今日の市況(2012年07月06日)
かたる:原発の国会事故調査報告が発表され興味深い記述がありました。「規制の虜」と言う言葉ですね。「規制機関が被規制側の勢力に実質的に支配されてしまい規制機関の許認可が、被規制側にお墨付きを与えるだけの意味しか持たなくなる状態を指す。」とウィキペディアでは解説されていました。業界団体と規制当局の癒着を示すのでしょう。
何も原子力村のケースだけでなく、多くの規制はこのような関係が構築されており、官僚は天下り先を求め、業界の企業利益を誘導する機関なのでしょう。先日のコンプガチャ問題も、業界がソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会等を立ち上げ、あるいは日本オンラインゲーム協会などの業界関連団体を構築するわけです。そうして規制当局の消費者庁などからの天下りを受け入れたり、規制の勉強会とか称して接待をするのでしょう。規制する官側も、定年後の役人の生活を守るのに必死なのですね。至る所で規制をちらつかせ、業界から利益を搾取する集団が居るわけです。やくざのたかりと五十歩百歩、この辺りに共産党組織と呼ばれる日本村論理があります。東電のケースはその最たる実例でしょう。
情報を握る業界や規制する側の官側が結託すれば、都合の良い報告を表面化させメディアを誘導します。知らないのは消費者、末端の国民ですね。鎖国制度の弊害です。このような仕組みのおかげで公正な競争がされずに、長い間、内外価格差が存在したのですね。日本のケースはバブル崩壊により利益の蓄積がなくなり、このような鎖国制度が崩壊し製造業の空洞化が進展しました。この流れを上手く捉えたのが、デフレ銘柄と呼ばれる家具のニトリや洋服のファーストリテイリング(ユニクロ)なのですね。インターネットのカカク・ドット・コムなどの存在により、製品の価格情報がオープンにされ日本は急速に変わってきました。
ある意味で、原発のこの事故調査報告は、これまでにない立ち位置の報告です。東電は最大の被害者と考えてきましたが、人災の構造が明らかにされ、かたるも考え方が変化しているようです。日本は変わるかもしれませんね。インターネットの存在が「アラブの春」を演出したように、日本も村構造が次々に明らかにされ、変化を模索しているのかもしれません。故に株価が本格的な上昇期を迎えるのは、近いかもしれませんね。常に騙され続けるカタル君、先日、お世話になった大手のお客様が亡くなられ…生きている間にご恩返しを出来ませんでした。ベンチャリ80万株を投げたお客様です。間に合わなかったなぁ。早く新しい時代の幕が開けないと、たくさんに人に支えられた恩義に応えることが出来ませんね。
今回の3月からの下げで、ユーロが追加利下げ、中国も2度目の利下げ、イギリスの国債の買い入れ枠増大と…次々に成果を引き出しましたが米国はまだですね。日銀もせめてETFの買い入れ枠の増加を発表して欲しいのです。しかし中央銀行が積極的な緩和策を取っているのだから、やはり資産価格は上がると思うべきなのでしょう。大きな技術進歩、スマート都市建設やITSの活用など、情報を実社会に結びつけ、実際の車の運転をコントロールするような未来型投資が盛んになれば、先進国は新しいステップに突入するのでしょうが、果たして野田政権は消費税の後、TPPに行くのか? 未来都市建設などを具体化させるのか? 今後の政策は非常に興味深いものです。今の所、太陽光などの自然エネルギーの買い取りぐらいのものでしょうか? 42円の設定のおかげで、太陽光投資が進み、経済の乗数化効果が生まれ、僅かですが景気が拡大しますね。もし30円台であれば、参入企業は二の足を踏んだことでしょう。
政策とは新規の需要を生まなくては意味がありません。しかも先日の電球販売の自粛要請、LED照明の普及のような政策は、社会の変革を伴い前向きで良い実例です。僅かな補助金を乗せても良いのです。先ずは地価が上がらないと話になりません。株では、やはり銀行株でしょう。条件は整っていますね。膨大な国債の含み利益、欧米の金融機関の格下げで、相対的に日本の銀行株の地位は上がりました。事業者側も日本に留まらず、海外進展を急いでいますね。時機は到来しているようですが出来高が少なく、少しイメージと違うような気もします。年末近くになれば、「財政の崖」の懸念が米国で生まれ、株価も影響を受けるでしょう。しかし今の市場は、参加者不在で…どうなるのか。
東証と大証の合併の、公取の認可は取れたようで…これまで裏口上場を非難してきた東証は自分だけは許されるのですね。公正さを欠く選択ですね。最低限のモラルは守らねばなりません。「規制の虜」になれば、何れこのツケは払わされることになります。日本村論理の恥部が次々に明らかになり、インターネットはアラブの春の立役者なのでしょう。みずほを今日も買いました。どうなるかな?

投稿者 kataru : 2012年07月06日 09:14