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チャートの形(2012年12月08日)

統計に囚われているカタル君、ずいぶん無駄な時間を強いられています。データを集める為にいちいち手作業でしていましたが、エクセルのマクロ機能が存在し、それを使えば…もっと簡単に情報が集まるのではないかと…? 思いつきでマクロを勉強したり、兎も角、あっちこっちに飛び火し、なかなか本来の分析作業が出来ない有様で…困ったものです。時間の壁を超えるのは大変ですね。長年の勘でも三井住友など…買うことも出来るのですが…もっとタイミングを的確に捉えたいと願っている訳です。上がる銘柄を見分けるのは比較的に簡単な作業です。問題はタイミングですね。何処で相場が爆発するか?テクニカル上で、ある程度は分かりますが、中央道の崩落事故などは予測不可能ですからね。条件が整っている所に、新たなる「切っ掛け」の要因が加わると、一気に人間の感情は動き爆発します。

カタルは前から「マネタリーベース」の話をしており、更に「貿易収支」などから推測すると、日本の空洞化の終焉が見えていたわけです。ようやく過剰生産設備の淘汰が終了します。ただ、まだ自動車などの業界においては、需給ギャップはありますね。更に為替の意味は、グローバル化の進展でFTAなど…TPPでも良いのですが、参入障壁がなくなる方向性にあります。ここでリカードの「比較生産費説」が登場します。アップルがPCの生産を一部、米国に移管するのだそうですね。経営者は合理的な判断が必要になります。ファブレスが良いのか?自前で作るのか? 生産コストと輸送費など色んな条件を考え競争力を競う訳です。日本にはカタルを苦しめてきた「ダブル・バインド」がある為に、過剰生産設備の構造改革が遅れてきました。1992年の暮れにパイオニアの指名解雇は起こっていますが、最近まで構造は変わりませんね。NECに日本IBM、ソニーにパナソニック…ルネサスも然りです。

トヨタは国内生産300万台を死守すると言う公約が、合理的な判断を捻じ曲げています。しかし日本に雇用の場を設けようと、これまで円高を克服し効率化に舞い進んできましたが、最近は時代の要求が厳しく、スピードが問われるようになり、この努力をしなくなっています。どちらが正しいのか? 困難な壁ほど、克服できれば技術蓄積が高まり潜在成長率は上がります。ファナックは良い事例ですね。貿易収支が赤字に転落するという事は過剰生産設備の需給ギャップが改善している訳ですね。故にカタルは長く日中間の貿易赤字の推移に注意を払ってきました。この貿易幅が黒字になるなら、日本は新興国に勝ったことになります。比較生産費説で新興国を上回る訳ですね。そうなれば再び円高に向かうのでしょうが…最近はスピードを求められ、日産のマーチのような選択が増えています。トヨタ社長は悩むわけですね。海外移転すれば良いが、自分は日本を代表する企業のトップだという自負が、このアイデンティティーが二重拘束を生み、経営のさじ加減を何処におくか?トップ故に、悩むのでしょう。

あのパナソニックやソニーまでもが指名解雇…。とうとう、日本にもユトリがなくなり、本丸まで、あと一歩まで追い込まれています。まぁ、このような状態ですね。この状態がある所で…安倍さんの発言です。かれはインフレターゲット論と公共事業の財政出動です。理に適っていますね。デフレ脱却には…。コントロールできない可能性はありますが、それはその時に考えればいい。取りあえず、政策スタンスをインフレに振ろうとしています。この意向に政策官僚も消費税の引き上げが決まったので、名目成長率を押し上げる為に、動き出したというのが基本的な環境面の動きです。バック・グランドが整備できれば、あとはタイミングと狙いですね。故にマネタリーベースで金融株の中で野村を選択、財政出動で三井住友を選択、そうして産業革命に匹敵するネット関連としてグリーを選択したのですね。ただどれもタイミングは分かりません。

財政の崖と言うリスクを抱えた旅路、影響度を心配していましたが、考えてみれば選挙が終了したばかりで争うより、愛国心の方が勝る可能性がありますね。もともと米国は市場原理の国、99%の格差拡大により多少は方向転換を余儀なくされています。故に民主党の選択なのでしょうね。

日本人の選択は非常に難しいですね。長く、米国の庇護の下で育ってきたので自立していません。徴兵制度の復活まで踏み切らない限り独立国とは言えませんね。よく考えれば分かる問題です。世の中、うまい話はありませんね。米国は尖閣も日米同盟の範疇と述べていますが…米中関係はGMを通じて急速に深まっています。北朝鮮への態度も中国は軟化させていますね。尖閣も微妙に絡むのでしょう。

条件は整っており、あとはタイミングと更なる環境の変化です。
しかしチャートは色んなことを語っています。野村証券の週足と日足を掲げておきますが、基本路線は1500円辺りからの急落ですね。2008年の暮れです。増資後の高値800円辺りまでは真空地帯なのでしょう。日足上も今年の高値奪回はマネタリーベースの推移からも当たり前でしょう。大震災の高値(557円)も奪回するものと思われます。

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日経平均株価の動きも良く見て下さい。ここ2週間の揉みあいは、右肩上がりを形成していますね。下値が切り上がっています。故に誰かが玉を吸い上げており需給バランスは大きく改善されていますね。日銀がETFを吸い上げている効果は、いずれ現れます。AIGによる詐欺事件も影響し、年金ファンドの運用悪化もあり、売るべき玉も売られ続け、既に玉を売るセクターもなくなりましたね。その姿が右肩上がりの初期波動の揉みあいに出ているようです。カタルは何度も述べています。経済の活性は金融から始まると…故に大手銀行の三菱UFjを盛んに取り上げています。来年になれば、この真意がやがて皆さんにも分かるようになるでしょう。

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