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決算数字と株価(2013年02月11日)
さて今日は、長年注目してきたDENAの決算数字の解説を通して、現在注目しているグリーの業績予測を考えてみます。カタルは長らくDENAを「カタル銘柄」として選別しております。理由は早くから携帯コンテンツ事業は大きく伸びるとのソフト重視の発想で、この発想の原点は今でも正しいと思っています。問題はこの関連企業を上手く絞り込めていないのです。その為にDENAは兎も角、INDEXやMBOにより上場廃止になったサイバードなどの失敗を過去に犯してきました。ものになったのはDENAぐらいのものです。このDENAも、折角の飛躍期を上手くものにできずに、途中で株を手放しました。理由は急成長した数字が見えなかったためです。この反省を踏まえ、実はグリーに固執している訳です。(下の表はDENAとグリーの四半期別売り上げ推移です。)

さてDENAがSNSからグリーの躍進ぶり(表ではグリーンの動き)を見て、ゲームに移行し利益を計上できたのは、2010年第3四半期から第4四半期です。(表では黄色の部分)しかし株は2009年の10月初めを起点にして大きく上がり始めています。この2010年の第3四半期の数字が明らかになるのは2010年2月1日です。丁度6か月、株価は先取りして動き始めました。しかし内部情報ではおそらく現在進行形で10月、11月、12月と大きく伸びる売り上げは、把握できていたはずです。だからこの内部情報を手にした大口のファンドが、株を大きく買い始めた為にこの時期に株価が急騰したのですね。内部情報を知らない僕は、株価があまり急騰してくるので、多少の損から売り始めたのですね。当時22万9300円だった株価が、あれよ、あれよと言う間に70万円台に急騰するのですね。あの相場環境下での話です。今のような良い相場環境ではないのです。最悪期の出来高推移は、それまで2000株から3000株台だったものが、いきなり3万、2万と大きく膨らみ玉が吸い上がっていきます。2009年10月後半の話ですね。この第3四半期が終わる12月には株価は50万円台に入ります。下のチャートは株価が修正されていますから、チャートでは700円台の株価が3000円近くまで急騰する動きが分かると思います。実際の伸びを決算発表で確認したカタルは再び2800円前後から売り買いを始めています。この悔しさが分かりますかね。

現状の業績数字はコンプガチャの影響か?グリーの売り上げは横這いから減少気味です。しかし明らかにグリーが携帯ゲームで先駆しDENAはそれを模倣したのでしょう。しかしDENAは流石ですね。コンプガチャ問題でも大きく落ち込まずに売り上げは微増しています。この背景は経営戦略が優れており、グリーはこの分野に欠点を抱えているのでしょう。IR情報を見ても推察されます。DENAの方が洗練されていますね。既にDENAは次の分野であるLINEをターゲットに動き、携帯コンテンツの多様化に取り組み始め収益の安定化に着手しています。一方、グリーは投資を増やしてゲームを拡大させているようです。グリーのニュースリリースを見ると海外分野への取り組みが活発化するのは昨年からですが後半からの展開が、今年に収益化されるのでしょう。兎に角、会社が若い為に後手を踏んでいる印象を否めません。その為に株価は大きく修正され2800円ラインから半値水準に落ちています。現状の株価は更なる減益を織り込んでいますね。だから数字が仮に悪化しても株価は大きく落ち込まないでしょう。むしろスタートトゥデイのようなケースも考えられます。この背景は海外売り上げの推移でしょう。

グリーのIRをカタルが、度々、批判するのはデータの継続性が明らかにされていないからです。会員数や売り上げのセグメントなど…特に注目される海外売り上げの水準が明らかにされていませんね。だって、この会社の魅力は海外会員が国内会員の6倍以上も居るのに、何故、売り上げのほとんどが、国内からしか上がってないのでしょう。この数字を推測する為にDENAが海外売り上げ推移を公表していますから参考になりますね。10百万ドルから30百、50百万ドルと推移しているようです。予想では、次は75百万ドル辺りのようです。DENAの資料によれば2012年10月を1と基準にして海外の新規ゲーム開始人数を掲げていますから、やはり昨年後半から海外部門に力を入れているという見方がグリーにも通用するのでしょう。海外売り上げは全体のまだ1割から2割に届くかどうかの水準だろうと推察されます。

さて2009年10月から国内では爆発的に売り上げが伸びた経験が海外でも同様の動きになっても不思議ではない筈ですね。まだ50億円程度の数字ですからね。自己責任原則が確立されている海外に於いて、コンプガチャの日本国内基準が問題になるかどうか分かりませんが、糊代は非常に大きいと推察している訳ですね。あの時にDENAの株価はあっという間に3倍以上に膨らみました。同じことが海外売り上げの推移を切っ掛けに、今年、起こっても不思議ではありませんね。故にカタルは、株価が下がっているグリーに注目している訳ですね。ドラスティックに変化する変化率が、株価を大きく動かすからですね。