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2013年04月29日

3Qの謎「2」

今日は3Qの謎をテーマに…株価と業績の時間軸について考えてみます。3Qの謎とは…3Q発表時に減額修正をした業績が正しいのかどうか?…と言うものですね。株価を決めるのは企業業績数字の絶対値ではなく、業績の変化率の方が株価に与える影響は大きいと述べました。多くの人が間違えるのはこの点です。だからPERが割安だとか…の説明文を掲げ株価を評価します。しかし実際の株価は業績の数字の水準ではなく、むしろ未来の業績の行方に関心が向かいます。だからカタルはいつも「見えない利益」の話をしていたのです。新聞に踊る数字は前期のものです。既に終わった話で2ケタ増益とか書いてありますね。株式市場では既に株価の評価が済んだ過去の話が載っている訳です。

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そこで「3Qの謎」にカタルが注目したのは、そもそも3Qの減額修正は間違っていたのではないか…と言う疑問です。JVCケンウッドは海外資金の借り入れの為替評価と言う特別損失、アークも子会社の整理損と言う一時費用の発生による減益を元に、四季報では今期(2014.3)の数字を予測しています。この数字は劇的な環境変化により、そもそも増益になる筈ではないか?…と考えている訳です。何れの企業も円安の恩恵を受けるはずの業態です。ところが株価は前回の四季報予想と今回の四季報予想のギャップが大きかったために株価が下げていました。まぁ、下値横這いと言う表現の方が正しいかな?この間に他の株は2倍にも3倍にもなったのですが、3Q時点の減額修正が響き、株価は物色に圏外だったのですね。ところがその前提条件が間違っていた。…となれば、株価はその修正に動く筈ですね。この事が謎となっている為に「3Qの謎」と呼んでいたのです。

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アークは、その疑問に応え始めています。つまりカタルの読みを、市場は認知し始めていますね。それならばJVCケンウッドもグリーもその時期が到来している筈と言う仮説が成り立ちます。皆さんは間違っています。新聞の表現に踊っていますね。既に証券会社の好業績も株価に織り込まれているのです。この時期は心理的にどうしても前期の結果に心が引きずられます。しかし既に前期は終了して、今期、つまり2014年3月の数字が問題になる訳で、2013年3月の数字と2014年3月の数字の変化率が問題になるのですね。この認識が必要です。そこで木曜日に発表されたJVCケンウッドを見ると前期の決算を再減額修正しました。それはこの間に再び円安が進み海外の借入残高が増えた為に為替の評価損を計上したのですね。前期時点でこのポジションを解消したようです。つまり国内の借り入れに切り替えたのでしょう。しかしここで注目して欲しいのは、今期の四季報の予想数字を、会社側の予想が上回っていると言う点です。つまり円安効果が見込まれ企業業績も改善されるのでしょう。

ここで業績推移の方向性が問題になります。今までは3Q発表時点では減額方向だったものが…4Qの発表の時点では2014.3月の数字が、増額方向に方向転換したのですね。業績の谷を抜けたから再減額修正にもかかわらず5円配当を維持すると発表したのでしょう。つまり会社側は、今後の数字に自信を持っているのでしょう。そうでなければ、配当を減額しますね。おそらく7月末から8月に掛け発表される1Qでは、この動きが再確認されるのでしょう。そうなれば株価は騰がる方向になります。JVCケンウッドの魅力はカーナビが主力で最も好調な業界である自動車業界に大きく影響を受けます。更に…株価マジックです。1/10に株式が併合されています。昔は300円が地相場のケンウッド、つまりその会社の価値があるのに、今は20円から30円の間の評価だと言う点ですね。昔の株価で、おそらく50円には評価が変わるのでしょう。つまり今の株価では500円台が正統な評価なのでしょう。この想定株価とのギャップは、およそ2倍あります。だから何処かで株価の再評価が実施されます。ただ最高裁での裁判を抱え、この金額は僅かなのですが不確定要素もあります。通常は会計法の保守的な観念からして、既に金融庁からの指摘があった段階で、その損失を業績数字に反映させ損金の積み立てをしている筈ですが…果たして損金処理をしているかどうか、この辺りは調べていませんが、金額から見て株価に大きな影響を与えるものではありません。金曜日の前期の数字を受けての株価下落は間違った動きで修正されると考えています。今日はJVCケンウッドの解説ではありませんから、この程度にして…。

あくまでも、今は、この時期の業績と株価の考え方を示したものです。つまり前期の数字に惑わされないように…。見えない利益の評価は、これから実感として追々理解されると思います。今回、発表される今期予想の数字は、時間的な概念が長く本来は予測が難しいので、企業は非常に保守的な数字を発表します。マツダが決算予想の数字を弾き出す前提に、為替を90円にしたように…通常のサラリーマン経営者は、チャレンジ精神がないですからね。この時期に今期を100円と読むのは、輸入業者の電力やガスのような経営者でしょう。この前提数字を見ただけでも、どんな経営者か…性格の予想はつきますね。アナリストは色んな観点から、会社の姿勢を見抜き数字を予想して行きます。しかし会計法の糊代は非常に大きく、マジックは至るとこに存在しますから…数字を的確に当てるのは難しいですね。在庫管理だけでも大きく利益は変化します。だから今のこの時期は利益を隠す傾向にあるのでしょう。

最近、野村証券のCMが多くなっていませんか? 至る所に…決算数字のマジックは存在します。「3Qの謎」、つまり、かたるは環境が好転し、前回発表した四季報数字の方が、今期の予想として正しいのではないか?と言う仮説を支持している訳です。その予想数字を元に、株価を推測した方が正しいのではないかと思っています。だからアークやJVCケンウッドはこれから物色されるはずです。


投稿者 kataru : 10:40

2013年04月28日

3Qの謎

今日はカタル銘柄で、出遅れているグリーとJVCケンウッド、それに「3Qの謎」のもう一銘柄のアークですね。何れも3Qの決算発表時に減額修正した会社です。JVCケンウッドは木曜日かな? つまり金曜日の相場に、再減額修正の影響を受け株価が下げていました。この3銘柄のなかでグリーは少し違いますが、アークとJCVケンウッドは前四季報数字から浮上した銘柄でカタル銘柄に取り上げる前の候補だったのです。アークの解説は省きますね。上がJVCケンウッドの前の四季報の業績予想数字と、下は今回の四季報数字、更に決算発表を受けた数字を列挙しています。

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ケンウッドは昔から仕手性の強い会社で、株価は常に200円割れが安値で、通常は300円台の株価でした。しかしその後の度重なる増資の結果、株式総数が増え2010年に株式を併合し1/10になりました。つまり現状の株価の200円台は、前の株主にとっては20円台という事です。更に2011年11月に355円で公募増資を実施しています。パナソニックから財務内容の良かったビクターを引き取りリストラに乗り出しました。パナソニックにとってはビクターの社員を首切りすることは出来なかったのでしょう。その構造改革が、そろそろ終了するわけです。まぁ、ある意味で空洞化の洗礼を受けたアークと置かれた環境は似ています。ケンウッドの主力工場は山形や長野にあります。一連のリストラが完了すれば株価は戻ると考えています。今回の3Qから再減額は海外からの借り入れの為替差損が主要因で一時的な損失と判断されます。それよりはシンワとの資本提携などのカービジネスへのOEM供給の将来性や米国経済回復による業務用製品の回復などの背景を考えると…純資産以下の評価ではないでしょう。

外資系の資本家による経営らしく減額修正にもかかわらず5円配当を実施するようで、既にリストラから成長段階に移行しているのでしょう。今回のような若干の修正は仕方ないのでしょう。しかし経営者はやはり3流ですね。ソフトバンクがスプリントの買収を決めたのは昨年10月ですから…その時点では、既に円安はある意味で確定していたはずです。だから孫氏は買収金額の為替予約を入れていたわけで…優秀な経営者なら海外からの借り入れを返済し、国内の金融機関からの借り入れに振り替えますね。この辺りがマダマダです。本来、JVCケンウッドは円安メリットを受け易い体質の筈です。

さて「3Qの謎」の意味は、業績の回復が確定しているときに、株価が反応する時期の話しなのですね。今の時期はアベノミクスの影響を受け、業績が大きく伸びる株が先ず買われます。証券株やマツダ等の自動車株が買われるのは当たり前の話です。しかし株価は、今期の業績数字の伸びを既に大部分は評価して反応しています。だから余程のビッグ・サプライズがないと、株価がさらに上に買われることはありません。そこで昨日は見えない利益の話しをしたのです。株価が反応するのは変化率だと言う点です。3Qで減額修正をして、この3か月に業務環境が大きく変わり株価が買われていない企業が、今期、つまりまだ、だいぶ先の1年後の2014年3月の数字を意識するのが…この時期です。だからこそ、前期に特別損失を押し込んで、今期の数字に寄与させたアークが反応したのですね。株価が150円から360円まで変化しました。しかしこの変化は、まだ充分に株価に織り込まれていませんね。4Qである前期の正式発表から今期、つまり来年3月の予想により株価が動くようになります。だからこの4Qの発表から、1Qにかけて更に変化できる企業の株が狙い目になりますね。

「3Qの謎」とは…1月の時点で、それまでの予想を減額したのは間違いではないか?…と言う仮説ですね。もともと前の四季報数字が正しい可能性があると言う推測が成り立つのです。アークにしても特別損失、JVCケンウッドも同じような要因です。アークはリストラ費用の前期への押し込みですね。覚えていますかね? 日産自動車のリバイバルプランを…あの時はドラスティックなV字型回復が実現され、株価は大きく上がりました。あの手法に似ていますね。本来なら、今期にズレる費用を回復が分かっているから、前期に無理やり付け替えた手法を連想したのですね。アークは似ています。だから4Qの発表より1Qの時点では、増額修正がより鮮明になるのではないか?との推測が株価を支えます。つまりカタルが目標値とした750円に向け、これから再評価が起こると言う読みです。

同時期に同じような手法でJVCケンウッドは海外借り入れ為替損失を計上しました。しかし同社が主力に扱っているカーナビなどは飛躍的に販売が伸びる好環境下にあります。米国だけでなく中国もそうですね。JVCケンウッドはOEMですね。中国自動車メーカーにも販売しているのでしょう。インドネシアが好調なダイハツもそうですね。「先進国への回帰」は、ボストン・マラソンテロで威力を発揮した監視カメラ映像への需要は更に高まるでしょう。同社は業務用に監視カメラを供給しています。何となく企業の置かれた環境は大きく改善しそうですね。シンワと言う会社はカーナビを得て、パネルの一体化が実現するのでしょう。付加価値が更に高まります。音響のビクターも何となく相乗効果が発揮できる環境に感じられますね。

あまり多くを語りませんがアークと似ています。つまり「3Qの謎」とは…業績の動向と株価の動きの関係を述べているのです。カタルの最後の壁が、上がる株は分かっているが…時期が分からないと述べています。グリーもある意味で、そのタイプです。明らかにガンホーは買われ過ぎですよ。きっと背景があるのでしょう。株が上がる為には仕掛け人の存在が不可欠で…、企業業績の推移と社会環境とマッチしている所に、株価を持ち上げようとする実行部隊の存在が不可欠なのですね。「3Qの謎」は外部環境がアベノミクスで好転しているのに…何故、減額修正されたか? 株価が下がり正常な評価とのギャップは開くばかりで…そのかい離幅が更に広がっています。だから何かの切っ掛けで、その乖離が修正されるのですね。乖離が開くほど株価を押し上げるエネルギーは高くなります。

まぁ、前期の数字が明らかになり、今期の関心が移るこの段階で大切なのは…業績の良くなった企業の話しではなく、来年の3月に向け業績の変化率が高い企業を探す事なのですね。だから金融相場の第一ステージは終了し相場に変化が生まれますから、カタルは元本の引上げを何度か述べています。そうして今の時期は投資額を縮小させなくてはなりません。それは流れが変わるからです。流れが変わるときには、僕らのように来年を見てない投資家が多く、変化に対応できないと相場全体が下がることがあります。ただクロトン効果がどの程度、影響するかは未定ですね。だから安全に固執する必要はないかもしれません。投信の募集は順調のようで…高くなった株価を支える援軍は、次々に出て来るかもしれませんね。そうなると…6月のボーナスシーズンまで循環物色は続くかもしれません。この辺の感覚は相場を見ながら判断するわけです。

何故、カタルが007を除いて、アークも、JVCケンウッドも、グリーも全て株価位置が低い銘柄(相場が若い)を選択しているかの…意味がこのような解説を読めば、自ずと皆さんにも理解されるでしょう。

投稿者 kataru : 11:24

2013年04月21日

スター性といぶし銀

「巨人、大鵬、卵焼き」の時代に育ったカタル君、昔は良く野球放送を見たのですが、最近はご無沙汰していましたが、大リーグを始め、日本も活躍選手が多く今年は面白いな…と感じています。日本では話題をさらった二刀流の大谷翔平君、春夏連覇の桐蔭の藤波晋太郎君が阪神で活躍し、更に原監督の親戚の菅野智之君は巨人への憧れから1年待っての入団で、早くも3勝を挙げる活躍ぶりなのですね。この3人の新人の行方は今年、注目されます。でも良く観るのは米国の大リーグの方で、テキサス・レンジャーズのダルビッシュの活躍は期待されます。ところがこのダルビッシュの華に対し、いぶし銀のような存在のヤンキースの黒田は、何か仕事師と言うイメージですね。淡々と自分に与えられた仕事をこなすイメージです。知らなかったのですが…シアトル・マリナーズの岩隈久志も好調で岩隈の方が被打率と言ったかな?…ダルビッシュより成績が良いのですね。まぁ、ほかにも青木なども好調なのですが…黒田や岩隈と比較するとダルビッシュの存在には、スター性を感じますね。丁度、石川遼君と池田雄太君の関係に似ています。しかし…きっとCMの契約料金は大きく違うのでしょう。

株の世界でもスター性が注目されます。しかし現実的に儲けだけを考えると、どちらが良いのかどうか…検証はしたことがありませんが、カタルは昔からスター株好みでしたね。同じ素質があるなら、スター株を選択します。シャープとソニーなら話題性のあるシャープを選ぶ傾向にあります。でも「いぶし銀」的な存在の「ピジョン」も良く上がっていますし、介護の「ツクイ」などもカタル好みの会社ではあります。市場の人気株の動向は花形証券マンにとって、どうしても追いたくなる銘柄です。過去の相場の歴史の中でも記憶に残っていますね。科研製薬は僕の現役時代の話ではないですが…小野薬品や持田製薬はカタルの現役時代に手掛けた会社です。この手の人気株は持続性が問題で、1年程度が限度だったかな?スター株と言うのは面白いもので…環境に恵まれるのです。そうですね。

例えば、よく引き合いに出すナノキャリアが先導し、カタルは実践派なのでJ・TECを選択していました。J・TECは膝関節治療薬の認可を受けた時に、これは行けると考えていたわけで…昨年10月頃に第一報が市場に届いたわけです。6万円台だった株価は10万円まで跳ね上がりますが…直ぐに鎮静化し、7万円前後でウロウロしていました。この頃にカタルは、来年には必ず株価が上がる銘柄として…推奨をしていました。7万円ですよ。でもカタルは当初から2倍程度しか…見込んでいなかったのです。ところが…癌のナノキャリアに先導される形で上がってきて…、このグループには素質のある株は少なく、J・TECはカタルが説明したように業績面だけでなく、親会社の存在で資金面で裏付けがあり、尚且つ富山化学がグループ内に存在するから販売面でも優位と言う読み通り人気化しました。そうしてカタルは景気循環と物色動向に違和感を覚えていましたが…新成長戦略のベールを脱ぐわけです。「時代性の加担」ですね。大きな材料です。

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今日はJ・TECの解説ではありませんよ。勘違いしないでくださいね。株のスター性について述べているのです。そうです。ダルビッシュと黒田の違いです。石川君は、間もなく賞味期限切れですね。スランプなのかどうなのか…分かりませんが、タイガーは見事に復活しています。あのスキャンダル地獄から生還ですね。石川君にも頑張って欲しいのですが…なかなか勝てませんね。世間にアピールをしないと…何れ見捨てられますね。

カタルはピカ一企業として素質を高く評価している007ですが…、そろそろ村田との協業が形になる頃だと推測しています。理由は資本提携からの期間ですね。12月11日に資本提携を実施し5か月が経過します。通常、大手の開発時間は半年ですからね。007は技術者の数が少なく、QBが製品化されるまで時間が掛かりましたが、大手の開発時間は、通常、バージョンアップなどの製品開発は6か月と言われています。それに前期の業績数字が間もなく発表され、焦点は今期の業績推移に移りますね。この時期の注目点は前期の数字ではなく、今期の変化率が問題にされます。あくまでの株式相場は変化率なのですよ。絶対値を無視していいとは言いませんが、基本は変化に人間の心は動かされるのです。昔から赤字企業からの脱皮は市場の焦点になっています。この時期の人気株は赤字企業から黒字転換する企業がスター株として選ばれます。

カタルはマネタリーベースの増大から信用創造へ、故に金融相場の3点セット銘柄として銀行、証券、不動産株を物色しろと述べてきました。これがまだ基本ですね。景気循環と銘柄物色の関係で、金利が引き下がる金融政策の恩恵を一番受けるのは、金融相場の3点セット業種なのですね。この中でドラスティックに業績が変化するのは証券株です。だから最近ネット証券を中心に証券株は大きく上がっていますね。しかし業績が発表されたら一旦は下落します。お休みですね。だから今の時期に追いかけては駄目ですね。むしろ通期予測への変化率が高い会社が狙い目になりますね。シャープなどは変化率が高いはずですよ。大幅赤字から黒字転換するのですね。しかも資本問題を抱え強弱感が対立しますから面白い存在です。株価が上がる要素は強弱感なのですね。変化率と強弱感、その次に業績数字…と言っても過言ではありません。極端な解説ですが、基本は「変化率」に人間の心が動かされるのです。さらに強弱感が話題を生みスター性を持たせます。

カタル銘柄のほとんどが…この範疇から選択されています。でも…お金持ちになれば冒険などせずに、楽をしていくらでもお金を量産できますよ。資本力があればの話ですが…だから大手の機関投資家が羨ましいですね。だいたい相場で損をする方が難しいと思います。ただし正常な経済運営をされていればの話ですよ。この失われた時代の歴史の中で、たった3年程度の時間が2003年5月から2006年1月までが正常な運営でしたが…何故か、力の関係が逆転し揺り戻しにあったのが、2006年からの数年間の時間です。金融危機や大震災は付録のようなものなのです。本質はグローバル化への対応ですね。

間もなく007の年が始まります。カタルがピカ一銘柄として市場に送り出した007、カタルは先ずは現物で1株買って、2倍になったらもう一株買い、更に村田との協業が確認されたら1株、そうして完全に黒字化したら1株買えと述べています。売るなどの言葉は存在しません。買いばかりなのですね。世界の村田との提携は、組立ソフトの会社にとって、この上ない組み合わせであり、希望溢れる切っ掛けなのです。冒頭に新人選手3人の話題を持ってきましたが、証券市場の希望溢れる銘柄なのです。故にまだ買ってない人は20万円以下ならどこでも…いつでも…、現物で1株でも良いから買って置き、暫く持っていてほしいのです。そうして本当の意味で、成長株と言う存在を実体験して欲しいと願っています。カタルにも現時点では会社の行方は分かりません。ただ成長株に育つ素質を持っていると言うだけの話です。しかしこのような逸材自体が…なかなか生まれません。10年、いや20年に一銘柄、誕生するか、どうかの存在なのです。過去のカタルの感じた銘柄では、任天堂やヤフーはこの部類の銘柄でした。むろん失敗もあります。でも一度でいいから、人生に一度でいいから…成長株と共に人生を楽しんでみたいと願っています。買い続けて、数億円の夢を…共に味わってみたいですね。

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投稿者 kataru : 09:28

2013年04月14日

カタル銘柄と投資法

昨日は「デフレ・ボトム・ポケット」と言う長い「失われた時代」の最終章の話しを展開しました。本日のニュースは金が下がり、JPモルガンは空前の利益を上げ始めていますね。二つのニュースは結びつくのですが…お分かり頂けるでしょうか? そうです。世界の金融秩序が回復するので、利息を生まない金の価値は失われ、基軸通貨の価値が増すわけですね。先日、GSEの回復の話をしましたが、同じ流れです。基本的にカタルは時代の潮流を観ながら銘柄選別をしているつもりです。故に時間の長い株価上昇が見込まれると考えてもらって良いでしょう。例えば、このホームページを始めた直後に選択した記念すべき第一号のカタル銘柄は「日揮」でした。記憶によれば、1998年の暮れにホームページ「株式市場 日本を考える」がスタートし、日揮の推奨は1999年の春の筈ですね。ホームページの狙いは、株式市場を通じて日本のあり方を考えてほしいと願って始めたホームページです。故に当初は、政策批判が多く、官僚に対する批判も多くありました。最近はずいぶん減っていますが…。

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この時期に打ち出した最初のカタル銘柄が当時、経営危機に陥っている日揮でした。見込み違いの受注を抱え、多額の損失を抱えたのでしたが…カタルは原油価格の上昇を見て、日揮は立ち直ると判断し推奨したのでしたね。ただ残念ながら、推奨は1年早く証券マンとしては失格の部類でした。何故なら、1年も早いと時間が開く為に気持ちの維持が出来ず、株価が復活してきて、利食いになるとヤレヤレと売りたくなり、買い増しする気持ちなど、全然、起きないからです。しかし結果は…このチャートのようになりました。1999年ですから、今まで持っている人が居るとすると…株価で8.8倍です。当時の推奨は300円前後と記憶していましたが、当時の読者の人から最近メールを頂いたら推奨価格は250円前後との記述がありました。まぁ、どちらが正しいか…調べれば分かりますが、面倒ですから300円にして、14年で8.8倍ですね。かなり優秀な投資成果ですね。年率20%近いのかな?

最近では話題によく登場させるJトラストは、群を抜いていますね。流石に最安値ではカタルは推奨していませんが、300円台に買っていることは事実です。その後、分割をしましたから、株価は150円台という事でしょうが…かなりの成果です。一方、危ない銘柄ばかり取り上げている訳ではありません。カタルのお気に入り銘柄に、ピジョンがあります。覚えて居られるでしょうか? 今でも、持っているのかな? 在庫整理でもたつく前、たしかデンマークの年金基金だったと思いますが…大量に買っており、その後、在庫調整の失敗から株価は大きく下がりましたね。中国事業の在庫管理の失敗です。澤井製薬は何度も登場していたはずです。カタルはゾロ薬の公認派でしたからね。一度、お医者さんから「ジェネリックは、そんなに伸びないよ。」…とメールを頂いたことがありました。何しろプロパーの力が、昔は違いましたからね。最近は時代の流れもあり、澤井も力を付けたので売り込み部隊も、きっと増員されているのでしょう。お医者さんは基本的にセールスに弱いですから…大手の製薬会社が強いのはプロパーとの関係ですね。昔から澤井の株価は高かったのですが、最近は一段と株価は高くなりましたね。

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僕は現在、まともな企業なら、やはり、まもなく設備投資の循環の流れが始まりますから、ファナックの株が一押しです。まだ景気循環から見て、早いのでカタルはまだ取り上げていませんが、ゲンコツロボットなどの画像をホームページで紹介したこともあります。お気に入りの銘柄の一つです。でもカタルは、年金ファンドのマネージャーじゃありませんから…。長く手数料を追求する証券マンだったので、安全より目先の値上がりを重視してきました。それに多少の値上がりでは手数料が抜けないので、ドラスティックに値上がりする株を、常に探しているのですね。もう少しお金持ちになれば、僕だって博打は避け、やはりピジョンに、沢井やファナックなどの優良株にしますね。そうそう時々、この優良株の中でも、思わぬ落とし穴があるもので…オリックスと言う株が倒産の危機にあったことがありましたね。その時にカタルは1万円以下の株ではないと…大推奨をしてタイミングが早かったために、追証になったりして苦労した思い出があります。この銘柄をタイミングよく捉えたのは…、流石…小手川君でしたね。個人で大量に買い大儲けしたのでしょう。彼は今でも株を持っているのでしょうか? 僕はタイミング悪く、どちらかと言えば銘柄は当たったけれど、苦労した思い出があります。しかしオリックスはこれからですね。どちらかと言えば、米国型金融に近い存在なので、これからもっと上がるでしょう。別にカタルはボロ株ばかり、推奨している訳ではありません。

今回、打ち出した「アーク」7873を調べたら、意外な事実が判明し株高への確信を更に深めました。そうそう金曜日の記述に数字の間違いがありましたから、訂正しました。2006年の営業キャッシュの金額が違っていましたから訂正しました。まぁ、大勢に影響はありませんが…。追って、この話は今日の市況の載せるつもりです。カタルの場合、証券マン当時の癖で…調べる前に買うのが、癖になっていますね。今回だって、僕はクロトンの行動を読み間違っています。あの緩和策を聴いて…真っ先にカタルストックの銘柄の中から、アークを選択したのです。あの日の寄り付きは184円だったかな? その翌日は180円だったのですね。そうしてレポートに書くから9日も1000株買って、レポートに書いたから…と思い、みんなの気持ちになる為に、ストップ高の株価で指値をして買い、更にその翌日も、その次も連日、買っています。僅かずつですが…。だんだん調べたら調べるほど、よく見えてくるのです。今は、確実に上がると思い始めていますから…困った性格ですね。トホホ…。

でも、やはり007には遠く及ばないと思います。日揮で示したように…15年の歳月が流れますが…5年、10年と末永く持っていたら、どうなるでしょう。本当に日本を代表するトヨタやパナソニックのような会社に、育つかもしれませんね。息子がプログラマーなら、就職に薦めたい会社です。残念ながら息子は倒産寸前の会社に就職しましたが…もう立ち直ったから、彼は良い人生経験をしましたね。

最近になって日経新聞はROEの話を、時々書くようになっています。この考え方を世の中に一般化させねばなりません。だからカタルはグリーやDENAを支持しています。日本人は付加価値の大きな企業を育てねばならないからです。新成長戦略の銘柄の中から組立ソフトを選び、カタルは007に夢を抱いています。だから株価が緩んだから、皆さんは1株でも良いから、現物で買ってくださいね。そうしてもう一株、買値が2倍になったら買ってください。20万円で買った人は、40万円になったらまた買います。売りじゃないですよ。更に、村田との協業事業が発表されたら1株買い、黒字になったら1株買ってください。下がる場合は想定していませんが仮に下がったら、またカタルは必ずフォローします。事実、この銘柄は2010年の春に20万円前後で大量に持っている筈です。故に先日、株価が6万円台の時に同じ金額で買って欲しいとフォローしています。もし実行しているなら、既に大幅な利益になっている筈ですね。お客様の中で、資金の少ない人は、最初に買った20万円の分を利食いしても良いでしょう。それでも残った株数は、3倍になっている筈です。資金のある人は持続で、更に買い場を探します。

何故、カタルが、今日はロングランの期間の長い話をしたのか?多くの人はネット証券の戦略に踊らされているからですね。それは投資方針として間違っていると思います。株式投資の神髄は、企業の成長と共に儲けるのが筋ですね。そうなると売買は少なくなり、自然に長期保有になります。カタルは、故に007を現物で買って欲しいと願っているのですね。最初から3年や、5年ぐらいを念頭に掲げ、ヤフーの事例を引き合いに出したのです。こんな銘柄は珍しいのです。20万程度のお金が、いきなり数百万円にはなりません。しかし時間を掛ければ100万円は通過点と述べています。それは企業の成長を見れば、分かりますね。組立ソフトは非常に付加価値が高い産業です。先進国の新産業戦略に、特に日本のような少子高齢化の国には、絶対に必要な産業ですね。これからどんどんソフト技術の価値は高まります。ハードよりソフトです。基本的には…。

しかし頭のいい人間が、そう存在するわけでもなく普通の人も食えねばなりませんから、「先進国の回帰」で製造業が復権すると…、金型のアークが脚光を浴びます。本当は金曜日の日経新聞の一面に自動車産業の増産記事が載っており、株価は高いかな?と考えていましたが…、今の市場には人が居ませんね。情けなくなる位に、証券マンらしい人が居なくなりました。だって製造業が復権し、自動車産業の増産が始まれば、当然、製品を作る為に、金型が大量に必要になります。生き残った中小企業は、僅かなのですよ。当然、注文は殺到しますね。

ただ金融相場の中盤で、まだ若干選択が早いかもしれません。これは早いだけの話です。既に新成長分野の政策が求められ、円安が進んでいますから、実際の成果として、製造業もまもなく物色が、始まりますよ。最初は金融株ですが…。だってカタルは当初から、金融相場の第一ステージの終了は、三菱UFJの700円台と述べていますが…もう指呼の間です。まぁ、のんびりやりましょうね。20年以上、見捨てられた証券界の復活です。末永くカタルのページを、毎日読めば、何れ一緒にお金持ちになりましょう。そうしてみんなで一杯やりましょうね。

投稿者 kataru : 09:22

2013年04月07日

比較優位から付加価値へ

先ずは金曜日の相場を見て驚いたことに、第一生命などの生命保険会社の株価が下げています。何故でしょう? 僕には奇異な姿に映り調べてみたら…、どうも超長期国債の利回り低下によりEV(エンベディッド・バリュー)の減少が予想され、アナリスト達が一斉に生保の目標株価を引き下げたようですね。僕はEVを知らなかったので、第一生命の解説をざっと読みましたが…奇妙な現象です。日本人が如何にイワシ民族で、偽物社会かの一端が分かる気がします。各アナリストに悪いから、個別の名指しは控えますが…、資産価格が総体的に異次元緩和により膨らむわけで、確かに国債の利払いによる収入は下がるでしょうが、他の資産価格は基礎的な価値から大きく乖離している現状を考えれば、生命保険も異次元緩和により持っている資産が上がりプラスに働きますね。フローの収入が多少減っても、それ以上の資産効果がある筈です。それに生保の配当などは毎年収益により変化しますよ。包括利益の考えは、そういう事ですよね。だからケネデックスの株価が大きく上がっているのに…、生命保険の株が下がるのは間違っています。なんだか柔軟性の無い日本の社会構造を物語っている様で…一言、カタルの考えを書き加えました。

昨日は「比較優位と空洞化」の解説をしましたね。
「失われた時代」を作ったのは、基本的に金融機能の無視であり、資産デフレである資産の劣化などが主要因ですが、同時に起きたベルリンの壁崩壊からのグローバリゼーションによる比較優位の広がりが、先進国の空洞化を生んだわけです。特に日本は年功序列や終身雇用などの「会社が命」と言う固定観念が強く、グローバル価格から遊離した日本の独自価格である鎖国政策により、内外価格差が大きく存在していましたから、この是正に時間が掛かりました。このイメージは国際価格と国内価格が今でも大きく乖離する「コメ」は象徴的な現象です。昨日はアップルのファブレスを例に掲げましたが、日本のニトリやユニクロは同じことを自前で構築し、このデフレ時代に大きく伸びた企業の成功事例です。ニトリはベトナムやインドネシアで家具を作り日本に提供していますし、ユニクロは中国からベトナム、最近ではバングラディッシュに、インドネシアなどに生産設備を設けて、世界に輸出しています。このような行動は、自然な理に適った動きなのです。リカードの「比較生産費説」、「比較優位」の方が良いかな?と言う考え方は、効率化を求める市場原理では当たり前の現象ですね。

欧州は未だに構造改革が終わっていません。スペインでは55%の若者が失業中だとか…好調に思われる米国の若者の失業率は18.4%と、依然、高いままです。日本では「パラサイトシングル」と呼ばれる若者の親への依存者が増殖しています。自立できない世代の増加ですね。この原因は新興国への先進国からの生産移転が主な原因ですが、この流れを加速させたのが、金融デリバティブによるリスクを軽減させた手法ですね。鄧小平が「富める者から豊かになれ」と言う格差を容認した市場開放の南巡講話は、世界の転機を示していたのです。とうとう日産自動車が、先ずはマーチからタイへ生産を移転したのは、ある意味で象徴的な出来事だったのです。かたるがホンダやトヨタは、もう自動車を作るのをやめて、ロボットを生産しろと述べている理由は、此処にも存在します。ファナックを高く評価しているのは、色んな背景があるのです。

法政の渡部教授の何に、カタルは惹かれたのか? それは中国の生産人口のピークの試算ですね。中国は1万、日本は2万5千ドルと言う部分で、生産人口は低下し始めるとの部分です。一人っ子政策の弊害です。中国は日本のシステムを模倣して、固定資本形成などをフル稼働させて、高い成長率を実現させてきました。今では最新鋭の戦闘機を3D技術で作れるほどの生産技術を確立させています。生産人口がピークを打つという事は、これからの伸び率が落ちる事を示します。経済の基本的な概念は、「比較感」なのですね。人間の豊かさ、感情の推移は、何によって起きるか? 私はマネタリーベースと前年度比の変化率を掲げましたが、白川時代の日銀は、先進国なかでも米国の緩和姿勢に、日本は負けてないと述べ、むしろ日本の方が緩和状態だと述べていました。事実、その通りなのです。量的緩和の中央銀行の量を、GDP比で見れば、日本は既に一番、緩和状態にしているのです。しかし、なかなか経済の資産デフレは止まりませんでした。白川さんは市場が結果を判断する云う原理を知らなかったのですね。市場との対話に成功したグリーンスパンと失敗した白川さんの違いは大きいのです。2010年10月の包括的金融緩和は、すごい事なのですが…メディアはなかなか理解しませんでした。今でも…リスク資産の買い入れの意義を理解していませんね。

かたるは2006年の日銀の金融政策を、最近では強烈に批判しています。当時の総裁は福井さんです。速水、福井と…よくも揃いもそろったり…。経済のイロハも知らない日銀上がりをよく使ったものですよ。人間の感情は、比較感で動くのですね。隣の奥さんより、私の家の方が恵まれているわ。ハハハ…。私たちも苦しいけれど、まだ隣の家の方が大変で可哀そうね。ワハハ…この人間の感情は面白いものです。要するに人間の感情は、変化率に反応するのです。何故、カタル銘柄が良く上がるのか? 当たり前ですね。みんな赤字企業のボロ株を選んでいます。シャープを好むのは、失敗しているからです。金もないのに踊らされ、亀山工場の償却も済まない内に、堺工場を建てるのは…馬鹿な幻想への傾斜だったのです。片山さんの時代かな? きっと株をした事が無いのでしょう。株式投資をすれば…日本の現状は、自ずと見えてきます。カンフル剤である一時的な補助金政策のエコポイントなどに踊ることはなかったのです。株をやっていれば、本質を考える事が出来ますね。

カタルは…何度も上がる銘柄などは、もう決まっていると…述べているのは景気循環や経済の仕組みを理解すれば、自然に分かるようになるのです。カタルがチャートなどを二の次に考えているのは、本質を常に考え、株が上がる背景を考えているからです。経済環境を重視してカタル銘柄が選別されます。「マネタリーベース」から「信用創造」の意味が、皆さんには理解されたでしょうか?

ここ最近、カタルはこの信用創造から成長戦略に軸足を移しつつあります。それは先進国への回帰現象が量的緩和により、更に進むと考えているのです。特に日本では…。皆さんがお金持ちになると、どうなりますか? 最初は会話さえ出来れば良かった携帯電話が…カメラ機能が搭載され、最近はスマフォのようにパソコン機能まで付加されましたね。人間は常に変化を求め続けます。付加価値を求めるのですね。究極の豊かさは文化ですね。芸術ですよ。音楽に絵画…豊かな時間です。それを実現させるために、命を保つための医療、美しくみせる美容、たのしい会話を実現させる教養、時間を楽しむ娯楽などの…非製造業が栄えます。ネットの世界では、間違いなく知的好奇心を刺激する分野が、大きく伸びるでしょう。ホリエモンがニュースの批評を新ビジネスに掲げた意味を、瞬時に理解された方は、レベルが高い人ですね。

カタルの原稿を参考に、自分なりの相場観が形成される方も居られるでしょう。何もカタルの考え方が、正解の訳ではありません。カタルだって何回も、自分の考えを、相場を見ながら修正しています。市場経済とは、市場が行く末を決め判断するのです。あとはタイミングなのですね。この時間の壁がなかなか越えられないと…カタルは何度も述べています。これを克服しようと編み出した、カタル独自のσ理論のチャートを…007のケースで掲げて置きますから、皆さんも眺め自分なりに考えてみれば良いでしょう。

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投稿者 kataru : 10:09