今日の市況(2012年06月04日)
かたる:私はウォールストリートJの会員になって記事を読んでいますが、最近になってようやく追加緩和策の話が毎日のように掲載されるようになってきました。基本的にメディアが騒ぐと市場はそろそろ新しい流れを求めるのです。昨日も書いていますが、市場経済とは…常に市場の求めに従い政策を変化させるのですね。市場と対話をして政策(対策)を講じるのです。これを何度も繰り返すのですよ。現実を市場は反映するし、反映された市場の姿を見て政策を動かす。これが市場原理主義です。現在の資本主義はこのような形で動いています。
日本は市場の求めに応じて、なかなか政策を変化させません。日銀が金融緩和策に転じてからもデフレは続き、市場は何度も「足りない」と警告を発しており、株安と円高になっています。しかし日銀も、政府もなかなか市場の求めに応じませんね。たしかにポーズは取りますが及第点にならないのです。だから「失われた時代」が続くのです。基本的には国家予算ではなく株式市場の動きが一番大切なのです。ところが日本の基本は国家予算で株式市場は無視されています。民間の資本市場が無視されるから…米国の市場主義と違う形なのです。中国も日本同様に少し違いますね。グローバル化とは…制度が一緒になることを意味しています。
2006年からの下げは小泉・竹中改革の否定から始まりました。日本を代用する経団連の中核をなす新日鉄は、なんと永遠と否定され続けてきた株式持ち合いを再開させます。銀行と共に株式持ち合いを…ライブドアがフジテレビの買収に乗りだし、ヘッジファンドの動きに驚いたのですね。しかしBIS規制は、銀行の株式持ち合いを否定しています。危険資産に対する自己資本のカウントがきつくなっていますね。グローバル基準では株式持ち合いは「なし」なのです。資本が硬直し公正な競争ができなくなるからです。市場原理は常に公正な競争が問われます。だから楽天の三木谷氏は新しい経済団体を起こし政策提言を考えたのですね。ソフトバンクの孫さんも新しい時代の考え方です。
欧州ではもうすぐ共同債が採用されるでしょう。ドイツだけが「良いとこ取り」(ユーロ安による輸出企業の発展)はありえないのです。FRBはもうすぐQE3を考えるでしょう。まだ株安が続くなら確実に新しい手を打ちます。市場経済とはその繰り返し、日本株の低迷は長く続いた株式持ち合い株の調整をしているのですね。外人投資家を含め、日銀はETFを僅かな規模ですが買い続けています。だから25年ぶり10週連続の陽線になりました。もうそろそろ時期は来ていると思っています。日本は至る所で変化していますね。
毎日新聞の世論調査によれば大阪維新の会への支持は高いようです。28%となっており自民の16%、民主の14%を上回っていますね。まぁ、日本人の感情は流動的でイワシ民族なので正しい数字とは言えませんが、国民は変化を求めているわけです。いい加減にうんざりしているのは私だけではありません。

個別株がどうだ…こうだ…と論じても無駄なので…こんな話ばかりになります。三菱UFJが純資産価格を下回ることが異常なのです。原点はここにあります。デフレ政策を採用している以上、株価は上がりません。だから消費税の法案が通れば、日本で一番頭の良い官僚たちは、流石に政策を変化させるのだろうと…淡い期待を抱いているのですね。でも今の政策を継続させた方が、先ほどの日本村の長老たちを含め有利だったのです。でも長老たちも流石に続けられないと思いはじめているでしょう。お仲間の東電は政策誘導に失敗し、ソニーもパナソニックも競争に敗れています。自分達が望んだ高度成長下の日本村構造の復活は不可能だと思いはじめていますね。能力のない経営者が会社を私物化する時代は終わったのです。オリンパスの事件はそんな象徴的な出来事でした。
はやく個別株を語れる時代になると良いですね。日銀は曲がりなりにもETFの購入を増やし続け、無限の資金があるのです。まだ需給バランスで負けていますが、何処かで均衡点を迎える筈。時代をリードする、世界経済をリードする産業のスマフォのアプリ関連は育っていますね。グリーなどはコンプガチャで日本的な枠組みに押されていますが、経営者は世界基準で頑張るでしょう。チャンスは転がっていますね。メディアは欧州危機が米国の雇用統計が悪化し…色んなことを言いますが、既にメディアに登場したと言うことは変化する切っ掛けなのですね。株が下げてもまた買えば良いのでしょう。

投稿者 kataru : 2012年06月04日 13:32