« 2013年01月 | メイン | 2013年03月 »

2013年02月24日

バックボーン

今日の日経新聞を読むと…ロシアから電力を直接輸入する構想が書かれています。皆さんはこの記事から何を連想するでしょう。カタルは超電導線を想像し住友電工の株価水準は何処に位置しているか?調べてみました。同時に市場人気の高い古河電工も株価水準を確かめた次第です。一つの動機が様々な連想を生み行動に繋がる。これが乗数効果とも言われるものですね。人間は突然の臨時収入が在ったりすると何かの消費行動に繋がります。株が上がって儲かると消費が増えますね。ところが株が下がると追証が必要になり可処分所得が減りますから消費も控えます。この現象が資産デフレの悪です。アベノミクスの効用は非常に大きいのです。基本的に日本は長い間、バブルの反省をして地価を大きく下げました。今では土地の価格は収益還元法価格、つまり採算に会う利回り投資になっています。

今の時代は全ての資産が妥当価格を、下回っている状態です。つまりお金が合っても正常に働かない状態ですね。通常、お金は高い利回りを求めて動きますが、少しでもリスクが存在すると、僅かなリスクを嫌い行動が制限されているのです。その原因は冒険する人間を社会から叩き出した為です。どの会社にも行動する人間が減っています。マニュアルがおかしいと思っても、マニュアルを守る社会構造になり、人間が自ら考えて行動する尊厳を規制したためです。三和銀行、UFJの事件はその象徴的な現象です。僕はマネタリスト的な考え方ですが、竹中平蔵の行う改革をやり過ぎだとあの時に批判しました。UFJの自己査定を強引に歪め、不良債権認定をした為です。その為に鐘紡も解体され消えました。何故、民間に委ねかったのでしょう。あの処理過程には、常に利権が絡み動いたように感じています。全ての根源は郵政が抱える財政投融資資金ですね。

どの世界でも異端者が存在し社会のダニもいますが、やくざにもやくざの論理があったのです。いわゆる任侠の世界ですね。武士道と言っても良いでしょう。全てを否定するマニュアル社会の風潮はなかなか消えません。DeNAがSNSで叩かれ、グリーはコンプガチャで叩かれ、サラ金の過払い認定の異常な解釈など…。これでもか、これでもか…と社会に画一化を強要してきました。息が出来ないくらいに…。バブル崩壊も桃源社や秀和などに留めるなら分かりますが…。百歩譲り、日債銀、長銀など拓銀レベルならまだしも…。しかし現実はUFJまで広げたのが正しかったのかどうか意見は対立します。いっそうの事、日本国をすべて米国マニュアルに移行した方が、どれほど素晴らしいか…。米国は復活が出来る社会構造ですが、日本はこの復活でできない社会になっています。NHKの「いつか陽のあたる場所で」と言うドラマの現実は常に存在します。刑事罰だけでなく民事の世界でも…。米国は破産してもやり直しがきくし、税金が7年もさかのぼって請求できるなんて、すばらしいですね。失敗してもやり直せるチャンスがあります。

社会にユトリがない日本は、面白味がないのです。ユトリとは…バブル期に生まれるのですね。米国は今、難しい時期に差し掛かっています。過去、日銀はこの過程で何度も同じ失敗を繰り返しています。バーナンキが批判に耐え、緩和を続けることができるかどうか…見ものですよ。ブツブツの薪ストーブの暖炉の話を何度か用いています。ストーブが冷えている最初の時は、薪を何本も入れて暖めねばなりません。少し暑いと感じるくらいまで…燃やし続けるわけです。完全に暖まれば後はセーブしても良いわけです。しかし米国も金融危機の反省がありますから…どうなるか分かりません。今の注目の焦点の一つです。此方の話題は良く紹介されますが、インドの外資規制緩和の話はあまり伝わっていません。ここが日本の弱点ですね。メディアの馬鹿さ加減が、良く分かります。中国を上回る大国のインドの動向は非常に重要な世界経済の要素の一つですよ。弱小のヨーロッパの個別国を取材するならインドの取材陣容を拡大させるべきですね。僕は1月号の雑誌「選択」の記事でこの動向を知った次第です。日経新聞などは全く取り上げていません。

さて冒頭の話題に戻りましょう。長々と解説した裏にはユビキタス(007)の話を解説したかったのですが…皆さんには知識的なバックボーンが存在しませんから、本題に触れる前に予備知識が必要になります。この「超電導線」の夢は、なかなか実現できません。理論的には既に技術は確立され、電力ロスがなくなる送電線の技術は可能ですが…超電導状態を保つ為に冷やす必要があり、その工夫が出来てないのです。夢の素材と指摘されるカーボンナノチューブなど…開発に時間が掛かる研究はたくさんあります。実はソニーの出井さんは有機ELやSEDの方に力を入れており、液晶を軽視したために今日のソニーの転落があります。それまでソニーは世界NO1だったのですね。しかし出井さんの経営の判断ミスでソニーは此処まで転落したのです。

むかしカタルは「トッキ」と言う弱小企業の技術に関心を抱いたことがあります。有機ELの製造装置を開発していたのです。その後、キャノンに買収されましたが…。技術開発は大変なのです。超電導などの技術開発は既に10年以上も続けられているのでしょう。20年以上かな? 冒頭の住友電工と古河電工の業績に違いはワイヤハーネスの存在が大きいのでしょう。自動車はしばらく好調なのです。一つの技術が世の中で一般化されるには時間が掛かるものもあります。007のQBは3年間かかりましたね。今回採用されたカーナビは一つの例に過ぎません。カタルがベンチャリの失敗を取り戻す銘柄として、送り込んだ有望性が消えた訳ではないのです。皆さんは株価が下がると関心が薄れるようですが、一番大切なことは需給バランスでも株価でもなく、その会社が何をやってどう変化して行くか?と言う会社の本質ですね。会社の方向性と言うかアイデンティティーと言うか…価値観の考え方なのですね。理念を共有できるかどうかなのです。

007の開発した技術を見てみれば分かります。WiFi、SQL、そうしてQBなど…株価に皆さんは関心を抱いているようですが、カタルが何故、ベンチャリの損を取り戻せる有望銘柄として高い関心を抱いているか? 背景を自分で調べたことがあるのでしょうか?今の時代、全ての電化製品にはコンピューターが内蔵され、主たるソースはリナックスで動いています。テレビもエアコンもコピー機もCD機もカーナビも…。一度、自分で調べればいいのです。一つの銘柄を発掘するためには、バックボーンが必要になります。「なんでも鑑定団」と同じように、本物を見分ける力が必要になります。本物かどうかは…専門家でも難しいものですね。テレビでは簡単にみて、本物と判断していたりしますが…実際は違います。X線を用いたりインクの成分を調べたり…様々な鑑定技術があります。それでも真偽が分かれることがよくあります。

「アンティキテラ島の機械」の解析が進み、先日、NHKでは「古代ギリシャ 脅威の天文コンピューター」と言う題名で放送していました。あの番組は素晴らしい…の一言です。NHKのオンデマンドでも配信は終了しているようです。使えないシステムですね。たしかNHKは…全国の放送局でもアーカイブが見られるかもしれませんね。川口の設備が整っているようですが…もう一度見たい時に出向くと良いかもしれません。一覧はこちらから…地方局もあるようですよ。自分で確かめてください。本当はこの時代だから…全ての番組がネットを通じて見られると良いのになぁ~。

話しが飛びますが…一つの事を理解するためには、様々な知識が必要なのですね。今日は007のさわりだけになりましたが、新聞記事から、超電導の話題へ、そうして技術開発には時間が掛かるという話を、ソニーの実話から紹介しました。出井さんは薄型テレビ(液晶)の時代ではなく、いきなり有機ELやSEDに移行すると思っていたようです。その判断ミスが、今日のソニーの凋落に繋がりました。しかし現実は、ようやくLGが先日、有機ELの量産計画を発表していますね。株と同じで、やはりタイミングは難しいのでしょう。いよいよ壁掛け時代の幕開けです。何れ壁紙のように有機ELが扱われるのでしょう。さてここで連想されるのはIGZOの時間的な先行性を生かせるのかどうか…。最近、公募増資を含め鴻海精密工業への増資見直しなど…色んな話題が生まれているようです。産経新聞は良くフライング報道をしますが、今回はどうなるのでしょう。一般論として、この業績下では公募などは出来ない筈ですね。

おそらく…日本の事ですから産業革新機構の出番がまた来るのかも知れません。ルネサスのように…。何しろ財政投融資を餌に、官僚は自分達の存在を強調したいのですね。アメーバーのように勢力図を広げる集団です。日本が成長方向に向かうなら許せますが…、国民の財産を餌にして自分達が生き残る利益集団ですからね。自民党下で復活していますね。日本株は本当にこの方向性で大丈夫かな?

投稿者 kataru : 11:15

2013年02月17日

アベノミクス・マジック

今日はアベノミクス・マジックの疑問の背景を考えてみようと資料を集めたのですが…僕の考えを裏付ける良い結果は得られませんでしたね。少し不思議な思いです。

僕の仮説は…日銀のターゲット論などのリフレ政策により、その結果、資産価格の上昇が主眼で、為替の円安は副産物と考えてきました。故にマツダへの想いは当初からありましたが、為替をあまり重視してなかったのです。ところがメディアの宣伝は違いましたね。たしか…藤巻氏だったと思いますが、「円安が全てを解決する」ような論調が背景にあったと思います。その政策は国内の生産体制が整っている段階における90年代の話です。しかし…日銀の数々の失敗(失政)過程において…その時期は過ぎ去ったと考えています。理由は既にマーチを始め多くの汎用品が、タイなどに生産基地を移転させたからです。近年は中小企業まで海外進出する状態が日常化しています。この時期の過度の円安はプラス面効果より、マイナス面効果の方が大きいのではないかと考えているからですね。

c20130217a.gif

そこで、このカタル説を裏付ける為に…、自動車の中で一番グローバル化が進んでいる日産自動車の業績数字を見ましょう。過去の四半期決算推移です。このグラフは確かに売り上げの割に利益は減っていますが、10―12月期の話は中国の影響が大きく働いている可能性があり、更に大きく円安が進行したのは最近ですから、現状の数字を調べてもあまり意味はないようですね。そこで過去の日産の輸出台数の変化を見ることにします。輸出台数も増えており、僕のイメージと違いますね。そこで生産台数を見ると…やはり国内生産台数は減っていますね。20万台ほど減っているようです。マーチの販売台数などの影響でしょう。2010年春には移管していましたね。車種別の数字が分かれば良いのですが調べている時間がありません。マーチの価格は100万から120万ほどで儲けは5万から10万円の間でしょう。タイバーツがドル円の為替と、どう関連するか調べていませんから分かりませんが、仮にドルと同じ動きなら20%の為替水準の訂正は命取りになりますね。早晩、製品価格の引き上げに繋がるでしょう。

c20130217b.gif

まぁ、この推測は綺麗な数字が見えなかったので、カタルの仮説を補うと、既に海外に生産移転しているから、為替が円安に是正されても簡単に国内回帰の生産移転が進まずに、空洞化の進展が止まるだけの効果だと推測できます。例えばマツダは…規模が小さいのに昨年の輸出台数は67万台もあり日産と肩を並べています。だからマツダの株価は騰がるのです。しかし既にマツダはメキシコに、今、工場を作っていますね。

マネタリーベースの増大から、本当に期待される主眼は資産価格の上昇なのですね。毎年、働いて稼いだお金が、地価の値下がりや株価の下げで消えていたのです。その為に給与所得が上がらず、可処分所得が増えないので消費が低迷し、デフレ環境になっていました。更に空洞化の本質は、日本の鎖国政策の保護主義にありました。洋服や家具の国内販売価格を考えると分かります。国内生産体制を維持するために国内産業の保護を実施してきました。代表事例はトヨタのように国内生産に拘ってきました。そうしてグローバル化を避けてきたのですね。日米同盟の庇護の下で、この構造は成り立っていましたが、ベルリンの壁崩壊により、米国にとって日本の地位は低下し、故に国際競争に晒され、内外価格差のマジックが使えなくなりました。その結果、生まれたのがファーストリテイリング(ユニクロ)であり、ニトリなのですね。これらのデフレ銘柄は海外生産を生かし、日本の高い価格崩壊を先導し成長を遂げてきました。

まだ国内生産基盤が残っている、90年代に今のリフレ政策を採用すれば日本は復活しましたが、過去の自民党は金融マジックを理解していません。地価や株を下げては駄目なのです。それはフローの利益がストックの損失に消えるからですね。その為に可処分所得が増えなくなります。ようやくアベノミクスは、これに気付き修正をしています。ところが、為替に目が行き過ぎて…メディアが間違った誘導をしています。その為に折角のリフレ政策が、なかなか軌道に乗っていません。故に三菱UFJの株価は純資産を割れたままなのです。不思議です。

本来なら不動産株と共に、もっと株価が上がる筈です。マツダではなく、長谷工などに目が向くはずだったのです。しかし少子化で分譲よりリフォームの会社が潤うのかな? 地価が上がることで、株価が上がることで、潤う会社のスター株が生まれなければならない筈ですね。だからカタルは昨年のマネタリーベースから、今年は信用乗数の話をして、信用創造の話を展開し、総資産経営の規模の大きな会社のリストを掲げていたのです。しかし何故か、為替ばかりに焦点が向かっています。故にアベノミクス・マジックと批判ではありませんが、批判ともとれる言葉を使い、副作用の話しを述べているのですね。

成長戦略で相場が出ているのは、バイオ関連だけで小ぶりです。これでは相場が持ちません、だからグリーなどの新しい分野に期待したのだけれど、ご覧の通りの有様です。本来、DENAは、PER20倍程度の6000円程度でもおかしくない筈です。勿論グリーもいくら減益とは言え、売り上げは買収効果があり伸びています。ただ不満ですが…。何か、僕のイメージと相場の流れが違うのですね。何故、カタルが邦銀株に拘るのか? 金融の効率化が進むと考えているからです。日本向けの貸し出しは伸びずに、生産移転させた海外展開の支援が進み、円のグローバル化は促進され、貸出金利の高い新興国向けの融資が膨らみ利益が伸びると考えています。しかし現実の相場の動きは少し違います。故に副作用説が生まれる背景になっています。

G20の話もあり…日本は堂々とユーロとドルと円の為替の固定化の話し展開すればいいのです。TPPなどが進めば、為替の一元化管理に向かいます。おそらくボックスのターゲット論が採用され、何れ国際通貨が一元化されるのでしょう。米国はシェールガス効果により有利な展開が予想されます。だから自動車が米国で売れ続けますね。スバルもまだまだ騰がるし、ホンダも株価が訂正されるでしょう。でも今の水準はこれ以上望むのは無理ですね。株価水準は既に11月の世界です。9カ月も先を読み限度に達しています。

僕の読みは何処が間違っているのでしょう?
何故、予想通りに株価は動かないのかな? 野村の延長波と言うか第3波動に移行すると思ったのですね。場合によれば、一気に三菱UFJの株価が700円台に入ると考えてもいたのです。なのに…為替のマツダが選ばれたのは、僕の相場認識が何処か歪んでいるのでしょう。下がらないと思い、買い増しを続けたのは失敗でしたね。おそらくマツダが選択されたことに繋がっているのでしょう。本来、今の株価水準は、まだまだかなり低く、一度上がった株は下がらない筈なのに…。もう市場心理は変化していますね。おかしいな…。空売りなど考えるべき水準ではない筈です。マツダが上がったと言っても妥当株価ですよ。450円程度まで買われているなら分かりますが…どれもこれも…株価の伸びがイメージと違い、伸びを欠いている現状は、僕の相場観の修正を迫られている訳ですね。

見えない時は見えるまで、おとなしくしておくことですね。焦りは禁物で保守的な行動が成果を生むのでしょう。

投稿者 kataru : 12:13

2013年02月11日

決算数字と株価

さて今日は、長年注目してきたDENAの決算数字の解説を通して、現在注目しているグリーの業績予測を考えてみます。カタルは長らくDENAを「カタル銘柄」として選別しております。理由は早くから携帯コンテンツ事業は大きく伸びるとのソフト重視の発想で、この発想の原点は今でも正しいと思っています。問題はこの関連企業を上手く絞り込めていないのです。その為にDENAは兎も角、INDEXやMBOにより上場廃止になったサイバードなどの失敗を過去に犯してきました。ものになったのはDENAぐらいのものです。このDENAも、折角の飛躍期を上手くものにできずに、途中で株を手放しました。理由は急成長した数字が見えなかったためです。この反省を踏まえ、実はグリーに固執している訳です。(下の表はDENAとグリーの四半期別売り上げ推移です。)

c20130211a.gif

さてDENAがSNSからグリーの躍進ぶり(表ではグリーンの動き)を見て、ゲームに移行し利益を計上できたのは、2010年第3四半期から第4四半期です。(表では黄色の部分)しかし株は2009年の10月初めを起点にして大きく上がり始めています。この2010年の第3四半期の数字が明らかになるのは2010年2月1日です。丁度6か月、株価は先取りして動き始めました。しかし内部情報ではおそらく現在進行形で10月、11月、12月と大きく伸びる売り上げは、把握できていたはずです。だからこの内部情報を手にした大口のファンドが、株を大きく買い始めた為にこの時期に株価が急騰したのですね。内部情報を知らない僕は、株価があまり急騰してくるので、多少の損から売り始めたのですね。当時22万9300円だった株価が、あれよ、あれよと言う間に70万円台に急騰するのですね。あの相場環境下での話です。今のような良い相場環境ではないのです。最悪期の出来高推移は、それまで2000株から3000株台だったものが、いきなり3万、2万と大きく膨らみ玉が吸い上がっていきます。2009年10月後半の話ですね。この第3四半期が終わる12月には株価は50万円台に入ります。下のチャートは株価が修正されていますから、チャートでは700円台の株価が3000円近くまで急騰する動きが分かると思います。実際の伸びを決算発表で確認したカタルは再び2800円前後から売り買いを始めています。この悔しさが分かりますかね。

c20130211b.gif


現状の業績数字はコンプガチャの影響か?グリーの売り上げは横這いから減少気味です。しかし明らかにグリーが携帯ゲームで先駆しDENAはそれを模倣したのでしょう。しかしDENAは流石ですね。コンプガチャ問題でも大きく落ち込まずに売り上げは微増しています。この背景は経営戦略が優れており、グリーはこの分野に欠点を抱えているのでしょう。IR情報を見ても推察されます。DENAの方が洗練されていますね。既にDENAは次の分野であるLINEをターゲットに動き、携帯コンテンツの多様化に取り組み始め収益の安定化に着手しています。一方、グリーは投資を増やしてゲームを拡大させているようです。グリーのニュースリリースを見ると海外分野への取り組みが活発化するのは昨年からですが後半からの展開が、今年に収益化されるのでしょう。兎に角、会社が若い為に後手を踏んでいる印象を否めません。その為に株価は大きく修正され2800円ラインから半値水準に落ちています。現状の株価は更なる減益を織り込んでいますね。だから数字が仮に悪化しても株価は大きく落ち込まないでしょう。むしろスタートトゥデイのようなケースも考えられます。この背景は海外売り上げの推移でしょう。

c20130211c.gif

グリーのIRをカタルが、度々、批判するのはデータの継続性が明らかにされていないからです。会員数や売り上げのセグメントなど…特に注目される海外売り上げの水準が明らかにされていませんね。だって、この会社の魅力は海外会員が国内会員の6倍以上も居るのに、何故、売り上げのほとんどが、国内からしか上がってないのでしょう。この数字を推測する為にDENAが海外売り上げ推移を公表していますから参考になりますね。10百万ドルから30百、50百万ドルと推移しているようです。予想では、次は75百万ドル辺りのようです。DENAの資料によれば2012年10月を1と基準にして海外の新規ゲーム開始人数を掲げていますから、やはり昨年後半から海外部門に力を入れているという見方がグリーにも通用するのでしょう。海外売り上げは全体のまだ1割から2割に届くかどうかの水準だろうと推察されます。

c20130211d.gif

さて2009年10月から国内では爆発的に売り上げが伸びた経験が海外でも同様の動きになっても不思議ではない筈ですね。まだ50億円程度の数字ですからね。自己責任原則が確立されている海外に於いて、コンプガチャの日本国内基準が問題になるかどうか分かりませんが、糊代は非常に大きいと推察している訳ですね。あの時にDENAの株価はあっという間に3倍以上に膨らみました。同じことが海外売り上げの推移を切っ掛けに、今年、起こっても不思議ではありませんね。故にカタルは、株価が下がっているグリーに注目している訳ですね。ドラスティックに変化する変化率が、株価を大きく動かすからですね。

投稿者 kataru : 15:25

2013年02月10日

人気株の決算を見る

先駆した銘柄が休み、野村、シャープ、アイフルなど…しかし一方でマツダのように上昇を続けているものもありますが…、一方でニコンやソニーのように、一旦、水準訂正しましたが維持できないものもあります。この違いは目先の業績の違いなのでしょうか? ニコンは事前の通期予想は売り上げ、10100億円、営業利益は720億円、経常は750億で、最終利益予想は600億で、一株利益は151円の予想でした。(四季報調べ)これに対し2月6日発表の通期予想数字は10000億円、営業利益は480億円、経常は480億円、最終利益は380億円で、一株利益は95円の予想です。解説文によれば、ArF液浸スキャナーを中心に露光装置が不振で、コンパクトカメラやバイオサイエンス事業も奮わなかったという事です。

しかし…アナリストであれば、この程度の不信は読んでいる筈で…、最近の株高が理解できませんね。おそらく何処かのファンドが玉を持ち続け、需給バランスだけが良好なだけでしょう。ニコンの将来性が高いのかどうか…所詮は二番手の印象です。昔の知識しかありませんが、露光装置ではオランダのASML社が世界トップで、ニコンは大きく引き離された2番手のイメージですね。ニコンはもともと割高の企業です。全体市況が弱くても株価は下げてなかったのですね。だから当たり前の水準訂正でしょう。

しかしソニーは純資産価格を割れこんでおり、上げた後の水準も維持できないのは、先行きが見えないからですね。しかし純資産価格さえも維持できないという事は、さらに赤字が続くと言う読みもあるのでしょう。抜本的な構造改革がおざなりになっている可能性があります。僕はシャープの二段上げを想定しており、その業績面の背景はどうなのでしょう。シャープの事前予想は売上24000億円で、営業利益は1800億円の赤字で経常は2350億の赤字、最終営業損は4750億円です。ひどい内容ですね。一株辺りの損失は388円になっていました。一方、2月1日に発表された売り上げは2兆4600億円で営業利益は1550億円の赤字、経常は2100億円の赤字、最終損益は4500億円となっています。構造改革費用があるので最終損が膨らんでいます。その分、来期は人件費などで損益分岐点バーが低くなり改善されます。それに事前予想より、若干ですが、売り上げが増え、営業損失が減っています。この改善理由は何なのでしょう?

やはりIGZOの売り上げ貢献が目立っているようです。赤字の原因であるテレビは依然駄目ですね。しかし白物家電のアジア販売が伸びている様子です。中国の売り上げは不振です。日本の売り上げが11811億円に対し、中国は4832億円もありますね。およそ半分が日本で、2割が中国向けの売り上げです。為替の影響度は分かりませんね。現地生産もかなり多いようです。ざっと決算数字を見た印象では、車ほど好影響ではないようですが、それでもプラスのようですね。車も日産はそんなに為替も影響度はないようですね。やはりマツダにトヨタ、スバルと言う所でしょう。シャープの鴻海精密工業への増資の払い込み価格は550円で、期限が今年3月26日までですので、現状はこの価格を下回っており、この点に思惑が生まれますね。どっちにしてもシャープは、再び人気になる素地が感じられます。

アイフルはどうでしょう。チャートを見ると、まだ整理は未了のようです。この手の会社は決算数字があやふやで…作られていますから気を付けねばなりません。突然、大幅減額という事がよくあります。最近ではJVCケンウッドのようなケースですね。カタルが注目している、もう一つの会社も、最近、四季報数字を大幅に減額修正しました。魅力はあるが、経営陣の趣向が怪しい会社ですね。小型株はオーナーの意向により激変することがあります。しかし、この点の会社は市場の人気が高く、仕手化しやすい銘柄になります。サニックスなども、この手のグループです。最近人気になったアジア投資もそうだし…。まぁ、大企業だってソニーのようなケースもありますから、自分の感覚を信じるしかありません。決算数字も長く見れば、会社のカラーが分かります。パナソニックのように堅い数字を出す会社もあります。この違いはアナリストなら、長年、見ていますから分かりますね。しかし表面上は、数字にこの微妙な変化は表れていませんから、判断が付きませんね。

個別の企業を見ても、やはり相場の一幕は一巡しているように見えるのですが…第二幕に移行する前に、一幕の延長があるのでしょうか? この感覚は野村に掛かっていると思います。間もなくシャープも追随するのでしょう。やはりIGZOの1年の技術先行は大きいですね。今年後半から来年にならないとサムソンは追随できないでしょう。問題はアイフォン5Sですね。この発売は秋以降でしょう。だから夏までシャープは強気を継続できますね。今日はこの程度で…。もう一つ見なくてはならないのがDENAの数字ですね。これは明日にしましょう。何故なら、グリーに関係するからです。しかしグリーは秋山さんの能力がないのか、それとも田中さんの意向なのか分かりませんが、IRが下手ですね。もっと専門家の意見を聞きながら、資料を作成すべきでしょう。未成年者への対応もそうです。もっともDENAも、当初は相当に叩かれました。上場企業になると、やはりメディア対応は重要な要素になります。広報は官房長官のようなものですからね。

投稿者 kataru : 12:18

2013年02月03日

為替と株価

昨日の続きなのですが…確かに為替の上下の推移はコストの低下に繋がり、利益率に大きな変化を与えます。多くの製造業は5%前後の営業利益率に凌ぎを削っていますから、いきなり20%も売り上げが増えることになります。故に、この度の為替修正での株価変化も大きいのでしょうが、現状では1―3月期は既に為替予約積みで業績への上乗せはなく、4―6月期も既に半分程度が消化済みなのが一般的な水準でしょう。つまり4―6月期の数字が明らかになる8月は、既に株価に織り込まれて居る筈です。株式相場は通常6か月先を読むと言われております。今の為替水準が企業業績にフル寄与するのは7-9月期からで11月になりますから、この数字を期待するのを買うのはおかしいと考えます。セオリーでは、未来予測は非常に危険なのです。当初の誤差は、距離(時間)が伸びれば大きくなります。つまり、ここから為替の先行きを買うのは、危険な領域なのでしょう。だから通常は時間を稼ぐ休みを入れる筈ですね。論理的な良識では、間もなくマツダも休むのでしょう。何しろ大御所のトヨタまで範囲は広がってきました。

為替の動向を買うのと…、米国の自動車販売の好調さを買うのとでは、株価の見え方が変化しますね。米国ではスバルやホンダに軍配が上がりそうで…、この評価をどう考えるかですね。株価には、いくつかの要素が関連し、株価が構成されているのでしょう。為替、米国景気回復などが、キーワードになったわけですね。加えて前から存在する新興国の好調さは続き、中国も最悪期を脱出します。自動車株の場合、為替だけが問題になる訳ではありませんから、予測もブレが大きくなります。感覚的な問題ですね。

1月の米国株式投資額は342億ドルで、2012年同期比で、ほぼ2倍に達したと言います。この記録は1996年以来でかなり多い数字のようです。この記事を読んでかたるは野村証券の株価の先行きに、再び力を得た次第です。僕が野村に注目している本当の理由は「投資キャッシュフロー効果」が、必ず現れると考えているのですね。

本日の日経新聞にも、時価総額1兆円企業が増えていると言う記事が載っています。僕が年初から指摘している資産効果を使わないと経済は活性化しないという信用乗数効果の話が載っていますね。毎年働いて稼ぐ所得には課税され、生活費に消えますから可処分所得はなかなか増えません。しかしこうして働いて蓄えた資金が大きく増えると、豊かな気持ちになり消費が増えます。それは生活費に充てる資金ではないからですね。信用乗数効果が得やすい環境になってきました。つまりこの一連の記事は正常な経済活動を後押しする動きなのですね。ここに集中投資していた野村証券(これはただしカタルの推測です。金曜の今日の市況で野村証券の利益の源泉は、資産を売却して得たと述べたのは一例です。)は、きっと大きな利益を計上する時期が来るのでしょう。その時に野村の相場は終了しますね。

c20130203a.gif

また筋から外れましたが、カタルは円安→株高のラインを信じておりません。ただしくは円高→株高の筈です。根拠は製造業の人員数にもあります。米国の製造業の雇用者数は年々減り続けています。最近は増えていますが人口3億1159万に対し僅かに14336千人です。先日、日本の製造業雇用者数が1000万人を割りましたがデータの比較上2011年の数字を用いると1018万人です。日本の人口は12781万人、一方、サムソンや現代自工などを抱える韓国の製造業雇用者数は409万人で人口は4977万人です。比率は日本が7.96%、米国は4.59%、韓国は8.21%ですね。この数字を見ると…どうして円安が株高に繋がるのは、理解がなかなか難しいのです。アベノミクス・マジックは期間限定とも考えられますね。故にマツダの空売りの話まで、昨日は触れました。相場が、もし噴き始めれば…行き過ぎは必ず訂正されるのでしょう。しかし11月になり実際の数字に大きな変化が生まれる頃は、まだ違う次元の話になるのでしょう。長くマツダの相場を考えてきたのですが…そろそろ離れる時期が来ているように感じます。何しろトヨタが動くことが相場の最終コーナーなのでしょう。

一つのテーマの主役が交代すると調整局面を迎える事がよくあります。しかし資金流入が利食いを上回り続くと、すそ野は広がり2番手、3番手が物色され、更に火種は筋論からも離れ、どんどん広がっていきます。これが過剰流動性相場と言う現象です。今の相場環境は長いデフレ局面だったので、なかなか筋論の銘柄の動きも鈍いようです。これだけ長い低迷だと参加者が枯れているのでしょうね。日銀総裁の人選が進んでいるようですが、2006年は急激に舵を切り過ぎたのですね。その後に米国発の金融危機が訪れました。あの引き締め行動がなければ、日本は漁夫の利を得る復権を成し遂げたはずですが…折角の投資も活きませんでした。しかし時間差でモルガンやリーマンの買収効果は徐々に出て来るのでしょう。相変わらず、金融株の水準は適正価格から離れたままです。流れの主流に乗っておれば、怖いものはないのでしょう。マネタリーベースと貨幣乗数効果の信用創造は日本の復活に欠かせない要素なのです。

投稿者 kataru : 10:30