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株式教室

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目標株価のイメージ(2013年03月30日)

今日はユビキタス(3858)こと、007の続編とチャート分析を中心に株式教室を展開します。何度か申し上げていますが株式相場は想像力なのですね。所詮、未来の不確定要素の多い事象を当てることなどできません。現在は様々な選択肢があり、その選択により未来が変化するからです。しかし株式相場は「想像力」が全てです。人間の夢の最初は、この想像力から始まります。頭に描くイメージを、人間は具体化させ進化させて来ました。今は当たり前になった携帯電話は「昔の夢」の産物です。頭に描いた理想像が具体化したものですね。相場は想像力なのです。そうして、その想像が具体化して行く過程で相場は形成されます。創薬も技術開発もみんなそうですね。人間は夢に向かって努力するのです。

007にカタルが最初に惚れたのは、2010年1月からの相場を見てからでした。あの時は市場環境が悪い中で猛烈に上がってくる株が007でした。当初は何故、上がっているのか分からなかったのです。やがてその理由が判明します。2009年11月に発表されたQBと言う技術が、株高の要因らしいと…。カタルはパソコンの起動に時間が掛かる現実を不思議に感じていました。テレビに何故、待機電力が流されているのか? 疑問を覚えていました。やがて電化製品の全てがプログラムにより動いており、そのソフトを読み込む作業時間だという事を、知ることになります。世界中で使われている家電製品の多くはリナックスと言うソフトを用いたプログラムで書かれていることも、同時に知る訳ですね。もしQBが全てに家電に採用されたら…大変な需要だと感じ、当初は携帯電話をイメージしていました。携帯電話も電源を切ってから立ち上げるまでに時間が掛かります。調べて行くと英ARM社の存在が明らかになり、その会社からも007は技術評価を受けていることを知ります。そうしてベンチャリの失敗を取り返すには、この株が「希望の星」になる…と感じたのです。

詳しい経緯は、今日は語りません。他に大きく惹かれた点もあるのですが…何れかの機会にしましょう。単純にカタルは、あの当時より現在は上だと感じています。何故なら、偽物か…とも考えられていたQBの技術が製品化され本物だったわけで、カーナビのみならず、開発要員さえ豊富に居るなら、省エネの観点からも様々な製品に応用される技術だからですね。さらに今回は、前回と大きく違うのは電子部品大手の村田製作との資本業務提携が成り立っているからです。村田はたかが部品会社で、下請けの存在と侮る人が居るかもしれませんが、世界の家電製品の多くの部品を、村田製作が作っています。特にスマートフォンには小型化や積層化された部品が多く使われています。しかも驚くことに大半が国内製造で価格競争力を維持している非常に技術力が高い会社です。自動車が悲鳴を上げる、近年の円高下でもそうだったのです。最近では「ワイヤレス電力伝送システム」も発表していますね。間もなく家の中から電力コードが消える時代になります。自転車ロボットのCMでおなじみの村田製作所が…下記のような文言で発表しています。

「1.資本・業務提携の目的
近年、モバイル・インターネットやスマートフォンの普及などを背景に、無線通信技術を用いて、様々な機器にインターネットなどのネットワークに接続できる機能を付加することに対する需要が高まっており、今後も更にその需要が拡大することが期待・予想されております。 このような社会環境のもと、当社は近距離無線通信モジュールのソフトウェア開発、サポートを強化してまいりましたが、顧客により便利で高性能なソリューションを提供するために、OS やミドルウェアでソフトウェア技術を有するユビキタス社との協業が、より一層の競争力の強化と顧客満足の向上につながると判断し、両社間の協力関係の強化を目的として資本・業務提携を行うこととなりました。
2.資本・業務提携の内容
(1)業務提携 近距離無線関連の両社の製品およびサービスに関して、次のような取り組みを共同で進めてまいります。 ①相互の顧客・潜在顧客に対する共同提案・販売促進活動
②技術・市場動向などに対する共同での検討活動」となっております。

文面から想像力を働かせれば、明らかにWiFi技術を始め、様々な007が有する技術を村田製作の販売チャンネルに乗せることになりますね。もともと2010年当時の007は技術があっても、町工場の段階ですから販売チャンネルも限られていました。今度は世界の村田ですからね。7000億円近い売り上げを誇る村田にとって、1%の売り上げは僅か70億円に過ぎませんが、007にとっては年間売り上げの7倍に相当します。しかも開発する組立ソフトの利益率は高く、原材料費はほぼゼロで、人件費だけなのです。基礎的なランニングコストである維持費は、既に確保されていますから、あとの売り上げの伸びは全て利益になりますね。非常に付加価値が高い産業です。仮に村田の1%の売り上げが既存の8億円の売り上げにオンされたら、僅か8万7千株しか発行済み総株式総数はありませんから一株あたりの売り上げは78億円になり、89655円ですね。つまりPER10倍で89万円の株価が実現できることになります。

付加価値の価値が、どの程度評価されるか? あの村田が資本提携に踏み切るくらいですから、僅かに1%とは…考え辛いですね。汎用品の部品価格と付加価値を帯びた部品価格の差はDRAM価格とインテルなどが提供するCPUの価格差に似ています。この価格差は100倍以上もあります。200円と5万円程度の格差があるのでしょう。村田の売り上げ貢献度が10%も上がるとしたら…と考えただけで、ワクワクする根拠はここにありますね。だから今の時点で言えることは…2010年の春の高値は、確実にクリアするのだろうと言う漠然とした想像だけです。組立ソフトの産業は、経産省が日本に育てる目標に置いた産業ですね。つまりIPS細胞と同じで、付加価値が非常に高い産業です。日本は少子高齢化の為に、一人辺りの賃金を上げねばなりません。しかし売上高営業利益率が5%程度の産業をいくら保護しても、社会にユトリは生まれません。007の株価が上がる環境は揃っていますね。

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さてチャート論を展開しましょう。先ずは前回の株価高騰のイメージを頭に描きます。そうすると、今回の株価波動はまだ始まったばかり…との印象が成り立ちますね。加えて全体相場は材料株の物色の様相を示し始めています。条件はかなり揃っています。市場人気はバイオと信用創造の資産効果が中心に動いていますが何れも疲れています。

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ただ資産効果は、まだまだ続くのでしょう。「もうはまだなり、まだはもうなり」とは言いますが、007に次いでケネデックスも、かなり具体的な株価イメージが湧きます。1兆円を超える優良資産を抱えるケネデックスは、現在、市場の一番人気を維持しており高騰を続けていますが、国際会計基準の包括利益の考え方が、何れ定着するでしょうから、浅草の地価は1年で9%も上昇した現実は、大きいものがあります。いくらスカイツリー効果とは言え、実際に10%近くも上昇したのです。黒田さんが新総裁に選ばれ、具体策はこれから始まります。つまりマネタリーベースの増加比率の増大効果は、これから生まれるのです。大証とは違い、東証ではようやく注意喚起だそうです。減損会計の不安が消える効果は大きいですね。本当はダヴィンチが上場されていれば…もっと大人気になったのでしょう。カタルが惚れた金子さんは、日本の仕組みから淘汰されました。ホリエモンや江副さんと、似たような印象です。その辺の事情は、明日にしましょう。まだ下値ボックスの2009年6月の59900円もクリアしていない段階です。これは確実にクリアし株価は10万円台へ伸びると現在は考えています。2008年9月の高値も、何れ奪回するのでしょう。ただ007に劣るのは…利益の先が読めますからね。無限の夢とは、少し事情が違います。

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人気株のチャートを使った目標値の算定などの考え方の一つを提示しましたが、皆さんには、もっと短期の解説の方が楽しいのでしょうか? 例えば28日に出現した007の159000円の攻防の話などですね。板状況からも相場の出直りが確認できます。多くに人が現実で夢を抱けば、相場は更に大きく伸びます。だいたい目先の売り物など限られているものです。本格調整前の最後の昇りは、驚くほど上がるものなのです。経験はありませんか? 株を売った後に、売った株が何倍にもなった経験が…。Jトラストなどは、まさにその口ですね。20円の株が3000円ですよ。相場は必ず3年以上は上昇を続けるものです。だから現物で持っておくのです。