今日の市況(2012年06月08日)
かたる:「日本政府の歳出額は既に税収の2倍に達しており、資金の不足分については国債の発行で賄っている状況だ。日銀は年内に45兆6000億円規模の国債を購入する見通しで、発行計画の44兆円をやや上回っている。このため日銀によるマネタイゼーション(財政ファイナンス)の懸念が高まっている。パイパーインフレにつながりかねない第一歩だ。」との報道はあらためて非常に注目されますね。
カタルはずっと以前から、時間がないと言っている現象はあと数年と思われますが、意外に早く2年から3年程度でドラマの舞台は、幕が開くかもしれません。消費税への討論を見ても呆れるばかりです。長い期間、自民党政治の失敗により、日本はここまで駄目な国になりました。農業政策の愚策を全産業に広げたイメージです。決して民主党がダメなのではありません。自民党政治の利権争いが官僚の暴走を許したのですね。
教育の中身が乏しく、画一化教育の弊害が生んだ悲劇でしょう。メディアは何処も同じ姿勢で報道し、「イワシ民族」を再教育しています。インターネットはある意味で教育革命ですね。日本人の意識を変えました。埋もれた正しい意見が、多くの人に紹介され日本人が少し考えるようになりましたね。政治家は末端労働者の生活ぶりを御存じかどうか…。一応、日本には労働基準法はありますが守られていませんね。過酷な労働環境を甘受しなければ食えないのです。小林多喜二の蟹工船の世界ですね。一方では生活保護は働くなと言っている水準で、とても、とても…14時間労働をしても生活保護の給付額に届かない仕事しかないのが日本の実情でしょう。
空洞化の進展は、ここまで日本人の労働環境を変えたのですね。空洞化と言うのは、能力のない人間は、アジアの人々の労働条件、つまり年収で200万円の世界を日本に輸入したのです。マーチの逆輸入は、そういう事が広がっている証明なのですね。政治家は末端労働者の現実を、一度、体験してみる必要があります。中間層がドンドン脱落し99%と1%の格差拡大なら文句は言いませんが、現実は99.9%と0.1%の成功者の割合より、もっと低いでしょうね。努力をしても報われず、運が大きく左右します。
限られた成功者の一人、楽天の三木谷さんが経団連を脱退し、社内言語を英語にして新経済団体を起こし、日本の既存体制に刃向っています。ホリエモンも折口も社会のルールを逸脱した背景があるのかもしれませんが、日本村から排除されました。日本村基準で成長できれば文句は言いませんが、現実はアクシデントとはいえ、経団連の雄であった東電も落ちこぼれていますね。財政的な余裕がなくなれば、落ちこぼれを救う余裕もなくなり大きな社会変革を実行しなくてはなりません。ひょっとすれば…小沢氏はその現実を良く知っているかもしれないと期待した民主党大会で菅氏に敗れる現実を見て、淡い期待を抱いた証券マン人生に見切りをつけたのですが…まだ日本は変わりませんね。
日経平均株価など意味はありません。単純平均株価が日本の実態を示しています。実質成長率などと言う「まやかし」の言葉を使っているうちは、本物の成長時期は訪れません。14時間労働をしてようやく20万円を得た若者が5万もの税金を払い、遊んで暮らす老人を養える道理がありませんね。どう考えても、「まやかし」はいつまでも続けられません。株価はある意味で正直ですね。あの優良企業だった松下、パナソニックが500円を割れた現実は、日本村の失墜を示しています。今は辛うじて自動車が、何とかグローバル経営を続けているので残っていますが、現代に追い詰められる姿は、NECとサムソンの関係と重なります。
日本村の象徴だったエルピーダは白旗を掲げ、最後の砦の世界シェア1位のルネサスも落ちこぼれている現実は、ため息しか出てきませんね。もうすぐ時間切れは、野村の株価にも現れています。まるで浮き草ですね。先物で上下する株価を見ると…。もう既にファンダメンタルでは説明できない株価水準まで売られているのです。中小企業金融円滑法が焦げ付いている実態は、エルピーダと同じなのですね。時間稼ぎでは改善されない現実があるのです。消費税程度の法案でもたつくようでは、本当に日本を改革できるのでしょうか?
折口さんがコムソンやグッドウィルを成長させた背景を考え、否定で入るのではなく、何故、競争に勝つためには、秩序を乱してまで強引に引っ張らないと型を破れなかったのか、考える必要があるかもしれません。光通信の重田さんもその一人でしょう。ソフトバンクの孫さんはバランス感覚を持っている経営者ですね。ようやく日本村に認知されつつあります。でも実態はまだまだでしょうが…。リクルートの江副さんも日本の体制派に敗れた一人なのでしょう。あの辺りで、日本は方向転換すべきだったのでしょうね。
今の政治運営では残念ながら、まもなくマツダも耐えられなくなり、どんどん消えていきますね。しかし…世界の中央銀行は量的緩和を実施し、冒頭に掲げたように、日銀はハイパーインフレの道しか残ってなく、何れ、ガラガラポンの時代になります。まだ舵は効くと思います。今なら、まだ正しい政策を実行すれば間に合う筈です。先ほど、友達の証券マンから電話がありました。お客が居なくなったと…相場を見ていればそうでしょう。証券マンは市場にお金を流す仕事ですね。しかし流しても、流しても消えてなくなる過去の遺物処理。働く喜びを忘れた証券マンに、希望を与える光を与えなくては、第二の敗戦の玉砕になりますね。
今日は暗い話ばかりで恐縮ですが、これが実体の日本経済ですね。しかし悲観することはありません。バーナンキは期待を裏切り議会証言では緩和の話がなかったそうで…先日はドラギが緩和期待を市場に持たせるだけで、大きく株価は反発しました。分かりますかね?アドバルーンなのですね。政策発動はタイミングを計らなくてはなりません。日銀は前回タイミングを逸したために、折角の武器を無駄にしました。市場経済は人間心理で動いているのです。景気とは人々の考え方、先行きが良ければ蓄えを止めて消費に走り、先行きが悪いと感じれば、どんなにお金があっても使わずに貯めるものです。今はこの状態ですね。流動性の罠とは何か?未来が見通せないのです。欧州危機とか日本化現象とか…。
しかし現実は、大きくの新しい技術が世に出ており、華が開いています。ITSは素晴らしい日本が誇る技術ですね。GPSを利用した様々なアイディア、スマフォのアプリを見れば分かりますね。中央銀行だけの努力では、残念ながら、流動性の罠から抜け出せません。しかし流動性の罠とは…マグマが地下に貯まっている現象なのですね。何れ吹き上げるのです。日銀は馬鹿だと批判されながら、黙々とETFを買い続けています。もうすぐお正月ですよ。アドバルーンを掲げるだけで急騰する株価を見れば、政策発動が近く、株価は底値を叩いたと判断するのが市場経済でしょう。下のグラフを良く味わってください。(クリックすると拡大します。)
今日はビスタニュースの原稿も、これから書きます。

投稿者 kataru : 2012年06月08日 14:44