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悲惨な現状(2006年07月23日)
手厳しい市場経済の洗礼を受け苦境に立たされている私も人間なので…今回は堪えています。
しかしこの選択が正しいのだろうか?
日経ビジネスに「沈むなニッポン」と奥田氏のインタビュー記事が載っています。既に社会保障コストは50%乗せが確実な情勢で…企業や個人が日本を脱出する危惧が指摘されています。その通りだから、かたるはIRNETを通じてみんなで考えて欲しい願い、これまで書いてきました。昔の読者ならお分かりな筈です。昔の題名が「株式市場 日本を考える」と日の丸があったサイトのスタートだったのです。
120万円の年収を2年連続味わい…この国の仕組みを考えました。行き着くのが非効率な資金配分の弊害と社会の仕組みです。平等の考えではなく、公正への社会転換が必要です。通勤費も住宅手当も給食費も全て所得認定し、所得税を減らし消費税を上げ、退職金の控除など、紛らわしい制度をすべて廃止し、フェアな仕組みを作らないと…。これまでは官僚社会主義が強く根付き、社会が硬直し、壁に突き当たったのが「失われた時代」だったのです。それなのに…少し改善の兆しが見えると、途端に旧体制派が勢いづくのは、反省の欠片もない。
財政再建団体に転落した夕張市は「官僚社会主義の未来の日本」です。1992年に財政再建団体に転落した福岡県の赤池町は水道料金が15%の値上げ、23%値上げになった市営住宅、住民が税負担を嫌い移転する。日本も同じでしょう。一流企業は、本社を日本以外に移転し、稼ぐ人間は海外に移住する。青色発光ダイオードの中村修二さんみたいなものでしょう。このままでは時間がないのに…。何故、ライブドア事件が起こったのか?
確かに分からないではありません。昨日の朝日新聞掲載の渋谷族を見れば、真面目に働く人が馬鹿みたいな存在になります。昨日、テニスの仲間と飲む機会があり、株をしないの?と話を向けると…だって、ずっと張り付いてないと駄目なんでしょう? との答えが返ってきました。あれ? やはり、間違った認識がマスコミの影響で伝わっている。ジェイコムで儲けたネットトレイダーのイメージが強いのですね。残念です。一部の成功者のイメージが定着するのは…信用取引が当たり前になり、多くに人が使うようになり、株価の一方通行の値動きが起こるようになりました。
松井証券の弊害部分があるのですね。ネット世代を開拓した功績も大きいのですが…松井証券は手数料の無料化に向け、信用取り引きの金利ビジネスで儲けようとしているのです。故に信用金利が、他社より高いのです。この事実を知らない投資家も多いでしょう。目先の動きが信用取引を増長させてしまった。しかし時価総額が500兆円で5兆円の規模ですから…1%が高い水準かどうか…。それより機関投資家の未熟度が問題とされます。まぁ、プロを自認している僕が、この程度の実力だから…。この業界はみんな素人なのでしょうね。本当のプロなら既にもっと良い生活をしているはずだから…未だに賃貸暮らしだから…
ライブドア事件で公認会計士が適法だと証言したとか…、どっちが正しいのか? 難しい問題なのでしょう。安易に上場廃止にした東証は、仮にライブドア事件が地検の敗訴になったら、どう言い訳をするのでしょう。せめて裁判の行方が確定するまで整理ポストで売買をすべきだったのです。システム問題を抱えた東証は…本当に公正な公器なのだろうか? 村上問題もライブドアが買うと言った情報がインサイダーなのだろうか? どうも僕には理解でないのです。
政策転換を感じ取ったアクティブなファンドは日銀の政策転換もあり資金を引き上げ、需給のバランスが崩れたのが、昨今の相場なのでしょう。多少のゆとりが社会に活力を与えるのではないのでしょうか? 地検の捜査を始めマスコミの対応を見ると、頑張ろうとする世代が萎縮しますね。残念な結果です。しかし一方、政策の揺り戻しも理解できます。一日中、パソコンの前に座ってる若者が数十億円も稼ぎ、一所懸命に汗水流し働く人間がなかなか食えない格差社会の是正を目指す動きも…
日本のGDPは一人あたり36575ドル、既に世界のトップ水準です。汗水流して働く仕事をBRICsなどの新興国に譲り、もっと生産性の高い非製造業へ向けるシステム転換が必要なのではないでしょうか? インド人の講師がインドでパソコンを使って、米住のアメリカ人の家庭教師をする時代です。既に通信は国の壁を越え、新しいグローバル社会に移行しているのです。こんな時代で旧体制の考えが、日本を豊かにするのでしょうか?
新興株を上げ、彼らに主導権を与えたほうが、日本が活力のある豊かな国に変貌するのではないですか? 新日鉄は人員を削減しソフトバンクは大量の人を受け入れた。時代は変化し製造業から日本は脱出すべきでしょう。今週号の日経ビジネスはいい主眼でしたね。広告ばかり多く、読むところがない日経新聞の体質を表している雑誌ですが…
このままでは社会保障費がドンドン上がり、頑張る人の荷物が増え、苦労して他人より頑張る人が居なくなる。日本はまもなく財政再建団体に転落するのです。その前に政策実行者の皆さん、よく考えて下さい。
まだまだ日本は入院しているのです。ICUから一般病棟へ移りましたが、30代の若者が力を付けるまで、多少の「はしゃぎ」は大目に見て、是正の方向に持って行き、彼らの力を正しい方向に持っていくのが政策でしょう。まぁ、僕の意見が正しいわけではないですが、市場を見ると悲しい現実を感じるのです。