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2013年01月26日

見えない利益の考え方

42年ぶりの11週間の連続高と言いますが…チャートの形は非常に怪しく見えます。現在の日経平均株価は下値のボックス圏の上限に位置しており、どちらかと言えば売り物に押され下がる株価位置にあります。事実、信託経由の年金と思われる売りは継続しており外人投資家が買いの現在の株高を支えています。12月の買いは1兆円を超え、1兆5448億円、一方、信託は6334億円ほど売っており、個人も5377億円の売りです。一方、デフレ状況を抜け出すために努力している筈の日銀のETFの12月の買いはゼロです。11月は191億円の買いでしかありません。これで目標が達成できるのでしょうか? 投資家別売買動向は此方です。

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本日の新聞には目標を掲げた日銀の白川さんは「物価目標2%の達成は容易ではない」と発言したとか…。呆れる発言です。受験生が志望校の目標を掲げているのに、受かるのは容易ではないと発言するのでしょうか? この意気込みが違いますね。FRBは一度決めたことを必ず実行しています。相場動向に拘わらず資金供給していますね。日銀総裁ともあろう人が、目先の相場観で大勢を決める金融政策を曲げるのでしょうか? 責任の取れない小者に、器でもない席を与えた任命責任は大きいですね。やると決めて以上、相場観に関係なく買い続け、その結果を検証し次の政策に生かすのが筋でしょう。

まぁ、日本の場合、年金の運用担当者も素人集団ばかりで…責任逃れのイワシ民族です。でも僅かに僕のような馬鹿も存在していると思いますが…どうかな?僕も現役を離れましたからね。さて今日は、一応、酒田五法で言う首つり足を連発する形ですが、このような形は通常は駄目なのですが、一旦、攻防戦を抜けると、とてつもなく大きな相場に発展するものです。この歴史観を支えるのがマネタリーベースの存在で株券は限られた発行株数ですが、日銀券は無尽蔵に作成できます。だから2%の物価目標をやり遂げるのは難しい事ではありません。日銀自ら、儲かる環境を創り上げるのですね。人間は最初は抵抗しますが、だんだん環境になれ、ミイラ取りがミイラになるのです。その時期まで高値圏で辛抱できれば、やがて流れが変わりますね。今は強弱感が対立し様々な意見が交錯する時期なのです。ここでは歴史観を大切にしないとなりません。マネタリーベースはこれから伸びるのです。

読者から為替のコメントを求められましたが、そんなものは分かりませんね。分かればもっと大金持ちになっています。しかし一応、僕だって目安は持っています。その目安を、そのグラフを先週の株式教室に載せています。あのグラフの意味は二つの山を越えているから完全に円安方向に大勢は変化していますね。95円前後にボックス圏の壁があり、101円から102円程度が大きなヤマになっていますから、その場所をマルで囲い指摘したわけです。何れこの山を越えるわけですね。超えるけれど既に抵抗帯に突入していますから、何時休んでも不思議ではありません。だからマツダの解説の時に100円突破をすれば、株価は一段高して仕手化するかも…と述べている訳です。しかしマツダに興味がある訳ではありませんよ。既に人気になり株価が休まずに2倍以上になっていれば、空売りを考えたい方ですよ。しかし現状は怖くて、売りませんね。今日はその話です。

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余談が長くなりましたが、今の相場の景色図は金融政策を実行する金融相場です。金融相場は基本的に、銀行、証券、不動産が3点セットです。故に昨年末はマネタリーベースの話をしていましたが、今年に入り、何度も信用創造の話をしています。もしアベノミクスが確実に実行されるなら、リフレ政策ですから資産価格は上がります。土地や株は上がるのです。だから僕は年金運用者の能力を疑う訳です。彼等は株価が上がると株価の資産ウェートが高まりますから、その分を減らすわけですね。そうして最初に決めた資産配分ウェートを守ろうとします。しかし歴史観から見れば、日銀がマネタリーベースを増やし続けるのは、そう滅多にあるものではありません。11月3日の株式教室に長期のマネタリーベースと前年比の増減のグラフが掲示してあります。青の線のトレンドラインを良く見て下さい。アベノミクスが確実に実行されるなら、株は買いですね。絶対に買い場です。年金資金は売りではないですよ。債券の比率を落とし日本株を買わねばなりません。だから外人は買い始めているのです。まだ始まったばかりですね。

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よく理解してないから、途中で弱気になったり、利食いをしたり、空売りをしたりするのです。そりゃ相場だから、休むことはありますが、基本的にはマネタリーベースが増え続ける限り買いしかないのです。そこで先程のマツダのケースに戻りますよ。マツダの四季報予想を見て下さい。今期は間違いなく赤字でしょう。四季報では黒字予想になっていますが怪しいものです。何故なら、中国はメタメタで、為替も途中で予約を入れてある筈です。果たして黒字になるかどうか…。4―6月期の為替予約は、既に半分程度入れてあるでしょう。つまり7-9月期にならないと現状が見えませんね、結果が分かるのは11月頃になります。このような時に株価予測をする場合、過去最高利益を見ます。この会社の過去最高利益は918億円です。だからこの数字を発行株式総数で割りますね。増資で希薄化されており、一株利益は30円ほどでしょう。つまり現状は300円程度が最高の水準で、もしこの水準を大きく上回るなら、空売りを考えるべきかもしれません。

金融相場の面白いところは、利益が出ないうちに株価が急騰するから、空売りはしやすいですが、なかなか買えないのです。シャープもそうですね。此方は完全の赤字です。しかしIGZOの一般化は確定しており、無駄が消えていますから業績が激変する可能性を秘めています。過去最高利益水準は1019億円ですから、91円程度の一株利益になるのかな? 四季報の数字を用いて計算しています。そうすると800円程度まで可能性はありそうですね。この未来利益は読み辛いものです。一応、過去最高利益は一つの基準ですね。

昨日、人気になったYこと007ですが、この株はもっと見えません。このような小さな会社は簡単に業態が大きく変化します。僕があの時、3年前ですが、QBに魅せられ、一財産が出来るかもしれない…と期待を賭けたのですね。夢を語るのは得意ですが…あまり夢ばかり追いかけても…なかなかものになりませんからね。でも今の株価水準なら、それほど冒険ではありません。仮に30万を超えると判断に迷ってきますね。それでも数字は合うかもしれないのですね。この手の株の利益が急増してきたときにPER100倍程度まで容認されます。1万円の利益が出ていたら、株価は100万円という事です。過去最高利益水準を計上できたとして4500円の利益だから、最高で100倍の45万円でしかありません。しかし現状の今期赤字は確定で、更に赤字幅が膨らむ可能性があります。でもワクワク感は一番大きく、他に類を見ないのです。何故、村田は資本提携まで踏み込んだのでしょう。

最初はJトラストの利益予想は、眉唾に思われており株価は27円だったのです。今は株が2倍に増えて株価は1500円ですから3000円の水準にあります。つまり2008年の武富士が倒産するときに買っておれば、資産は100倍になりました。果たして、007は救世主になるのかどうか…神のみぞ知る世界の話です。

投稿者 kataru : 11:24 | コメント (0)

2013年01月19日

相場観の修正

それにしても米国は、流石に市場経済の国ですね。株は高値圏になってきました。日本の多くの政策官僚は自分の考え方が正しいと思い、自らの政策が間違っていても、市場がおかしいと批判します。しかし米国は市場の動向が正しいと仮定して、自らの政策を変えますね。これが市場原理主義で、株式市場の動きがおかしくなれば、それを救う手立てを、法律を変えてまで行います。FRBの対応は、まさにこの動きです。更に、どうして事前予想と違ったか? 検証して改善をするわけです。場合によれば、失敗すれば更迭されます。ボーイング787のように、原因を究明し、更に改善されだんだん完成されていきます。しかし日本は「御上の考え」が絶対に、正しいとして建前を重視し、現実の矛盾は大岡裁きの裁量決済により対処します。故にデジタル化に慣れ親しんだ現代の若者は、マニュアルに従い行動し、アナログ時代の世相要求に戸惑うのでしょう。日本では法律をなかなか変えようともしません。押し付けられた憲法を検証もせずに、議論さえもしません。改正しようと言う気構えもありませんね。尖閣湾の問題も日米同盟におんぶの有様で、米国の言いなりです。その割に米軍基地移転を望んでおり、考え方は支離滅裂です。米国は日本の利益より自国の利益を優先するのが当たり前ですね。仮に中国と手を結んだ方が有利だとすれば意見も変えるのでしょう。

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SP500のチャートを見ると…再び、米国は1500の壁に来ました。今回は3度目の挑戦になります。シェールガス効果は経済の要であるエネルギー・コストを賄います。金融機能はまだ正常ではありませんが、株価を見れば順調に回復しています。技術力向上の為の研究開発を支える教育制度は、ハーバード大の新興国重視の姿勢を見れば、常に改善をしています。しかし日本は未だに内向き思想、大学で留学を卒業の条件にしている話を聴いたことがありません。しかしイギリスも米国も1年程度の留学を学生に求めていますね。日本は企業が優秀な人材を育てます。官庁もそうですが、例えば楽天の三木谷さんは興銀に入社しましたが、彼は興銀のお金でハーバードに勉強しに行き、帰国後に金融開発部門で育ててもらいました。しかし興銀はお金を掛け彼を育てましたが逃げられましたね。通常の日本人の感覚では、企業に育ててもらったので、企業へ恩返しするのが当たり前の倫理観です。しかし彼の選択は違いました。まぁ、今の時代は当たり前なのでしょうが…。この点からも、僕は、孫さんは好きだけれど三木谷さんが嫌いなのかな? まぁ、個人的な感想はどうでもいいのですが…。話がそれましたね。対数チャートを見ると、また違った印象を受けます。普通のチャートでは、今度の壁を超えるのは大変だと思いますが、対数では十分な調整期間を過ごしたようにも見えますね。2000年のIT革命はインターネットの進歩を買った相場でしたね。

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そうして金融デリバティブの発展が、金融力の拡大に繋がり、リスク許容度が増したので本来は成り立たなかった融資が実行され、その原動力がBIRCsなどの新興国の躍進に結びつきましたね。この相場が2007年の相場です。日本は2006年に新興勢力への金融力パワーは、外資の撤退で切れています。楽天からライブドアとメディア買収で世間を騒がした辺りがピークでしたね。ここで述べたいのは、成長の為にはエネルギー、教育、資金は非常に大切だという事です。エネルギーの中には食料も含まれるでしょう。三つの柱を確保しないと、成長は望めませんね。

今日の狙いから、だんだんそれそうなので…修正します。今日は株式教室なのでテクニカル面の話題を解説しようかと思いました。話しは、冒頭の市場を見ながら相場観を変える事を話題にしようと思っています。ただ僕はいくら駄目だと考えても、なかなか空売りまで踏み込めませんが…。この点から見ても僕は、アナログ世代で大岡裁きの裁量好みなのでしょうね。テレビ・チャンネルは回す世代ですからね。故に「心の葛藤」が生まれるわけです。未だに引きずっています。最近の市場を見て感じる事は、高速回転が起きているようです。先日のサニックスなどは、どう解釈すべきなのでしょう。何しろ出来高が8千6百万株でした。発行済株式総数が4千8百万しかないのです。通常は、発行済株式総数の5%程度も出来高が膨らめば、大きく株価は跳ね人気になるものです。今の市場は如何にディーリングが中心で、高速回転しているかを物語っているようです。このような事例は他にも見られます。昨日のミヨシ油脂もそうですね。実に発行済株式総数の50%程度の売買高です。

ただ相場が良くなっているのでしょう。GSユアサは17日に9%ほどの出来高でしたが、陽線で、株価は大きく落ち込んでいません。以前なら、どう考えても、もっと売られても仕方がありません。どういう契約になっているか分かりませんが、もしGSユアサに落ち度があり、被害賠償を求められたら、倒産する規模でしょうからね。市場は常識的な反応になっており、相場環境が良くなっていることは、間違いありませんね。ソニーなどのビル売却は、本来は悪化している現象ですね。ソニーは大赤字を繕う動きで、IGZOを抱えるシャープとは意味合いが違いますね。ただシャープも出荷が鈍るアイフォンの状況をみると、未来利益の領域が縮小しているのかも知れません。ただマツダやこのシャープが人気になる辺りは、市場の元気度を示すものです。ややカタルの感覚に近くなっています。今までは利益が出てないと物色されませんでした。かなり利益が生まれていても正常な価値観を有していませんでしたね。しかしJトラストからアイフルを選択した辺りから、大きく修正され始めていますね。この辺りは解説が必要でしょう。

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サラ金の予想利益は、かなり以前から高かったのですが、実際に株価が反応したのは、今回のアベノミクス(11月14日)からです。アイフルは税金も払ってないし、見せかけの一株利益ですが100円と水準は高いですね。つまりこの数字に反応しましたね。サニックスもそうですよ。マツダやシャープは未来利益の読みですね。赤字からの脱却企業でこのような感覚の相場が、一番ワクワクするのですね。既に明らかになっている利益では妙味も何もありません。

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しかし同時に三菱UFJを見ても分かるように、全体の株価水準の訂正は正常とは言えず、まだ続くはずですね。グリーなんかは200円の一株利益で、利益が減少するなら兎も角、売り上げの増大は続いており、更に大きく伸びる余地も存在します。何しろ、たった15%の会員で売り上げの90%が叩き出されているのです。だから、ある地点から大きく海外売り上げ、海外利益が伸び出す余地が大きい筈で、未来利益が見えない現在でも、最低PER10倍の2000円は当たり前でしょう。通常は15倍程度の評価が正しいと考えています。株でもっとも面白いのは、未来利益の膨大な夢ですね。その点、ピカ一なのが007ですが…この話は又にしましょう。

多くの皆さんは、株価が下がると諦めていますが、企業の戦略には時間差があります。最近、デルがMBOかどうか分かりませんが、株式の非公開化の道を考えているとされています。日本でも大きく経営を立て直すために非上場化を選択することがありますね。本当はシャープなどもその対象だったのでしょう。ドラスティックな改革は、大きな株価の棄損を生みTOBの危険があります。シャープはおそらく既存の設備価値だけで買収資金が捻出できるほど下げたのでしょうね。最新鋭の工場の価値は、時間の移り変わりがいくら早いと言っても、かなりの資産価値を有するのでしょう。PBRとはそういう事ですね。ソニーの昨日の反発も、1869円の資産価値の見直しに過ぎません。

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今の相場は確かにアベノミクスへの期待もあるのでしょうが、基本的に落ち込み過ぎた株価修正の振り子が働いているのでしょう。本来の株の魅力は、やはり未来利益なのですね。今日は一株利益の物色動向のさわりを述べています。本当は出来高から見た売り場などのテクニカル面を前面に語ろうかとも考えていましたが、なかなか僕の頭の中を説明するのは難しいのですね。相場観としては、先日の振り(大きな下落)からの大幅高の形の判断は難しいのです。高値を取っての二番天井と言うか…調整の前の現象で、このような形は良く表れます。逆に一気に、このラインを抜けると、更に急伸することもありますね。マツダの12月21日や、1月7日からの反発など…。今回もそうですね。いやはや…円・ドルチャートは非常にきれいな形をしていますね。

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常に市場を見ながら、相場観を修正しながら進まねばなりません。しかし急伸相場は何度も言いますが、上げるうちは買い乗せが正解なのでしょうね。多くの人が利食いばかり考えますが、利食いを考えるのは素人です。今回は特に基礎的な背景が大きく変化しています。マネタリーベースの伸びは、これから加速するのです。この意味を良く噛みしめないとなりません。

投稿者 kataru : 12:28 | コメント (0)

2013年01月12日

売り場の見分け方

今は金曜日の夜ですが土曜日は予定があり出かけますから、株式教室の原稿を、いま書いています。相場が良くなってきたのでしょう。ようやくIRNETの読者も増えつつあり5000人を超えてきました。自分では上げ相場になれば真価が発揮できると思っていますが、今回のお金の増え方は過去の事例から見て見劣りがします。これまでの最高速度は半年で10倍だったのですが…今回は今のところ、2か月で2倍程度のようです。下手糞だと思っていますね。こんなにたくさんの株が、大きく上がっていますからね。これまでは受け渡し方式だったのですが、約定方式のリアルタイム型に決済方法が変化し、高速回転が可能のようです。ディーリングの経験は乏しく、あまりやったことがありませんからね。

僕の投資のやり方は、どちらかと言えばオーソドックスです。買った株は上がるまで売りませんし、故に買うタイミングは、株価が動かない時に仕入れていますからね。現在でも候補銘柄は数銘柄、用意されています。本当は株価が下値なので、全て買っておいても良いのですが…お金には限りがあります。今も買いたい株が数銘柄ありますが、売る方も、まだ上がりそうだし…。切り替えるタイミングまで、なかなか的確に予想は出来ません。しかし読者の方は、僕のレポートを毎日読んで頂いているので、ある程度、その概要が分かると思います。我ながら、素晴らしいタイミングで幾つか指摘していますね。最近は午前中にレポートをアップする事が多く、大体、タイミングは合っているようです。シャープの「ブレ」も的確に予想していますね。「アイフル」も9日にサラ金の解説をしているし、あの時は、アイフルは売らないが二番手のオリコの空売りまで言及していました。更に、みずほの年初からの動きの解説で158円まで下がった日に、159円で買ったとまで明言しています。でも下手糞です…。もっと他に方法がありそうです。

相場が良くなってくると、新規上場の話題株は暴騰します。「ユーグレナ」2931などは暴騰していますね。いくら何でもやり過ぎに感じますが…調べてないから分かりませんが、新規上場株もお金を作る卵かな? 3900円だったのに…前に棒が付くので驚きです。今日の株式教室は「売り場」の話をしようと考えています。何処で利食いをするか…非常に迷うものです。一般例として株価が、じり高のうちは買い続けます。買い乗せに「歩」がありますね。よく貧乏人は利食いをしますが、上げ続ける時は、買い乗せなのです。それでは何処で売り始めるか? 基本は出来高と株価の推移ですね。

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例えばシャープ、12月18日は大きく出来高が膨らんでおり、株価も大きく飛び始めています。その前の12月13日も出来高が、それまでは1000万台だったのに2400万と増えていますから、売っているかもしれませんが株価の伸びが売りを支持していません。始まり値(241)で引け値(250)と僅かな差ですね。上髭は263円ですから寄り値から22円で1割弱ですね。迷いますが、売っても全部は売りませんね。

次に大きく出来高が膨らむのは18日です。36000万の出来高は、いくらなんでも、少しやり過ぎでしょう。おまけに、この日は大きな上髭です。寄りが311円で高値が372円まであり寄り値より2割近く跳ねています。この日に売るのは正解なのでしょう。この大幅高の動きは、事前に前兆が現れています。12月10日の大陰線の後に直ぐに高値を打ち破る上げは、最強の上げパターンの一つです。

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実はマツダも1月7日の大陰線を、たった2日の休みでクリアしましたね。だからマツダは来週もひょっとすれば…との期待もあります。超短期的の話ですよ。12月10日のシャープは1日です。何れも非常に強い形ですね。ついでにマツダの12月21日も大陰線をクリアしていますね。通常は売り支持なのですが…。マツダの28日は飛んで十字に、1月4日には、さらに飛んで小さなコマの後で大陰線ですから、空売りをしたくなりますね。翌日の8日の下げは、よく理解できます。しかしおそらく空売りなのでしょう。大きく出来高が膨らんでおり、強弱感が対立しているようです。9日の動きは8日と同じように出来高が膨らみ、尚且つ、今度は大陽線で前日の動きを大きく包んでいます。

シャープの12月26日の大陽線も、この動きと似ており、両者とも生きている証のようです。故に11日の上げに繋がっていますが…僕には、この上げは節操のない動きに見えます。それ以上に背景に何か存在するのでしょうか? 

シャープ、マツダは、アイフル以上に興味を掻き立てられます。この事は9日の「今日の市況」にも解説していますね。利益の出てない会社の株が上がっているときは、気を付けねばなりません。ましてやシャープは今期の大赤字は確定的で…にも拘らず、この動きがV字型回復の可能性を秘めていますね。マツダも似たようなものです。分かりますかね。基本的に出来高と株価の話をしていますが、チャート的にも大きく出来高が膨らみ「陽線」、「陽線」の行き詰まりを見せているアイフルには注意が必要ですね。1月8日、9日の陽線の並び足は頂けませんね。10日は、前日の寄りを切った時点で空売りが確定しますね。ただ10日、11日の陰の並びを見ると…捨てたものでないかもしれません。でも、おそらく駄目でしょうが…。

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このような並びは、陽線でも陰線でも変化を表すタイミングで良く出てきます。あとは取り組みも含めた解説になりますが…こちらは、今日は省きます。本当は「株価」、「出来高」、「取り組み」など…を見て総合的に判断します。更に、売り物の取り方や、値動きですね。板状況を見ていれば、「付けろ」の売りが出てきたり、逆に「付けろ」の買いが出る時もあります。「付けろ」とは、板の買いや売りの玉がなくなり一旦消化されても、直ぐに売りや買いが追加され、継続的に出て来る事を言います。最近はディーリングが多く、この手の現象が良く出ています。その様な動きの状況を見て、相場の強さを判断するのですね。だから上げる前には、よく株は前兆の動きをしますね。所謂、打診の兆候現象が出てきます。

解説が理解出来なくても良いのです。キャリアを積まないと、なかなか身につきません。ケース・バイ・ケースですから、一律のマニュアルは存在しませんね。株価の値動きの中には、様々な人間の欲の変化が出ており、目に見えない人間心理の戦いなのでしょう。なんとなく、チャートの形や値動きで様々な現象を連想するものだと考えて置いて下さい。個別株の値動きだけでなく、総合的な絡みが、相場の流れを決めますからね。この個別株の流れの他に、先物や商品も、為替も絡んできて、カオスの世界の話ですから、相場は面白いのでしょうね。きっと…。誰も人の心は見えませんからね。なんとなく、株価より出来高推移の方が。重要らしいという事を理解して欲しくて、今日は株式教室の原稿を書きました。

投稿者 kataru : 00:20 | コメント (0)

2013年01月05日

総資産効果の検証

どうも株価や歴史を検証して行くと、三重野日銀総裁や速水総裁、福井総裁の失敗が日本経済に大きな影響を与えています。まぁ、何も金融政策だけの失敗ではありませんが…竹下内閣から宮沢内閣、更には森政権辺りもミスの連発が続いたのでしょう。丁度この時期に株価は大きく下がり、バブルの発生から破壊やITバブルが勃発する前後に政策ミスが起こっているようです。

基本的に1989年や2000年に失敗し、更に折角、浮上した回復の芽を2006年に潰すわけですね。二つの点でそのことが分かります。一つは市場に出回っているお金を急激に絞ることをしたのが三重野総裁ですね。マネーサプライの前年度比の伸び率の変化で異常な三重野さんの行動が説明できます。それ以降、信用創造機能が全く失われています。データを観察すると、見えてくるのはマネーサプライが回復し、貨幣乗数効果がある程度上がるまで資産インフレを容認すべきなのでしょう。そうして実際に庶民が浮かれるようになってきたら、徐々にお金の量を絞ればいいのですね。ところが貧乏人なのか…歴代の日銀総裁は僅かに変化の兆候が出て来ると、過去のバブルの影に怯えて、途端に引き締め政策に走るようです。速水、福井と連続で同じ失政を犯しています。白川さんも昨年3月にお金を絞っている所を見ると…その傾向がありますね。このツケは綺麗に払わねばならないでしょう。

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大発会はアイフルやオリコが大人気になっていますが、この背景はカタルが失敗した最高裁の今井判事への判決への怨念ですね。武富士のかたき討ちですね。異常な現象の修正はこのように必ず起きます。一つのグラフに集約しようと押し込み過ぎて見難いかもしれませんが、このグラフは様々な事を語っています。やはり今起きている現象は、やがて資産インフレに繋がると思います。長年掛けて調整を続けてきた構造改革の行き過ぎた面が修正される相場が始まったのでしょう。資産価格も2006年の頂点が一つの目安になるのでしょう。

だってどう考えても働かずに遊んでいる人間が優先される社会構造は異常ですからね。年金額を減らすわけにいきませんから、間違いなくインフレによる調整が進むのでしょう。それも資産効果を利用することを考えるようになるでしょう。中国の成長もそうですが固定資本形成のGDP比率を上げることは資産価格の上昇に繋がり、見えない付加価値を発生させ、その余力が消費活動を押し上げ、最終的に再び一人あたりのGDPを押し上げる相乗効果を発生させます。だから総資産効果が高い株式の値上がりが、優先される相場展開になると考えています。

ところが理論武装されていない多くの人は目先に値上がりしか見えてない訳ですね。故に野村証券が、あっという間に2倍になった背景も分からずにいるわけです。株価が上がったので恐くて株を買えないのですね。何故、私が期間の長いチャートやデータを多用しているのか? 今日だって1975年からの数字を持ってきて説明しています。歴史観が働くのですね。1993年に細川内閣が誕生し55年体制が崩壊し、混迷を深めてきました。体制転換から20年が経過し、そろそろ脱皮してもおかしくありません。

バブル当時は、個人のレベルで坪単価1億円以上のビルを買っていたのですね。僕の嘗てのお客さんは地方の土地を郵便局に売り、その代金で代替地を東京駅の前に買いました。小さなビルを二つ買ったのです。数十億円ぐらいなのでしょう。当時、土地を売って土地を買うと税金が安かったのです。アドバイザーは長谷川慶太郎でした。しかし馬鹿な行動でしたね。あのお客様もバブル期に日本国債を買うのが一番でした。そうして、その利息で生活すべきでしたね。月300万円程度の家賃を払いながら豪華なマンションに住むのが理想的でしたね。

今度は長いデフレが終焉を迎え、インフレの時代に向かうと思うのが常識的な発想です。しかし今の政策は正しい選択かどうかわかりません。コントロールできれば、このやり方は良いのですが…どうでしょう。2014年4月から消費税を引き上げる為に間違いなく政策官僚は動いているようです。今日はこの前提で話を進めます。年初から掲げているように、資産効果が出て来ると考えられますから、総資産の大きな会社の株が上がると確信しています。理由はマネタリーベースの増大がこれから実行されるからです。日銀は9月、10月、12月と連続で緩和策を実施しています。この効果は6か月程度遅れて現れてきます。何処でマネーサプライの前年度比が伸びて、乗数効果まで変化が現れるか分かりませんが、少なくとも当面は株価が下がることを考えないで済みそうですね。

2006年のピーク時が当面の目安だと述べましたが、総資産の大きな順に株価を検証して行きたいと思います。先ずは総資産218兆円の三菱UFJですが2006年の高値は1950円です。その後、増資により1.449倍に増えましたから1345円が目標株価になりますね。総資産165兆円のみずほの当時の高値は1030円で、株数の増加は2.269倍ですから453円です。総資産143兆円の三井住友は13900円が高値で株数は1.90倍に増えたので、7315円ですね。現在の株価はそれぞれ484円、163円、3225円ですから上昇余力は2.77倍、2.77倍、2.26倍になることになります。野村は2870円で、その後増資で1.953倍ですから1469円になり現在の株価は524円ですから2.80倍ですね。

もっと目標株価は高いかと考えていましたので、少し意外でした。何れも3倍弱で妥当なのでしょうか? まぁ、これで当面の目標株価が決まったわけです。計算してみて現実を知る結果かな…僕のイメージはもっと強いものを想定してレポートを書き始めたのですが…現実は厳しいものですね。100兆円規模の資産効果は大きなものがある筈で、2006年の時より強くなる筈ですね。何故なら、それ以降も資産デフレが進んでおり、ギャップが広がっているからです。ここで地価動向を調べてみましょう。あらら…こちらも駄目でしたね。既に地価の面では収益還元法の論理価格で動いているようです。なかなか狙い通りのデータが得られません。今日のレポートの狙いは失敗でしたね。本当はカタルの総資産価格からの株価推論はもっと高いのでは…と考え、レポートを作成してきたのです。少なくとも5倍程度の数字を期待していたのですが3倍とは…現実は厳しいな。

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投稿者 kataru : 13:25 | コメント (0)