今日の市況(2012年07月27日)
かたる:ドラギ総裁発言により下落するユーロに歯止めがかかり、株式市場は反発しているようです。しかし…市場は、今度、この発言の信憑性を確かめに行きますね。そうしてECBが即座に新しい手段を実施しないと再びユーロは売られる訳です。まぁ、オリンピック期間中なので連動するポンドが安くなっており、観光客にとって幸いです。昨日の日本株の反発はドラギ発言の背景がなく動いている筈。この発言は東京市場が閉まってから発表されているようですからね。よって今日も東京市場は堅調なのかな? それとも昨日上がっているからそんなに反応しないかもしれません。
ユーロの決定権を持っているのはドイツなのでしょうが、ドイツ国民からすれば、何故、他人の借金を自分たちが返さなくてはならないのか?…当然の疑問ですね。余程の独裁政治家でなければこの問題はなかなか解決しません。市場は過酷です。次の準備を始めましたね。なかなか動かないドイツに市場が圧力をかけ始めています。ムーディーズはドイツ国債の格付けを「Aaa」の安定的から弱含みに引き下げました。偶発債務の懸念だそうです。はやく欧州危機を解決しろと言っているのでしょう。まぁ、この程度では金利は動かないでしょうが…市場は次の準備をしています。
金融危機の対応は先ずは緩和策なのですが、金利を下げ量的緩和をしても融資が伸びない流動性の罠が確認されています。日本と同じです。カタルは何年も清貧思想を批判し続けました。清貧思想は論理的に正しいのです。しかし今は持ち出す場面ではありません。浮かれて多少のリスクに耐えられる時に持ち出す政策ですが…人間ですから感情論で動きますからね。景気が低迷しているのは銀行が預金を使って博打をしたからで、その博打を咎める行動は理に適っており、当然なのですが時期が違いますね。時間の概念は大切です。昨日のCMBSの話しです。18兆円の市場がなくなれば景気に影響を与えますね。金融デリバティブは何も商業不動産だけではなく、他の多くの経済活動に関与していますからね。100も手段があれば1800兆円です。まぁ、CMBSは規模が大きいのでしょうが、金融デリバティブは無限の組み合わせの市場でした。金融工学の発展は素晴らしい発明なのに…。
WSJには次のQE3への提言が述べられていました。
「FRB議長はいかに銀行に融資を再開させることができるのか」とのタイトルで記事が書かれていました。少しおかしな日本語ですね。でも意味は分かります。このレポートの趣旨は超過準備の考え方でした。僕とは意見が違います。もともと銀行に体力がないから融資が膨らまないのですね。時間がかかります。しかし融資を増やそうとするやり方は正しい考え方です。日経新聞にも僕のコラムの読者が居るのか分かりませんが、同じような銀行融資のレポートを日経が報じています。5面には貸出残と国債保有残高が載っていますね。

僕は疑っているのです。頭の良い政策官僚はとっくにこんなことは分かっており、政策発動の時期を待っていたんじゃないか?と言う例のカタルの仮説です。この仮説は政策官僚が消費税率の引き上げを待って、デフレ政策を転換させると言うものです。だから野田政権が行っている財務省主導の政策が間もなく法令化され実施されれば、日本は右肩上がりの時代に転換すると言うものですね。デフレからの脱却はそんなに難しくありません。単純に資産投資を有利にすれば済むことなのですね。期待インフレ率を高めればいいのです。ジャブジャブのお金に期待インフレ率の上昇が起こります。その結果、賢明な読者の人にはもうお分かりでしょう。20数年ぶりの相場が始まりますね。
欧米は金融危機の後始末に、あと数年はかかるでしょう。しかし日本は既に完了しており震災が恵みの内需刺激になっています。コンクリートが足りない?その為に予算が執行できないと言う記事が日経に踊っていましたね。久しぶりです。ものが足りない記事を見るのは本当に久しぶりの現象ですね。震災復興だけに終わらせるか?それとも日本再構築にこの動きを連鎖させることができるのか?政策官僚の腕の見せ所ですね。カタルは前から未来都市の構築を訴えています。原発汚染された全ての土地を買い上げ、一度計算しましたね。人口は僅かなのでそんなに補償費は膨らみません。そうして未来都市のモデル地区にすればいいのです。その真似を日本中で行えば、内需主導の成長国になりますね。この躍進の為に準備したデフレ時代の20数年の時間はお金で買えないのです。何故、日本が世界で最初に金融不況から抜け出すか? この準備時間があったからですね。
長くなりましたから結論を言えば、だから銀行株が主役となり騰がるのでしょう。

投稿者 kataru : 2012年07月27日 09:52