人気株の決算を見る(2013年02月10日)
先駆した銘柄が休み、野村、シャープ、アイフルなど…しかし一方でマツダのように上昇を続けているものもありますが…、一方でニコンやソニーのように、一旦、水準訂正しましたが維持できないものもあります。この違いは目先の業績の違いなのでしょうか? ニコンは事前の通期予想は売り上げ、10100億円、営業利益は720億円、経常は750億で、最終利益予想は600億で、一株利益は151円の予想でした。(四季報調べ)これに対し2月6日発表の通期予想数字は10000億円、営業利益は480億円、経常は480億円、最終利益は380億円で、一株利益は95円の予想です。解説文によれば、ArF液浸スキャナーを中心に露光装置が不振で、コンパクトカメラやバイオサイエンス事業も奮わなかったという事です。
しかし…アナリストであれば、この程度の不信は読んでいる筈で…、最近の株高が理解できませんね。おそらく何処かのファンドが玉を持ち続け、需給バランスだけが良好なだけでしょう。ニコンの将来性が高いのかどうか…所詮は二番手の印象です。昔の知識しかありませんが、露光装置ではオランダのASML社が世界トップで、ニコンは大きく引き離された2番手のイメージですね。ニコンはもともと割高の企業です。全体市況が弱くても株価は下げてなかったのですね。だから当たり前の水準訂正でしょう。
しかしソニーは純資産価格を割れこんでおり、上げた後の水準も維持できないのは、先行きが見えないからですね。しかし純資産価格さえも維持できないという事は、さらに赤字が続くと言う読みもあるのでしょう。抜本的な構造改革がおざなりになっている可能性があります。僕はシャープの二段上げを想定しており、その業績面の背景はどうなのでしょう。シャープの事前予想は売上24000億円で、営業利益は1800億円の赤字で経常は2350億の赤字、最終営業損は4750億円です。ひどい内容ですね。一株辺りの損失は388円になっていました。一方、2月1日に発表された売り上げは2兆4600億円で営業利益は1550億円の赤字、経常は2100億円の赤字、最終損益は4500億円となっています。構造改革費用があるので最終損が膨らんでいます。その分、来期は人件費などで損益分岐点バーが低くなり改善されます。それに事前予想より、若干ですが、売り上げが増え、営業損失が減っています。この改善理由は何なのでしょう?
やはりIGZOの売り上げ貢献が目立っているようです。赤字の原因であるテレビは依然駄目ですね。しかし白物家電のアジア販売が伸びている様子です。中国の売り上げは不振です。日本の売り上げが11811億円に対し、中国は4832億円もありますね。およそ半分が日本で、2割が中国向けの売り上げです。為替の影響度は分かりませんね。現地生産もかなり多いようです。ざっと決算数字を見た印象では、車ほど好影響ではないようですが、それでもプラスのようですね。車も日産はそんなに為替も影響度はないようですね。やはりマツダにトヨタ、スバルと言う所でしょう。シャープの鴻海精密工業への増資の払い込み価格は550円で、期限が今年3月26日までですので、現状はこの価格を下回っており、この点に思惑が生まれますね。どっちにしてもシャープは、再び人気になる素地が感じられます。
アイフルはどうでしょう。チャートを見ると、まだ整理は未了のようです。この手の会社は決算数字があやふやで…作られていますから気を付けねばなりません。突然、大幅減額という事がよくあります。最近ではJVCケンウッドのようなケースですね。カタルが注目している、もう一つの会社も、最近、四季報数字を大幅に減額修正しました。魅力はあるが、経営陣の趣向が怪しい会社ですね。小型株はオーナーの意向により激変することがあります。しかし、この点の会社は市場の人気が高く、仕手化しやすい銘柄になります。サニックスなども、この手のグループです。最近人気になったアジア投資もそうだし…。まぁ、大企業だってソニーのようなケースもありますから、自分の感覚を信じるしかありません。決算数字も長く見れば、会社のカラーが分かります。パナソニックのように堅い数字を出す会社もあります。この違いはアナリストなら、長年、見ていますから分かりますね。しかし表面上は、数字にこの微妙な変化は表れていませんから、判断が付きませんね。
個別の企業を見ても、やはり相場の一幕は一巡しているように見えるのですが…第二幕に移行する前に、一幕の延長があるのでしょうか? この感覚は野村に掛かっていると思います。間もなくシャープも追随するのでしょう。やはりIGZOの1年の技術先行は大きいですね。今年後半から来年にならないとサムソンは追随できないでしょう。問題はアイフォン5Sですね。この発売は秋以降でしょう。だから夏までシャープは強気を継続できますね。今日はこの程度で…。もう一つ見なくてはならないのがDENAの数字ですね。これは明日にしましょう。何故なら、グリーに関係するからです。しかしグリーは秋山さんの能力がないのか、それとも田中さんの意向なのか分かりませんが、IRが下手ですね。もっと専門家の意見を聞きながら、資料を作成すべきでしょう。未成年者への対応もそうです。もっともDENAも、当初は相当に叩かれました。上場企業になると、やはりメディア対応は重要な要素になります。広報は官房長官のようなものですからね。