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時代背景の考察(2013年03月16日)
米国の株価は新高値を更新し、一見すると力強さを感じるかもしれませんが、今後の選択により、依然、懸念が残る兆候も見られます。カタルが一番心配するのは、2006年に日銀が犯した間違いをFRBも犯すかもしれないと言う懸念です。どれも経済指標は改善しているのですが…雇用統計数字を見ても分かるように…、依然、失業率の数字は7%台ですね。過去の景気後退時の最高が6%台だった現実を考えると雇用関連指標が、いくら遅行指数とは言え心配が残ります。

さらに『米連邦準備制度理事会(FRB)は14日、大手金融機関の最新の配当や自社株買いの計画も盛り込んだ第2次ストレステスト(健全性審査)の結果を発表した。包括的資本分析検証(CCAR)と呼ばれる今回の審査では、JPモルガン・チェース(NYSE:JPM)とゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)の自己資本計画について「即刻の対処」が必要な弱さがあると指摘した。両行は株主配当計画を変更する可能性が出てきた。」と報じられています。
経済は実体経済と金融経済の両輪が回転して、初めて正常な形と言えます。片方が金融と言う車輪が早く回ればバブルが生まれ、実体経済が中国の鉄鋼業のように過剰投資が生まれても、大きなギャップが生まれ改善に時間が掛かります。近年は統計資料の整備が優れており、実体経済の過剰投資はなかなか生まれませんが、日本のテレビのような事例もあります。経営者の判断ミスですね。統計数字を詳細に調べておれば、このようなミスは防げますが、日本人はもともと情報の価値観を軽視しています。戦略に優れるCIAなど…、モサドでも同じですが、日本の公安が世界で有名になる事はありませんね。何故でしょう。北朝鮮や中国にもやられているケースが多く存在します。
今日は前置きより、株式の空模様の話をしなくてはなりません。基本認識が出来ていないから皆さんは騙されるのですね。欧米の外国人に、折角、実体経済で稼いだお金を「濡れ手で粟」のように…簡単に持っていかれています。金融経済では子供と大人の勝負しか演じる事が出来ません。景気循環の仕組みも金融世界のマジックも理解している良識派の政策官僚は少ないですね。高級官僚の株取引を自粛させるような馬鹿な規制は即刻止めるべきです。確かに彼らはインサイダー情報の接する機会も多いでしょう。しかしそれとこれと一緒に考えるのは間違っていますね。インサイダー取引には処罰が確り決められており痕跡が残りますから、必ず暴かれます。むしろ株取引を推奨し、市場原理を勉強させる方が国の為になりますね。日本だけでしょう。こんなバカな風潮は…。
実体経済と金融経済は鏡のような関係、実体経済を金融経済が写し、その映像をみて実体経済は常に修正されていきます。相互作用が非常に高く存在し、鶏と卵の関係に似ています。カタルがよく相場観を修正しますね。最近では2月の末から3月初めにかけ…、3月2日の株式教室で「金融相場のスタート地点は?」とのレポートを掲げ、相場観を修正しています。幕間で休むと考えたのですが、不動産株を採り上げたことで、一気に金融相場のスケールがアップしました。つまりカタルが年初から指摘してきた信用創造が始まっている訳ですね。マネタリベースの増大が期待インフレ率を高め、信用創造に繋がり始めている事が、相場に反映されています。

ここで3月3日にコラムで書いた「景気循環と株価」景気循環が落ち込むとここでは視覚化する為に日銀短観で示されている業況判断の推移を用いますが、GDPでも、他のいろんな指標で景気の波は分かります。しかし何故、日銀短観が重要視されるかと言えば、アンケート調査だからですね。人間の感情が景気の浮き沈みを決め、その感情変化が表れているのが、業況判断指数と言うものです。景気は良いですか?悪いですか?単純なものですが…この調査結果は、僕らの実感です。
特にメディアや政策当局は製造業を重視しますが、日本国の景気の実態を左右するのは非製造業です。まぁ、製造業が非製造業の景況感を引っ張っているという面もありますが、非製造業の業況判断指数の方が、より僕らの景気の状態を示していると言えるでしょう。このグラフを見ると…まるで株価を見ているようです。近年はデフレ環境になれ構造転換が終了していることも、このグラフからは感じられます。TPPの参加表明がなされましたが、ある人がアンケートに応え、「遅すぎる。既に日本の製造業は、みんな海外に移転したよ。」と述べていましたね。
この談話を聴いて…僕はAと言う公開していない円安メリット株が確実に上がるだろうと…考えましたね。マツダのように市場の人気株に何れ選ばれるでしょう。ヒントは至る所に満ち溢れています。しかし多くの人は関連付けの作業をしていませんから…所謂、自分で考える事をしませんから、見過ごし、分からないだけですね。しかし一部の人間は分かるのです。僕は誰でも入学できる3流大学の出身です。しかし我が国の学歴社会は、独創性より記憶力を優先します。そりゃ、両方を兼ね添えられれば一番ですが…。僕などは、何度聞いても右から左…すぐに忘れますね。だからベンチャリの失敗も乗り越えられます。
40億円か…仕方ないな。またやればいい。そんな感じです。今の景況感は世界経済の停滞感からの脱却と、日本の構造改革の終了から、新時代の入り口なのでしょうね。この認識が必要でしょう。ベルリンの壁崩壊から東西冷戦が終了した一連の流れの一山をようやく超えたのでしょう。ベルリンの壁崩壊が一幕の始まりなら、金融危機がその終了でしょう。何故なら金融デリバティブの発展のおかげでBRICsをはじめとする新興国の躍進があり、市場経済の拡大に繋がったからです。今度は世界中で起こっている金融緩和により、第二ランドに向かうのでしょう。
日本はTPPの安倍首相の談話のように、世界基準を拒むことはできません。昨日は新日鉄の三村氏批判を展開しましたが…ベルリンの壁崩壊の意味も彼は分かってなかったのでしょう。だからブラジルへの進出とかのグローバル展開が遅れ、日本の仕組みで押し付け自動車との関係を続けようと画策していたのでしょう。日本は長い時間をかけ、様々な「しがらみ」を清算してきました。構造改革と呼ばれる一連の作業です。内外価格差の崩壊により、ニトリやファーストリテーリング(ユニクロ)が大きく育ち…更に株式の持ち合いも清算してきましたね。先ほどの非製造業の業況判断指数をみると、グラフは何故か底上げに環境に見えます。
一番きつかったのは1998年前後の落ち込みは厳しかったですね。負債総額14兆3812億円と戦後最悪を記録し、倒産件数も84年に次ぎ戦後2番目の1万9171件となっています。日本リースやたくぎん保証などが飛んでいます。長銀や日債銀が国有化されましたね。翌1999年には山一証券も倒産しています。しかし清算してみた結果、山一は僅かなマイナスだったのです。大蔵省は実態把握が出来てなかったのでしょう。この後に、ダヴィンチの金子さんは行動を起こし、2006年に掛け成功した筈だったのです。ところが…日銀の2006年の引き締めですからね。
冒頭のFRBの失敗を懸念するカタルの思考が理解されると思います。金融危機は2007年前後です。日本のバブルは1985年から1990年の話し、それでも2006年の僅かな引き締めに、ガタガタ崩れるのです。何故か? 内部留保が出来てないからですね。だから米国発の金融危機をチャンスに変える事が出来なかった。危うく共倒れです。歴史的な観察が背景にないと相場の流れが見えないのですね。キャリアとは…その蓄積です。僕なんか山一證券はつぶれないと思い、お客様と共に戦いましたが駄目でしたね。ダヴィンチもそうでした。武富士とダヴィンチは似ていますね。あの時に武富士でなくJトラストなら…、今回はダヴィンチでなくケネデックスだったら…。キャリアが生み出した。ケネデックスと言う銘柄の解答ですね。
時代背景の理解の大切さを少しは理解して頂いたかな?
相場観、所謂、銘柄の方向性を決めるのは景気循環の流れであり、歴史的な考察が欠かせません。ナノキャリアに拘り続け、J・TECを軽視したカタルの拘りは景気循環と株価の関係にあります。その為に3月2日の金融相場のスタート時点をずらした考え方で今の相場観とカタルのイメージを整合させたのです。上がる銘柄など決まっています。必ず良い株と言うか…センスのある株が物色されますが、残念ながらカタルには時間的な概念が乗り越えられないのですね。日揮のスタート地点を1年以上も外し…ものにできず、今回の銀行株など何度チャレンジしてきたことか…。その度に政策に裏切られ失敗しています。安倍さんは、一度失敗しているだけに…スケールが大きくなりましたね。良い談話でした。彼に欠けているのは成長戦略ですね。アベノミクスの副作用は、おそらく参議院選挙の後に表面化するでしょう。日清製粉の社長談話を読みましたか?この時間の話が理解できる人が何人読者に居るのでしょう。
皆さんには、難しいかもしれません。明日はお待たせしました…と言うか、約束ですから007の時代背景の話を少しします。興味のある方は自己責任を噛みしめて、読まれれば良いでしょう。