幻想の自由(2006年07月02日)
今日は日曜日か…サラリーマンの頃は土曜日や日曜日など休みが楽しみだった時期もあったかな? 僕が現役の新人時代は休みが嫌いだった。相場がないから…休みの日に株式の新聞を取りに会社まで行き、それを読んで月曜日の相場展開を予想する。そんなことが楽しくして、楽しくて…やがて、投資信託の販売目標が増えるのに従い、自分だけの数字なら兎も角、他人の分まで売らせられるようになり、嫌になってきたのかな? 相場だけを考える時間から、ノルマを達成する為にはどうしたら? それも自分の分ではなく、他人の分なのだ。
やがて部下を持たされ、部の数字目標の為に出来ない社員を減らす努力が大変で…中には辞表を書かせたこともある。「お前がいる限り、お前の目標数字は減らない。何度かいかないのは我慢するが、毎回、割り当てられた目標数字が行かないと、お前の目標を他人がする事になる。毎回、同僚に自分の目標数字をやってもらうのは、おまえ自身、苦痛だろう。故に、辞めてよ。」非常識だけれど、これが民間のノルマ社会。それほど数字に拘った意識から現代社会の人間を見ると、真剣に仕事をしているのか? …って疑いたくなるような事例が沢山ある。
橋本竜太郎が死んだが、あんなアホの為に僕らは何年も冷や飯を食い、振り回された。死んだ奴を悪く言いたくはないが、日本の仕組みには本当に腹立たしいか限り、官僚派閥は、自分達は許されるが、お前らがやると犯罪だ。認めないと…国家権力を乱用する。自分の力で稼いでみれば良く分かるだろう。世の中の仕組みは不合理に満ちていると…一般会計以外の特別会計はいい加減な使われ方をしており、多くは偽善に満ちた予算執行なのだ。公務員の給料が安いから不正が働く。事務次官になるなら、10億でも20億でも給料を増やせば良い。その代わり成果主義にして、財政赤字を真剣に減らす努力をさせればいいのだ。
国民は真実を知らされてない。故に分からないから報道が正しいと思うし、宣伝されている事実を信じるんだね。そう言えば、今、上映されている映画「不撓不屈」(ふとうふくつ)の中で娘が「お父さんは本当に悪いことをしてないんだよね。」という会話があり、疑問を呈すると長男が「何を馬鹿なことを…」と、妹を怒る場面があったが…それほど報道の事実は歪められていると思って良い。僕ら金融行政の真っ只中で働いていると、不合理な行動を取らされている事実に気付くが、何にも出来ないのだから…。UFJ事件の早川常務にしても同じ思いだったのだろう。
当事者同士が納得している取引より、社会のルールが優先する。一体、僕らは社会のルールを守るために、生きているロボットなのかな? 誰も通らない赤信号を、じっと青になるまで待つ。万が一、信号機が壊れていても、ルールはルール。このような社会に飼われているのが、日本国民なのだろう。僕らは豚と同レベルの国民らしい。限られた地域に放されて…僅かばかりの自由?与えられた範囲で許される行動か… 官僚社会主義が正しいのだろうか? ミドリ十字の薬害訴訟をもっと考えてみれば良い。帝京大学の安部教授は官僚お抱えの学者先生。世の中で一般的に識者と呼ばれる人間だ。官僚と学者は仲間同士だから結託し、この有識者の集まりが、審議会を通じて世の中の流れを決めていく。
何故、日本にウォーレン・バフェットやジョージ・ソロスが育たないのだろう。160万円を元手に140億円にした若者は素晴らしい能力だね。この実績が素晴らしいのだ。どんな奴か知らないが、与えられた条件下で達成した成績は素晴らしい。僕は顧客の資金を10倍から20倍程度にしか出来なかったのに…桁違いの数字だ。賞賛に値するね。彼がこれからどうなるか分からないが、バフェットやソロスのような見識を備え、大きく羽ばたいて欲しい。マスコミ関係者も、あまり興味本位で彼を見ないでほしいな。
大きな報道がたくさんされている。日本航空の公募増資を何処の証券会社が受けるのだろうか? あんなものを受けるような市場なら…悲しいね。先ずは増資の前に、内部紛争の責任を明確にし、社内整備を実践しないといけない。やはりTOBされ、経営者を変えて従業員の意識改革が重要なのだろう。一方、日産自動車・ルノーとGMの資本提携が報道されている。グローバル社会への速度はドンドン増しているように感じる。官僚社会主義と言う日本独自の仕組みのなかで、日本企業が本当に国際競争に勝てるのだろうか?
日本の共産主義、この仕組みで食っている、およそ4割の人員に、「市場主義とはどんなものなのか?」…を、身をもって実践させねば、明日の日本は築けない。橋本政権下で「ビックバン」の名の下で、僕ら証券界は、一時、4割の人員カットを実践した。だから持ち合い構造が壊れたんだね。官僚社会主義の仕組みを、維持できなくなった。これが市場主義に移行した日本の体制なのだろう。官僚のほかに下部組織、財務省なら関東財務局とか…その下の組織、また下の組織。そうして民間企業など…多くの人間が、その予算によって支えられているが…非効率な国家予算にメスを入れるには、その部分の構造改革が必要とされるのだろう。
今、思う日本の最大の恥部はマスコミなのだろう。いい加減な報道姿勢。既にマスコミに正義があるかどうかも疑わしい。一方的な報道に国民を誘導し、難しい問題なのに真実を問わない。ライブドア事件も村上問題もある意味で一方的な報道の仕方だと思うね。これだけに拘らず、福井氏の問題や宮内氏に問題まで発展しているのだから、内部紛争の権力争いは凄まじいものが想像される。彼らはいつまでも甘い蜜の特別会計を温存し、権力を握っていたいのだろう。
自分達は認められ、一般庶民は認められない。この大きな壁はいつになったら消えるのかな?それとも永遠に日本は、偽善に満ちた自由主義の虜なのかな?