未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年07月30日)

かたる:かたるは空売りを好まないが…現実の社会は縮小均等を模索し、デフレ社会の右肩下がりを続けています。何度も引き合いに出した土地や株と言う資産価格はドンドン下がっています。よく経済が耐えているものです。少子高齢化、空洞化などの背景があるのですが、いくらなんでも収益還元法や配当利回りが有利になっても下げ続けるのは論理的におかしな現象です。欧米の金融危機の二番底を迎え、欧米の日本化現象が現実となっています。日本はなし崩し的に日銀は金融緩和を余儀なくされています。とうとう、ラストリゾートの日銀も不動産(リート)、株(ETF)を買う破目に陥りました。

金融が機能停止してバブルと言うかあそびと言うか、のり代がなくなったのですね。現金決済の経済状態と考えても良いのでしょう。一方、欧米は拡大しすぎた金融機能の金融デリバティブの清算を進めています。つい最近もJPモルガンの不祥事が明るみに出ました。世界の流れはBIS規制の強化です。銀行の金融デリバティブの禁止に流れています。ボルガー・ルールの支持者は大勢います。スペインのように不動産価格が下落する不良債権の増大化の経済下での自己資本の増強(バーゼル3)は、とても無理な話ですね。

新興国からの資金の引き上げなどの状況を見る限り(ボベスパ指数、上海総合株価指数)、世界経済は明らかに日本化現象に突入しています。しかし流石、米国です。スピード感あふれる量的緩和の実施、更にQE3は日本化現象を踏まえた対策、銀行貸し出しに踏み込むような流れのようです。ここが焦点なのですね。日本の金融庁は清貧思想に染まっています。今の世情を良く表していますね。原発反対と同じ土壌にあります。絶対的な安全・安心などあり得ないのです。

それではどこで線引きをするか?景気が沈めばバブルは鎮静化されていますから、バブル状態の一歩手前まで緩和しなくてはなりません。残念ながら日本はデフレ状態が長すぎた為に現役世代に融資業務を知る人間が少ないのです。だから銀行を本来の業務に戻させるために強烈なノルマを行政指導しなくてはなりませんね。不動産担保の復活とか…少々の荒療治でもしなくてはなりません。焦点はここにあります。幸い邦銀は世界で他の金融機関が沈んでいるために浮上し始めました。皮肉なことに欧州危機の為に日本国債は買われ日本の銀行は慎重姿勢を貫いた為に、膨大な含み利益が発生しています。

多少の失敗でも償却できる余裕があります。国債の含み利益と言う内部留保がある為に多少の冒険が出来るようになっています。もし次のFRBの一手が銀行貸し出しに力点を置くなら、日銀は模倣する可能性があり日本経済は既に立ち上がっているために急速に景気が上向き始めます。都心では余裕のある人は不動産投資をすべきタイミングに来ているのでしょう。当然、銀行株は長期上昇波動に入るものと思われます。今の株価の2倍程度は保証されているのでしょう。もっとも注目されるQE3は米国の大統領選に絡み発動されると考えています。

日本はまだ揺れていますね。政策に芯がありません。ソフトバンクホルダーの人は注意が必要です。内閣府がまとめた2012年度の年次経済財政報告のなかで、7月にスタートした再生可能エネルギーの全量買い取り制度について、はやくも電力会社の買取価格が高すぎるとし、公共料金を見直し公正妥当な改定が望まれるとの注文が盛り込まれたようです。内閣府と経済産業省の対立の表面化、国策がぶれる可能性が指摘されています。

オスプレイもそうです。日米安保のあり方を真剣に協議したことがないから、平和ボケの国民から批判を浴びます。兵器が最新のものに変わり防衛力が強化されるのに、何故か、事故が多いと言う根拠の乏しい感情論が先行しています。このいい事例が「中国漁船の拿捕」問題です。前原氏は民主党の中でも実力派の議員の筈なのに、後先を考えず行動しています。結局は経済の悪化を恐れ、譲歩する形になりました。中国と事は構えるには覚悟が必要でしょう。今話題の尖閣問題もそうですね。先ずは徴兵制度の復活から軍隊を整備し、日米同盟のあり方を考えるのが順序の筈。その議論さえないのに米軍の基地移転が先行するから迷走するわけです。覚悟がありません。

再生エネルギー立国を目指すなら、このような報告書はあがってこない筈ですね。原発の問題も賛否が分かれています。国は逃げないで議論を進め、方向性を際立ててはっきり示さねばなりません。曖昧な再稼働をするから日本化現象が生まれるのです。日本村社会のいやらしい妥協政治を捨ててグローバル対応しないと、なかなか新しい世界に入れませんね。もう入り口なのです。さて株価は、残念ながら一直線に駆け上がる事はないでしょう。底値は付けたけれど、政策が明確に示されていない為に底這いを続けながらゆっくりと中華鍋のように、徐々に下値を切り上げる上昇パターンかと推察しています。

そろそろソフトバンクの灯が消えるとサイバーが売られ富士通が売られ、どちらかと言えば弱い市場動向に見えるのでしょうか?金融株の値動きを見れば下値を固めつつあるようで野村などは240円台で基点を設けているようです。みずほも120円前後は下値のようですね。買われる素質があると思っていますが、上値を現時点で買う投資家は少なくおそらく需給改善を目指すために沈潜のような動きになるのでしょう。世界の有力な投資家は日本の金融株の下値はいくらでも買いますが、値段を追ってまで買おうとはしないと考えています。もう少し時間が必要なように感じます。

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投稿者 kataru : 2012年07月30日 11:58