未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年10月15日)

かたる:下のグラフは米国大手金融機関6社の金融危機後の平均株価の推移を示しています。私は何度も金融と実体経済がかみ合わないと本当の成長過程には入れないと述べています。ソフトバンクへの巨額融資は実現するのでしょが…この背景は日本の金融機関が完全に立ち上がってきたことを意味していますね。通常、買収資金の融資をするような危険な賭けを金融機関は冒しません。この手の融資はハイリスクの部類に入りますからね。それでも実行される背景があるから買収交渉が進んでいるのでしょう。日本経済も金融の力を借り徐々に実体経済も強くなる過程なのでしょう。ただ金融当局の姿勢はずいぶん遅れていますからね。政策当局の指導部の考え方が古く、なかなか日本経済が新しいステップを踏み出せないでいるのも現実です。

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ソフトバンクの買収は電波を使う話なので規制業種ですからね。買収が許されるかどうかも非常に微妙な問題ですね。いくら日米間系が改善しているとは言え、米国にとってみれば面白くない話でしょう。グローバル化の進展度合いと言うか…米国の姿勢も分かりますね。ソフトバンクが成功するとか…そういう次元の話ではなく、日米関係とグローバル化を占う意味で非常に興味深い話なのですね。IMF総会で新興国の発言権を拡大させる話がありましたが、米国議会の了解が取れてないという事で先送りされていますからね。基本的に今の枠組みは米国主体に変わりがないのですね。イランやシリア、欧州危機も米国金融の力が微妙に影響しての進展なのでしょう。このような背景があるからアコムの株価は正常な株価へのステップを歩んでいるとも考えられます。

ただ一方でグローバル化から離れた弱小の会社の株価はドンドン下落しています。通常はあり得ない価格まで売られていますね。最近はこの事が気になってしょうがありません。この背景は年金資金の撤退があるのかもしれませんね。AIJに絡み他の年金運用でも不正運用があるようで…不安感が渦巻いている様子なのです。先ほど、政策規制当局の姿勢を問題視しましたが、能力が欠如している様相なのかもしれません。例えばカタルが以前、関心を持ったケミコンやAOCなどは、どうやって株価を説明するのでしょう。損失に歯止めが見えないソニーの株価は財務的に観て安いと感じる水準ですが、他の株価推移をみると、決算を機に再び売られるとも考えられます。政策が影を生み出す株価かな?川柳の世界のようですね。

ソフトバンクの株価の下落度合いも、市場のエネルギーと言う点で気になりますね。買収はプラスにも感じられるのに、ここまで売られるとは…目先筋の動きしかないようで市場の懐の浅さがやはり気になります。だって考えてみれば分かりますね。僅かな期間を我慢するだけで、世界に羽ばたく通信会社に育つのですね。デファクト・スタンダードが確立されれば…スマフォ経由のアプリの恩恵を受けられるのは、大元の通信会社です。アップルだって太刀打ちできませんよ。ソフトバンクがアップルを傘下に収める可能性だって見えてくるのですから…。きっとヘッジファンドは、この点を焦点に動く可能性も出てきますね。株価が安くなればですが…。ソフトバンクの営業CFは7400億円ですから2年で買収資金を返済でき、スプリントの借金も同様に2年程度でしょうから、合計で4年ですね。更にこの下落は演出との見方も成り立ちます。この安値で密かにソフトバンクの株式を買い、ソフトバンク株をスプリント株主に割り当てることもあり得ますからね。いくらでも焦点は戦略によって変わりますよ。安易な空売りは慎むべきですね。

今の市場は米国の大統領選に絡む動きが焦点で、最初の関門が「財政の崖」に対する対応でしょう。財政赤字は僅かながら減り出しています。ただ必要ないとも思われたQE3の金融政策を発動したわけで確実にインフレの火種が増しているのです。金融危機が表面化した2008年9月から4年が経過し、更に拡大させる金融政策か…そろそろ米国経済も新たな展開を迎えることになります。まだ時間はかかるものの、確実に下値を切り上げる金融機関の株価推移をみれば、その兆候は読み取れるでしょう。やはり日本が先行できないものなのでしょうかね? 市場原理の世界において本家の完全復活がないと日本株はスタートを切れないのでしょうかね? 日本の方がずっと健全なのですからね。その意味で今回のソフトバンクの買収話は、いろんな点で試金石と言う見方も成り立ちます。一つの現象によりいろんな点が見えてくるのですね。みんな繋がって動いているのです。

人間の感情とは…些細な切っ掛けで大胆な行動が生まれるものですからね。底流に流れる僅かな流れの変化を読むことは非常に大切なのですね。学校の先生も同じことが言えます。生徒の行動の影に隠されたメッセージを読み取ることができるか?その事が、いじめの発見にも役立ち、早い対応が深い歪を正すのですね。傷は浅いうちに直した方が良いのでしょうね。2005年8月、武部さんがホリエンモンを担ぎ出した時点で、今の日本村社会復権の火種が生まれたのですね。社会正義のボタンが押された瞬間なのでしょう。市場原理主義が日本に定着しない瞬間ですね。小泉氏が解散総選挙を決め市場原理派の躍進を決めたのに…巻き返しが起こったのです。ベルリンの壁の崩壊の時に平和の恩恵をうけると勘違いした構造に似ていますね。

目に見えない影の流れ…この読みが非常に重要なことが分かりますね。ただ僕にはその読みが出来ないし、仮に感じたとしても行動を転換するのは容易なことではないですね。激動の時代とは…前言を翻しても、何をしてもありなのでしょうね。ただ時代の対応力を増すことに、のみ力を注ぐべきなのでしょう。2年や3年は肥しの期間に過ぎないのでしょう。構想が練り直され洗練されていきます。慌てる事はないけれど…貧乏人や心の狭い人間にとって、この時間の壁は高いものです。アイガーの北壁か…?
人によっては登れないのに…僅か2時間47分で登り切るとは…すごいものですね。更に昨年、この記録を20分余り縮める記録が生まれたとは驚きですが…、何と言ってもこちらの映像はすごいですね。色んなスピードが世の中にはあるものです。

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投稿者 kataru : 2012年10月15日 13:03