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2012年12月29日

今年を振り返り…

今年の初値で買って5割以上、上がった株は全上場株3546銘柄のなかで367銘柄ありました。10%の割合でしたね。民主党が解散を決める10月末ですと225銘柄です。かなりあるものですね。そこで時価総額が300億円以上で株価が2倍以上になったものをリストアップするとかなり減り31銘柄になりました。このリストを見てみると今年の傾向がある程度理解されますね。基本的に金融セクターと不動産などの金融相場の様相が良く表れており、カナモトや西尾レンタルなどの復興特需も窺える内容です。

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クスリのアオキにコスモス薬品とドラッグストアが好調なのですね。背景は高齢化や医者に掛かれない所得動向も影響しているのでしょう。マツモトキヨシも好調なのですが、既に店舗数が多く、一株利益の変化率が乏しいから株価の変化率も低いのでしょうが、リストの選には漏れていますが、それでも株価は3割ほど上昇しています。この結果は非常に有意義な意味を持っています。同じ経営内容で、何故、株価上昇率がそれぞれ違うのでしょう。別にドラッグストアだけでありませんよ。このような販売会社の進出は外食産業でも同じですが、基本的に店舗数の増大による利益の蓄積なのですね。だいたい100店舗前後が投資の妙味が高い水準だと思っておくと良いのでしょう。クスリのアオキは北陸を中心に184店舗、コスモ薬品は九州を中心に353店舗、マツモトキヨシは関東を中心に1327店舗ですね。

形態は違いますがリストの上昇率4位には「ジェイアイエヌ」と言う眼鏡の会社がリストアップされていますが、この会社の店舗数は165店舗で、雑貨は24店舗ですね。見せかけの利益の計上でも株価は良く騰がるようですね。オリコもそうですがエンプラスと言う会社もそうです。四季報の出ている一株利益予想に多くの人は魅力を感じるのでしょう。基本的に経常利益から半分程度、税金などが引かれると考えるべきですね。だから僕などはオリコをあまり評価しません。エンプラスも同様ですね。

だっておかしいですね。売り上げの伸びを見て下さい。人気株のオリコのケースを見てみましょうか…本来の投資時期は大幅な赤字を計上した2007年の5月が買い場の筈ですが過払い請求が隠れており何処が収益のターニングポイントか?分かりませんでした。内部資料がないと判断が付きませんね。実はこのマジックにブツブツは引っかかりました。昨日、彼から電話があり、彼の買値を聞いたら、丁度、5月頃、買っていたらしいですね。買値が500円から300円と言っていましたね。その後、株数が減らされ1/2になっています。

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2009年は売り上げに対する営業利益は6.6%でした。実は2003年に一旦償却したのでしょうが、例の最高裁の判決で時代を遡り、過払い請求を払うことになり2007年に再び整理を余儀なくされたのですね。普通の会社ならこの時点でアウトです。多くの会社がこの処理が出来ずに、いろんな方法を採用しました。アイフルもそうですね。武富士はオーナーが亡くなり清算の道を歩みましたね。あのバカ息子が…と責めても仕方ありませんが、今年の3月期は僅か1.5%の営業利益でした。その為に株価は100円以下で、まだ低迷していましたね。しかし過払い請求の峠を明らかに超え処理が終了していたのでしょう。2012年3月期の営業キャッシュフローが大きく改善しています。関連業界の他社の株価もそうです。Jトラストが先頭を切りましたがアコムもそうですね。最近CMを見るとサラ金の広告も増えています。明らかに経費を使えるようになってきたのでしょう。CMは利益を隠す格好の的です。最近、ソフトバンクのCMは減っているように思いませんか?おそらく設備投資と米国への投資の費用計上が多いのでしょう。

世情を判断するのにテレビを見ることも重要です。サプリメントのCMの多い事…ただファンケルなどを見ると競争が激しいらしいですね。大手食品メーカーが挙って参入しているからでしょう。ぐるぐるグルコサミンの世田谷自然食品は非上場ですが…来年は期待できる株価10倍銘柄も注目されますね。良くカタルのレポートを読んでおられる方なら分かるでしょう。今年10月に株価が爆発しましたが本領発揮は来年の筈ですね。

リストの話ですから戻しますが、この中で気に入っているのが「桃太郎」ですね。いや「MonotaRo」と言う工場用間接資材ネットの会社ですね。米国が本社のようですが…かなりお気に入りの部類ですね。そうか…地味なのですが…物流のヤマト運輸なども気になって仕方ありませんね。だってネット通販売り上げは増えるばかりで…我が国の仕組みをどの国でも応用できますね。何故、海外に打って出ないのでしょう。不思議です。小倉さんが草葉の陰で泣いていますね。きっと…既に売上高が1兆円を超え、海外進出すべき企業だと思いますが…。もう一つ気になるのは高島屋などの百貨店業界ですね。ただ僕はファンドのマネージャーではありませんからね。

僕は基本的に諦めませんね。株価が下がってもまた買えば良いと思っている方です。その為に全体のパイが大きく減り、流動性が失われ下げ相場になってダブル・バインドに苦しんだわけですが、ようやく安倍政権下で実践される「リフレ政策」、浜田さんの登場で株式相場は大きく上がり始めました。基本に忠実になるべきでしょう。僕は安倍政権のやり方は非常に危険な匂いもすると思っています。日経新聞によれば、日銀総裁白川さんの一文にあるようですが「景気が良くなった結果として物価も上がっていく成長を国民は求めている」となっていました。来年は加速度的に進む円安と長期金利の動向に注意を払う一年になるでしょう。この点が気になって仕方ありませんが、しかし市場の現状は安倍政権の行動に期待していますね。参議院選挙を控え、正月休み返上で政策が練られるのでしょう。

同時にリフレ政策は金融機能の復活も約束されています。野村証券がここにきて12連騰したのは投資キャッシュフローが効果を出すからですね。一株利益はまだ出ていませんが、社長は何処かの談話で一株利益50円を言っていたと思います。記憶によれば…。その為に今期は儲かる物件を早めに処分していましたね。みずほは増資の関係か?株価が大きく出遅れていますね。政策の基本が金融政策と財政政策である以上、その関連株の物色は基本的に参議院選挙まで続くのでしょう。

年初はこの関連で進みますが、スピード調整を兼ね、中旬には流れが変わるシナリオも用意しながら新春の相場に望むことになるのでしょう。ひょっとすれば、明日も書くかもしれませんが…基本的に寝正月ならぬテレビ三昧かな?でも生活の現状は勉強しなくてはなりません。良い銘柄に巡り合えると良いのですが…来年はどうなるでしょうね。

投稿者 kataru : 15:21 | コメント (0)

2012年12月22日

空前の大相場

新政権の安倍氏の能力を疑うニュースが最近は目立ち始めています。僕は2006年の時、安倍さんが「美しい日本」と述べた時に違和感を抱きました。しかし今回は「危機突破内閣」と現実的な対応になっているようです。「みんなの党」だけでなく、ようやく政治家も目覚め始めているのでしょう。しかも新聞を読むと、早速、中国と韓国に特使を送るなどの外交努力も展開しているようですね。公約の尖閣への公務員常駐化の話しも消えそうで方向転換しています。石原さんに叩かれるでしょうが現実的な対応でしょう。石原さんに叩かれたら、自民党の議席数を述べて民意を得ていると突っぱねる事が出来ますからね。僕はてっきりに野田内閣は、島を国有化する前に中国と事前調整があったものと理解していましたから…その後の中国の対応が理解できなかったのですね。しかし野田政権は中国との事前調整を怠っての行動だったようですね。その点、安倍さんの方が現実的になっているようです。

しかし今度は野党ではなく政権政党なので…前回問題化された日銀の国債直接引き受けの話しや、今回問題になりつつある日銀の政策会議終了前の発言など…やはり心配している失言が多いようです。大丈夫かな? この点がどうも引っかかります。健康問題と合わせて本人に、ちゃんとした能力が備わっているのかどうか…。しかし前の政権時に掲げた「戦後レジームからの脱却」などは当たり前の話ですね。わが国に存在する「ダブル・バインド」の源は此処にあるのでしょう。米国から押しつけられた仕組みが存在し、東西冷戦構造が崩れ、グローバル化になった世界の仕組みと整合性が欠けているのでしょう。この点の修正を早めにしなければなりませんね。教育改革が主眼になる筈です。

最近の中央銀行の対応、FRBにECBと世界の中央銀行は流動性の供給をまだ続けていますね。米国は本来の主眼である失業率を政策目標に据えています。日本は消費者物価ですが…これだけ円安になれば輸入物価の値上がりを吸収するのは大変ですね。既にかなりの輸出品は海外へ生産移転されており、円安より円高の方が良いのじゃないかと僕は思っていますが…、先日、僅かな期間を調べたら、株との相関性は高かったですね。円安イコール株高でした。この問題は難しく宿題にして…。いま気になっているのは世界の中央銀行が揃って、更なる金融緩和を続けていることです。来年、この影響は出て来るでしょう。当然、お金の価値は薄れ、物や資産の価値が上がります。この現象は新興国から先進国にパワーバランスが移行することを意味していますね。物価高に苦しむのは中国などの一人あたりの所得の少ない国ですね。先進国は新興国より価格対応力があります。

ここで浮かぶのがPBRと言う評価での銘柄選別ですね。来年はきっと役に立つでしょう。デフレ下では資産は劣化し、毎年償却しなくてはならず、総資産経営をしている邦銀は負の環境でしたが、今度は含み利益が増えて、見えない利益の蓄積が始まりますね。不動産価格が上がるとすれば、都市銀行は、どの駅でも支店があり膨大な含み利益になり、当然、有価証券報告書に記載されている実質的な資産は増えますね。見えない利益の蓄積が始まります。土地持ち企業、既に株価は上がっているようですが、松屋なども人気銘柄になる確率は高くなります。この辺りの感覚が次の銘柄選抜のヒントになるようです。

現在の相場環境はようやく日本株の見直しが始まったかな?との疑心暗鬼の気持ちなのでしょう。一般の人は…しかしカタルは論理的にマネタリーベースの推移から過去の事例を調べ、この水準が保ち続けられるなら、資産価格は上がるでしょうし、ようやく負の世界から脱却は始まりますね。問題は2006年当時の状態になった時に、日銀などの対応の変化ですね。僕はあの時、アホでしたね。政策に逆らっても負けるのに…逆らい続けていました。その結果が今の姿です。あの時に証券マンを辞めるべきだったのですね。実はビスタを始めて直ぐ後に証券マンを辞めようとも思っていたのです。あの当時も既にかなり損をしていましたが、40億、全て飛ばさずに…半分程度で済んでいたはずですね。まさかの政策が続き…2010年10月にようやく、日銀は資産劣化に対する対応を始めましたが…ポーズですからね。

しかしこの遅れた時間の苦しみは金利高が現実になると…一気に加速しますね。これから日米ともに長期金利の推移を注意深く見守ることになります。今の日銀の追い込まれた姿は危険ですよ。株屋にとっては良いのですが、日本国にとってはどうかな?汽車が一旦走り出すと…加速しなくても惰性でかなりの速度で動きます。金融相場とは非常に怖いものです。空売りだけは絶対に避けねばなりません。野村証券が2000円になっても驚きません。ひょっとすれば1万円のラインを目指すかもしれません。それは金融をコントロールできるかどうかに掛かるのでしょう。今から…こんな事を言うとカタルは馬鹿だと言われますが…あり得ますね。余りに日銀はデフレ環境を維持しすぎましたね。その蓄積が爆発する可能性が非常に強いと思うのが常識です。

僕は一旦野村を売りましたが、再び買うチャンスを狙います。何度でも繰り返し売り買いが出来る銘柄です。標準偏差は高く株価の振れは非常に大きい筈です。目先は調整ですがどの程度休むかどうか…。意外に今回の上げは買っていない投資家が多く存在し、おそらく通常の調整より軽いものと推測します。何故、早晩、金融株の本格的な上げ相場を迎えるかと言えば、日銀の姿勢ですね。2度の増額姿勢に、また今度も10兆円ですね。いくら乗数効果が低いと言っても、短期に30兆円はGDPの7%近くになりますね。通常は様子を見るべきですね。おそらく今回の発表は、緊急対策に合わせた財政出動資金の日銀の実質的な引き受けなのでしょう。ともかく長期金利の推移に関心を払うのが来年の主眼になります。

更に、こういう考え方も成り立ちますね。長年のデフレ政策で日本の建設物の標準的な循環が、大きな後れの蓄積を生んでいるのかも知れません。そうなると銀行にユトリが生まれると一気に需要が爆発する時期が来るかもしれませんね。金融の融資姿勢の変化です。そうすると低く抑えられていた固定資本形成が大きく伸びるかもしれません。設備投資にも火が付きますね。きっと時代遅れの生産設備を抱えた産業は山のようにあるかもしれませんね。実は昨日、深夜にSL機関車の修復作業を見ていました。ボイラーなどの劣化が進みひびが入っており水漏れがあるのですね。その為にそのひびを塞ぐのですが…。劣化した鉄のひびを削り溶接で埋め込みますが、その作業の途中で次々にひびが連鎖して拡大して行くのですね。あの光景を見て思いました。日本のデフレ環境は膨大な需要が眠っている証であると…。つまり長年相場がない建設株や機械株なども含め膨大な需要が生まれる可能性を秘めている訳です。この考えはかなり先を見ており、一応、心にとめておく程度でいいでしょうが、あり得る考え方です。つまり今回の相場は、とてつもなく大きな相場に発展する可能性を秘めていますね。

投稿者 kataru : 13:01 | コメント (0)

2012年12月15日

相場の検証

明日は衆議院の選挙です。皆さん投票に行ってくださいね。
今日の東京は、どんよりした曇り空…少し晴れ間が見えますが、暗いどんよりした天候は新潟を思わせます。カタル君は新潟産ですからね。親父は江戸っ子ですが落ちぶれて都落ちの部類です。親戚の多くは負け組のようです。この親族のつながりと言うのは、核家族化が進み、毎年希薄になっているように感じます。お祭りはイベント化し、村社会の楽しみから脱線している様な気もしますね。長岡の花火は、今では県外の観光客の方が多いのではないかと思います。8月2日、3日の市内の宿泊施設は関係者が優先され、県外の観光客は少し離れた地域の温泉宿などに分散されます。平潟神社のお祭りなどは、子供の時分はずいぶん楽しみな行事でした。

画一化された教育制度のもので、人間性がいつしか失われ、社会にユトリがなくなっていますね。それとも、このユトリがなくなったと思うのは、僕だけなのでしょうか? どうも…個人情報保護法案などの弊害、副作用が社会に生まれ、歪んでいるようにも見えます。明らかに過剰な規制の運用です。金融から通信業と、名簿を扱うところは全てこの対象ですね。人間らしさとか…豊かさの原点とか…、少し考えた方が良いですね。日本は明治維新以来、追い続けた欧米文化への幻想を断ち切った方が良いと思うのですが…。米国では再び銃の乱射が小学校で起き、26人もの犠牲者が生まれたそうです。銃規制を、何故、考えないのでしょう。この規制の是非や運用の裁量は難しいですね。日本の村社会には嘗て「大岡裁き」と言う裁量が存在し、昔は上手く利用されていましたが、いつしか、ガチガチの規制ばかりが目立ちます。なぜか…懐かしい匂いがする「青べか」の世界ですね。

老人の漁師が、壊れそうな平船を先生(山本周五郎)に売りつけるのですね。青のペンキが塗ってある小さな平らな船を買う訳で、その船で周辺の沼地のような場所に釣りに行くのですが…その船を小説の題名に選んでいます。台風の被害や公害問題など…更に東西線の開通などにより浦安地区は激変していきます。しかしあの舞台となった。昭和一桁だと思われますが…。あの小説は、その古き良き時代の日本村社会の姿が、イキイキと描かれており、ホッとする場面がいろんなエピソードを通じ描写されています。夜祭などの村祭りに、必ず描写される「夜這い」など慣行は面白い描写です。

さて今日は株式教室、日経新聞によると日銀の新貸出制度の根幹が明らかにされており、株式市場の認識と違うようなので注意が必要ですね。米国の追加支援策は450億ドルを毎月長期債の購入に充てると言います。ツイスト・オペの短期債からの乗り換えが、種不足で切れますから、その分を補うのですね。注目されるのは、更に失業率を目標値に据えたことですね。政策の目的は経済活動を円滑にすることです。この趣旨を良くバーナンキは理解しているようですが、日銀には目標達成の努力不足が感じられます。だから批判を受けるのです。「包括的な金融政策」(国債だけでなく株やリートと言った危険資産まで踏み込んだ買い入れ処置)は、踏み込んだ良い政策です。今回の貸し出し支援案もそうでしたが総額を設けていますね。ここが間違いですね。円滑に資金が回転するまで無制限に…いくらでも貸し出しを行えばいいのですね。これじゃ…後退している印象を抱きます。実際は同じことなのでしょうが人間は心理で動きますね。15兆円と無制限では、アナウンスの響きが違います。選挙後の株価にも影響を与える可能性を考慮せねばなりません。年間で15兆円の日本と、44兆円ほどの米国の違いですが…。基本は資金量ではなく、経済指標の問題です。物価や失業率など…円滑な経済活動を目指す事が大切です。これからも数字を追うことになります。

銀行株が、なかなか上がらない理由は、この辺りに原因があるのでしょうか? 米国はある程度は理由が分かります。しかし邦銀の株価上昇の環境は、非常に恵まれていますね。金融危機の影響は皆無なのですね。僅かに中小企業金融円滑法の不良債権だけです。このグループ向けの債権は正常債権にも転じる非常に流動的な貸出先がほとんどでしょう。だから世界一のGDPを誇る米国が立ち上がり、空洞化の処理がほぼ終了した日本は円安に向かい、マイナス面のブレーキからプラス面が表面化してきますから、これら債権はおそらく正常債権に向かう段階で、この債権の買い取り先は美味しい獲物ですがから、円滑に処理が進みます。故に経済に与える影響は少ない筈ですね。来年は邦銀の株価は面白くなりますね。一部で自民党政権に移行すると国債の消化を危ぶむ声がありますが…日銀は買い取っていますから大丈夫でしょう。どう考えても条件は整っています。どの程度、アクセルを踏むかどうか…の匙加減の問題です。

数字が表面化するのは…来年の春です。野田さんが衆議院解散を打ち出したのが11月14日です。昨日で…1か月間経過したので、この間の上昇率を調べてみました。その結果が此方です。時価総額の基準も設けました。検索数はおよそ2300銘柄で上位50銘柄を掲げたのですが…キャプチャーに入る範囲の35銘柄を掲げます。11月14日、12月14日の終値で比較しており、当日、株価が付かなかった銘柄は削除してあります。平均すると上昇率は10.14%でした。ずいぶん株価が高騰したかと考えていましたが…実際は10%程度しか上がってないのです。IRNETで取り上げている銘柄が、上位に並んでおり改めて、なかなかカタル君、すごいじゃん…と感じた次第です。今回の株価波動は、10月の下旬から既に取り上げていましたからね。ただ「財政の崖」の懸念を同時に想像しており、この点が明らかにハズレです。これから時間差で表面化するかもしれませんが…FRBには敵いませんからね。

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みずほでも10.7%超えており、平均の数字をクリアしていますね。三菱UFJは12.5%で、野村は28.4%です。およそ110銘柄は30%の上昇率を超えています。出来不出来の基準は、やはり此処でしょうね。ただ気になるのは、やはり仕手系の銘柄が強く、最近になり大型株の動向が目立っていますが、テクニカル面で過熱感が生まれ始めていることですね。いくら素質はあっても、シャープを更に買い上がるほどの度量がある有力筋が存在するとは思えないし、一気に公募玉を拾うほどの大手銀行の上昇によるボリュームアップが謀れる相場を連想するべきなのかどうか…。しかし今回は本物とも考えており、故に2003年型ではなく、緩やかな上昇を念頭に於くべきかもしれません。だから仕手系の銘柄が、しばらくは中心になるのかもしれません。理由は参入セクターが非常に慎重だからでしょう。しかし緩やかな上昇は一番強い形とも見えます。大きな中華鍋の大底から離れる雄大な相場を念頭に考えています。家庭用の小さなものではありません。1000人前の中華鍋があるかどうか分かりませんが、非常に緩やかな角度を念頭にしています。あれほど優秀な小手川君も痛手を負っている筈です。そんな環境の筈ですからね。徐々に傷が癒えるのでしょう。

何故、非常に強いのか?
例を掲げ説明しましょう。先ずオリコを見て下さい。この間(11月14日から12月14日)の上昇率は僅か6.3%です。先駆したからですね。しかし株価は下げませんね。更に、倒産会社アイフルは、この間も上昇を続け32.1%ですね。マツダはどうでしょう。33.6%ですね。低位株は、やはり変化率が高いですね。危険だからですね。変化率が高いという事はリスクが高く、余程の注意を要します。ここで相関係数などを掲げようと考えましたが…今日は疲れたので止めます。今日の文章には迷いがあり、考えがまとまっていませんね。要するに循環物色の好環境と思われる理由を掲げようとしたのです。先駆した銘柄の株価が下がらない相場は、すそ野が広がっています。今日はこの辺でご勘弁を…。少し眠いし…これから昼寝ですね。

投稿者 kataru : 15:54 | コメント (0)

2012年12月08日

チャートの形

統計に囚われているカタル君、ずいぶん無駄な時間を強いられています。データを集める為にいちいち手作業でしていましたが、エクセルのマクロ機能が存在し、それを使えば…もっと簡単に情報が集まるのではないかと…? 思いつきでマクロを勉強したり、兎も角、あっちこっちに飛び火し、なかなか本来の分析作業が出来ない有様で…困ったものです。時間の壁を超えるのは大変ですね。長年の勘でも三井住友など…買うことも出来るのですが…もっとタイミングを的確に捉えたいと願っている訳です。上がる銘柄を見分けるのは比較的に簡単な作業です。問題はタイミングですね。何処で相場が爆発するか?テクニカル上で、ある程度は分かりますが、中央道の崩落事故などは予測不可能ですからね。条件が整っている所に、新たなる「切っ掛け」の要因が加わると、一気に人間の感情は動き爆発します。

カタルは前から「マネタリーベース」の話をしており、更に「貿易収支」などから推測すると、日本の空洞化の終焉が見えていたわけです。ようやく過剰生産設備の淘汰が終了します。ただ、まだ自動車などの業界においては、需給ギャップはありますね。更に為替の意味は、グローバル化の進展でFTAなど…TPPでも良いのですが、参入障壁がなくなる方向性にあります。ここでリカードの「比較生産費説」が登場します。アップルがPCの生産を一部、米国に移管するのだそうですね。経営者は合理的な判断が必要になります。ファブレスが良いのか?自前で作るのか? 生産コストと輸送費など色んな条件を考え競争力を競う訳です。日本にはカタルを苦しめてきた「ダブル・バインド」がある為に、過剰生産設備の構造改革が遅れてきました。1992年の暮れにパイオニアの指名解雇は起こっていますが、最近まで構造は変わりませんね。NECに日本IBM、ソニーにパナソニック…ルネサスも然りです。

トヨタは国内生産300万台を死守すると言う公約が、合理的な判断を捻じ曲げています。しかし日本に雇用の場を設けようと、これまで円高を克服し効率化に舞い進んできましたが、最近は時代の要求が厳しく、スピードが問われるようになり、この努力をしなくなっています。どちらが正しいのか? 困難な壁ほど、克服できれば技術蓄積が高まり潜在成長率は上がります。ファナックは良い事例ですね。貿易収支が赤字に転落するという事は過剰生産設備の需給ギャップが改善している訳ですね。故にカタルは長く日中間の貿易赤字の推移に注意を払ってきました。この貿易幅が黒字になるなら、日本は新興国に勝ったことになります。比較生産費説で新興国を上回る訳ですね。そうなれば再び円高に向かうのでしょうが…最近はスピードを求められ、日産のマーチのような選択が増えています。トヨタ社長は悩むわけですね。海外移転すれば良いが、自分は日本を代表する企業のトップだという自負が、このアイデンティティーが二重拘束を生み、経営のさじ加減を何処におくか?トップ故に、悩むのでしょう。

あのパナソニックやソニーまでもが指名解雇…。とうとう、日本にもユトリがなくなり、本丸まで、あと一歩まで追い込まれています。まぁ、このような状態ですね。この状態がある所で…安倍さんの発言です。かれはインフレターゲット論と公共事業の財政出動です。理に適っていますね。デフレ脱却には…。コントロールできない可能性はありますが、それはその時に考えればいい。取りあえず、政策スタンスをインフレに振ろうとしています。この意向に政策官僚も消費税の引き上げが決まったので、名目成長率を押し上げる為に、動き出したというのが基本的な環境面の動きです。バック・グランドが整備できれば、あとはタイミングと狙いですね。故にマネタリーベースで金融株の中で野村を選択、財政出動で三井住友を選択、そうして産業革命に匹敵するネット関連としてグリーを選択したのですね。ただどれもタイミングは分かりません。

財政の崖と言うリスクを抱えた旅路、影響度を心配していましたが、考えてみれば選挙が終了したばかりで争うより、愛国心の方が勝る可能性がありますね。もともと米国は市場原理の国、99%の格差拡大により多少は方向転換を余儀なくされています。故に民主党の選択なのでしょうね。

日本人の選択は非常に難しいですね。長く、米国の庇護の下で育ってきたので自立していません。徴兵制度の復活まで踏み切らない限り独立国とは言えませんね。よく考えれば分かる問題です。世の中、うまい話はありませんね。米国は尖閣も日米同盟の範疇と述べていますが…米中関係はGMを通じて急速に深まっています。北朝鮮への態度も中国は軟化させていますね。尖閣も微妙に絡むのでしょう。

条件は整っており、あとはタイミングと更なる環境の変化です。
しかしチャートは色んなことを語っています。野村証券の週足と日足を掲げておきますが、基本路線は1500円辺りからの急落ですね。2008年の暮れです。増資後の高値800円辺りまでは真空地帯なのでしょう。日足上も今年の高値奪回はマネタリーベースの推移からも当たり前でしょう。大震災の高値(557円)も奪回するものと思われます。

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日経平均株価の動きも良く見て下さい。ここ2週間の揉みあいは、右肩上がりを形成していますね。下値が切り上がっています。故に誰かが玉を吸い上げており需給バランスは大きく改善されていますね。日銀がETFを吸い上げている効果は、いずれ現れます。AIGによる詐欺事件も影響し、年金ファンドの運用悪化もあり、売るべき玉も売られ続け、既に玉を売るセクターもなくなりましたね。その姿が右肩上がりの初期波動の揉みあいに出ているようです。カタルは何度も述べています。経済の活性は金融から始まると…故に大手銀行の三菱UFjを盛んに取り上げています。来年になれば、この真意がやがて皆さんにも分かるようになるでしょう。

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投稿者 kataru : 13:16 | コメント (0)

2012年12月01日

経常収支と為替と株

今日は貿易収支と経常収支、更には為替の関係を考えてみたいと思い、レポートを作成していますが、かなり苦戦しています。例えばLNG(液化天然ガス)ですが、貿易では見られぬMT(メトリックトン)と言う単位で数量計算されており、更に国際価格は立方メートルだと思ったのですが、一般化している報道は、どうもイギリスの熱量の単位の百万BTUと言う単位で、報道されているのですね。

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株屋と言うのは…分からないものは自分で調べねばなりません。特にインターネット上の情報の真偽は怪しいものが多く、検証が必要になりますね。良く報道機関が裏を取ると言いますが…同じような作業をするわけです。更にカタル君は一般的な報道を、信じない傾向があります。つまり統計資料と言うのは、採用期間によりグラフから受けるイメージの感じ方が変わる訳ですね。作者は自分の都合のいいグラフを誇張して作図することはよくあるのです。部分的に取り上げれば、確かにそのように感じるのですが、期間を5年、10年と伸ばすとまた別の感じ方をするものです。例えば為替相場の時間軸を変えたものを掲載しておきます。違ったイメージに感じるでしょう。

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この統計上のマジックに引っかからない為に、統計情報は元の数字を用いて自分でグラフを作らなくてはなりません。自分で原稿を書いてみれば分かりますが、新聞記者などの人は僕の指摘している意味は分かると思いますが、一般の人は自分がレポートを書いた事がないから、この感覚が良く分からないでしょう。故に大変な作業になっています。何しろ貿易統計のHSコードを調べたりするのですね。昨日のβ値と同じですが、レポートを書くのは統計資料を探す時間が大半で、仮に有能なアシスタントが居れば、その人に委託すればいいわけですね。僕はそのデータの検証作業に時間を使えるわけです。ところが今の僕は検証する時間より、このデータ作りの時間が多くて…そんなに嫌いではないですが、兎に角、大変なのです。さてボヤキを書きました。要するに、いい加減に時間ばかり食いレポートを書くのが嫌になってきたわけです。資料を集めている内に、僕の我慢の限度が超えてきたのです。よって資料が途中なのですが、途中経過のレポートを作って、今日は株式教室の原稿を終えようとしています。

丁度、村上春樹さんの1984ではない「1Q84」の小説のようです。二つの世界を結びつける青豆さんと天吾くんの巡り合いのような関係を、様々なパーツから集める作業に似ています。僕には少し疑問なのです。何故、円安トレンドと株価上昇の関係が成り立っているのか、よく理解できてないのです。故にそれを探す旅に出ているのですね。この連動性は何故、起こるのでしょう。

一般的には輸出企業が貿易により、円安になると利益が増えるから…とされていますが、この仮説は疑わしいのです。日本は大量のエネルギー、食糧を輸入しており、本当に円安が有利なのか分かりません。ましてや2007年を起点に、為替が円高に進むと、日産のようにマーチの生産移転をさせ、とうとう震災をきっかけにして天然ガスなどの購入費がかさみ、貿易赤字に転落しています。この震災は貿易赤字のスピードを速めただけですね。しかし…本当に天然ガスが貿易収支を悪化させているのでしょうか? これだけが原因なのでしょうか? 自動車輸出の減り具合はどうなのでしょう。

このようなデータを収集する過程において…いろんな相場展開を考えるわけですね。
昨日の自動車生産の話ですが、スバルは輸出が好調で、円高を克服しているのですね。それにも拘らず、他の自動車メーカーは円高を目の敵にしています。しかし僕らは毎日、そばを食べ、パンを食べているわけで、1ドルが100円になったら、どの程度、生活に影響が出るのでしょう。インフレターゲット論に僕は賛成していますが今は大合唱ですね。非常に危険な状態になってきました。コントロールできるのでしょうか? 国債価格は最高値を付けています。馬鹿な銀行です。しかし三菱UFJはタイの大手銀行へ出資を計画しているとか…ようやくアジア進出ですね。

経常収支が赤字になると資金の流出が加速します。市場経済の常ですが、方向性が確定されると動きが加速されます。今は経常収支が赤字になる可能性があり、故に円安になりますから、これを抑える為に今度は金利が上がります。そうなると国債価格は暴落しますね。歴史的な高値水準ですから…。問題は此処ですね。米国でも日本でも同じですが、企業は豊富なキャッシュを抱え込んでいます。順調に業績も伸びてきます。通常は設備投資が起こるのですが、将来不安をかなり煽っていますから、資金がなかなか動きませんね。このタガが、一気に外れた時に…今まで低迷していた設備投資が一気に動く可能性があります。信頼性がその動きを加速させ、企業には空前のキャッシュがあり、中央銀行は空前規模の緩和政策を実施しています。ある瞬間から、いきなり沸点に達する可能性がありますね。僕の大相場のシナリオの一端ですが…こんなところからも検証されますね。

経常収支を考えるに辺り、所得収支を見るべきかもしれません。これを見てみると欧米と比較すると、まだアジアへの投資が足りないようです。データからはその様に感じています。このデータと僕の認識はずれていました。そこでこの潜在認識を修正したのですね。この修正作業が、見えない糸を結ぶ重要なパーツになります。

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青豆さんも最初はチェコの作曲家ヤナーチェックのシンフォニエッタを聴いた時から、1Q84への世界に導かれる訳です。あれは小説の話ですが、時代は同じような状態ですね。金融取引のアイディアは、様々な糸が絡み合っているのですね。だんだん、専門分野が多くなると読者が離れる傾向にあるようです。皆さんは単純に儲かる株だけを求めているのでしょうが…僕はレポートを書くことにより、自分の考えを纏めているわけで…自分の為に書いている傾向が強いですね。ここにもギャップがあります。あまりに読者のレベルと僕の認識レベルの差があると、当然、レポートは面白くなりなります。最近は、マネタリーベースや所得収支の概念などは、まだ一般化してないですから退屈かもしれません。何故、アジアからの所得収支が少ないのか? これまで日本は欧米人を相手に商売していたからですね。欧州がユーロの導入に踏み切り一気にEUからの所得収支も伸び始め、影の銀行システムのおかげで新興国の経済成長が盛んになっています。デカップリング現象があるので金融危機があっても大きな落ち込みに繋がらないと言う仮説がありました。所得収支からもその様子がある程度は窺えます。

残念ながら時間切れです。非常に悔しいですね。上手く纏めることができない中途半端な形のレポートになりましたね。多くのデータを集め終わったので…何故、こんなに見えない糸が絡み合っているのか…何れ、時間を割いて解明してみたいと思っています。今日は中途半端でごめんなさい。いくつかのデータを収拾した優秀なサイトを紹介しておきます。

為替データは此方

貿易統計は財務省より

投稿者 kataru : 18:03 | コメント (0)