今日の市況(2012年07月05日)
かたる:物理学の話しなのか…世はヒッグス粒子の発見に沸いています。なんだかよく分かりませんが、原子のさらに小さい素粒子の中でも最後まで発見されなかった素粒子で、「神の素粒子」と呼ばれていたとか…。まぁ、詳しくは此方のホームページが良いのかな?兎も角、皆さん自分で調べてみてください。
この記事を読んで感じたのは同じだな。…と思った次第です。どうも物理学も論理が先行し、実証は後でなされるようで、理論上、ヒッグス粒子の存在は50年近く前に予言されていたらしいのです。その確認が今回の世界的なプロジェクトの加速器で、実証されたのですね。株屋の世界も市場を見ながら相場の仮説を立てます。何故、このように株価が動くのか?その背景を読むわけですね。底流に流れる経済の流れを理解することは非常に大切な相場を読むための原点です。
現在は金融危機が表面化して、金融機関が冒険を出来ないように規制を設ける金融機能縮小期にあたります。しかし…そのおかげでお金を借りて起こる仮需が減り、実体景気に影響を与えています。実例はインドネシアのローン規制などは代表的な事例でしょう。これまでは自動車やバイクなどを買う時にローンを誰でも組めましたが、今度は頭金が必要になり20%-25%を用意する必要があります。そうなると所得の低い層の購入が減少し需要が落ちますね。その為にこれまでプラス効果の高かったダイハツなどの株価は影響を受ける筈ですね。これが金融規制の弊害です。しかし頭金を設けることは経済を運営する上で安全性が増す正常な行動ですね。このバランスが問題視されています。カタルがよく、BIS規制の話しやバーゼル3、ボルガーと代表的な規制の話を出すのもこのような背景があるからです。
しかし金融規制を強化すれば、実体景気は縮小します。そうして失業者が増え不況になりますね。だからバランスが問題になります。今は民間銀行は不良債権処理などで痛手を受け、金融規制のルールを守る為に力を蓄えている時期ですね。それで流動性の供給が減っており世界的に景気が減速していました。それが金融規制、その為に景気をテコ入れしようと欧米では財政出動がなされました。ケインズ理論を実行したわけです。しかし…日本の場合は陳腐化した公共事業投資を主体としたために、無駄な投資で新規の需要に結びつきませんでした。1990年代の自民党政権は大量のお金を使い財政赤字を膨らましただけでしたね。日本の場合はバブル時代からの金融縮小を補うために、米国発の金融危機に先行して整理に突入していました。その整理がついたのが2003年頃、だから2003年から2006年に掛けて株価は大きく上がりました。
今度は2006年から2007年にサブプライム・ローン問題からCDSと…金融工学を利用した金融バブルが崩壊し金融危機が起こり、現在はその整理をしている所ですね。スペインもイタリアも財政赤字が問題になっていますが、金融危機克服の為に政府支出を増やし景気を刺激したのです。これがケインズの言う理論的な行動でした。しかし…時代にマッチしない財政出動は掘っては埋める日本の公共事業と同じです。道路や鉄道などのインフラ整備は新興国の生産性を高め、その投資の乗数効果は新興国では大きいのですが先進国では乗数効果は既にインフラ整備が済んでいるために波及効果が小さいのです。だから民需の盛り上がりに結びつかずに景気が低迷し、税収が上がらずに失業が増えていますね。今はこの段階です。
日本は「流動性の罠」に陥っています。中央銀行がいくらお金をジャンジャンと市場に供給しても、そのお金を利用する人が居ない状況なのですね。これが流動性の罠の状態、仕方がないから、今度日銀が自らリスクを冒し、リートやETFを買い始めました。究極の流動性の供給なのです。市場にある土地などのものは増えませんね。日本の国土面積は増えません。しかしお金はジャンジャン増えます。だから何れモノの価格が上がり始めます。株式も同じですね。ETFを買い続ければ、株価は上がり始めます。その需給バランスがどの時点で変化するか?ここが今の焦点でもあります。
仮説と実証。市場原理の仕組みに似ています。政策と市場の反応、繰り返し人間は進歩して行きます。ヒッグス粒子が発見されたことは標準理論が正しいと証明され、その理論の応用が広がり始め人類に進歩をもたらすのでしょう。かたるは何度も言っています。景気が良くなるためには、金融機関が儲かって強くならないとお金を貸すリスクが取れないのです。だから冒険が出来ないから日本の銀行は大量の国債を買っていましたが…今度はみんなが、リスクを回避して日本の国債を買っており、日銀も買っているから、どんどん国債は上がり続けます。日本の銀行は膨大な含み利益を抱えていますね。ドイツも米国も同様の状態になりかけていますが、世界の中で日本は先行しています。
おそらく時期は到来した筈で、三菱UFJや三井住友、みずほの銀行株は主役となって株価が上がる時期が来ている筈です。これが「カタルの仮説」の一つですね。果たしてカタルの仮説を裏付けるヒッグス粒子は発見されるのでしょうか?株価が安いほど変化率が高い筈で投資効率はリスクが高いからある筈ですから、みずほの株価は注目される訳ですね。ヒッグス粒子は発見されました。日本も日銀の政策の結果がそろそろ出て来るはずです。お金は相対比較で動くものです。欧米の金融機関の格付けが下がり日本が浮上した現在、配当利回りで投資できる日本の銀行株は面白い投資対象だと考えています。
「頑張れ!みずほ」

投稿者 kataru : 2012年07月05日 10:02