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為替と株価(2013年02月03日)
昨日の続きなのですが…確かに為替の上下の推移はコストの低下に繋がり、利益率に大きな変化を与えます。多くの製造業は5%前後の営業利益率に凌ぎを削っていますから、いきなり20%も売り上げが増えることになります。故に、この度の為替修正での株価変化も大きいのでしょうが、現状では1―3月期は既に為替予約積みで業績への上乗せはなく、4―6月期も既に半分程度が消化済みなのが一般的な水準でしょう。つまり4―6月期の数字が明らかになる8月は、既に株価に織り込まれて居る筈です。株式相場は通常6か月先を読むと言われております。今の為替水準が企業業績にフル寄与するのは7-9月期からで11月になりますから、この数字を期待するのを買うのはおかしいと考えます。セオリーでは、未来予測は非常に危険なのです。当初の誤差は、距離(時間)が伸びれば大きくなります。つまり、ここから為替の先行きを買うのは、危険な領域なのでしょう。だから通常は時間を稼ぐ休みを入れる筈ですね。論理的な良識では、間もなくマツダも休むのでしょう。何しろ大御所のトヨタまで範囲は広がってきました。
為替の動向を買うのと…、米国の自動車販売の好調さを買うのとでは、株価の見え方が変化しますね。米国ではスバルやホンダに軍配が上がりそうで…、この評価をどう考えるかですね。株価には、いくつかの要素が関連し、株価が構成されているのでしょう。為替、米国景気回復などが、キーワードになったわけですね。加えて前から存在する新興国の好調さは続き、中国も最悪期を脱出します。自動車株の場合、為替だけが問題になる訳ではありませんから、予測もブレが大きくなります。感覚的な問題ですね。
1月の米国株式投資額は342億ドルで、2012年同期比で、ほぼ2倍に達したと言います。この記録は1996年以来でかなり多い数字のようです。この記事を読んでかたるは野村証券の株価の先行きに、再び力を得た次第です。僕が野村に注目している本当の理由は「投資キャッシュフロー効果」が、必ず現れると考えているのですね。
本日の日経新聞にも、時価総額1兆円企業が増えていると言う記事が載っています。僕が年初から指摘している資産効果を使わないと経済は活性化しないという信用乗数効果の話が載っていますね。毎年働いて稼ぐ所得には課税され、生活費に消えますから可処分所得はなかなか増えません。しかしこうして働いて蓄えた資金が大きく増えると、豊かな気持ちになり消費が増えます。それは生活費に充てる資金ではないからですね。信用乗数効果が得やすい環境になってきました。つまりこの一連の記事は正常な経済活動を後押しする動きなのですね。ここに集中投資していた野村証券(これはただしカタルの推測です。金曜の今日の市況で野村証券の利益の源泉は、資産を売却して得たと述べたのは一例です。)は、きっと大きな利益を計上する時期が来るのでしょう。その時に野村の相場は終了しますね。

また筋から外れましたが、カタルは円安→株高のラインを信じておりません。ただしくは円高→株高の筈です。根拠は製造業の人員数にもあります。米国の製造業の雇用者数は年々減り続けています。最近は増えていますが人口3億1159万に対し僅かに14336千人です。先日、日本の製造業雇用者数が1000万人を割りましたがデータの比較上2011年の数字を用いると1018万人です。日本の人口は12781万人、一方、サムソンや現代自工などを抱える韓国の製造業雇用者数は409万人で人口は4977万人です。比率は日本が7.96%、米国は4.59%、韓国は8.21%ですね。この数字を見ると…どうして円安が株高に繋がるのは、理解がなかなか難しいのです。アベノミクス・マジックは期間限定とも考えられますね。故にマツダの空売りの話まで、昨日は触れました。相場が、もし噴き始めれば…行き過ぎは必ず訂正されるのでしょう。しかし11月になり実際の数字に大きな変化が生まれる頃は、まだ違う次元の話になるのでしょう。長くマツダの相場を考えてきたのですが…そろそろ離れる時期が来ているように感じます。何しろトヨタが動くことが相場の最終コーナーなのでしょう。
一つのテーマの主役が交代すると調整局面を迎える事がよくあります。しかし資金流入が利食いを上回り続くと、すそ野は広がり2番手、3番手が物色され、更に火種は筋論からも離れ、どんどん広がっていきます。これが過剰流動性相場と言う現象です。今の相場環境は長いデフレ局面だったので、なかなか筋論の銘柄の動きも鈍いようです。これだけ長い低迷だと参加者が枯れているのでしょうね。日銀総裁の人選が進んでいるようですが、2006年は急激に舵を切り過ぎたのですね。その後に米国発の金融危機が訪れました。あの引き締め行動がなければ、日本は漁夫の利を得る復権を成し遂げたはずですが…折角の投資も活きませんでした。しかし時間差でモルガンやリーマンの買収効果は徐々に出て来るのでしょう。相変わらず、金融株の水準は適正価格から離れたままです。流れの主流に乗っておれば、怖いものはないのでしょう。マネタリーベースと貨幣乗数効果の信用創造は日本の復活に欠かせない要素なのです。