったと言う理由だけで、増資の約束を反故にしたのです。市場は冷淡ですね。2000億円もする工場を100億円の価値にするのが市場です。極端な表現ですが…この書き方が分かりやすいと思っています。亀山工場もそうですね。

現在の会計法は減価償却費を巡り、稼働率が落ちると減損会計の関係上、損失を計上しなくてはなりません。丁度、土地や株価が下がったために損失を計上するやり方に似ています。しかし…金融危機などの事例を見れば、一時的に稼働率が下がることは良くあります。ソニーやパナソニックは大企業で蓄えがありましたが、シャープは亀山工場の償却も済まない内に、大阪府などの政治家の要請に押され、減税と引き換えに雇用の場を作る為に堺工場を建設したのでしょう。全て借金で…ここが問題ですね。ガードのゆるい、アマちゃん経営者の失敗です。もともと国内ではテレビでトップのシャープも、世界では3流企業、新興国の需要は、ソニーにも負けているのが現状でしょう。販売力がないのに…良い品物なら売れると言う過信により敗れる姿は、多くの日本の経営者に共通する欠点です。

しかしシャープは日本に必要な会社でしょう。最近はイギリスのダイソンにお株を奪われていますが、嘗ては水蒸気のヘルシオなどの革新的な家電製品を多く誕生させています。出来る事なら…一時的な資本問題のゴタゴタで失いたくない企業です。企業は自らの力で栄えるべきですが、金融機能が企業を育てる面もあり、仮にシャープの株価を800円、1000円にして、資金を一時的に出して支えたら…立ち直るかどうかですね。ここで歴史的な株価検証が必要になります。過去最高利益水準とか…を元に、立ち直った姿をイメージして相場を作ったらどうなるでしょう。過去のシャープの株価を見ると1200円から1600円のラインを長く維持していましたね。つまりこの程度の実力があるのでしょう。

r20130323a.gif

誠備が仕掛けた宮地鉄鋼は高値にしても後で、買ってくれる人は存在しませんね。しかしシャープが立ち直ったら…1000円でも買ってくれる人は出て来るでしょう。それならば金融機能の出番ですね。一時的な減損会計や資金繰りで失われる会社ではない筈です。だから…助けたいのですね。この会社が立ち直れるなら、まだ余裕のあるソニーもパナソニックも大丈夫ですね。さて、相場の山手線理論の展開です。水面に石を投げるとその波紋はどんどん広がっていきます。少しずつ輪が大きくなりやがて湖全体に大きく広がります。この現象が市場経済の原則です。今回の相場の焦点の一つでもある、売られ過ぎた銘柄の株価修復の作業を…リーダーであるシャープの株を上げずに、ソニーが上がる筈がありませんね。パナソニックが上がる筈がありません。もしシャープが上がるなら、ソニーもパナソニックも上がるのが道理でしょう。何故なら、ソニーやパナソニックの方が、選択手段は豊富だからです。だからこそ、シャープの持つIGZOの技術評価は大切なのですね。何故かと言えば、目先の企業業績を左右する事象だからです。株価の第一波動が終わり、一回りして、また駅に戻ってきたシャープと言う列車の株をもう一度走らせれば、やがてソニーも、もう一回り大きく育ちます。山手線を一周して戻ってきているシャープと言う電車が、もう一回りできるかどうかは、アベノミクスの真価も試されています。

日経新聞の記者が純粋に、経済の事を考え記事を書くなら、この技術評価に焦点を充てるべきであって、増資問題などは派生問題に過ぎません。だからカタルは日経に不快感を抱いているのです。その背景を推測するわけです。役人様との関係を疑っているのですね。革新機構は存在感の実績が、欲しいのでしょう。自分達の権力を行使するための裏付けを作る為に画策している可能性があります。政府の仕事は、あくまでも黒子、民間の企業活動が円滑に出来るような環境を整備することにあります。決して自らが主体になって行動すべきではありませんね。権力は腐ります。自らの存在感を見せつけるから、資格学校が栄えるのでしょう。

沖縄の米軍基地移転の辺野古問題、沖縄県の仲井真知事は、どんな理念を持っているのでしょう。僕には最近の政治家の理念が見えませんね。大衆迎合主義の政治家が如何に多い事か…自分の理想とする社会を目指すために、理念は非常に大切です。もし自然エネルギーで発電力を賄おうとするなら…、太陽光発電の買取価格を引き下げるべきではありませんね。産業競争力を下げてまで選択した国民の選択なら…、関連企業が大きく育つまで支援を続けるべきでしょう。理念とは何か? 政治家は付和雷同の不逞の輩に過ぎません。僕が株を選択するに辺り…、その企業が育ってほしいと願うから…、そんな気持ちが強いから割高でも推奨を続けます。金融機能が企業を支えれば…社会はやがて大きく変わっていきます。

最近の株屋は、一体、自分達の理念を捨てたのでしょうか? 市場経済を円滑に支えるためには、理論価格を大切に育てなければなりません。だから三菱UFJは4ケタまで育たねばならないのです。カタルが時間を割いて、論理的な株価解説を展開しているのは…みんなで儲けながら、市場原理の輪を広げたいと願っています。市場が確りすれば…やがて経済は円滑になり、GDPは上がり日本は豊かな社会が形成されますね。日経新聞はリートの時価総額が7兆円になったと報じていますが…違和感を抱きましたね。未だに10兆円にも満たない金額なのです。一ケタ違いますね。70兆円でも少ないですね。少なくとも株価の時価総額程度まで、論理価格で動く地価を形成させるまで、支援せねばなりません。株式の時価総額は364兆円です。この規模までリート市場を拡大させ、信用創造を育てる必要があるのです。

山手線理論の焦点がぼけましたが…今日の話は予備知識と解釈して下さい。長くなったので止めますが、高い時に株を買わなくても、やがて乖離が落ち着き株を買う機会も出てきます。要するに自分がその会社を信じるかどうかですね。株で儲けるのは信念や理念は非常に大切ですね。気持ちが揺れるなら、自分のポジションが自分の力以上に大きいからですね。押し目を買えないのは自分の技量がないからです。投資家それぞれによりリスクを享受できる水準は違います。自分の気持ちに正直になるべきでしょう。