未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年06月12日)

「出来高急増銘柄」「株式指標」はここをクリック。

かたる:スペインへの1000億ユーロの支援策が発表されたようですが、事前に株価は織り込んでいたようで、目先は利食いが入ったようで高寄りした後で押されたとのことですね。現在のスペイン国債金利は6.42%だと言います。一方、ドミノ現象が懸念されるイタリアの10年物は6.02%なのだそうです。不良債権処理は貸しはがしを生み、どんどん経済のパイが縮小して行きますね。基本的に風船が萎むように資産も負債も減って行き均衡点を模索するわけです。未だに日本は地価が下落しており、基本的に不良債権処理の後遺症により、貸し出しが伸びなくなっています。スペインの銀行は日本の銀行が辿った道ですね。失業率が高く懸念する声が聞こえますが、基本的にEUは労働が自由なのですね。スペインの人達がドイツで働く事例など腐るほどあります。ドイツはユーロ安を受け輸出企業が自動車を中心に好調です。

s20120612a.gif

ギリシャの選挙がユーロの離脱を選ぶのか? それとも緊縮に耐えユーロ圏に留まるのか分かりません。どちらも「いばらの道」でしょう。フランスでは総選挙が行われオラウンド大統領を支える社会党と環境保護政党「緑の党・欧州エコロジー」が過半数を獲得する勢いとか…メルケルは苦境に立たされていますね。株式教室で市場原理の話をしました。常に市場と政策は、やり取りを繰り返しています。スペインの問題が発覚し、バンキア救済に190億ドルの話が出たと思ったら、実はバンキアだけではなくIMFは400億ユーロほど銀行の資本増強が必要になると発表し、結局、ESMを利用するのか、EFSFなのかハッキリしませんが、1000億ユーロもの提供を発表しましたが、スペイン国債の金利は下がりませんでした。株価も当初は上昇したものの下落しましたね。でも事前に米国と同じように上がっており、予定の反応なのでしょう。

株式教室では市場が警告を与え、その警告に政策が応えます。今度は市場が1000億ユーロの投入で納得するかどうかです。基本的に直近の安値を割らなければ、仮に割ったとしても一瞬であれば問題はありません。米国も同じです。だから次の市場の反応を見ないと相場の行方は分かりませんね。勇気のある、余裕資金のある投資家が安値を打診買いして市場は底入れを果たしたが、この下値が底になるのか…確かめる必要があります。まだ対策が共同債の発行などの抜本的なものでないから、市場は更に、過剰な政策発動を求める可能性があります。格付け会社は米国の銀行の格付けを引き下げたり、今日はBRICsの一国であるインドの格付けを、S&Pが投資適格外に引き下げる可能性があると発表していますね。この格付け会社と言うのは、なんと言うかな? 照明弾の役割かな? 何度も確かめるわけですね。

基本的に需給バランスを打診しながら、確かめているのですね。一方、この需給を左右するのは人間心理です。ユーロと言う紙くずを、ドルと同様に信じるかどうか? さぁ、どうですか?…と迫っているのですね。政策を見ながら人間心理は揺れ動き、需給バランスの均衡点を探るのですが、株価の推移によって決まるのですね。何処が下値か?知りたいけれど、誰にも分からないのですね。人間心理はコロコロ変わるものです。だから必要以上に株価を上下させて、人間心理の反応を見極め、どこかの時点で株価が落ち着き、調整が一段落すれば、政策の信任が得られたことになります。市場と政策は、常にキャッチボールをしているわけです。1000億ユーロ支援が決まったことで、ボールは政策当局から市場に投げ返ってきたのです。今度は市場が反応を示す番ですね。こうやって妥協点を探るのが市場原理の世界です。

ここに来て上下の幅が大きくなったように感じているのは、僕だけの感覚ですか? 天底は通常、振幅が大きくなりますが、最近はそれ以上に日銀のETF買いが市場の浮動株を吸い上げ、政策効果が市場に現れているのではないかとも…思える節があります。日銀に勝てる人は居ませんね。だいたい、先週の動きで底入れの確率は高いのでしょう。共同債まで追い込まれるか…フランスの左派の勝利はその可能性も感じさせますね。果たして今後、市場はどんな反応を示すのでしょう。RSIの指標はこんな形で底打ちをするのかどうか…非常に興味深い日々なのです。様々な経験は未来の武器になります。皆さんも事前に予測するのです。どんな展開になるか? 常に自分なりに仮説を立てながら、相場に臨むと、より一層、株式相場が面白いですよ。

人気ブログランキング 「今日の市況」は人気ブログランキングに参加しています。

株式会社「ケンミレ株式情報」さんのチャートへ

投稿者 kataru : 2012年06月12日 09:02