今日の市況(2012年08月02日)
かたる:昨日も触れましたが、FRBの緩和策が先送りされている割に強い株式市場の展開です。ECBのドラギ総裁のリップサービスが効いているなんて…奇妙な感じです。チャートを見る限りここ数日は落ち着いていますが、未だに金利は上昇傾向にあるようにみえます。通常、市場はこのような発言があると真意を確かめに行きますね。そこで本当にECBなどが買い支えに入るなら、発言が本物だと市場から認識される訳です。どの時点でドラギ総裁の発言を確かめに行くのか? 分かりません。もういい加減にうんざりする欧州問題を棚上げして過剰流動性相場に向かうのかどうか? もう一つインパクトを期待しているのがカタルの本音です。
しかし昨日触れたようにエレクトロンもTDKも下値を固め上昇に転じたようで、私が独自につけているRSIの指標も改善し始めています。短期の上昇なのか…ある程度、続くのか?みずほが久しぶりに132円を抜き134円まで来ています。LIBOR問題が指摘され出遅れていた三菱UFJも上昇に転じたのかどうか…。野田内閣は更にTPPへの参加推進の舵を切るのかどうか…党内には反対意見が多くありガタガタになっている民主党の分裂へ向かうのか…様々な障壁がありますね。個人投資家の星とも言えるソフトバンクは壁に阻まれると考えるのが普通でしょう。仕手株として一本立ちできるほど市場参加者が増えているとは思えませんが…どうでしょう。

ここにきて再生医療の分野にも話題が向かっています。そうせいなどは、今日の日経報道に連想されたのか、2倍にも急騰していますね。更に先日、認可が発表されたJ・TECと役者が揃ってきましたね。国家戦略会議のテーマ、環境、医療・介護、農林業などの分野への路線に乗っている銘柄群ですね。このテーマは民主党が転覆しても政策官僚のシナリオと思われますから自民党政権になっても継続されるのでしょう。100兆円計画は夢のある話であり内需振興にも繋がり注意が怠れないテーマです。
何よりうれしいのが、予てから主張している金融政策の変更を告げる記事が日経新聞のトップを飾っていましたね。出資基準を変えると言うものです。私が長年述べている金融政策の変更にあたります。何故、この記事が重要かと言えば世界の金融機関は資産圧縮ばかりなのに…邦銀だけが資産拡大できると金融庁自らが認めた記事だからですね。分かりますか?自己資本比率規制は完了したサインとも受け取れますね。だからみずほが壁である132円を抜いてきたのでしょう。おそらくLIBOR問題を抱える三菱UFJも上昇に転じたと判断できる関連記事でもあります。
おそらく多くの読者は、同じ日経新聞を読んでも受け取り方が大きく違うでしょう。つまらない記事と流す人も居るでしょうが…カタルにとってとても新鮮な記事でしたね。その理由は資産の拡大だからです。これまでは自己資本比率規制を確保するために資産圧縮してきたのですね。それが反転する基点になる記事の可能性があるのです。プロは様々なレポートや記事から色んな連想をします。その記事が事実が生まれた背景を考えるわけですね。金融庁は長年、不良債権処理を進め過剰に自己資本比率規制問題に取り組んできました。わが国の金融機関の経営の仕方が総資産経営だったためですね。しかし近年効率化意識は芽生え、欧米の債権買取も厳選されているようです。つまり利益率が上がると言う事ですね。そのような環境下で出資比率を拡大させリスクを取ると言う記事は新鮮に映りますね。よって銀行株はやはり買い場なのでしょう。
沈むように見える個人好みのSNS関連やゲーム関連の銘柄も私には次のステップに備えた動きに見えます。過剰な期待は全くなくなり普通の評価に成り下がっていますが…依然、私はワクワク感を意識しています。もっと下がれば良いとさえ思っていますね。次の狙い目だからですね。先日の昨年の夏からなかなか下値を入れなかったソフトバンクは今年初めにようやく下値を確認し、5月から上昇に転じましたね。同じようなものでしょう。そんなに心配するこちはありません。
さて今の焦点はエレクトロンやTDKなどの先物主導銘柄を誰が買っているのでしょう。通常は景気悪化を確認する環境なのに…米国は「財政の崖」が懸念されバーナンキは度々警告を発しています。底打ちしたとはいえ、不動産動向は相変わらず弱弱しい動きを続けています。何故、このような環境下で株だけが強く見えるのでしょう。これから下げるための演出?しかし米国の大統領選を控え、そのような形になるのでしょうか?それなら過剰流動性相場の始まりなのでしょうか?FRBもECBも積極的な緩和姿勢を継続していますからね。背景には日銀の新委員の動向もあります。外債投資の可能性を述べていましたね。日本が円売りユーロ買いを実施し、その資金でイタリア国債やスペイン国債を買うシナリオですね。まぁ、非常に可能性は低いですが…ないとは言えません。
この強く見える背景は単なる値戻しにすぎないのか?それとも新しい動きが始まっているのか? 興味がある所です。

投稿者 kataru : 2012年08月02日 11:07