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2006年07月30日

明るさが感じられる

実は、最近の相場観は非常に暗かったのです。今月号の株式新聞社の「ふれあい」に書いた記事の一部用いますと…「思い返すと年初のライブドア騒動から村上ファンド、福井氏問題と続き、アメリカを始め世界中で利上げムード、日本も量的緩和解除からゼロ金利解除まで、金融政策が大きく変化しています。更に、北朝鮮のミサイル問題からイスラエルの軍事侵攻と、国際情勢も不透明ですね。株式市場は年初の信用期日を受け、買いが薄い中、売り物が出る展開が続いています。加えて、自民党の総裁選挙が秋に控えています。更に新興市場の銘柄には決算書リスクまで叫ばれているのですから、株が売られるわけです。」と書きました。

私が政策批判をするときは、大概、株価が低迷している時です。日本株が力強く上昇を続ける為には幾つかの壁を打ち破らなくてはなりません。日本の癌は官僚組織です。道路工事は掘っては埋める縦割り行政の弊害は予てから指摘されていますが、依然、改善も兆しさえ見えません。官製談合の摘発を公取から受けましたが、氷山の一角で天下りの問題提起はされますが、体質改善はされていません。公務員の削減問題も団塊の世代の自然減を強調する有様です。

一方、上場企業はフジテレビの日枝に代表されるように、北越製紙の三ノ輪など、どいつも、こいつも、みんな自己保身を謀る輩ばかりです。王子製紙の提案は明らかに社会貢献をする提案なのです。既にグローバル時代ですので、仲間内で争っている場合ではないのです。それなのに…地検の行動は意見が分かれるところですが、時代の芽を摘む動き。大切なこの時期に…しかし、この問題はある意味で、地検の行動は正しいのかもしれません。丁度、竹中批判をした産業再生機構の問題と同じです。方法論の問題なので…詳しい解説は省きます。

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さて、今日はそんな暗いなかで、二つの問題に光明が差し始めています。最大の株式市場の懸念は更なる下落です。つよばる日経平均株価がマザーズやJQ市場のように、もう一段安する可能性があったのですが、最近の決算数字を見るとその可能性は消え、横這いか上昇の可能性が強くなっています。理由は企業業績です。上の益利回りのグラフを見てください。金利は多少上がりましたが、益利回りが改善しています。松下が果たして目標の売上高営業利益率5%を確保できるのか? 下の四季報数字を参考にしてください。一株利益が70円から95円へ、実に35%アップの改善です。このような業績を背景にし、株価の下落要因はなくなり上昇への心理が強く働きます。

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もう一つ心配だったのがソフトバンクの動向です。この会社は先行投資型ですので現状の利益水準で、株価を判断することは出来ません。一つが会社の持っている株式価値です。まぁ、これも売ることができないので、気休め程度の指標ですが…。時価総額が1兆5683億91百万円で発行済み株式総数が1億553万3478株ですので、一株辺り1486円ですね。時価が2060円ですから、遥かに下の位置です。どうしてこの会社の理論価格を説明するのか? 下落する可能性が高くあったのですが…金曜日に一つの考えを披露しました。ドコモとKDDIの合計利益の1/3と言う考え方です。一株利益が212円。我ながらいい着眼点です。この数字にはボーダーフォンの数字が組み込まれていません。

いよいよナンバー・ポータビリティー制度がスタートし、不透明感がなくなります。どんな戦略を打ち出すのか? ソフトバンクの株価は、おそらく、この効果の確認まで横這いなのでしょう。つまり大きく下がる心配が消えたのです。同じく楽天の理論価格を26日の水曜日に検討しています。この株式も、これ以上、株価を下げるのは無理がありますね。PER22倍ですからね。松下を買うより楽天に歩がありそうです。

業績面で全体の株価位置が正当化され、値下がりが続いていた新興株の理論株価が下値水準に入ったことで、大きな下げ要因がなくなったのです。それでは、何故、これほど新興株が下げたのでしょうか?

楽天の年初の高値は127千円です。一株利益が2千円の会社では荷が重いですね。PER60倍ですから…売上が2250億円の会社です。せいぜい50倍が限度かなぁ~? まぁ、常識的には30倍でしょう。一方、ソフトバンクも同じようなもの。仮に一株利益が200円としても現状の利益は通信株なので、PER20倍は限度でしょう。普通はプレミアムを考慮しても15倍でしょうが…、やはり買われすぎていたようです。新興株の多くは、このように過剰プレミアム状態で、理想買いをした事になります。

夢を買った株が下落すれば半値は当たり前。場合によれば1/3もありえます。現実の利益がない分、下落時は一気にメッキがはがれるのが株の世界です。しかし現実の利益が近づいていることも事実です。ここ1年程度、ソフトバンクは先行投資を余儀なくされますが、通常の競争を行う分には投資回収できるでしょう。総務省の指導により赤字は許されませんから、過剰な競争に突入することはなく、この秋の商戦は無難に推移するでしょう。

携帯電話コンテンツ市場の規模拡大も、総務省の調査では昨年39%の拡大ですから、この業界の可能性が高いことが窺えます。成長市場なのですね。故に時間が味方になります。過剰に買われた新興株の洗礼は済み、これから淘汰されます。業績数字に見合った株価への模索が始まるでしょう。追証なので暗かった個人の投資心理が、強気に傾き始めるのです。かたるは昨日の株式教室で「業績相場へ」との示唆を述べました。ようやく、悪夢から抜け出る切っ掛けが起こるのでしょう。

気をつけてください。この時期のカラ売りは非常に危険です。おそらく、これから上がってくる株は企業業績をバックに買う株ばかりのはずです。カラ売りを考えるのは金利が更にドンドン上がってからですね。来年後半以降でしょう。強気に対処されたほうが勝てる見込みが高いと久しぶりに考えた次第です。金利と益利回りの考え方は非常に重要です。以前、かたるはイールド・スプレッドを解説しています。あの時と同じような環境なのです。
 

投稿者 kataru : 09:29

2006年07月23日

悲惨な現状

手厳しい市場経済の洗礼を受け苦境に立たされている私も人間なので…今回は堪えています。

しかしこの選択が正しいのだろうか?
日経ビジネスに「沈むなニッポン」と奥田氏のインタビュー記事が載っています。既に社会保障コストは50%乗せが確実な情勢で…企業や個人が日本を脱出する危惧が指摘されています。その通りだから、かたるはIRNETを通じてみんなで考えて欲しい願い、これまで書いてきました。昔の読者ならお分かりな筈です。昔の題名が「株式市場 日本を考える」と日の丸があったサイトのスタートだったのです。

120万円の年収を2年連続味わい…この国の仕組みを考えました。行き着くのが非効率な資金配分の弊害と社会の仕組みです。平等の考えではなく、公正への社会転換が必要です。通勤費も住宅手当も給食費も全て所得認定し、所得税を減らし消費税を上げ、退職金の控除など、紛らわしい制度をすべて廃止し、フェアな仕組みを作らないと…。これまでは官僚社会主義が強く根付き、社会が硬直し、壁に突き当たったのが「失われた時代」だったのです。それなのに…少し改善の兆しが見えると、途端に旧体制派が勢いづくのは、反省の欠片もない。

財政再建団体に転落した夕張市は「官僚社会主義の未来の日本」です。1992年に財政再建団体に転落した福岡県の赤池町は水道料金が15%の値上げ、23%値上げになった市営住宅、住民が税負担を嫌い移転する。日本も同じでしょう。一流企業は、本社を日本以外に移転し、稼ぐ人間は海外に移住する。青色発光ダイオードの中村修二さんみたいなものでしょう。このままでは時間がないのに…。何故、ライブドア事件が起こったのか?

確かに分からないではありません。昨日の朝日新聞掲載の渋谷族を見れば、真面目に働く人が馬鹿みたいな存在になります。昨日、テニスの仲間と飲む機会があり、株をしないの?と話を向けると…だって、ずっと張り付いてないと駄目なんでしょう? との答えが返ってきました。あれ? やはり、間違った認識がマスコミの影響で伝わっている。ジェイコムで儲けたネットトレイダーのイメージが強いのですね。残念です。一部の成功者のイメージが定着するのは…信用取引が当たり前になり、多くに人が使うようになり、株価の一方通行の値動きが起こるようになりました。

松井証券の弊害部分があるのですね。ネット世代を開拓した功績も大きいのですが…松井証券は手数料の無料化に向け、信用取り引きの金利ビジネスで儲けようとしているのです。故に信用金利が、他社より高いのです。この事実を知らない投資家も多いでしょう。目先の動きが信用取引を増長させてしまった。しかし時価総額が500兆円で5兆円の規模ですから…1%が高い水準かどうか…。それより機関投資家の未熟度が問題とされます。まぁ、プロを自認している僕が、この程度の実力だから…。この業界はみんな素人なのでしょうね。本当のプロなら既にもっと良い生活をしているはずだから…未だに賃貸暮らしだから…

ライブドア事件で公認会計士が適法だと証言したとか…、どっちが正しいのか? 難しい問題なのでしょう。安易に上場廃止にした東証は、仮にライブドア事件が地検の敗訴になったら、どう言い訳をするのでしょう。せめて裁判の行方が確定するまで整理ポストで売買をすべきだったのです。システム問題を抱えた東証は…本当に公正な公器なのだろうか? 村上問題もライブドアが買うと言った情報がインサイダーなのだろうか? どうも僕には理解でないのです。

政策転換を感じ取ったアクティブなファンドは日銀の政策転換もあり資金を引き上げ、需給のバランスが崩れたのが、昨今の相場なのでしょう。多少のゆとりが社会に活力を与えるのではないのでしょうか? 地検の捜査を始めマスコミの対応を見ると、頑張ろうとする世代が萎縮しますね。残念な結果です。しかし一方、政策の揺り戻しも理解できます。一日中、パソコンの前に座ってる若者が数十億円も稼ぎ、一所懸命に汗水流し働く人間がなかなか食えない格差社会の是正を目指す動きも…

日本のGDPは一人あたり36575ドル、既に世界のトップ水準です。汗水流して働く仕事をBRICsなどの新興国に譲り、もっと生産性の高い非製造業へ向けるシステム転換が必要なのではないでしょうか? インド人の講師がインドでパソコンを使って、米住のアメリカ人の家庭教師をする時代です。既に通信は国の壁を越え、新しいグローバル社会に移行しているのです。こんな時代で旧体制の考えが、日本を豊かにするのでしょうか?

新興株を上げ、彼らに主導権を与えたほうが、日本が活力のある豊かな国に変貌するのではないですか? 新日鉄は人員を削減しソフトバンクは大量の人を受け入れた。時代は変化し製造業から日本は脱出すべきでしょう。今週号の日経ビジネスはいい主眼でしたね。広告ばかり多く、読むところがない日経新聞の体質を表している雑誌ですが…
このままでは社会保障費がドンドン上がり、頑張る人の荷物が増え、苦労して他人より頑張る人が居なくなる。日本はまもなく財政再建団体に転落するのです。その前に政策実行者の皆さん、よく考えて下さい。

まだまだ日本は入院しているのです。ICUから一般病棟へ移りましたが、30代の若者が力を付けるまで、多少の「はしゃぎ」は大目に見て、是正の方向に持って行き、彼らの力を正しい方向に持っていくのが政策でしょう。まぁ、僕の意見が正しいわけではないですが、市場を見ると悲しい現実を感じるのです。

投稿者 kataru : 09:54

2006年07月17日

偏った情報

今朝の東京は雨です。この2日間晴れていて暑かったのです。昨晩は久しぶりに気温が低く、窓を閉めて寝ました。今朝も過しやすい気温ですね。この雨もいいかな? と感じる次第です。昔はその業界の裏事情など、あまり考えませんでした。要するに単純だったのですね。しかし最近は現象の裏に何か意図があるのかを考えるようになりました。一つは裁量行政の加減ですね。何故か、同じ現象でも処分に繋がる場合と繋がらない場合があり、お上の裁量権が存在するように感じるようになりました。鈴木宗雄の事件で捕まった佐藤優と言うノンキャリアの外交官が書いた本に国策逮捕と言う表現があり、地検の担当官がそう述べたと書いてあるそうです。(残念ながら、まだ読んでない。)

日本の歴史から考えれば当然のことですが、僕等以上の年代、まぁ50歳以上かな? …は、所謂、古い世代なのですね。きっと職務に関係がなければ、パソコンなど触りもしないでしょう。携帯電話が登場し何年になるのか? かたる銘柄の背景には材料があり業績の読みがある。
今日の日経新聞にサイバードの支援記事が載っていますね。映画の方じゃないよ。コンテンツサービス市場が拡大しているという記事です。実に39%増です。株にとって一番大切なのは変化率なのです。その増益幅が40%とはすごい数字です。果たして読みどおりソフトバンクの新規参入で接続時間の無限化が実現するかどうか…更なる飛躍に直結します。

ITバブルの頃、ドコモが野村戦略により馬鹿高値を付け大きく上がりましたね。その後、高値の株式の受け皿に、野村戦略ファンドがあり、意図しているのかどうか分かりませんが、昔ながらの大衆を馬鹿にした詐欺行為に等しい行動が、野村戦略ファンドだったように感じていました。僕は単純なほうで、あまり裏事情を考えずに、報道を信じて行動するほうだったからITバブルも見事に引っ掛かっているわけで…

1月にライブドア事件が起こり6ヶ月経ちます。現在の大企業の主導権は先ほど述べた50歳以上のおじさん達に支配されているわけで、この世代交代が新時代の新しい産業(IT)中心に切り替わっているわけです。あと10年ほど経てば、多少、若者の気持ちを理解する役員が誕生し世代が交代します。歴史と言うのは面白いもので、新旧の派閥争いのようなものですね。しかし現状の国策は計画経済の官僚社会主義の人たちが実権を握っているわけで、それにより相場の中身も大きく揺れるのでしょう。ソフトバンクは朝日放送だったか…ライブドアはフジテレビ、楽天はTBSか…メディア改革が不可欠と考えるのは僕らの共通認識ですが、この重要な司令塔は、依然、旧体制派の手の中で管理されています。

総務大臣に移った竹中も苦戦しているようで、新聞を含めた評価を見ると孤軍奮闘しても、焼け石に水のような存在かな? 彼の戦略は嫌いだけれど方向性は理解しているつもりです。その意味で操り人形だったのか? 小泉はマズマズの評価なのでしょう。それが外人投資家の信頼を支えていたのでしょう。公正取引委員会の竹島さんも(年初挨拶で「市場を通じた改革を行っていくことが極めて重要な施策」と述べていますね。)新興派だろうと思いますが、新聞の再販価格制度改革では挫折しています。まぁ、よくやっているほうかな? 官製談合の摘発や民間企業のモラルを変えているから…。出来れば、もう一働きして、是非、再販価格制度の撤廃をお願いしたいものです。

毎日新聞の記者に関連する露鵬の報道を見ていると、必ず、マスメディアの共通意識が働くようです。自分達の取材は許される。露鵬の暴力は悪いですが、その前提となる報道があったようですね。(以前、露鵬を新聞で大きく「露鵬コラ!」との見出しで、愚弄した記事を書いていたようです。)言葉の暴力と言うものもありますから…肉体的にやっつけられるより、精神的にやられたほうがきついですからね。モラルの欠片もない記者が多く育っている事に、危惧を覚えるのは私だけではないでしょう。まさにマスコミこそ官僚社会主義に汚染された腐った果実なのかもしれません。

北朝鮮を非難する声明が出されましたが、日本の過去を見るような思いです。不思議なことですね。同じような四面楚歌の状況に、昔、日本は追い込まれ太平洋戦争に突き進んでいった過去があるのに、今度は北朝鮮を追い込んでいる。横田さんなど拉致被害者の方々には申し訳ないが、あまり騒ぐべきではないですね。それを「かわいそう」と言う感情でマスコミが取り上げるから、世間が軍国主義のような一方的な世論に傾くのです。貧しい生活も豊かな精神状態かもしれない。脱北者の報道ばかりするから、真実が歪められるのかもしれない。真相は分かりません。一方的な報道が歪んだ情報を共有するのです。

株屋の僕はだんだん、嫌な性格になってきたようです。言葉通りに相手の気持ちを捉えられない経験が影響しているのでしょう。ゆえに、裏切らない豊かな自然を感じると、何故か、ホッとするのです。世の中には、自分の思い通りに運ばないことは沢山あります。失敗するから人生は楽しいと、その失敗を楽しむゆとりが欲しいとも思いますが、失敗した当事者には、そんなゆとり等ありませんね。熱くなるほど真剣に行動しているのでしょう。3日間の出場停止が明ける露鵬の奮起が見ものです。

投稿者 kataru : 09:28

2006年07月16日

心のゆとり

多くの人は三連休を楽しんでいるのでしょう。海外旅行に行く人、山や海に出かける人、中には映画を見る人など…人それぞれ時間の使い方は違います。公平に与えられた時間をどう使い、何を感じるか? 自分の生き方により人生はそれぞれ変わります。私は自分が願えば、いつか必ず成し遂げられると思っています。不可能はない。

しかし当然、自分の夢が高いほど、挫折は当たり前。いつも反省と改善をしているつもりなのですが、感情のコントロールは難しいのです。自分の感情をコントロールできなくて、後に嫌な思いをすることも度々あります。昨日の相撲で千代大海と露鵬との土俵下でのやり取りは、人間らしいな。と感じました。経緯は、土俵上で露鵬が千代大海を張り手から入ったことに、腹を立てた千代大海が「なんだコラ!お前」と決着が付いた土俵下で露鵬に言った事に対し、露鵬が応じたこと。まるで喧嘩です。

その後、千代大海が風呂に入っていると、露鵬がその風呂のガラスを割ったらしい。その現場の取材か、その後か分からないが、露鵬は記者に対し暴力を振るったという。まぁ、たいした怪我ではないらしいが…相手は相撲取りだからね。マスコミらしく、早速、相撲協会に抗議をするとか…この程度のことで毎日新聞も大人気ない。(マスコミの取材は普段から行き過ぎるからね。この報道姿勢は分からないが…)当然、これらの行為に対し、厳重注意を受けたが…。本来なら、露鵬を非難しなければならないが、昭和55年生まれの若者らしい。僕はこの話しを聞いて朝青龍を思い出し、彼を好きになりそうだ。人間誰しも失敗はあるし、その失敗を回りがどう捉えるか?

その事と話は違うが、北朝鮮のことを思うと妥協案の国連決議か、声明か? 分からないが…制裁条鋼より弱いものになるらしい。日本のマスコミは過剰反応し、一方通行の報道をするから、この対応にホッとしている。まぁ、株屋としてそうなのかもしれないが…。最近の社会の風潮を見ると、ゆとりを感じないと思うのは、僕だけかな? 昔は少々の馬鹿をやっても「オオメ」に見てくれた社会の風潮があった。最近の警官はピストルを発射するし…、何やら、みんなが切れやすくなっているように感じるね。

犯罪はいけないが、ライブドア事件にしてもUFJ問題にしても、地検も金融庁も売り言葉に買い言葉の印象を抱くのは僕だけの感情かな? 

豊かな自然が回りにある日本人は恵まれていると思うが、責任ある当事者にその自然を楽しむゆとりが無ければ、本来の人間らしい感情は生まれないだろう。感情を揺さぶられる映画を見たりすれば、もう少し豊かな心が生まれないのかな? 最近は挫折に陥っているせいか、自然がやけに恋しい。既に敗北者に成り下がったのかな? とも危惧するが…まぁ、大丈夫だろう。

再び下落する市場を見ていて、心配で、心配でどうしょうもない人も居る事でしょう。しかし人生と言うのはそう悲観をすることもないし、あまり良くもならないもの。上手い具合に調整されている。なるようにしかならない事の先を考え、過度に心配しても仕方がないこと。株は面白いもので売り手と買い手の心理状態だからね。内容を無視し始めた、行き過ぎ状態に突入した銘柄も散見され、何時かは、この行き過ぎは訂正されるから…世の中は上手くできていると楽観し、のんびりと時の行くままに休みを過しています。

さて今日はこれから、かみさんに頼まれているベランダ掃除でも、朝のうちに済まそうかな?

投稿者 kataru : 08:19

2006年07月02日

幻想の自由

今日は日曜日か…サラリーマンの頃は土曜日や日曜日など休みが楽しみだった時期もあったかな? 僕が現役の新人時代は休みが嫌いだった。相場がないから…休みの日に株式の新聞を取りに会社まで行き、それを読んで月曜日の相場展開を予想する。そんなことが楽しくして、楽しくて…やがて、投資信託の販売目標が増えるのに従い、自分だけの数字なら兎も角、他人の分まで売らせられるようになり、嫌になってきたのかな? 相場だけを考える時間から、ノルマを達成する為にはどうしたら? それも自分の分ではなく、他人の分なのだ。

やがて部下を持たされ、部の数字目標の為に出来ない社員を減らす努力が大変で…中には辞表を書かせたこともある。「お前がいる限り、お前の目標数字は減らない。何度かいかないのは我慢するが、毎回、割り当てられた目標数字が行かないと、お前の目標を他人がする事になる。毎回、同僚に自分の目標数字をやってもらうのは、おまえ自身、苦痛だろう。故に、辞めてよ。」非常識だけれど、これが民間のノルマ社会。それほど数字に拘った意識から現代社会の人間を見ると、真剣に仕事をしているのか? …って疑いたくなるような事例が沢山ある。

橋本竜太郎が死んだが、あんなアホの為に僕らは何年も冷や飯を食い、振り回された。死んだ奴を悪く言いたくはないが、日本の仕組みには本当に腹立たしいか限り、官僚派閥は、自分達は許されるが、お前らがやると犯罪だ。認めないと…国家権力を乱用する。自分の力で稼いでみれば良く分かるだろう。世の中の仕組みは不合理に満ちていると…一般会計以外の特別会計はいい加減な使われ方をしており、多くは偽善に満ちた予算執行なのだ。公務員の給料が安いから不正が働く。事務次官になるなら、10億でも20億でも給料を増やせば良い。その代わり成果主義にして、財政赤字を真剣に減らす努力をさせればいいのだ。

国民は真実を知らされてない。故に分からないから報道が正しいと思うし、宣伝されている事実を信じるんだね。そう言えば、今、上映されている映画「不撓不屈」(ふとうふくつ)の中で娘が「お父さんは本当に悪いことをしてないんだよね。」という会話があり、疑問を呈すると長男が「何を馬鹿なことを…」と、妹を怒る場面があったが…それほど報道の事実は歪められていると思って良い。僕ら金融行政の真っ只中で働いていると、不合理な行動を取らされている事実に気付くが、何にも出来ないのだから…。UFJ事件の早川常務にしても同じ思いだったのだろう。

当事者同士が納得している取引より、社会のルールが優先する。一体、僕らは社会のルールを守るために、生きているロボットなのかな? 誰も通らない赤信号を、じっと青になるまで待つ。万が一、信号機が壊れていても、ルールはルール。このような社会に飼われているのが、日本国民なのだろう。僕らは豚と同レベルの国民らしい。限られた地域に放されて…僅かばかりの自由?与えられた範囲で許される行動か… 官僚社会主義が正しいのだろうか? ミドリ十字の薬害訴訟をもっと考えてみれば良い。帝京大学の安部教授は官僚お抱えの学者先生。世の中で一般的に識者と呼ばれる人間だ。官僚と学者は仲間同士だから結託し、この有識者の集まりが、審議会を通じて世の中の流れを決めていく。

何故、日本にウォーレン・バフェットやジョージ・ソロスが育たないのだろう。160万円を元手に140億円にした若者は素晴らしい能力だね。この実績が素晴らしいのだ。どんな奴か知らないが、与えられた条件下で達成した成績は素晴らしい。僕は顧客の資金を10倍から20倍程度にしか出来なかったのに…桁違いの数字だ。賞賛に値するね。彼がこれからどうなるか分からないが、バフェットやソロスのような見識を備え、大きく羽ばたいて欲しい。マスコミ関係者も、あまり興味本位で彼を見ないでほしいな。

大きな報道がたくさんされている。日本航空の公募増資を何処の証券会社が受けるのだろうか? あんなものを受けるような市場なら…悲しいね。先ずは増資の前に、内部紛争の責任を明確にし、社内整備を実践しないといけない。やはりTOBされ、経営者を変えて従業員の意識改革が重要なのだろう。一方、日産自動車・ルノーとGMの資本提携が報道されている。グローバル社会への速度はドンドン増しているように感じる。官僚社会主義と言う日本独自の仕組みのなかで、日本企業が本当に国際競争に勝てるのだろうか?

日本の共産主義、この仕組みで食っている、およそ4割の人員に、「市場主義とはどんなものなのか?」…を、身をもって実践させねば、明日の日本は築けない。橋本政権下で「ビックバン」の名の下で、僕ら証券界は、一時、4割の人員カットを実践した。だから持ち合い構造が壊れたんだね。官僚社会主義の仕組みを、維持できなくなった。これが市場主義に移行した日本の体制なのだろう。官僚のほかに下部組織、財務省なら関東財務局とか…その下の組織、また下の組織。そうして民間企業など…多くの人間が、その予算によって支えられているが…非効率な国家予算にメスを入れるには、その部分の構造改革が必要とされるのだろう。

今、思う日本の最大の恥部はマスコミなのだろう。いい加減な報道姿勢。既にマスコミに正義があるかどうかも疑わしい。一方的な報道に国民を誘導し、難しい問題なのに真実を問わない。ライブドア事件も村上問題もある意味で一方的な報道の仕方だと思うね。これだけに拘らず、福井氏の問題や宮内氏に問題まで発展しているのだから、内部紛争の権力争いは凄まじいものが想像される。彼らはいつまでも甘い蜜の特別会計を温存し、権力を握っていたいのだろう。

自分達は認められ、一般庶民は認められない。この大きな壁はいつになったら消えるのかな?それとも永遠に日本は、偽善に満ちた自由主義の虜なのかな? 

投稿者 kataru : 09:37