未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年07月31日)

かたる:前回も同じことを感じました。世界景気の状況はあまりいいとは思いませんが、株価は高いのですね。確かにECBなどがスペイン国債を買い入れるとか…の報道があり市場はその様子見で敬意を表して7.62%まで売られていたスペイン国債は6.74%と鎮静化しています。イタリア国債の入札も順調にこなされ5.96%となっており、中央銀行が買っているのかどうかわかりませんが、報道の効果は今の所は出ているようです。しかし急速に「財政の崖」が懸念され始め、米国景気の見通しも悪くなっています。欧州危機が世界中に波及し、好調な米国も減速懸念が濃厚になっています。それなのに…米国株は先週、大幅高を実現し日本株も同様の動きです。不思議なのですね。FRBへの期待から株価が高いのか?それともこれまで行われてきた量的緩和の効果が表れているのかどうか?

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この感覚は二度目ですね。6月から7月に日経平均株価は上がりましたが、何故、上がるのか?理由が定かではなかったのです。一方、日経平均株価のチャートを見ると、金融危機後の安値2008年10月の6994円のAに対し、震災の3月、昨年の11月、そうして今回の6月と、何れも8200円前後で3点底を入れているようにも見えます。つまり意識的に下値意識が働きやすい水準で、仕掛け的な動きがあるのかもしれません。果たしてここで止まるのかどうか? カタルの注目する邦銀株の動向と共に注目されます。日経平均株価の下値にも拘らず、みずほは公募価格の130円を上回っていますね。注目される現象の一つですね。

何故、こんな当たり前の解説をしているかと言えば…理由があるのです。過剰流動性相場の入り口に位置している可能性が非常に高いのです。論理的に見ても割安なのに誰も株を買おうとしない…だからラストリゾートの日銀が最後の買い手としてETFを買い続けています。何れ、論理を無視した、お金が必要な浮動株を持つ連中の玉(短期筋)は整理されますね。つまり需給バランスが大きく改善されていきます。日本は長い間、時間をかけて持ち合い株を整理してきました。本日の三井住友は株式の評価損が拡大したために損失が拡大したとなっていました。しかし市場の評価はプラスになっています。つまりこの事実は、既に株価に織り込まれていると言う事なのでしょう。需給バランスが大きく改善されているから、このような動きになるのですね。

一方、僅かな…と言うか、減速の原因が明らかにも拘わらず、ここにきて大きく株価を崩しているサイバーエージェントは微妙な株価位置まで来ています。6月の安値を再び確認に来ましたね。グリーにも同じ事は言えます。既にSNSゲームと言うか携帯ゲームの国内成長期の評価は終わり、現在は世界への拡大が確認されるかどうか…の微妙な業績変化の過渡期にあたります。信じている人は既に買っており株を新たに買う用意はありません。もともとゲームなど一時的な人気と冷めた見方があります。株価を刺激するためには新たな発見がないと、新手の買い手は現れません。それは実際の海外売り上げ推移ですね。この数字が確認されれば、株価は再び大きく飛び出し人気になりますが、今はコンプガチャのマイナス面の広がりが、どの程度か確認している最中ですね。故にこのような下値調べの展開が続いているのでしょう。かたるは世界への売り上げが増えると信じており、グリーの動向に関心を払っていますが…実際の業績がどのようになるか?今のところは分かりませんね。株価は下値にあり注意深く関心を払う位置に来ています。サイバーのように株価が大きく下げると言うことは最終的な整理に入っている可能性もあるからですね。

今日は需給関係の考え方を中心に述べました。過剰流動性相場の入り口に僕らが居ることは間違いありません。その発射地点が非常に近い現象ですね。本来なら買われない筈の環境なのに、何故か株価が強く見える。明らかに需給バランスが好転しつつあるのですね。一方、個人に人気の高いSNS関連、時代の先端を行く日本の文化はゲームが突破口となりソフト技術が開花するかどうか…夢のある未来産業です。スマフォは色んな展開があり予期せぬ発展を示すのです。清貧思想が成長の芽を摘むか、その逆境に負けずに海外展開を加速できるかどうか…面白い見所です。

ここにきて重要な動向が明らかになってきました。昨日は国家戦略会議が開かれ、環境・医療・農林漁業の3分野に焦点を絞り投資して雇用を創設するとの戦略が明らかになっています。どうも環境はグリーンとなっており環境とエネルギー、つまり太陽光発電などの自然エネルギー対策が主軸になるのかな? 農業関連費用が組み込まれたのはTPP参加への配慮のためとされています。問題は財源問題が明確にされておらずに、掛け声だけとの指摘もされています。ただ方向性には充分に配慮する必要があるのでしょう。既にソフトバンクなどは人気になっていますが…ね。

今の株価の焦点は米国の雇用統計などの指標からFRBの動向ですね。既に株価は過剰流動性相場の段階に来ている様なのです。ここで火を付ければ一気に燃え上がる可能性もあります。財政の崖などは財政支出の問題で、景気が改善すれば赤字は減りますね。それに人為的な考え方の問題ですから、政権が交代しても新しいスタートが出来ます。中国が悪いと言う話が一般化しつつありますが、どうかな?…ここにきて不動産価格の上昇も一部で報道されていますね。所詮、景気は人間心理、ジャブジャブなお金の存在は事実で、「流動性の罠」は心理の問題です。日本人は村意識が強く慎重な国民、だから流動性の罠に陥りましたが、楽天的な米国人は、必ずしも日本化現象が深刻になるとは限りません。

市場にはいろんな見方が存在し、それぞれの立場にたって、何処に市場が向かおうとしているのか? 市場の値動きからその動向を読まねばなりません。低迷が続けば、やがて活況に移りますね。沈む太陽は必ずまた昇ります。所詮、循環なのでしょう。

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投稿者 kataru : 2012年07月31日 13:43