未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年10月17日)

かたる:僕は昔からソフトバンクの応援者なのです。だから今回のハードルも難なく乗り越え、スプリントを上手く手懐けて欲しいと願っています。ただ同業者のドコモやKDDIにとっては千歳一隅のチャンスですね。基本的にソフトバンクを傘下に収めるなら、価格競争に持ち込めば可能性は増しますね。日本の携帯料金は国際比較から見て割高です。理由は通話に力点がなく、ネットの利用で情報量が増えているためですね。しかし割高なのは事実です。LTEの投資はこれからですが…、高速通信への備えは一段落します。問題は基地局の整備なのですね。その通信網が完成されているわけで、あとは基本的にバージョンアップに過ぎません。ソフトバンクは他社に比べ資金難で設備投資を怠っていたために、イー・アクセスを買収する手段に出たのです。

しかしドコモやKDDIは、ソフトバンクのような設備投資などの資金の必要性はなく、しかも今回の買収が決まれば、ソフトバンクは再び身動きが取れなくなります。だから価格競争を仕掛けるチャンスです。仮に料金を2割程度引き下げれば、ソフトバンクの利益は減り返済計画が崩れることになります。ソフトバンクには、当然、経営危機が訪れます。僕がKDDIの社長なら、ソフトバンクからの乗り換えの優遇処置を講じ、価格競争を仕掛けます。幸いKDDIはソフト戦略に力点を置いており、更にこの戦略を押し進め異業種と組み、ソフト面を充実させますね。具体的には落ちぶれているソニーのゲームと映画のソフトを組み入れます。更に東宝や東映、日活などの映画会社からNHKや民放と幅広くソフト提供の仕組みを構築しますね。スマフォは器に過ぎませんから、ソフトを充実させたものが勝利を治めます。ソフトバンクは自然と落ちぶれ、スプリントを再び売却し、自らも統合を模索するようになります。

ドコモの社長ならアジア戦略かな? 何故ならソフトバンクを苛めても統合のチャンスはありません。どう考えても公正取引員会の許可が下りませんね。KDDIなら可能性はありますがドコモは価格競争を仕掛けても妙味がないのです。故に僕が当初考えていたアジアの通信網の整備に動いた方が得策でしょう。市場原理主義とは、こうやって競争をしながら切磋琢磨して成長を続けるのです。相手の戦略を見ながら自己改善を図らないと成長はありませんね。市場原理主義は、ある意味で公平です。KDDIがこの機会を逃せば、ソフトバンクに時間を与えれば、間違いなくKDDIはソフトバンクの傘下になりますね。日本ではドコモとソフトバンクの2社だけになります。そうして世界競争ですね。利用者はKDDIが動いた方がソフト面も充実して、さらに利用料金の引き下げに繋がりますね。時代が進化します。KDDIにとって買収が決まって2年間が勝負でしょう。ドコモはアジアの通信インフラ網を確立させるチャンスですね。本当はインドなどの巨大需要ですが…インドネシアやベトナム、ミャンマーなど東西回廊のアジア地域を中心に投資するべきでしょう。

市場原理主義は、ある意味で公正なのです。会社が公開されることにより、常に精査されています。イカサマが出来ませんね。ところが日本村社会は株式の持ち合いなどで、人的な関係を持ち込み公正な競争を歪めています。市場原理の社会ではカルテルのような共存意識はないのですね。常に公正なルールの中で競争をするのです。だから理想と言われた社会主義や共産主義を凌駕し、ベルリンの壁崩壊に繋がったのですね。しかしこの市場原理が行き過ぎると…もう一つの問題の2極化が進み、常に勝者が決まるのです。市場原理の世界ではソフトバンクの孫さんに、KDDIの田中さんも、ドコモの加藤さんも勝てないのですね。そりゃ、人間の生い立ちが違い、経験も違います。最後の勝負はやはり人間性でしょう。だから市場原理が進むと…金融デリバティブが進化し、金融の力を独占すると富が偏り、一部の勝者と大多数の弱者の世界になります。

ここでハンディキャップを設けることになりますね。累進課税などの考え方は、こういうところからきているのでしょう。今は市場原理が行き過ぎた為に、その修正をしている最中ですね。故に金融規制が設けられ、足かせが嵌められているのです。でも社会構成は市場原理のこれまでのスピードに慣れていたために、急に方向転換が出来ませんね。それがスペインの不良債権であり失業問題にも繫がっています。日本は1989年にその絶頂期を迎え調整を続けています。もう十分に慣れていますから政策転換を諮っても良いと思いますが…なかなかその気運が起こりませんね。米国は基本的に2006年、いや2008年でしょう。今日の日経新聞の株取引7年ぶりの低水準とありますね。日本は二つの意味で叩かれていますね。だから長い時間を要しています。ベルリンの壁崩壊は米国の庇護がなくなったことを意味します。わが国の未来は「プラザ合意」の時に決まっていたのですね。そうして4年後に、現実となって表面化しました。1985年から4年かけて仕掛けが創られ見事に嵌ったのですね。鎖国制度の価格維持システムが崩れたのですね。あの時からユニクロの躍進は決まっていたのです。ユニクロが1号店を出したのは、1984年の話ですね。1994年に広島へ上場し、1997年に東京に上場しました。考えてみるとユニクロは時代に恵まれた会社ですね。2006年~2008年は金融危機ですからね。ただ既に峠は越している感があります。先日、紹介したロンドンの「PRIMARK」の新鮮さはユニクロにはありません。

勿論、柳井さんはこのような時代背景をどの程度分かっているのか疑問ですが、兎に角、時代が味方したツキのある人です。孫さんと一緒ですね。楽天の三木谷さんも嫌いだけれど、時間が見方をしています。時の流れと言うのは不思議なものです。話を戻しましょう。日本の鎖国制度が村社会の崩壊により崩れ、空洞化が生まれていますが、既に貿易赤字になっており、間もなく時間をかければかけるほど、経常収支の黒字も縮まります。この黒字額がなくなると、急激な円高が進展しますから…孫さんの決断は素晴らしいタイミングなのですね。しかも金融危機の時期で、欧米の金融機関は資産を増やす事が出来ないのです。しかし邦銀は既にユトリが生まれているのです。ようやく邦銀がリスクを取る融資を始める時期が来ました。ソフトバンクの買収はここに非常に大きな意義があるのですね。

皆さんはソフトバンクの買収に興味があるでしょうが…カタルは違います。ようやく日本の銀行が変わる時期が来たと考えています。アコムが上がる理由もそのような背景がありますね。三井住友がプロミスを組み込み変化し始めています。問題は先日の金融規制がどのような流れになるか?おそらくアコムは三菱内に吸収されるのかな?三菱はフェアな会社ですから、決して安い価格で買収はしませんね。内面的に内部抗争が熾烈な三菱ですが、対外的に非常に紳士的な会社です。僕の友達も年収の1年分も補償して移籍を促しましたね。これまでの事例も全てフェアです。他の会社は違うのに…。信用力を重んじるグループですね。千代化の事例も三菱自動車の事例もすべてそうですよ。日本はやはり三菱なのですね。

さて今日の焦点はここにあります。邦銀がリスクを取る融資を始めたという事は…ようやく金融経済が回復する黎明期に突入したのでしょう。長かったですね。実に24年になります。

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投稿者 kataru : 2012年10月17日 12:03