今日の市況(2012年06月01日)
かたる:今日は時間がありますから、色んなことを書けるかな?…と考えています。それにしても全面安ですね。このままでは野村証券の存続も怪しく見えますね。基本的に国債を買っている所が儲かっているだけで、市場で話題になりませんが銀行が潤っている筈です。地方銀行も大儲けしているでしょう。調べてみれば分かりますが、地方は投資先がなく、仕方なく国債を買うしかなかったのです。だから本来なら膨大な利益が計上され環境を生かせる場面の筈です。あの負け組の三井生命が繰越損失の1500億円を解消するのですよ。でも株価は冴えませんね。
銀行の唯一の弱点は、中小企業金融円滑法の延長でしょう。私が「亀井静香の悪法」と呼んでいるものですね。一時的な支援は確かに必要ですが、日本の製造環境がドンドン悪化して大企業でも競争に敗れているわけですね。1ドルを100円で維持する努力も放棄しているわけです。もともとユーロも、1ユーロ100円で設定されたはずです。製造業を苛めているわけで、今では根幹の開発部門も海外移転する展開です。能力のある中小企業も海外移転し、国内はサービス業しか働ける場所がないのでしょう。まだ成長を続けているのが介護の世界でしょうね。
ソニーやパナソニックの転落はそういう事ですね。トヨタや日産、ホンダは販売網を独自に持っているから、まだ好調なのでしょう。しかし至る所で韓国の現代自動車に追い上げられ敗退しています。HVの行方がどうなるのか? 中国市場でトヨタがシェアを伸ばせるかどうか? GMが奇跡の復活を遂げたのは、新興国、特に中国で競争に勝ったためですね。グローバル展開で先駆しているのは日産でしょうが株価面では今一ですね。
ファナックに興味を持っているぐらいで…製造業にあまり魅力を感じてないのは、この政策では勝てないと思っているからですね。電力料金は上がり、労働者雇用維持費も上がり、税制も設備償却費も…兎に角、製造業は何処で生産しても良いのです。マーチが逆輸入されると言う意味を、よく考えた方が良いですよ。政治家はこの現実を、どう考えているのでしょう。日銀は折角のチャンスを潰しましたね。市場に支持されない政策など意味がありません。自分達の論理が間違っているから市場が低迷するのです。
規制が競争力を奪う意味を分かっていませんね。2006年は日本村社会への復活劇を採用し、折角、痛みを伴った小泉・竹中内閣の改革チャンスを無駄にしました。今回は世界の中央銀行が流動性を供給し、先進国が甦るチャンスでもありますが…微妙な位置になってきました。日本化現象と世界の中央銀行の流動性供給の戦いですね。既に米国・ドイツ・日本の国債が歴史的な高値になっていると言うことは「流動性の罠」に陥っている現れです。流動性の罠とは、いくら金利を引き下げても投資が起こらない状態を示しています。既に日本は1%以下ですから、金利低下の効果はあまりメリットがありませんね。
長く続くデフレ政策が起こした日本化現象が世界中に蔓延しています。既に日本は不良債権処理も完全に終わっており住専の最終損失も1兆4017億円で確定しました。1989年の政策姿勢で起こったあと処理の話です。米国のGSE問題はまだ片付いていません。AIGがもう直ぐ終わる所ですね。もともと金融政策の後処理は時間がかかります。CDSなどの金融デリバティブの開発が新興国の発展を助けました。そのおかげで中国は躍進できたのです。しかし今は世界中で資金の引き上げが進み新興国の成長スピードはどんどん落ちています。でもおかしな現象ですね。金融デリバティブで膨らんだ仮想金融流動性を、今は実在する中央銀行が補っている最中なのです。しかし仮想流動性の方が圧倒的に大きな額なのですね。だから中央銀行はもっと流動性の供給をしなくてはならないでしょう。
JPモルガンの損失がボルガー・ルールを支持する動きになるから、仮想流動性が萎み、その影響が新興国からの資金の引き上げに繋がっていますね。どこで均衡点が保たれるのか分かりませんが、資源価格も下げています。皆さんには難しいですか? 抽象的な表現過ぎますか? JPモルガンの損失が金融デリバティブのポジション整理に向かい、新興国から資金が引き上げられ、経済活動が鈍るから資源価格が下がるのですね。
つまりアップルのティム・クックCEOが米国回帰を述べた背景は、この動きにマッチしますね。今まではFoxconnに製造委託していましたが、重要部品は米国産になっています。この比率が変わるわけです。購買力平価の話ですが、先進国のGDPを新興国が抜く訳ですから、揺り戻しが起こって当然でしょう。
成長とは何か? お金を集めることなのですね。そのお金を積極的に動かすかどうか? 資産価格は一つの目安になります。豊かになれば大きな家が欲しくなり資産価格は上がります。お金持ちになれば、他人を働かせ儲けようとしますから、株価も上がりますね。ところが、日本にはお金はありますが、清貧思想が金融界に蔓延り、お金を動かないように規制しています。だから日銀が自ら危険資産を買って、割安を強調しても誰も動きませんね。でも長い目で見れば、必ず上がります。次の政策が、間もなく話題になるでしょう。今は欧州危機でスペインが揺れています。しかし時間の問題で流れが変化しますね。FRBは金融緩和を実施しますね。追随して日銀も追い込まれるでしょう。
要するに綱引きなのですね。「流動性の罠」の日本化現象と世界の中央銀行による流動性供給との…。JPモルガンの損失は、ボルガー・ルールと言う金融規制の強化に向かうから、金融デリバティブの仮想流動性を削減したのでしょう。その削減分を今度はFRBなどが補う番ですね。だから間もなく株価は反転するでしょう。細かい欧州危機のニュースの解説は3流アナリストに任せ、僕らは根幹を知ればいいのです。日本は異常ですよ。3%に回る株式を売り0.8%の国債を買うのですね。スリリングな賭けですね。どの世界にも常識では考えられない事が起こるので、マイナス金利もあり得るかもしれません。そのうち、お金を安全に預かるのだから、管理費が当然だと言う理屈で、マイナス金利になるかも知れませんが、それは異常な世界ですね。
JPモルガンのクジラが引き起こした事件が、こんな現象を呼び起こすとは…。「仮想流動性の縮小」と言う解説はカタル独自の見方でしょうが、かたるはそう考えていますね。しかしFRBは市場経済の国の中央銀行なのです。だから間もなく次の対策に乗り出します。そうなると、今度は過剰流動性の25年ぶりの10週連続陽線の世界に入るのでしょうね。要するに馬鹿は、いつも負け組として市場で操り人形になって踊らされるのでしょう。グリーを再び買ってはみたが、まだ早いかな? 海外売り上げは、いつ計上されるのでしょう。

投稿者 kataru : 2012年06月01日 15:22