未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年06月11日)

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かたる:欧州問題は10兆円の支援で市場が納得するかどうか…が、市場の焦点になりますね。加えて、この時期にムーディーズが一番強い米国市場に対し警告を与えています。大手銀行の格下げは米国の傷を付くものですね。影が薄くなっていた問題提起です。米国も、もともとは財政赤字問題に苦しんでおり、共和党と民主党の政治対立が鮮明になっています。日本と同じ構造ですね。しかし日本の民主、野田内閣と自民党の考え方は近く、財務省よりの官僚政策なので、背後で官僚が動いていますからスムーズに政策が実行される可能性もあります。問題は10兆円の資金提供でスペイン問題が一段落して、ギリシャが緊縮策を受け入れた時に、株式教室に書いたように市場がこれらの対策で納得するかどうか…。それとも米国の問題まで一気に発展するかどうか…。中国の景気悪化を過剰反応している向きがありますが、共産党の生命線は経済の成長力ですからね。物価が落ち着いている現時点では、様々な政策が実行でき問題はないでしょう。

可能性のあるシナリオは米国の大統領選も近く、そろそろ底入れのシグナルを送りたいところでしょう。できればFRBの追加緩和策は温存しておきたいところでしょう。悲観的に考えるなら、10兆円程度の支援策では欧州問題が落ち着かないパターンですね。ギリシャも公務員の給料が遅延している様子で、EU離脱を選択した時にもう一段安するパターンです。この場合はECB、FRBが共に動くでしょうから、ギリシャは小さい国なので混乱はEU全体に広がらないと思いますが、株価は一時的に動揺するでしょう。既に6月なので11月の大統領選の戦いで悪化する経済を見せつけるのは、現政権にとって不利なのでやはり株価は底入れ段階と考えるのが無難です。米国のGSEの問題が落ち着くのは、あと2年程は、最低、必要でしょう。欧州の不良債権問題も簡単には片付きません。

野村証券が本当の意味で、躍進できるのはまだ時間がかかると思っています。通常、第三幕は考え辛いので、ここで追加の量的緩和を引き出すには、更なる悲劇のシナリオがあるのかどうか…。先進国の財政問題は悪化しており、新興国から資金が引き上げられています。だから安全を求める行動がドイツや米国、そうして日本の国債金利ですね。空前の金利状態は、最終的にはありえない筈のマイナス金利まで行ってもおかしくありませんね。もしそのような悲観シナリオを世界のリーダーたちが念頭に置いているなら、この炎上シナリオは米国の財政問題を政治リスクにして量的緩和を引出し、ロムニー氏の当選があるかもしれません。劇的な急落・急騰シナリオですね。

どっちにしても異常な中央銀行の協調姿勢は、何れ訪れるインフレ状態により財政赤字が軽減されるシナリオに向かいます。ただコントロールできるかどうか…。ここが焦点なのでしょう。シェールガスが米国で産出されるので、米国は新たな武器を手に入れました。QE3の投機を引き起こしても米国は耐えられますね。同盟国の日本には安価な天然ガスを輸出してくれるでしょうが、中国を叩く構図は欧州危機を長引かせ、資源高のシナリオの方が有利かもしれません。

まぁ、あまり考えは纏まっていませんが様々なシナリオが背景にはあり、仮に10兆円支援で目先株価が落ち着いたとしても、未だに楽観はできませんね。やはり私は米国のGSEの問題がどの程度の収束状態なのか…ここが焦点だと思っています。不良債権問題は日本の事例をみれば分かるように長引くものです。未だに日本の地価は底を打ったのか?ハッキリしませんね。通常の固定資本投資を増やす日本的な成長は、グローバル時代になり通用しなくなっています。中国が新たな成長できるかどうかは…内需を刺激し好循環の成長を模索するしかないのでしょう。自らが大型の公共事業投資をして需要を生んでも、内陸部まで広がっているインフラ投資を更に拡大させても、無駄を生むばかりでしょうね。何故なら、鉄は過剰に生産されている状態だと言いますからね。「鉄は国家なり」と言う政策は、社会資本形成が遅れている途上国の政策ですね。

日本はお金を使わない総合的なまとめ役に官僚は徹するべきなのです。ところが現在の政策は自ら表舞台に出る政策ばかり、黒子役に徹し民間企業を補佐するプロジューサーと言うか、付き人と言うか…小さな政府を模索しなくてはなりません。役所が表に出るから市場が委縮するのです。メディアも国家に頼る報道を演出するのは止めるべきですね。自立する姿を描くことが日本を強くします。天災も乗り越え、自らの力で生きる姿を報道してほしいものです。国家に支援を求めるのは間違っている報道です。

どう考えても日本が一番、日本化現象から脱出して成長軌道に乗せるのは簡単で、一番有利なはずです。何しろ不良債権処理は終わっているのです。中小企業円滑法の償却規模は小さいとは言いませんが、それほどの問題ではなく、日本化現象から脱出する最後のエネルギーもまだ残っています。私はアジア地域の情報インフラ整備に期待をしています。借金返済が峠を越したソフトバンクに期待をかけていたのですが、自然エネルギーに舵を切りそうですからね。

言えていることは、必ず日本を代表するグローバル企業、例えば三菱UFJ、日立、東レなどの企業が大きく上がる時代が来るのでしょう。その時が本当の相場の始まりですね。欧州危機を煽ったり、米国の財政問題を煽ったりして中央銀行から資金をさらに引出し、その資金を膨らませる市場は、長くデフレ経済が続き相場が枯れている日本市場がターゲットになるでしょう。

あと一幕あるのか…それともそろそろ演出が始動するのか分かりませんが、日銀がETFを買い続けている現実を軽視しない方が良いでしょうね。ラストリゾートと言う言葉は絶対に負けない勝負なのです。日銀には無尽蔵の資金があり、株式市場の発行株式総数は有限なのです。いずれこの現実が嫌と言うほど…分かる時代が来ます。超、長期間にわたり躍進する株高を目にする時代がやってきます。これは悲観シナリオが、広がれば広がるほど大きな相場になりますね。どっちにしても、既に20年以上も低迷しているのです。ここに来て、1年や2年程度、日本化現象が更に延長されてもたいしたことはありません。25年ぶり10週連続陽線は単なるイレギュラーなのかどうか…。いずれ分かりますね。

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投稿者 kataru : 2012年06月11日 07:20